真・女神転生3 Beginning King of the chaos (休載中)   作:ブラック・レイン

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そして(まともな人間は)誰もいなくなる……





野望の連鎖

 

魔丞と化した千晶の力は凄まじく、オレは広間から追い出されてしまった。

 

あそこまで力を残していたゴズテンノウの執念と、その力をすぐにあそこまで上手く使えてしまう千晶の才能に少し恐怖した。

 

イケブクロには天使が集結しつつあった。あちこちで天使の姿を見かける。

 

天使にとっては、世界には選ばれた者のみが生きていれば良いというヨスガの選民主義は理想なのだろう。

 

オレにとっては凄まじく嫌悪感が湧くことだが。

 

生き死にすらも強弱で決められてしまうことが、あっていいわけがない。だがこのボルテクス界での創世戦争はそのあってはいけないことが存在するべきものに出来るものだ。

 

ヨスガの創世はなんとしても阻止しなければ。さもなければ、マネカタのような存在が世界中に溢れることになる。

 

……………なんで、そんな世界を夢見る?千晶。

 

「……ッ‼」

 

オレは心の中で湧き出た親友に対しての怒りに歯を食い縛り、眼前の天使を殴り、頭を吹き飛ばした。

 

仲間をやられた復讐にきた天使どもをちぎっては投げちぎっては投げ………を繰り返していると…

 

「………ッ⁉」

 

イケブクロの南から、強力な悪魔の気配がした。

 

またか!またか力に狂った奴がいるのか‼

 

オレはそれに怒り狂い、天使の残骸を蹴り飛ばすとイケブクロの南、カブキチョウに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒホホー‼オイラサイキョーになったホー‼」

 

カブキチョウ捕囚所は巨大な冷凍庫の中のように凍てついていた。

 

氷結属性を得手とする悪魔が暴れていると思い、最上階まで行くと。

 

あれだけ可愛らしいかった妖精 ジャックフロストが巨大になり、真っ黒に染まってピョンピョンしていた。なんと名前まで変わっている。

 

夜魔 ジャアクフロスト。強さもジャックフロストと比べてしまうのもバカバカしく感じてしまうほど強い。

 

しかしジャアクフロスト。性格は基本変わらないようで、純粋に力を求めた結果、闇に堕ちたということみたいだ。

 

微笑ましいが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今はただ憎たらしいだけだ。

 

「死ね‼」

 

「ヒホー⁉」

 

不機嫌だったオレは仲魔とともにジャアクフロストをリンチにしてミンチにした。

 

ジャアクフロストはマガタマを落として消え去った。どうやらこれで進化したらしい。

 

悪魔にも効果があるのかと軽く戦慄しながらもマガタマ 【サタン】を拾い上げ、オレはカブキチョウ捕囚所から抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イケブクロ・カブキチョウエリアからアサクサまでターミナルで移動した。

 

あまりにも創世に動く人数が多すぎる。勢力争いについてなど情報が必要になってきた。ヒジリの力が必要だ。

 

彼なら、アマラ経絡を通して情報を知れる。

 

ターミナル移動によるアマラ経絡の高速移動を終え、ターミナルをいじっているはずのヒジリの方へ振り向く。

 

オレは絶句した。

 

ヒジリの姿は変わらない。連日調査を行い、やつれたり服が所々擦りきれていたりしていたが、見た目が大きく変わったということはない。

 

オレが絶句したのはヒジリが纏う雰囲気。

 

悟った顔をし、ギラギラとした目をしている。

 

やめてくれ。まさか………まさか……!

 

「ヒジリ……?」

 

掠れた声でなんとか言葉を紡ぐ。

 

ヒジリはいつもと違った、重々しい言葉を投げ掛けた。

 

「よう、零時。イケブクロは大変だったな。…死に損なったゴズテンノウが復活か。厄介にならなきゃいいがな」

 

表面上、その言葉はボルテクス界で起こった厄介事を愚痴るいつもと変わらない。

 

だがオレにはその厄介という言葉が、自分の夢を阻む者に対する黒々とした怒りに満ちているように感じた。

 

やがてヒジリはギラリとした目をオレにむけ、挑発的に笑ってみせた。

 

「……何でも知ってるんだよ、俺は。すべてを手に入れたからな。このターミナルがアマラの力で俺に何でも教えてくれる……例えば、今ボルテクス界で起こっていること……

失われたマガツヒを求め、氷川が向かったトウキョウ議事堂。

千晶とかいう小娘がゴズテンノウの力を手にいれたこと。

忘れられた神殿に眠る大量のマガツヒ。

マネカタどもがコトワリを求める聖地ミフナシロ。

そして……!」

 

陶酔したように言葉を続けていたヒジリが首を振って言葉を切った。

 

「ボルテクス界の調査は終了だよ。もう調べる必要なんかありやしない。俺以上に世界を知ってるやつはいないんだ」

 

そしてヒジリは大仰に両手を広げ、オレが何度も聞いてきた禁忌の言葉を叫んだ。

 

「だから俺がやるべきなんだよ!世界を創り出すのは俺なんだ!氷川でも、先生でも、おまえでもない!俺自身が! 世界を! 俺を!全てを創り変えるべきなんだ!」

 

「ヒ……ジリ……!なんで……お前まで…?」

 

オレはただの人間であるはずの、しかしそれゆえに創世の野望を持つ権限をもつヒジリに戦慄し、一歩身を引いてしまった。

 

なぜ?なぜどいつもこいつも創世に狂う?あんなに優しかった人々が、オセロがひっくり返るよりも簡単にここまで豹変する。

 

一体、アマラに……この世界に何があるってんだよ……!

 

オレはその言葉を叫ぼうとした。しかし、その前にターミナルに異変が起こった。

 

ターミナルが、誰も操作していないのに光り、回転を始めたのだ。

 

ヒジリはそれを見て、驚愕の表情をし、次の瞬間には怒りにその表情を歪めた。

 

「来やがった、勇だ!コイツ、くたばってりゃいいものを……誰がオマエにアマラの力を渡すか!!」

 

ヒジリはそういい、ターミナルを操作しようとした。

 

だが今度はヒジリに異変が起きた。

 

ヒジリの体が、ターミナルへ引っ張られているように動き始めたのだ。

 

「…なに!? 俺を引きずり込む気か!!う、ウオオオオォォォォ!」

 

ヒジリは必死に抵抗するが、人の身であるヒジリには力が無さすぎた。あっけなくターミナルに引き込まれる。

 

ヒジリを引き込んだターミナルは回転を止めたが、未だ光続けていた。

 

まるで、ターミナル自身がオレを呼んでいるかのように。

 

「………………」

 

オレは無言でそれを睨んでいたが、覚悟を決め、ターミナルを回転させた。

 

ターミナルを使ったアマラ経絡への侵入は三度目。その感覚が体を包み込み………

 

オレはアマラ経絡へと飛んだ。

 

答えを見つけるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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