真・女神転生3 Beginning King of the chaos (休載中) 作:ブラック・レイン
いつの間にかUAが3000を迫る数に……あと評価も高い……!
このプレッシャー……なんだ⁉(錯乱)
ヘルズエンジェルからメノラーを奪うとハイピクシーを筆頭とした仲魔たちに腕を再生されながら怒られた。
また一人で戦ってだのなのだのと。人の頃から一人で戦うことしか知らないから集団戦をするより勝てる確率は高いといったらますます怒った。なんでや。
そうこう言っている間にカブキチョウにあるマントラの捕囚所についた。ここに勇は行ったはず……生きているなら。
オレはカブキチョウに入っていった。
カブキチョウ捕囚所。そこは物が散乱したビルだった。
不気味なのは、悲鳴が聞こえるのだ。
誰もいないのに。悲鳴ばかりが聞こえる。
間違いなく囚人がいる。ただしここではないここに。
ここにもターミナルが存在したので、それがちゃんと動くか確認してから奥に進む。
すると、そこに悪魔がいた。
下半身蛇。上半身人間の男の悪魔は怪しい装置に下衆な笑みを浮かべるとなにやら掲げた。
すると機械の中にその悪魔が入り込んだ。
すると先ほどの悪魔の笑い声が響き、誰かの悲鳴が聞こえた。
なるほど、あれがここではないここに入る装置のようだ。
オレは装置のすぐ真上に張りつき、待ち伏せした。
するとすぐに先ほどの蛇男が現れたのでオレはそいつの頭上から襲いかかり、首を極め、尾を踏んづけた。
「ガブッ!」
目を見開き、抵抗しようともがく蛇男の首を180°回転させて折り、そいつの体を蹴り飛ばした。
「容赦ないわねぇ~」
そういってひきつった笑みを浮かべるのはハイピクシー。
「ちょっとパワーに教わった柔術を試しただけさ」
にたりと笑うとオレは口から泡を吹いて気絶している蛇男から玉のようなものを引き抜いた。
そもそも悪魔が首を折られたぐらいで死ねないのは常識。ある程度長期間首を痛めている状況は続くだろうが、弱い者いじめするやつのことなんか知ったこっちゃないね
オレは気絶している蛇男にむけて鼻を鳴らすと、機械に玉を……【ウムギの玉】を掲げた。
すると機械から謎の煙が放たれ、一瞬でオレの視界を埋め尽くした。
変化は劇的だった。世界から色が無くなり、上下が逆さまになった。
そして誰もいなかった部屋は牢獄に変貌し、マネカタが磔にされ、マガツヒを吸われているのがあちこちで見られた。
情報によるとここはマントラ軍の牢獄であり、マガツヒの製造工場であると聞いた。
マントラ軍が崩壊した現在、生き残りがここを拠点にして今なおマネカタを虐待し、マガツヒを絞っているのだろう。
怒りが沸いた。強者が弱者を虐げる姿はいじめられていた昔のオレをみているようで怒りが湧く。
マントラ残党。皆殺しだ!
「ゆ、許してくれ!マネカタは解放するから!命だけは助けてくれぇ‼」
「そういったマネカタをお前は殺してきたんだろ?今のオレと同じように」
「ヒィ⁉ギャア⁉」
命ごいをする悪魔の首をオレは斬り飛ばした。オレはそいつのマガツヒ、アイテムを強奪する。
仲魔達も周りにいる悪魔をバッタバッタと倒していく。
この世界。竜王 ミズチという悪魔が作った蜃気楼世界というらしい。
閉じ込められていたマネカタからの情報によると、5階に噂の予言がてきるマネカタが閉じ込められているとのこと。
そこには人間の少年も閉じ込められていると聞いた。勇のことだろう。
これは自分で知ったことだが、蜃気楼世界に入り込んだものは一人を除いて現実世界からは視認出来ない。
唯一、なぜかここにいるシブヤで店を開いていた悪魔、ジャックフロストのヒーホー君が蜃気楼世界にいるオレを現実世界からでも視認できた。理由は不明。
蜃気楼世界には何百人ものマネカタが閉じ込められていた。
なかにはギンザ大地下道にいたマネカタもいた。助けてくれと泣きつかれたときには戸惑った。マネカタはどいつもこいつも同じような顔をしているもんだから誰か分からない。
自分で脱獄する意思をもったマネカタはいないのかと思ったが、4階に変な行為をしているマネカタを見つけた。
覗いてみると、動きを縛られていない。なにかで床を掘っているようだ。
オレは声をかけた。
「おい」
「……ギクッ!マントラ悪魔!?」
肩をビクッと震わせ、悲鳴をあげるとポキッという音が聞こえた。
「げげげ!スプーンが折れた!」
どうやらスプーンで床をほじくりかえして脱獄しようとしていたらしい。そいつは悪いことをした。
「どーしてくれんだ!もう少しで穴が掘れたのに……
オマエのせいだ!オレにはスプーンは必要だったのに。責任とれ!」
「わ、悪い!責任とるよ……でも」
今やれる責任をとることといえばこのマネカタの脱獄を手伝うことだが、床をぶち抜いたのならたちまちここにいる悪魔がウジャウジャ集まってくるだろう。
そうなれば、オレたちならともかくこのマネカタが生き残る可能性はない。
考えているとマネカタがハッと何か思い付いた声をあげた。
「そうだ。オマエ責任とってスプーンを手に入れてこい。
どこかの牢獄に、何でも持ってるガラクタ集めマネカタってヤツがいる」
「ガラクタ集めのマネカタ……あいつがここに⁉」
「知っているのか?なら話は早い!そいつを探してスプーンをもらってきてくれ。そーゆーことだ。責任だぞ!」
「分かった分かったよ」
オレはそういうと走り去った。
マネカタ達から話を聞くとガラクタ集めのマネカタは二階にいることが判明した。
そこに行くためにシャッターを操作するという手間をかけなければいかなかったが、なんとか探しだせた。
他のマネカタ達とは少し違う格好をしていたガラクタ集めのマネカタはオレをみると弱りきった声をあげた。
「……キミ…は!?ああ……大地下道で会った悪魔…」
「あぁ久しぶり。元気って、そんな感じじゃねえか」
「ハハ……そうだね。で、助けに来てくれたのかい……?」
「あぁ、だがそのために欲しいものがあるんだが」
「なんだい?」
「スプーンが欲しい。それも強靭なヤツ」
「……え?スプーン?」
何に使うんだと疑問に思ったようだがマネカタはうなずいた。
「……ヨシ、わかったよ。千円札探しでは……お世話になったからね……
ゲホゲホッ………ボクの持ってるスプーンをあげるよ……」
そういうと服の裾から指だけ動かしてスプーンを取り出した。
それを投げてよこすとオレはそれを拾いあげた。
【首狩りスプーン】。そんな物騒な名前のスプーンは確かに強靭そうな代物だった。
「恩に着る。必ず助け出してやるからな」
「あぁ……頼むよ…」
オレは急いで四階に戻っていった。
四階に戻り、例の牢獄に行くと穴堀りマネカタが飛びついた。
「スプーンをもってきれくれたのか?」
「あぁ、ほらよ」
それを投げて渡すとマネカタは変な喜び声をあげた。
「おぉ!なんかスゴそうなスプーンだぞ⁉」
そういうとマネカタは堀かけの床をスプーンでほじくりかえした。
穴は一瞬で掘れてしまった。
「……スゴイ掘れ味だ。一瞬だったぞ。よし。これでこんな所ともオサラバだ。うりゃ!」
マネカタは意気込んで落ちていった。
オレはどうするか悩んだ。このカブキチョウ捕囚所というのはあちこち物が壁になっていて奥へ進めないのだ。
この穴からなら、もしかしたら……
オレは蜃気楼世界から元の世界に一度出て、上下を元に戻した後、その穴に落ちていった。
穴に落ちた後、ミズチのいる場所までの道が分かった。
途中、穴堀りマネカタの悪態が聞こえた。恐らく蜃気楼世界から出られないのだろう。
どのみちミズチは倒すつもりでいたし、倒すとしますかね。
最上階にある広い部屋。そこにミズチがいた。
ミズチはこの捕囚所のあちこちにいたがこのミズチは別格のようでデカイ。マガツヒの過剰摂取だな。
ミズチはオレを見るなりキーキー喚いた。
「オノレ チョコザイナ!
ワシヲ 追イツメタ気ダロウガ、オマエガワシニ勝テル見込ミナド、毛ホドモナイワ!
キサマハ ミズチ様ジキジキノ拷問で、バラバラニ「ファイアブレス‼」グワァ⁉」
うるさかったので口から火を噴いてしまった。あ、弱点のようだ。
それにミズチ、なんか少し縮んだような………へぇ
「零時。あなた今ズッゴイ悪い顔してるわよ」
「分かる?」
「キ、キサマ‼ワシガ話シテイルトキニ!モウ許サ「全員放てェ‼」グワァ⁉」
オレは火炎属性が使える仲魔をフルで召喚し、オレも火を噴いてフルボッコにした。
抵抗してきたが相手がミズチと分かっていて、何度か戦っている以上、対策は立ててある。ワダツミで氷結無効にすれば良い。
ついにミミズレベルにまで縮んだミズチ。わぁーかわいくない。
オレはそれを足で潰した。あは、プチッていった!
「零時。あなたここに来た意味覚えてる?」
「ハッ⁉そうだ、勇!」
オレが部屋の奥に行こうとすると世界に色が戻りはじめた。
どうやらミズチが倒されたことにより、蜃気楼世界が崩壊したようだ。
それに構わず、部屋の奥にある扉をくぐると行くと別の扉からマネカタが現れた。
それもただのマネカタじゃない。ある程度の悪魔なら凌駕できる力を持っている異質なマネカタだ。
そのマネカタはこっちに気付くと驚いた顔をした。
「……!君は………人のような……悪魔のような……
そうか、私の占いに出ていた【人修羅】とは君のことか」
「そうだ(多分)。それより大丈夫か?マガツヒを吸われ続けてたんだろ?」
「大丈夫さ。ミズチを倒してくれて有難う。おかげで蜃気楼の牢が破れ、外に出ることができた。
私の名はフトミミ。知ってるかもしれないが、少しばかり未来を見る力を持っている」
フトミミ。勇が言っていた予言ができるマネカタ。
フトミミは優しそうに微笑んだ。
「君の来る事も感じていたよ。人のような、悪魔のような【人修羅】が我らを解放してくれるとね……」
どうやら噂は本当のようだ。こうして実現したのだから。
そこでフトミミは思い出したかのように言った。
「そうだ、人間といえば、向かいの部屋に少年が捕まっているよ。私を訪ねてここまで来たようだが、さすがに捕まってしまってね。うん……?」
するといきなりフトミミが目をつぶり、頭に指を添えた。マガツヒ不足の不調かと思ったら違うようだ。
「……そうか、どうやら君の知り合いのようだね。
すぐに会ってあげた方がいい。どうも彼には奇妙な気を感じるからね」
「なに?」
問おうとしたが、フトミミは部屋を出る素振りを見せた。
そういえば彼はマネカタのリーダーだった。他のマネカタが心配なのだろう。なら、長居はさせない方が良いか。
「他のマネカタが気になるので私はここで失礼するよ。助けてくれたこと、本当に有難う。……では、また。」
そういうとフトミミは部屋を出て入った。
オレはそれを見届けると急いでフトミミが出てきた扉じゃないほうの扉に向かった。勇に何があったというのだろうか?
扉を開けると、なぜかターミナルがあった。そしてその横に憔悴しきった勇がいた。
が、何かおかしい。勇が纏う雰囲気が。どこか異質だ。
だがこの雰囲気は始めてではない。創世をすると誓った千晶と同様の、どこか悟ったようであり、諦めた雰囲気だ。
いったい、何が……
「勇……?」
呼び掛けると勇はバカにしたように返事をした。
「……何だ、零時かよ。今ごろ何しに来たんだよ?
助けに来たつもりなのか?ハッ、遅せぇっての」
さすがにカチンと来た。命張ってここまで来たというのになんて言い様だ。
「ふざけんな!こちとら必死になってお前を助けに来たんだぞ‼なのになんだよその言葉は!」
「別にいいだろ、どんな口利いたって。何かしてもらったわけじゃないし」
「な……に……?」
オレは絶句した。勇の言葉に、ではない。そういった勇の目だ。
勇のあの目は見たことがないほど暗かった。オレはその目を見たことがある。
昔の、オレの目だ。他人に絶望し、全てが敵に見えた。あの時のオレの目。
他者との関係に失望した目だ。
「もう、オマエとか……祐子先生とかアテにしねぇし、関係ねぇよ。こんな世界で……助けてくれるヤツなんかいるもんか。オレは……一人で生きるしかないんだ」
その言葉で全てを悟った。あぁ、なるほど分かった。こいつも絶望したのか。
勇は【他人】に絶望したのだ。この地獄で、救いの手を探して。それでも助けてくれる奴はいなかった。
この地獄には祈る神すら存在しない。
いるのは、悪魔と死神だけだ。
そのなかで勇はカブキチョウに捕まり、マガツヒを絞られ、その痛みのなかで、壊れた。
勇は疲れた。しかし確固たる黒い意志に満ちた声で語った。
「【真理を求めよ】……この世界に来る時に誰かがオレにそう言う声を聞いた。ずっと何のことか分からなかった……
だけど、ここに閉じこめられたおかげでそいつの手がかりはつかめたよ。
真理なんてものは、人を当てにしてもダメで、自分の中に見つけるしかない、てな。
そしてオレは道を開いた……誰の手も借りずにな。
ここから繋がっているアマラ経路……オレが求めてるものはそこにあるんだ。
オレを真理に導いてくれる偉大な力が……」
勇がそういうとターミナルが不気味に光りだした。まるで呼んでいるように、明滅する光を放っている。
勇はそのターミナルに虚ろな動きで手を伸ばした。
「ほら……オレを呼んでる……」
「勇!」
止めようと手を伸ばすが、遅かった。
勇は一切の音を出さずにふっとターミナルに吸い込まれていった。
「勇………どうして……」
残されたオレはそう呟いた。
答えてくれる者は、いなかった。
勇君が歪む話。
私も受胎に遭遇したらこんな風になってしまうと思います。そもそも生きているかどうか……