真・女神転生3 Beginning King of the chaos (休載中)   作:ブラック・レイン

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今回オリジナルが入りまーす。

登場は少しだけですがこれが人修羅に大きな影響を与えます。








死の影とフトミミの予言

 

アマラ経絡を鬱々とした気持ちで進んでいくと出口が見えた。

 

前は出口だと思って入ったらアマラ深界にいたんだっけ?

 

オレは警戒しながら出口に行こうとして……

 

落とし穴に落ちた。

 

「はへッ?」

 

今まで罠という罠に引っ掛かったが、ここまで安直な物には引っ掛かったことがない。

 

オレは間抜けな声をあげながら落ちていった。

 

最後に見たのは、クイーンメイブがなにやら叫んでいた姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつつ……!ここは……」

 

落とし穴に落ち、辺りを見渡すが全く無意味だった。

 

なにしろ辺り真っ暗。悪魔になり、相当な視力を持っているオレですら見えないということは光源が何一つないということだ。

 

否、オレの全身に走る刺青がぼんやりと光ってはいるが、本当にぼんやりとなので光源としての役には立たない。

 

なら、とオレは物置空間を呼び出した。【光玉】という暗闇を晴らし、辺りを明るくするアイテムを取ろうとした。

 

その時だった。

 

「ッ⁉」

 

全身に鳥肌が立った。

 

寒さ、ではない。恐怖でだ。

 

そのときになってやっと気づいた。

 

オレの目の前に、何かがいることに。

 

「…はっ……ッ⁉ッ⁉」

 

誰だという声が恐怖のあまり出せない。歯がガチガチ鳴るのを止められない。頭の中で自分が死ぬ運命が浮かんでは消え、浮かんでは消える。

 

こんな体験は魔人に相対すれば何度も味わえる。だがその何かが発する『死の気配』はオレが今まで戦ってきたどの魔人よりも遥かに濃密だった。

 

間違いなく、こいつがオレを殺そうと動けばオレは死ぬ。

 

せめて死ぬ前にその正体ぐらいは暴いてやろうとオレは何かを目を凝らしてよく見た。

 

ここでオレは恐怖の中で疑問が浮かんだ。

 

その何かは真っ黒だった。それならまだいい。もっと奇抜な存在なんて悪魔には掃いて捨てるほどいる。問題はその形だった。

 

それは不定形だった。ぐにゃぐにゃと軟体生物なんて目じゃないくらいに形がない。

 

だが目が無くとも、耳が無くとも奴はオレを見ている。その気配を読み取れば、この黒い何かがオレを注視していることぐらいは分かる。

 

オレは覚悟した。せめて一矢報いるためにオレは拳を構える。

 

しかし黒い何かはなぜか動かない。ずっとその場でぐにゃぐにゃしているだけだ。

 

その様子を訝しんでいると黒い何かが変化した。

 

どんどん……どんどん縮んでいき、何かの形を創ろうとしている。そしてその変化は終わった。

 

シルエットがぼんやりと見えるぐらいだがオレは何の形になったのか理解した。

 

それは少女だった。長い髪。ゆったりとした服装は現実世界ではなんの遜色もない少女の姿だった。

 

だがそんな可愛らしい姿になっても目の前の存在が発する『死の気配』は変わらない。オレは息を呑みながら少女の形になった何かに対して構えた。

 

すると少女は肩を震わせる仕草をした。それがクスクスと笑っている仕草だと気付くのに一瞬遅れて気づいた。

 

何かがオレに向かってヒタヒタと近づく。オレは拳を振り上げようとした。だが。

 

「…あっ……ッ⁉」

 

全く体が動かない。

 

一瞬、バインド……神経属性と呼ばれる動きを阻害する魔法でも喰らったかと思ったが違う。その死の気配に体が動かないのだ。

 

そのことに戦慄していると何かがオレの頬に手を添えてきた。

 

その行動の理由を計りかねていると

 

次の瞬間、想像もしていなかったことをされた。

 

少女となった何かが、接吻。つまりキスをしてきたのだ。

 

「⁉⁉⁉⁉⁉⁉」

 

オレは心底驚いた。頭の中が真っ白になって……ッ⁉

 

なぜか目の前にもやがかかる。いや違う。これはオレが意識を失いかけて……?

 

オレは何かに唇を奪われたまま意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……じ………………れ…じ………零時!」

 

いきなりの意識の覚醒。混濁する意識の中で誰かの声が響く。

 

瞼を開けるとクイーンメイブの姿が確認できた。

 

ガバッと起き上がり、状況を確認するとターミナルのある部屋だった。

 

オレは起き上がり、ターミナルの部屋の隅に急いで駆けると。

 

思いっきり吐いた。

 

悪魔になってから何も口にしなくても腹は減らない体になっていたので、胃の中は空っぽ。それゆえ胃液しか出てこなかった。

 

「ちょ……⁉流石に洒落になってねぇぞ!」

 

ターミナルのそばにいたのかヒジリの避難の声が聞こえたが、今のオレにそれに構う余裕はなかった。

 

一通り吐き出してしまっても、体の震えが止まらなかった。元より青白い肌がさらに青ざめているのが自分でも分かる。

 

「どうしたのよ一体⁉」

 

クイーンメイブがオレに回復魔法をかけながら問う。

 

回復魔法は意味がないようで全く調子が戻らなかったが、答えることは出来た。

 

「……やばい奴に……会った……あれは……やばい……なんだよあれ……ハハッ……なんで死んでねぇんだろ……オレ」

 

恐怖のあまり頭のネジが飛びかけているのかまともな返答は出来なかったが。

 

オレはそういうとまたコトリと気絶してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カグツチが何回か満ち欠けを終える時間を経てオレはミフナシロに向かっていた。マネカタのリーダー、フトミミが重大な予言をするらしい。

 

落ち着くとオレは仲魔とヒジリにオレが穴に落ちたあとどうなったのか教えてくれた。

 

あの後仲魔達はアマラ経絡から一度抜けてターミナルでオレを探すようヒジリに要請するがヒジリの手をもってしてもオレを探せなかったらしい。

 

慌てる仲魔達だがいきなりターミナルが黒く光りながら回転するとオレを吐き出したらしい。

 

ヒジリも仲魔達も何がなんだか分からない、とのこと。調査はアマラ経絡に詳しいヒジリに任せることにした。

 

オレはとにかく明るいところにいようと外に出た時にフトミミの話を聞いたということだ。

 

さて、重要な予言とはなんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミフナシロの入り口。フトミミからここから先は通せないと言われた場所に向かうとたくさんのマネカタがいた。

 

そしてそれに相対するようにフトミミがいた。

 

フトミミは仲間のマネカタ達に向かって声を張り上げた。

 

「皆の者、聞いてくれ!これからの話は我らの行く末を決める大事な話なのだ!」

 

フトミミがそういうとマネカタ達がざわつく。

 

フトミミはそれに負けないよう言葉を続けた。

 

「マントラの支配を逃れて後、我らマネカタ達は安住の地を創ろうと努力している。だがそれを無にするような、我らマネカタを脅かす力が再び生まれようとしている」

 

マネカタ達の声に恐怖と不安の声が混じる。フトミミはそれを手で制すと言葉を続けた。

 

その言葉は、オレに衝撃を与えた。

 

「そう、それはヨヨギ。邪悪なるその力はヨヨギ公園にて生まれようとしている」

 

「何……?」

 

ヨヨギ公園といえば妖精達の住み処。そして今はクイーンメイブとなった相棒の故郷ではないか。

 

そんなところからマネカタを脅かす力が生まれる?どういうことだ。

 

「今はまだ気配でしかない。しかし一度生まれれば世界を動かすほどの災いになるだろう。しかし皆の者。臆してはいけない。我らは力を併せる術を学んだ。邪悪なる力が来たとて皆で力を併せれば必ずや追い返せるだろう

今まで以上に働き、鍛え、その時に備えよ。ヨヨギ公園の邪悪な力にも、我らは決して負けない……」

 

フトミミは瞑目すると呟くように言葉を続けた。

 

「未来とは変えるためにある。自らの道は自らの手で切り拓くのだ。その先にはきっとある。我らマネカタが苦しみから解き放たれる世界………我らマネカタのみの世界が必ず来るのだ」

 

フトミミはマネカタ達を静かに鼓舞するとミフナシロの奥に去っていった。

 

オレはそれを見届けるとそばにあるターミナルに向かった。

 

はてさて、これは………クイーンメイブにどう説明するか……

 

 

 

 

 

 





人修羅の刺青って暗いところだと幻想的にボヤァと光るんですよね。

わざわざそれを見にダークゾーンに行ったりします。

あ、感想・質問受け付けてまーす。

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