真・女神転生3 Beginning King of the chaos (休載中) 作:ブラック・レイン
ここのダンジョンは好きです。
しかしギミックがひどい!何度も迷いました……。
アマラ経絡を一直線に進むオレはすぐに異物を見つけた。
このアマラ経絡を、恐らくヒジリ以上に把握したオレの親友。新田 勇の姿だった。
「……おいおい、零時。オマエがわざわざ何のためにここへ来たんだ?オレと会うためにはるばる来たのかい?
それとも……アイツを心配して追ってきたのか?」
オレを値踏みするようなその目に寒気を覚えながらもオレは毅然とそれを見据え、目に怒りの炎を宿らせて答えた。
「両方だ。どいつもこいつも創世の野望を口にしてさ。…………オレは全てを知りたいのさ。分かるだろう?オレの性格のことはさぁ」
怒りが声に出ないよう普段の軽さを維持しつつもオレは勇にそういうと、勇は気のない声をあげた。
「あぁそうかい。なら、この先にあるアマラ神殿まで来な。そうすりゃ鈍いお前のために教えてやるぜ。あいつが何を企んでいて、お前を利用していたのかをな……」
勇はそういうと消え失せた。
「ちっ……そう簡単には教えねぇってか……何を企んでやがる……」
「零時、間違いなく罠よ。下がるべきだわ」
いつの間にか現れていたのかクイーンメイブが勇のいた場所を睨み付けていた。
「…………そうだろうが。行かないっていう選択肢は選べないね………それに……!」
「キャッ!」
オレはクイーンメイブを突き飛ばし、体当たりしてきた何かを蹴り飛ばした。
「お前らもいい加減しつこいぞ。スペクター」
オレは吹き飛んだ金色の靄の悪魔、スペクターに向けて忌々しげに吐き捨てた。
「ウォマエ、クウマデ、ウォレ、タタカウ……ウォレ、ウォレノシアワセノタメニ、タタカウ!ダ、ダカラ、シネエエエエエエエ‼」
耳障りな声とともにスペクターは大量に仲間を呼ぶ。
オレはスペクター歪んだ怒りに満ちた声に負けず劣らずの怒りの声を返した。
「………お前の幸せなんか、知ったことかよ」
オレは仲魔を最大まで呼び、叫んだ。
「一切の情けはかけるな。全員ぶっ殺せェ‼」
オレが叫ぶと仲魔達はそれぞれの掛け声をあげてスペクターの群れに突っ込んだ。
オレも拳を握り、スペクターの群れに突っ込んでいった。
「手間かけさせやがって……憎たらしい……!」
オレはそう吐き捨て、スペクターの残りを踏み潰した。
今回こいつは玉砕戦法で来たのだ。少し死にかけたら【自爆】でドーン。お陰で片腕を吹っ飛ばされた。
クイーンメイブの回復で再生したが、生えた腕というのはしばらく動かしづらいものなのだ。こんなことに手間かけさせたこの外道は本当に憎たらしい。ニヒロ機構やヨスガのような軍勢をもっていたらアマラ経絡内のスペクター全てをぶっ潰してやりたい。
オレはマガツヒと化したスペクターを一瞥すると無言でアマラ経絡の出口を進んだ。
サンノウ・ナガタチョウエリア。情報によれば、虚無空間に周りを沈められ、孤立したエリアと化しているとのこと。
………だからこそ、孤独こそ幸せになれると考えているムスビのコトワリには合っているのかもしれない。
しばらく探索していると、異常な光景が目に入った。
神殿。そうとしか言えない形状の建物がドカンと建っていたのだ。
オレはヒジリが口走ったことを思い出した。
『マガツヒが大量に眠る神殿』
「もしかして、ここがそうか……」
そうだとするなら勇の目的はここのマガツヒを使った守護と呼ばれるカミサマを降ろすことになる。
だが、それならさっさと守護を降ろせば良いのに、なぜあいつは守護を降ろさない?なぜオレを誘うような素振りを見せる?
色々と疑問を浮かべながら神殿内部に進むとどこからともなく勇の声が聞こえ始めた。
「……ノコノコとやってきたね。よくよく物好きなヤツだ」
「よく言うねぇ。こちらを煽るように動いているくせして」
オレがそういうと勇から苦笑する気配がした。
「……相変わらず、他人の動きを悟るのと読むのは鋭いな。さすがは策士。……まぁそうカッカするな。今は、その扉をくぐりな」
勇が言う先には巨大な扉があった。
その扉を開け、さらに奥に進むと…
「うわ……!」
そこには絶景があった。
神殿中央は湖のように液体が並々と存在していた。その上に浮かぶよう道が続き、十字路を形成している。
そして十字路の各奥にはピラミッドのような物が建っていた。
そして何よりも目を引くのは十字路の中央に浮かぶ謎の巨大キューブ。なぜだか分からないが、それからは大きな力を感じた。
その光景に圧されているとまた勇の声が響いた。
「ここは、オレがアマラを調べていて見つけた忘れられた神殿。
ここの中枢には膨大な量のマガツヒが貯まっている」
なるほど、やはりここがマガツヒが大量に眠る神殿か。
だがそれなら先程も思った通りさっさと守護を降ろして然るべきだろうに、勇は何をやっているのか?
その疑問に答えた訳ではないだろうが勇の声が忌々しげに刺を孕んだ。
「……ところが、何処からか流れ着いた3つの異邦の神が居座っていて、マガツヒを自由に出来ないんだ」
なるほど、だから守護を降ろせないのか。
オレがそう思うと勇の声が今度は悪意を孕んだ。
「そこで……だ。オマエ、もしこの男を助けたいってんなら、その三神を倒して来い」
「なっ……!ちっ……」
今度はオレが忌々しげに舌打ちした。人質か。ずいぶんとベタなことをやりやがる。
「それが出来たら、オレたちが居る中枢へ入れてやる。
せいぜい、頑張るんだな」
クックッと笑いながら勇の声が遠退き、やがて聞こえなくなった。
「…………shit」
オレはそう吐き捨てると水に浮かぶ床を思いっきり叩いた。予想よりも固く、痛かった。
だが、ヒジリを助けるためには勇の言う通りにしなければならない。ヒジリは生身の人間なのだ。今の勇ならズタズタにできるだろう。
それに勇と直接会わなければ創世を止めることもできない。
今は、なによりも知ることが大切だ。
待っていたって、何も始まらない。
オレは神殿を睨み、ピラミッドをひとつ選んでそこへ進んでいった。