デスペラードM ✕ G 終焉へ導く5人の風   作:BroBro

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今回ようやく本編主人公がまともに登場します。
後先に言っておきましょう。作者はキャラ目線で小説を書くのはこれが初めてです。色々とおかしくなっている所もあると思いますが、これから改善していくさ…(遠い目)


始動するイッセー

 

 

 

駒王学園の体育館。そこの体育準備室なる部屋で俺は椅子にどっかりと座り、扇風機の風を俺のみに当たる様に固定する。

 

この時間の体育準備室は何時も俺1人。他の体育教師もいるのだが、そいつらはそれぞれのクラスを持っており、この時間帯は何時も自分の受け持つ教室で飯を食べている。

 

だがそんな事最速俺にはどうでも良かった。

 

 

「暑い……」

 

 

今日も無駄に暑い。なんで日本と言う所の夏はこんなにも暑いんだ?

 

とにかく日本の気温に早く馴染まなければ俺が溶ける。

 

しかも聞いた話によると冬場は肌が切れるかと思う程の寒さがあるらしい。せめて気温くらいどっちか1つに統一して欲しいものだ。

 

時期は夏。時刻は午後の1時を回り、昼飯と4時間目を挟んだ休息時間を俺は1人孤独に満喫している。

 

そんな俺が支配している体育準備室に、1つのノック音が鳴り響く。

 

 

「すいません。サムエル先生はいらっしゃいますか?」

 

 

聞いた事のある男の声に、俺、サムエル・ホドリゲスは準備室の入口の扉に向かい、「俺ならいるぞ!」と一声上げる。

 

もう俺はここから動く気は毛頭ない。暑いからだ。

 

ガラガラと準備室の扉が開き、「失礼します」と言う声と共にリアスの下僕の木場が入室してくる。

 

面倒臭かったが、何か話があるのなら聞くしか無いだろう。

 

 

「体育の教師である俺に何の用だ?」

 

「いえ、今回は生徒としてではなく悪魔としてお話に来ました」

 

「ほう……」

 

 

木場の言葉は俺の興味心を唆るには十分過ぎた。

 

教師生活3日目にして既に俺はこの生活に順応していた。だが、長らく戦いに身を置いて生きてきたと言う事もあり、現状に正直少々不満を持っていた。

 

この状況の俺にとっては悪魔と言う単語は待ちに待ったディナーの様なものだ。

 

 

「それで、悪魔の木場祐斗が俺に何の用なんだ?」

 

「サムさんとアームストロングさんには今日の放課後直ぐに部室に集まって欲しいんです」

 

「直ぐに?一体何が始まるんだ?魔王様でも召喚するのか?」

 

「それは来てからのお楽しみと言う事で」

 

 

木場がニコッと微笑む。

 

…なるほど、学園の裏でファンクラブが出来るのも納得が行く笑顔だ。これがイケメンフェイスって奴か?まあ俺はそんな物に興味は無いがな。

 

 

「アームストロングのおっさんは来るのか?」

 

「来るらしいです。後片付けなどで少し遅れるそうですがね」

 

「ふむ……良いだろう。今日の放課後にすぐ向かう事にしよう」

 

「ありがとうございます」

 

 

ペコッと綺麗なお辞儀をする。その感も木場は笑顔を絶やさない。

 

こう言う常に笑顔の連中は何か裏があるか余程狂っている奴ぐらいしか俺は知らなかったが、コイツはどうも素で笑ってやがるようだ。

 

裏表の無い、完全に自分の心を表に出して笑顔を作っている。恐らくまだ若いからだと思うが、それでもコイツは少し素直過ぎるようだな。

 

 

「それじゃあ、よろしくお願いしますね」

 

 

木場はそれだけ言い残し、ガラッと準備室の扉を開け、部屋から出て行った。

 

瞬間、扉の向こうから女子の黄色い悲鳴が飛び上がる。本当に人気な奴だ。

 

少しずつ遠ざかる黄色い悲鳴。そして、その声が完全に廊下の向こうに消え、また準備室に静寂が舞い戻る。

 

 

「……暇だな…」

 

 

再度1人になった体育準備室に、俺の一声が妙に大きく木霊した。

 

それから俺は午後の授業開始のチャイムが鳴るまで、扇風機の前でボーッとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうも、悪魔に成りたてで頭が混乱気味の兵藤一誠です。周りからはイッセーって呼ばれてます。

 

いきなりで大変申し訳ないが、今俺は俺の中の最大の宿敵に連れられている。

 

 

「ここに部長がいるんだよ」

 

 

相変わらずの美声で俺に馴れ馴れしく話し掛けて来るのは、この学校の中でも相当なイケメン顔である木場祐斗だ。

 

何でこんな奴に道を教えられなくちゃ行けないんだ…!

 

幾らコイツも悪魔だからってこれは無いだろう!もっと別の人がいたでしょ!何でよりによってコイツなのよ!

 

今日いきなり俺は悪魔だと言う驚愕過ぎる事実を明かされて既に混乱してるのに、そこに更に俺を苛立たせる物体を投下された。これに腹が立たない者がいるだろうか。

 

あぁ!思い返したらまた腹たってきたぞ!

 

 

「どうしたの一誠くん?」

 

 

頭を抱えて歯軋りをする俺に木場が妙に心配そうに話し掛けてくる。

 

…大体コイツのせいだろ!

 

 

「ウルセェ!大体の原因はお前だ!」

 

「僕何もしてないよ?」

 

「分かっとんじゃい!」

 

 

あくまでも冷静沈着に俺の言葉攻撃をスルーしていく木場。そうだ、俺の言っている事はただの八つ当たりに過ぎない。

 

だがしかし!やはり俺は言わなければならなかったんだ!例えそれが理不尽な事でもな!

 

そんな俺を見て木場は首を傾げる。そして『オカルト研究部』と言う立て札が張ってある引き扉の前で「部長、連れてきました」と言う確認の声を出す。

 

すると中から直ぐに「ええ、入ってちょうだい」と言う先輩の声が聞こえて来た。

 

どうやら先輩は中にいるようだ。

 

木場が扉を開け、それに続いて俺も部屋の中に入る。

 

その部屋の内装に俺は驚いた。

 

壁や床や天井は見たこともない文字がビッシリと描かれており、部屋の中央には魔法陣の様な物が書いてある。

 

俺が更に部屋の中を見回す。すると、部屋のソファに誰かが座っているのが確認できた。

 

あのサイズは…塔城子猫ちゃんだ!

 

ロリ顔、小柄な体、一見では小学生にしか見えない我校のマスコット的存在でもある1年生だ!

 

子猫ちゃんは黙々と羊羹を食べている。いつ見ても眠たそうな眼だ。そう言えば超が付くほどの無表情女の子なんだっけ。

 

こちらに気付いたのか、視線が合う。

 

 

「こちら、兵藤一誠くん」

 

 

木場が紹介してくれる。ペコリと頭を下げてくる子猫ちゃん。

 

 

「あ、どうも」

 

 

俺も頭を下げる。それを確認するとまた黙々と羊羹を食べ始めた。あまり喋らないねこの子。

 

シャー。

 

部屋の奥から水の音がする。シャワー?

 

見ると部屋の奥にはカーテン、そこに女性の肢体が映っていた。女の人がシャワーを浴びている。

 

てかシャワーあるのこの部室!?俺シャワー付の部室なんて『凄いよ、マ〇ルさん!』ぐらいしか無いと思ったのに!

 

キュッ。

 

水を止める音。

 

 

「部長、これを」

 

 

ん?カーテンの奥にもう1人いるのか?先輩では無い女の人の声が聞こえた。

 

 

「ありがとう朱乃」

 

 

カーテンの奥で先輩が着替えているようだ。

 

数秒後、カーテンが開く。そこにいたのは制服を着込んだリアス先輩の姿。

 

先輩はこちらを見かけるなり、微笑む。

 

 

「ごめんなさい。昨夜、イッセーのお家にお泊まりしてシャワーを浴びて無かったから今汗を流していたの」

 

 

あーなるほど。てか部室にシャワーがある事が不思議でたまらないんですが。

 

ふと、視線が先輩の後方へ移る。もう1人の人物も女性な訳だが…てマジか!

 

先輩の後ろに御座すお方はこの学園のアイドルの1人、姫島朱乃先輩!リアス先輩と併せてこの学園で『2大お姉さま』と称されてるお方!

 

 

「あらあら。はじめまして、私、姫島朱乃と申します。どうぞ、以後、お見知りおきを」

 

 

ニコニコ顔で挨拶される。なんともうっとりしてしまう声音だ。

 

 

「こ、これはどうも。兵藤一誠です。こ、こちらこそ、はじめまして!」

 

 

俺も緊張しながら挨拶をかわす。

 

そんな中、オカルト研究部の扉が勢い良く開かれた。

 

 

「すまん少し遅れた。生徒の記録をまとめるのに手間取ってな」

 

 

黒と紅の作務衣を着て、顎の髭を撫でながら部屋に入ってくる男の人。あれ?この人って……。

 

 

「お?この男の子は誰だ?新しいお仲間か?」

 

「そうよサム、紹介するわ。兵藤一誠よ。一昨日私の新しい下僕になったわ」

 

「ほう……」

 

 

間違いない。最近転勤してきた人間離れした先生、サム先生だ!サム先生も悪魔だったのか!?

 

 

「俺が悪魔だと思ったか?それは大きな間違いだ」

 

 

心を読まれた!?この人ずば抜けた運動神経だけでなくテレパシーまで使って来るの!?

 

 

「まあとにかくだ。恐らくこれから長い付き合いになると思うから一応自己紹介しておこう。俺はサムエル・ホドリゲス。色々あってここの連中の世話になってる。宜しくな、兵藤一誠くん」

 

 

バッと右手が差し出される。作務衣の裾に隠れていて見えなかったが、この人の右手は機械のような光沢がある。

 

 

「こ、こちらこそ宜しくお願いします。サムエル先生」

 

「よせ、ここではサムでいい」

 

「あ、じゃあ、宜しくお願いします。サムさん」

 

「おう、宜しくな」

 

 

ガシッと俺の手とサムさんの手が合わさる。サムさんの手は氷のように冷たく、ゴツゴツしていた。と言うより何か機械の人形と握手している様な感覚があった。てか機械だよねこれ!?

 

 

「俺を呼んだからには何かしっかりとした理由があるんだろうな」

 

 

また誰かが部屋に入って来た。次から次へと、今度は誰ですか?

 

 

「ん?おいリアス。そこの小僧は誰だ?客人か?」

 

「違うわよ。彼は私の新しい仲間、兵藤一誠よ」

 

「ほう…お前がか」

 

 

ワイシャツに、軍手。そして服の上からでも分かるほど盛り上がった筋肉。

 

葉巻を吸いながら入室してくるこの人は…最近来たばかりのアストロ先生!?アストロ先生も悪魔だったのか!?

 

 

「俺は悪魔ではないぞ!」

 

 

いやなんであんたらは俺の心の内を読んでるの!?どっかから俺の心の声か出てるの?

 

 

「まあいい……そうか、お前はあの時の」

 

 

俺の顔を見て何やら不敵な笑みを浮べるアストロ先生。え?何か怖い!

 

 

「イッセー、その人が貴方がレイナーレに襲われた後にレイナーレを撃退した、アームストロングさんよ」

 

「え?この人が!?」

 

 

今日、学校への通学時に、先輩から聞いた話。俺があのレイナーレに殺される時にレイナーレを蹴っ飛ばした人がいると言う話。

 

学校にいるとは聞いていたけどまさかアストロ先生だったとは…!

 

俺は身を正し、アストロ先生に向き治り、頭を下げる。

 

 

「あ、あの!その説はありがとうございました!」

 

「よしてくれ、そういうのは好きじゃないし、俺は気に入らなかった奴をぶっ飛ばしただけだ。お前に礼を言われる覚えはない」

 

 

急にアストロ先生は俺の前に右手を出してくる。何かと思い、俺はアストロ先生の方に顔を上げる。

 

 

「俺はスティーヴン・アームストロングだ。これから色々とあると思うが、頑張って見るがいい」

 

「あ、はい、頑張ります」

 

 

営業スマイルだろうか、妙にニコニコしながら俺と握手した。アストロ先生の手は、サムエルさんとは違い体温はあった。だが、とても手の平が大きく、握手と言うか握りつぶされている形になっている。

 

何かろくな人がいない様な……

 

 

そんなこんなで、俺とアストロ先生が挨拶を終わらせた。それを「うん」と確認するリアス先輩。

 

 

「これで全員揃ったわね」

 

「は、はい」

 

「私達、オカルト研究部は貴方を歓迎するわ」

 

「え、ああ、はい」

 

「悪魔としてね」

 

 

 

父さん母さん。どうやら何かが起こりそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおお!!」

 

 

俺は深夜、チャリを全速力でこいでいた。

 

理由はチラシ配りをする為である。

 

簡易型魔法陣と言う物を近所の家のポストに投函し、次のポイントへと場所を移す。

 

簡易型魔法陣とは人が一々魔法陣を描いて悪魔を呼び出すより手っ取り早いと言う事で、悪魔と契約したい人はこのチラシ型の魔法陣を使い、悪魔は願い事を叶えて貰おうとする人の元へと直ぐに行けると言う画期的な物だ。

 

人間と契約し、願いを叶え、代償をもらう。それが俺達悪魔の主な仕事。

 

その仕事をこなす為に、俺は一生懸命チャリをこぐ。

 

 

既に俺は街の半分位のポストにチラシを配り終えている。1時間もかかったのだ。そうでなくては俺が死ぬ。

 

 

「次はあの角を曲がった先!」

 

 

俺は次の目的地を確認し、汗だくになりながらペダルをこぐ。

 

角を右に旋回。目的地はそしてそのまま直進した先!

 

 

カシャ……

 

 

ふと、俺の背後から変な音が聞こえた。何か金属的な物が地面に落ちる様な。そんな音だった。

 

 

カシャ……カシャ……カシャ…カシャ…

 

 

音はドンドン近づいて来ている。

 

まさか…お化け?

 

俺は最悪の状態を想定し、チャリに乗っている状態で背後に振り返る。

 

 

するとそこには

 

腰から上がない人間の体が歩いて来ていた。

 

 

一瞬思考が停止する。目の前の光景が現実だと思えない。

 

その時だった。

 

 

カシャカシャカシャカシャ!!

 

 

下半身が急に走り出す!

 

 

「うわぁァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

俺もチャリで走り出す!なんだあれ!?何か紅いオーラ出てたし凄い速いし!

 

兎に角逃げなければ殺される!呪い殺される!

 

俺は必死にチャリをこぐ。多分この時、競輪選手もビックリの走りを俺は見せただろう。

 

 

そんな中、いつの間にか足音はなくなっていた。撒いたのか?

 

 

「……超怖かったぁぁぁぁ!!」

 

 

夜の街にまた俺の叫びが浸透して行った。

 

いやマジで怖いってアレ!冗談じゃないよ!物理的に死ななくても精神的に死ぬよあんなん見たら!

 

 

「おい」

 

 

背後から誰かが話しかけてくる。

 

ま、まさか……俺はゆっくりと背後を覗いた。

 

 

「こんな所で何やってんだ?」

 

 

そこにいたのはアストロ先生こと、アームストロングさんだった。

 

 

「あ、アストロ先生!お化け!お化けが出ました!」

 

「お化け?」

 

「赤紫色のオーラを出しながら俺に下半身だけが歩いて来たんですよぉ!!怖かったぁぁ!!」

 

「赤紫色のオーラ…下半身…」

 

 

俺の言葉を聞いた途端、アームストロングさんの目が遠くなる。何かを考えているのだろうか?

 

 

「まさか…お前なのか、モンスーン」

 

 

アストロ先生が誰もいない上空に誰かの名を呼ぶ。

 

この時、アストロ先生が言った『モンスーン』と言う単語が、後々重要になってくるとは、当たり前だが今の俺には分からなかった。




ゴリ押しで次の話へと繋ぎました。まあいいじゃない。これから直して行けばいいじゃない。
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