真・女神転生3 Beginning King of the chaos (休載中) 作:ブラック・レイン
お久しぶりです皆さま。ブラックレイン復活です。
なんとか試験を終えました。合格かどうかはまだですが投稿をしようと思えるぐらいには暇になりました。
しかし出来ばえは悪いです。あまりにも久しぶり過ぎました。まずはしばらくリハビリですね……
ダンテとの戦闘を終え、失意のなかアマラ深界を進んでいくとあの覗き穴を見つけた。
クイーンメイブの治癒魔法で元に戻った腕で覗き穴の淵を掴み、オレは覗き穴を覗きこんだ。
意志が飛ばされる感覚。ぐるぐると視界が回転していくがそれもやがて収まる。
そして視界に入る、あの舞台。
オレという観客が入るのを感じたのか、幕が上がり始める。その向こうにいるのは、喪服の女と車椅子の老紳士だ。
「二銃を掲げる、底無き力の剣士…その者との戦いも無事切り抜けられたようですね
この先も、その身に宿した悪魔の力があなたを助ける事になるでしょう。
力というもの。人は、皆それを欲し、求めます。
光であろうと闇であろうと…どちらであっても人は頼り、祈るのです。
己やその周囲に力を与えて貰おうと…
此度は、あなたも良く知る女性が、世を救おうと信じて祈っていった神について教えて差し上げましょう」
「アラディア…このボルテスクに居る事が許されない、異世界より迷い込んだ虚構の神…
時空の解け流れるアマラ宇宙…ここには無数のボルテクスが存在しています
その内の一つが、アラディアが本来、在った所。
あなたも知ってのとおり…このボルテクスは、元の世界から真なる力で生み出された正統なる世界
しかし、その影には、世界で虚構とされた者が集う世界もあります。
そう、それがアラディアが元居たボルテクスなのです
そこに住む者達の願い。それは虚構たる自らの存在を現実へと変える事。
その手立てを探すため、彼等は自らの世界を飛び立ち、アマラの海を越え、創世の力を持つボルテクスへと向かうのです
アラディアは、夢想にて創り出された、悲しき救い神
強き神に追われ、迫害を受けた魔女らの求めから産まれた存在です
魔女らは、アラディアに、自分達が力を授かり自由を得ること、そして生に苦しむ民衆らが救われることを祈りました
しかし、アラディアはその姿を地上に現すことは無く、魔女らも救われる事はありませんでした
アラディアはただ徒に希望を与えるだけの神でしかなかったのです」
「神が創りし人間が、新たな神を創り出す…アマラの宇宙であれば、そういった神もありましょう
ですが、所詮アラディアはよそ者。このボルテクスに許されぬ者にどこまでの事ができましょうか
『救われぬ自由』の神に…
様々な者達が、様々な言葉をあなたに投げかけているでしょう
混沌の魔人たち…絶対なる者の声…そして私たち。これだけは覚えておいてください。
私達はアマラの悠久の流れの中、あなたが来るのを…時が至るのを待っていたのです。
メノラーとこのアマラ深界の因果。全ての者が待ち焦がれている新たな混沌の悪魔。そして我が主が待つ最後の刻………
理解できない事だらけよね。零時君…もし君が全てのメノラーを集めて、もう一度ここまで来たら…その時には教えてあげるわ…全ての疑問の答えを」
幕が閉じ、意識が戻ったオレは先の喪服の女の言葉について考えた。
祐子先生が降ろした神、アラディア。あの女の言葉が真実ならばアラディアはこのボルテクスでの活動……恐らくは創世を許されない存在であるということだろうか。
そしてアラディアの存在を否定する。【強き神】
その存在は一体なんだろうか?
世界の意味、受胎の意味、そして創世の意味。
そして、ここの住人がオレを必要とする意味。
このアマラ深界にはその答えがある。
オレの知りたい、すべての答えがあるはずだ。
それを知るには残りのメノラー、そのすべてを集めるしかない。
オレは重い体を引きずり、アマラ深界を出ていった。
ターミナルでアサクサに戻るとヒジリがすぐさま報告を行ってきた。
「よぉ、零時。実はつい先程興味深い情報が手に入ったんだ」
「興味深い情報?」
オウム返しに聞くとヒジリはしばいがかったように両手を広げ、ご清聴願おうかと言った。長い話になりそうだ。
「新しく世界を創るには『どんな世界を創りたいか』という理念が不可欠なんだ。この理念を【コトワリ】という」
「コトワリ……」
【理】ということだろうか。しかし理念が世界を創る鍵になるとはね……とは思うが、マガツヒという人々の想いによって構成された悪魔をみればそれも無理からぬことか。
「そしてこのコトワリを手にするには【守護】と呼ばれる偉大な神の加護が必要なんだ。世界創造で大量のマガツヒが必要とされるのもこの守護にある」
そこから先は言われなくても予想がついた。
「守護を召喚するためか?」
「正解」
ヒジリのその言葉にオレは思案する。
ならば守護というのは悪魔……または悪魔に近しい何かということになる。
悪魔というが、この世界では神も天使も妖精ももまとめて悪魔なのだ。
そして悪魔が欲しがるマガツヒ。そのマガツヒは人の想い。
想いは形になる。どこかの小説にあった一文をそのまんま表しているようだ。
オレがそう想い、フッと内心で笑うとヒジリがあ、そういえばと声をあげた。
「先程アマラ経絡の中で人間にあったぜ」
「あ?アマラ経絡の中で?」
あの道がコロコロ変わる地獄に人間?よっぽど不運な奴か頭のおかしい奴か……っ⁉まさか⁉
「マントラに捕まっていた人間だ。『勇』って奴だが、知ってるか?」
「っ………やっぱり勇かよ……!」
新田 勇。真理を一人で見つけるとかいってカブキチョウ捕囚所のターミナルからアマラ経絡に向かったオレの親友。
「その様子だと知っていそうだな。そいつ、すっかりアマラ経絡の住人と化していやがったよ。普通はアマラ経絡に飲み込まれるなり、どこか飛ばされたりするものなんだがな……」
ヒジリの言葉にオレは再び思案する。
勇はアマラ経絡に消える際、呼んでいると言っていた。つまりはアマラ経絡に呼ばれていたのではないか?
だとするならアマラ経絡には意志があり、その意志は勇を気に入ったということになる。
「こんな世界だ。他人に構っている余裕はないが……気になるってんなら、勇に会った場所の近くまで飛ばしてやってもいいぜ?」
ヒジリの問いかけにオレはまったをかけた。
「あそこは何が起こるか分からねぇ。準備してくるから待ってくれねぇか?」
「………分かった。こちらはいつでも出来る準備はしておく。警戒しておくことに越したことはねぇ。しっかりしておけ」
ヒジリの言葉に頷くとオレはターミナルから出ていった。
この時、オレは不審に思うべきだった。
ヒジリの言葉。あまりにもアマラ経絡を知りすぎているその言葉。
そうすれば、少しは彼にも救いようはあったはずなのに……
零時の仮説はあくまで仮説です。答えではありません。
次回は創世を目指す者たちの問いがあります。このシーンは真・女神転生3の名物。しっかり書けるか……?