デスペラードM ✕ G 終焉へ導く5人の風   作:BroBro

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文才だ……文才をくりぇぇぇぇぇぇ!!
はい、という訳で、続きです。


接触 ミッテルトvsミヌアーノ

 

 

 

俺の妙に長い仕事が終わった。

 

今日は午前中授業だけだったから暇な時間が多い。と言うわけで、俺は空いた午後の時間を近所の公園で過ごしていた。

 

 

「暇だ……」

 

 

正直言って暇過ぎる。公園のベンチでコーヒーを飲みながらボーッと周りの景色を見るだけ。俺の事を知らない人間から見ればホームレスに見えるだろう。

 

アームストロングのおっさんもどっかに行っちまったし、モンスーンはあの格好だから昼間に外に出歩ける訳がない。

 

…そう言えば、モンスーンは自分の過去の事を知りたがらなかった。どうやら日常生活に組み込まれた殺戮と言う行為は覚えていた様で、少々自分の過去の事を思い出したくないらしい。

 

奴が嫌と言うなら無理に思い出させる事もないが、そうなると話し相手がいなくなる。俺に暇な時間が多く生まれてしまう。

 

あれでも昔は俺の唯一の話し相手だったんだ。よくちょっかいを出されたがそのお陰で暇な時間が少なくなったとも言える。

アイツが記憶を取り戻そうと思わない限り、俺とモンスーンとの間でまともな話は出来そうにない。せっかく丁度いい暇潰しが出来たと思ったんだがな……。

 

だが……

 

 

「まぁ、偶には暇なのも良いがな……」

 

 

未来では暇な時が殆どなかった俺には、こうゆう時も必要なのかもしれないな。

 

そう思いながら、俺は公園のベンチで浅い眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

肌寒さに目が覚めた。空は薄暗く、太陽も既に山に隠れてしまっている。仕事帰りと思われるスーツの男ばかりが道をショートカットする為に公園を通っている。子供は1人もいない。

 

 

「…寝すぎたな」

 

 

昼寝のつもりが確実に寝すぎた。恐らく時刻は午後の6時を回っているだろう。帰ったらモンスーンになんて言われるか分かった物じゃない。

 

俺は学校に帰るために寝癖を直しがらベンチから立ち上がる。

 

 

「ん?」

 

 

だが、そんな俺の前を仕事帰りのサラリーマン以外の人間が通り過ぎた。

 

体全身を純白のシスター服と思われる物で包み、近くのスーパーの袋を抱えながら小動物の様に走っていく少女。

 

明らかに周りの風景と場違いだ。それにもう一つ気になる点がある。

 

それは俺の目の前に落ちている1つの真っ赤なリンゴだ。俺の前を通り掛かった時にボトッと落としていった。

 

流石にこのままじゃ邪魔だ。

 

 

「おい」

 

 

呼び止めてみた。

 

 

「はわ!」

 

 

シスター服の少女は奇妙な悲鳴を上げて少し飛び上がった。まぁそんな事はどうでもいい。

 

 

「ほら、落ちてたぞ。お前のだろ?」

 

「あれ?…あ、ありがとうございます!」

 

 

俺は少女にリンゴを差し出した。

 

英語か…どうやら俺が日本語でし話しかけたせいで戸惑った様だ。

 

少女は自分の買い物袋を確認し、リンゴが無いことを確認すると礼を言いながらリンゴを取る。

 

……そう言えば前に一誠が教会の娘と知り合ったとか言っていたな。恐らくこの娘の事だろう。

 

少し聞いてみるか。

 

俺は少女に改めて英語で話し掛ける。

 

[注意] 分かりやすいように日本語表示にしますが、サム達は英語で話します。

 

 

「なあ、兵藤一誠と言う男に道かなんか教えて貰ったか?」

 

「え? あ、はい、親切に教会までの道を教えてもらいました。一誠さんの知り合いの方ですか?」

 

「…そんな所だ」

 

 

教会の者、つまりは悪魔の敵だ。まさかこうも簡単に接触出来るとは思いもしなかった。連中の隠れ家を見つけるいい機会かもしれん。

 

もう少し探ってみよう。

 

 

「教会の者なのか。その格好からするとシスターか?」

 

「はい、最近この町に来ました」

 

「なるほどな、だから教会までの道が分からなかったのか」

 

「はい…本当はフリード神父に道を教えて貰ってたんですが忘れてしまって……私、おっちょこちょいですから…」

 

 

少しづつしょぼくれていくシスター。コイツはもう少し自分に自信を持った方がいいな。

 

このままでは黙るのも時間の問題だ。何とか自信を持たせて情報を聞き出さねばならない。

 

 

「過去の小さい失態を一々考えていたら面白くないだろう。それに、お前はもうアイツに教えて貰った道は覚えたんだろう?」

 

「…はい、もう覚えました」

 

「ならお前は過去の失態から学んでいると言う事だ。これは簡単な事に思えて実は難しい。それをお前は出来ている。少しは自分に自信を持て。自虐だけでは未来へ生きていけんぞ」

 

「……自分に自信を持つ……」

 

 

俺の経験から少し説教じみた事を言ってしまった。こう言う行為は慣れないな…。それにシスターは顔を伏せてしまった。どうやら失敗した様だ。やはり慣れない事をするもんじゃないな…。

 

 

「…分かりました、私、自分に自信を持ってみます!」

 

「お、おう」

 

 

成功していた様だ。全く、このシスターは結構面倒だ。

 

だが、これで情報を聞きやすくなった。それに何故か少し信頼された様で、俺に自身に満ちた目を向けてくる。…厄介な事になりそうだ。

 

 

「自己紹介がまだだったな。俺は『ミヌアーノ』だ」

 

「私は『アーシア・アルジェント』と言います。この先の教会でシスターとして主にお仕えしています」

 

「教会…と言う事はまだ他に悪魔祓いとかがいるんだな?さっきお前が言っていたフリードって奴とか」

 

「はい、ですが最近ではレイナーレさまとか…」

 

「レイナーレ?それは一体どういう……」

 

 

 

バサッ…

 

 

 

順調に情報を聞き出している時、暗くなった周囲に大きい羽音が響き渡った。

 

そして感じる殺気と凶気。

 

それは俺の背後から確実に俺に向けられていた。

 

 

「ミッテルトさま……」

 

 

アーシアが俺の背後を見て呟く。

 

その声に続いて俺は後ろを向き羽音の正体を確認する。

 

 

「何をやっているのかしら?その殿方は?」

 

 

そこにいたのは、背に黒い羽根を生やした女だった。周囲の闇に溶け込むような翼と黒い髪。そして全体的に黒い服。恐らく堕天使で間違いないだろう。

 

ミッテルトと呼ばれたソイツは、俺を差し置いて後ろのアーシアに話し掛けた。

 

ミッテルトから聞かれた問に、アーシアは慌てながら状況を説明する。

 

 

「えっと…この人は私が落とした物を拾ってくれた優しい人です……」

 

「そう、それじゃあもう用は済んだわけね。じゃあ速く教会に帰りなさい。皆貴方を心配してるわ」

 

 

感情が篭っていないミッテルトの言葉。そして物を見るような瞳。コイツは恐らく人間をゴミの様に扱う奴だ。

 

俺が1番苦手なタイプの生物だ…。

 

そのミッテルトの言葉に、アーシアは買い物袋を持ち直しながら心配そうな目をこちらに向ける。

 

 

「あの……ミヌアーノさんは……」

 

「私は何もしないわ。だから安心して教会に戻りなさい」

 

 

アーシアとミッテルトの少しの会話の後、アーシアは少し安心した様な表情をしながら俺に振り返る。

 

 

「は、はい…ミヌアーノさん。ありがとうございました……」

 

「ああ……」

 

 

深々と俺に頭を下げて礼をする。そして、アーシアは完全に公園から姿を消した。

 

さて、ここからが本番だ。

 

俺はミッテルトに振り返る。

 

 

「お前は誰だ?」

 

「私に気安く話しかけるな、人間。たかが人間如きに話す口は無い」

 

 

ハッ、そんな事だろうと思ったぜ。だが俺は既にコイツの名前も種族も知っている。

 

少し挑発して見るか。

 

 

「そうかい。まぁ、気高き堕天使であるミッテルトさまじゃあ、話す口もないよなぁ?」

 

「貴様…私の名を気安く呼ぶな!」

 

「ハハハッ」

 

 

激高したミッテルトは俺にデカイ声を上げる。少し名前を呼んだだけでこれだ。堕天使は自分の名に過剰な誇りを持っているらしい。

 

そして人間を下級とみなしている事も分かった。こう言うタイプは殺すに限る。

 

だがまだ殺す訳にはいかない。こいつからも話を聞いてみよう。

 

 

「随分自分の名前を大事にしてるじゃないか。俺と同じ人間であるアーシアに名を呼ばれた時とは偉い違いだ」

 

「当たり前でしょう。あの子は私達にとって重要な存在なのよ。お前の様な汚らわしい存在とは違うのよ」

 

「ほうほう、重要な存在ねぇ…アイツはお前ら堕天使に何か利益がある奴なのか?」

 

「そんな事お前にに教える訳無いでしょう」

 

 

ここは簡単にはいかないか。なら少し攻めさせてもらおうか。

 

 

「…まぁ、あの餓鬼が重要って言う位だから堕天使の計画と言うのも大した事無いんだろうなぁ?」

 

「貴様!人間如きが我が種族を語る事は許さんぞ!」

 

 

またミッテルトが激高する。簡単過ぎて話にならんな。

 

 

「なら堕天使様の誇れる計画とやらを教えて貰おうか?」

 

「いいだろう!聞いて驚くがいい!」

 

 

やっぱり馬鹿だ。

 

 

「あの女には神器(セイクリッド・ギア)と呼ばれる物が宿っている」

 

「セイクリッド・ギア?」

 

「セイクリッド・ギアと言うのは神が持っていた武器や英雄が使ったとされる兵器、魂が宿った物などの規格外の力。それを神器と呼んでいるわ」

 

「それがアーシアに宿っていると言うのか?アーシアの力とは?」

 

「あの女の神器は『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』と呼ばれている治癒の能力。私達はレイナーレ様の元、とある機関の幹部になる為にその神器を取り出す。だからあの女を優遇しているのよ」

 

 

治癒の力…確かアームストロングのおっさんも傷を回復する能力があったな。あれと似たような物なのか?

 

兎も角奴らの目的は分かった。ここまでは別に俺が気になる事は無い。神器にも興味はないしな。

 

だが、1つ気になる事が出来た。

 

 

「神器を抜き取られた奴はどうなるんだ?」

 

 

奴は取り出すと言っていた。手に入れると言えば聞こえはいいが、取り出すと言う言葉に俺は妙な違和感を覚えていた。

 

俺の問に、ミッテルトは気味の悪い笑みを浮かべながら答えた。

 

 

「神器は内臓の様な物。抜き取られた瞬間、取られた者は只の肉塊になるわ」

 

「……なに?」

 

 

肉塊になると言うこと…それは間違いなく死を意味しているだろう。こいつらは自らの階級を上げる為に何の関係も無い奴を殺すと言うのだ。

 

私欲の為に他人を殺す。その思想はテロリストやマフィアと何ら変わらない。

 

俺の親父を殺した連中と同じ……。

 

俺は未来で世界中の無法者を斬って回った理由、それはこう言う連中を世界から消し去る事にあった。

 

この世界に来ても、俺のやる行為は変わらない。

 

コイツらだけは殺す。その為にはまず、コイツから先に息の根を止めてやる…。

 

 

「……このまま俺を家に返してくれる訳じゃ無いだろう?」

 

「当たり前じゃない。私達の事を知ってしまったからには生かしておく訳にはいかないわ」

 

「いいねぇ…」

 

 

俺は作務衣を脱ぎ捨て、布を巻いて隠してあった俺の相棒『ムラサマ』を取り出す。

 

露になった俺の体と相棒を見て、ミッテルトは雑魚を見る目が少し変わる。

 

 

「お前……ただの人間じゃないな?」

 

「さて…どうかな?」

 

 

少し馬鹿にしながら俺はムラサマを抜刀し、それを俺の前で構える。

 

俺の臨戦態勢を見て、ミッテルトが光の槍を形成させる。

 

『周り』の奴が出てくる前に決着をつけるか。

 

ここで瞬殺するのは面白くないな…少し遊んでやるか。

 

 

「来い人間。格の違いを思い知らせてやろう」

 

 

ミッテルトが俺に光の槍の矛先を向ける。

 

 

「オーケー……いざ参る…!」

 

 

俺はその敵対意識に微笑む事で答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BGM 『The Only Thing I Know For Real』

 

 

ミッテルトから光の槍が放たれる。

 

 

「ハッ!」

 

 

その攻撃を俺は鼻で笑いながらムラサマで受け止める。

 

軽い、軽すぎる。こんな攻撃は攻撃とは言わん。

 

 

「調子に乗るな!」

 

 

ミッテルトは苛立ちながらも俺に更に光の槍を数多く放ってくる。

 

 

「それだけか?」

 

 

攻撃は単純明快。足を狙いながら的確に頭部や心臓部を狙って来ている。だからこそ予想しやすい。

 

俺はその攻撃を全て受け流す。

 

 

「チッ!何故だ!?」

 

 

未だに俺に攻撃が当たらないことが信じられないのかなにやら喚いている。

 

 

「これで死ね!」

 

 

遠距離の攻撃では無駄と判断したミッテルトは方向転換し、光の槍を構え直しながら俺に突撃してくる。

 

 

「素人か?」

 

 

だが所詮は思い付き。

 

俺は奴が繰り出す斬撃を全て凌ぐ。

 

 

ギンッ! ガン! ガキィン!!

 

 

金属音が鳴り響き、辺りに火花が飛び散る。

 

シノギが面倒になった俺は全ての斬撃をバックステップやジャンプで躱していく。

 

 

「何故だ!何故だ当たらない!?」

 

 

ミッテルトは相当頭に血が登っている様だ。そろそろ蹴りをつけてやるか?

 

俺はムラサマを両手で持ち、ミッテルトの体制を切り崩す様に構える。

 

 

「エクソシスト達!」

 

 

だが俺が構え直した瞬間、ミッテルトはエクソシストと叫びながら後方へと大きく飛び上がる。

 

その瞬間を見計らう様に俺を囲む形で周りの木陰から悪魔祓いが飛び出してきた。

 

 

「撃てェ!!」

 

 

エクソシストが銀色に光る拳銃を構えながら俺に光の銃弾を放って来た。それと同時に数人のエクソシストが俺に接近戦を挑んで来た。

 

 

「水入りか?」

 

 

俺は銃弾をムラサマで弾く。弾かれた銃弾は俺を囲んでいたエクソシスト達に飛んでいき、致命傷を与えていく。

 

だがまだ接近戦を挑んで来ているエクソシストが残っている。

 

 

「退いてもらうぞ…」

 

 

接近してくるエクソシストは刀身の無い刀の柄から光の剣を生み出して来る。

 

恐らく連中の得意武器だろう。対悪魔用の攻撃武器の様だがどうやら人間にも効果はある様だ。

 

俺はムラサマを鞘の中にしまう。

 

ギリギリまで接近してくる悪魔祓い共。

 

次の瞬間に奴らは死ぬ。

 

 

「ふんっ!!」

 

 

俺はムラサマの鞘についているトリガーを引く。

 

巨大な爆発音の1秒後、俺の周囲で斬りかかろうと飛び上がっていた悪魔祓い共の胴体は鮮血を撒き散らしながら2つに別れた。

 

 

「な、何なのよ今の斬撃!?」

 

 

どうやら奴は俺の攻撃が見えなかった様だ。普通は見えないがな。

 

俺のムラサマの鞘は特別製だ。鞘の中で火薬を爆発させ、その勢いで打ちでるスパイクにより一時的に音速を超える抜刀を繰り出す。この抜刀術を見切れた奴は今まで1人しかいない。

 

だからこんな奴に俺の攻撃が見える訳が無い。

 

 

「さて、邪魔者もいなくなった所で、第2ラウンドと行こうか?」

 

 

俺は堕天使のミッテルトを睨む。

 

 

「た、たかが人間風情がぁぁぁ!!」

 

 

雄叫びを上げながら光の槍で突き刺そうと槍を振るって来る。

 

 

「そろそろいくか?」

 

 

これで終わりにしてやる。

 

スピードに任せて突きを繰り出してくるミッテルト。

 

俺はその突きをムラサマで弾き、ムラサマを鞘にしまう。

 

 

「くッ……!」

 

 

俺がどう言う攻撃をして来るかを悟ったミッテルトは、恐怖に顔を歪ませた。

 

 

「じゃあな」

 

 

ドガンッ!!

 

 

音速を超えた俺のムラサマが、ミッテルトの体を切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

「さて……」

 

 

辺りに一面地の海になってしまった。跡形づけは……堕天使側に任せればいいか。

 

一先ず怪しまれない様に帰らねばならない。面倒だが今日は近くのスーパーで買い物をしなければならない。

 

 

「アーシア・アルジェント……アイツはいつ死ぬ?」

 

 

ミッテルトを瀕死の状態にしておけば良かった。そうすれば奴からもっと詳しい情報を得る事が出来たんだが…。

 

もう真っ二つになっちまったしな……だからと言っていた教会に殴り込む訳にもいかない。

 

奴らを自然に殺すには悪魔と共に殴り込む必要がある。時期が来るのを待つのが得策だろうな。

 

 

「それまでに余計な犠牲がでなければいいが…」

 

 

左目の傷が痛む。昔親父を殺したマフィアに付けられたこの傷……。

 

奴等の行為はマフィアも同然。なら、俺はいつもと同じ様にマフィアを殺す。それが人外であろうとも誰であろうともだ。

 

 

「待ってろよ……レイナーレとやら」

 

 

俺はこの騒動の主犯と思われる奴の名を呟き、スーパーに移動した。




アーシアとミヌアーノ(裏世界でのサムの呼び名)さんが接触しました。

途中のBGMはサムエル戦のメインテーマです。

次回はもう少し文章を頑張ろう……。
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