デスペラードM ✕ G 終焉へ導く5人の風   作:BroBro

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本当は予告だけにするはずだったのに何故か作っちゃいました。
今回はアームストロングがメインです。
下手したらまた続きが出るかもしれないので、続き希望の方はどしどしご応募下さい。
あと連載するなら出来るだけ毎話5000文字以上を心掛けたいと思います。では無法者が書く無法者の小説第一話をどうぞ!


1章 無法者は更なる地へ
影は光の元を離れる


 

 

 

 

(嬉しいねぇ・・・・・・)

 

 

紅蓮に燃える炎の中、2人の男が競っていた。

 

勝負は既についている。黒い機械の体を得た男が上半身裸の厳つい男の胸に自らの右手を埋めている。

 

 

(お前はもう一人の・・・・・・)

 

 

ズリュっと言う気持ちの悪い音を立て、黒い男が裸の男の胸から心臓の様な物を引きずり出す。ドクンッドクンッと脈打つどこか機械的な心臓を、黒い男は勢いよく握り潰す。

 

心臓を取られた男は仰向けに倒れ込む。虫の息の裸の男。そんな絶望的な状況であっても、何故か裸の男は笑い、黒い男に呟いた。

 

 

「お前は・・・もう一人の・・・俺だ・・・」

 

 

背後に太陽の光を浴びた黒い男。黒い男の正面に仰向けに倒れ込む裸の男。2人の姿は、《光》と《影》の様に重なっていた。

 

黒い《光》は世界の平和を乱そうとした影を消し去り、裸の《影》は世界を乱した罪を背負い光に消される。

 

裸の男、『スティーブン・アームストロング』は世界から体と言う依代を残しその命を消した。

 

だがその翌日、命だけでなく依代たる体の存在すらも消えた事は、その世界の人々は知る事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

・・・・・ここは・・・?

 

 

 

 

・・・・・俺は・・・生きているのか?

 

 

 

 

とある市街地の薄暗い街頭の下、1人の大男が目を覚ました。その者は先の戦闘で敗れ、心臓を握り潰された男、アームストロングだ。

 

アームストロングの姿は裸ではなく、白いワイシャツを着て申し訳程度の眼鏡を付けている。黒い男との戦闘前の姿だ。

 

 

(・・・ここはどこなんだ?少なくともアメリカじゃないな。それに随分と貧相な家だ。だがこの民家の数だと何処かの村と言う可能性も低い・・・)

 

 

アメリカの上院議員のアームストロングはアメリカの事を人一倍分かっている。その為、ここはアメリカでは無いと断言出来た。先進国のアメリカはサイボーグ技術を他国よりも先に取り入れており、サイボーグは夜だろうが昼だろうが治安維持の為に市内を出歩く。

 

だが、ここはサイボーグの姿どころか気配すらない。と言う事は技術が進出していない国だと簡単に推測が出来る。だとしたら、コスタリカやそこらの技術が行き渡らない国だろう。

 

でもその答えもアームストロングは自分で否定する。ここは戦時中の場所にしては民家が綺麗だし、パッと見ただけでは平和そうな場所である。

 

どこまで考えてもこれと言った答えが見つから無い。それほどまでにこの場所は見た事も無い場所だった。

 

 

(・・・いや、ここは何処かの前に俺は何故生きているのかを考えるべきか・・・だがやはり場所が分からなければ満足に行動も出来ない。住民に話を聞いて見るか・・・いや既に眠っているのか?)

 

 

様々な事を考えている時だった。バサッと言う大きな羽音がアームストロングの耳に入る。その音は、とてもただの鳥が出せる様な音量では無かった。本体の大きさを想像するに、高校生くらいのサイズの鳥類がいるのか考える。

 

そして新たな手がかりとなる音が闇夜に響く。

 

 

「・・・死ん・・・・・れる・・?・・・」

 

 

微かに聞こえた若い女の声、その声は聞き取れないほど小さい声だったが、アームストロングの化け物並の聴力でようやく聞き取れた『死』と言う単語。その単語にアームストロングは過敏に反応した。

 

 

「先ほどの羽音と同時に聞こえた女の声、羽音と関係あるかは知らんが、見に行く必要はありそうじゃないか」

 

 

羽音と声に興味を示したアームストロングは羽音の聞こえた方向に足を進めた。

 

 

 

 

街頭で明るくなった道を真っ直ぐ進む事数秒、周囲に妙な鉄の臭が立ち込めた。アームストロングはこの臭いの正体をいち早く気づく。

 

 

「血の臭い・・・・・・」

 

 

体が小さく震えてくる。血の臭いに闘志が湧き出し、自然に口元が釣り上がる。

 

どうやらこの生々しい血の臭いはアームストロングの右側にある公園から出てきているようだ。アームストロングは躊躇うことなく公園の中へと足を踏み入れる。

 

そして公園の人目の付きづらい奥の場所に、臭いの正体は転がっていた。赤っぽい髪に何処かの学生服を着ている。その服は元の色を失い、真っ赤に染まっていた。伏していて解りづらいが、どうやら男のようだ。

 

 

「見られていたのかしら?」

 

 

ふと聞こえた女の声に、アームストロングは振り返る。そこには全体的に黒い服を着て、ロングヘアーの女が『浮かんで』いた。その女の背中にはカラスの羽の様な物がついており、それを使って浮かんでいるようだ。

 

アメリカでもここまで完成したキメラの様な存在はいない。その為、アームストロングはこの場所に余計に興味が湧いていた。

 

(日本語か・・・演説の為に覚えておいて正解だったな)

「何やら面白そうな事をしているようだったんでな、少し寄って見たんだ」

 

「あら、貴方はこの状況を見ても平気なのかしら?」

 

「あれはお前がやったのか?」

 

 

アームストロングが血塗れの男を指さしながら浮遊している女に質問する。

 

 

「ええそうよ。恐怖したかしら?」

 

「弱者は強者の糧となるのは当然の事だ」

 

「案外物分りのいい人間ね。殺すのは少し惜しいけど、まあ見られたからには死んでもらうしかないしね」

 

「俺を殺す?フハハハッ!面白い事を言う女だ!」

 

「・・・貴方、さっきから人間の癖に私の事を軽々と言ってくれるわね。私には《レイナーレ》と言う気高い名があるのよ?」

 

「知ったことか!殺す奴の名なんぞ一々覚えているほど、俺は優しくないからな」

 

「殺す?堕天使である私を人間如きが殺す?・・・どこまでもふざけやがって!死ぬのは貴方よ!」

 

 

怒りを露にしたレイナーレと名乗る女の右手が光り出す。そして、その光が長い槍の様な物へと形を変えた。

 

 

「それでそこの男を殺したのか?」

 

「ええ、それと同時に、貴方を殺す槍となる!」

 

 

レイナーレの右手が一光し、光の槍がアームストロングに投げられる。その槍はアームストロングの胸に吸い込まれる様に直進していき、アームストロングを貫いた。

 

 

かにレイナーレは見えた。

 

 

「ふんっ、こそばゆいわ!」

 

「なっ・・・!?」

 

 

レイナーレの放った槍はアームストロングに当たった瞬間、バキンッと言う大きな音を立てながら霧散していった。

 

この光景に、レイナーレは目を丸くする。それもそうだ、あの槍は人一人貫くには十分過ぎる程の威力を誇っており、現に先ほど簡単に男の腹を貫いた。にも関わらず目の前にいる男は傷一つつかず、しかも何故かワイシャツすらもどこも破れていない。結構本気で投げた結果がこの状況なので余計に絶望感が溢れてくる。

 

 

 

勝てない。さっきの一撃で、レイナーレは確信した。

 

 

 

 

そんな堕天使に、アームストロングは余裕の笑みを崩さぬままレイナーレに話しかける。

 

 

「まさか、今ので終わりではないな?」

 

「あ、貴方は一体何者なの・・・?」

 

 

調子をなんとか取り戻したレイナーレは、アームストロングに震えながら質問する。

 

 

「俺か?そんなもの・・・てめぇに教える義理はねぇよ!!」

 

 

アームストロングが叫び、レイナーレに一歩踏み出す。踏み込んだ場所が粉々に吹き飛ぶ様なその一歩で、アームストロングは一瞬でレイナーレの眼前に迫った。

 

 

「・・・・・・!!」

 

「吹っ飛べ!!」

 

 

掛け声と共にアームストロングがレイナーレを蹴り上げる。

 

油断仕切っていたレイナーレがアームストロングの攻撃を躱せるはずもなく、レイナーレは叫び声もあげる間もなく空の彼方へと吹き飛んだ。

 

キラーンと効果音がなりそうな程見事に吹き飛んだレイナーレを見て、アームストロングはとある事を思い出した。

 

 

「・・・しまったな、話を聞くのを忘れていた・・・」

 

 

自ら吹き飛ばしたレイナーレの方向を見ながらチッと舌打ちをする。戦闘をする事になって、アームストロングは何の為にレイナーレに接触したかを忘れていた。

 

 

「仕方無い、望みは無いがあの虫の息の男に聞くしか無いか・・・」

 

 

星になったレイナーレから目を逸らし、血の池を今尚形成してると思われる男に向き直る。

 

だがそこにいたのは死にかけの男では無かった。

 

 

「ごきげんよう」

 

 

先ほどまで男が転がっていた所に真っ赤な髪の女が立っている。この者も羽を生やしているが、レイナーレと違ってカラスの様な羽ではなくコウモリの様な羽だった。

 

今度はなんだと呆れながらアームストロングは目の前にいる赤髪の女に話しかける。

 

 

「さっきの男はどうした?死にかけていたはずだが」

 

「あの子は今治療中よ」

 

「治療中?こんな早くに何処へ運んだんだ?」

 

「今は貴方に教える必要は無いわ」

 

「・・・企業秘密と言う奴か。ならばお前は誰かを教えてもらおうか?」

 

「いいわ。私は《リアス・グレモリー》。長いからリアスでいいわよ」

 

 

どうやら常識人なようで、アームストロングの問には1部以外しっかりと答えてくれるようだ。

 

 

「さて、私が言いたい事を言ってもいいかしら?」

 

「構わん」

 

「貴方は誰?悪魔では無いようだけど堕天使や天使でも無い。でも人間とは言い難い。種族、目的、全て答えてもらうわよ?」

 

「・・・いいだろう。だが、その分お前にも俺の質問に答えてもらうぞ」

 

「いいわ。それじゃあ立ち話って訳にもいかないし、ちょっと駒王学園の部室まで来てもらうわよ」

 

「駒王学園?何処だそこは?」

 

「知らないの?この街の中心にある学園なのに?」

 

「俺は日本にも初めて来た。そしてこの街がどういう物かも知らない」

 

「・・・どうやら話す事は山積みのようね」

 

「そのようだな」

 

 

リアスとアームストロングが2人並びながら歩く。遠くから見たら美女を変態のおっさんが襲おうとしている様な光景だが、別にアームストロングはそんな趣味は無いので襲う事は無い。

 

誰もいない夜の中を歩いていく遠目では美女と野獣に見えるこの2人。2人は街の中心の暗闇へと姿を消した。




これじゃあアームストロングが主役では無いか!デスペラードはどうなった!と言いたい気持ちも分かりますが、気を静めろ・・・
これから・・・これから出るよ・・・
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