デスペラードM ✕ G 終焉へ導く5人の風   作:BroBro

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『メタルギアソリッド5 The Phantom Pain』 発売おめでとうございます!数か月前から予約させて貰ってましたから凄く楽しみに待っていました!マザーベースの拡張がとても楽しいです!

そんな今年最高の出来事がおきた9月最初の話です。では、続きです。


Monsoon3 フードと子供のお買い物

 

 

 

「外出?」

 

 

朝の9:30。私、モンスーンは黒歌と白音の申し出に疑問の言葉を素直に表した。

 

 

「そう、外出。実は昨日街を歩いていたらお財布の落し物を見つけちゃってね。中に10000円もあったから皆で街に行って見ようって考えてるにゃん♪」

 

「だが私の格好は公に出たらまずいのではないか?」

 

 

私は機械だ。なんでか記憶を失ってはいるが、これを記憶と言って良いのかメモリと言って良いのかも分からない。

 

そんな機械体の私が公に出れば恐らく街に混乱が巻き起こるだろう。

 

私は今後の活動の為にも、私と言う存在を公には出したく無い。

 

 

「それなら心配いらないにゃ。モンスーン君にはこのフードと布を巻いて貰うから多分バレないと思うにゃん」

 

「凄く危ない人に思われないか?逆に不信がられる気がするのだが……」

 

「でもその姿よりはマシだと思うにゃ。だってその姿だと人間として捉えられないし」

 

 

確かにこの格好よりまだは人間らしさがあるな。変質者的にも何にしても。

 

正体が分からないだけ人間に思われるだろう。化け物と思われるよりはマシだ……いやマシか?

 

それにこの問題を抱えているのは私だけでは無い筈だ。尻尾と耳がある白音達では怪しまれる。

 

その旨を伝えて見た。

 

 

「お前達はどうするんだ?耳と尻尾が出た人間なんていないだろう?」

 

「私達は隠せるからいいにゃ。伊達に今まで普通に街に通ってた訳じゃないにゃん♪」

 

 

黒歌の答えに後ろにいる白音もうんと頷く。

 

どうやら消したり出したりするのは自由の様だ。全く便利な物だな。

 

結果的に私はフードを付け、白音達は耳と尾を隠す。これで少なくとも正体がバレる事は無いだろう。

 

 

「それならば問題無いな……」

 

「それじゃあ行くの?」

 

「いいだろう。今まで接触しなかった普通の人間を見てみるいい機会だしな」

 

 

そう言って私は、茶色のコートを身に付けるた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駒王町。

 

大きさはそれほどでもないが、人々の活気が溢れている町だ。

 

町の中心には駒王学園と言う大きな女子高校があり、町の女子高生達の殆どはその学園に憧れているらしい。

 

全て黒歌の情報だから当てにはならないが。

 

まぁ、今の私にはそんな事はどうでも良かった。

 

 

「……暑い」

 

 

白音が私の心の内を代弁するかの様に呟く。白音、私も暑い。

 

季節が夏と言う事もあり、町の気温は35度と言う驚異的な数値をたたき出していた。

 

恐らく日光がコンクリートに反射し、更に温度を上げているのだろう。地面が暑ければその分私の体も熱くなる。

 

しかも今日は全身に黒にも似た茶色のコートを着ている。体に入った熱はそのコートにより逃げ場を失い、コートの中でとどまってしまう。おかげで私はサウナにいる様な状態だ。

 

哺乳類が持つ汗をかき体温を下げる機能が私には付いていないため、体温管理もままならない。

 

隣で汗をかいている白音が羨ましい。

 

 

「こんな所でばててちゃ話にならないにゃ。もっと町の中心に行くよ!」

 

 

私の左隣が暑苦しい。どうやら黒歌はこの気温に既に慣れた様だ。化け物だ、いや妖怪だから最初から化け物か。まあ私が言えた事でも無いんだがな。

 

 

「……姉さま、暑くないの?」

 

「暑くないにゃん」

 

「……姉さまおかしい」

 

「別におかしくないにゃん。この町を往来してたら案外簡単に慣れるものよ?」

 

 

いや、絶対黒歌がおかしい。白音が正論を言っている。35度で普通だと言っている奴は恐らくこの町にはいないだろう。

 

白音も汗をかきながら黒歌を呆れた様な目で見ている。私も呆れた。

 

まだ白音はいい。汗をかく機能が体にあるからだ。私は体温調節用の機能が体に備わってない。

 

 

「体が機械ならせめてクーラーでもついていればいいのだがな……」

 

 

たまらずボソッと呟く。

 

そんな時だった。

 

 

『……補助機能活動要請を受領。体外温度の上昇を確認。危険数値に達したため、温度管理モードを緊急発動。設定温度20℃、起動スタンバイ』

 

 

私の頭の中に機械的な声が流れる。知らない声だったが、何故か私は警戒する事は無かった。

 

瞬間、体の体温が急速に低下して行った。私の体の機能が発動した様だ。

 

補助機能は私がこの体の機能を管理できない時に発動する機能だ。少し前に体を分解方法が分からなかった時に発動した事がある。

 

簡単に言えば説明書の様なものだ。いや、初心者にマンツーマンで教える教官か?

 

どちらにせよ、私を助けてくれる機能と言う見解で間違いないだろう。

 

結果的に体が涼しくなった。それで十分だ。

 

そんな事実に満足している私に、いきなり声がかかった。

 

 

「…モンスーン君も暑いよね?」

 

 

恐らく黒歌に言い負けたのだろう、私に助けの目を向けてくる。

 

今の私は全く暑くない。寧ろ居心地がいいくらいだ。

 

 

「そうだな、流石に今日は暑い。黒歌、お前が異常だ」

 

 

だが白音と同じ気持ちだった私は、今回は白音に味方する事にした。

 

 

「えぇ〜、私がおかしいのかにゃん?」

 

「私も暑い。この暑さに慣れるのは異常としか思えん」

 

「そうなのかな?う〜ん、でも本当に暑くないんだよにゃ〜……」

 

 

うーんと悩む黒歌。何処に悩む所があるのだろうか。どこからどう見てもお前がおかしいだろう。

 

左に顎に手を当てながら歩く黒歌。

 

右に何故か私のコートの裾をつまんでいる白音。

 

そしてフードを被って顔が見えない私。

 

どこからどう見ても危険な奴だ。黒歌達が普通に接してくれているからまだマシなものの、遠くから見たら不審者でしか無い。

 

警察に通報されない事を祈るばかりだ。

 

まあ、警察が来たらそれなりの対処をさせて貰うがな。

 

そんな事を考えている時だった。

 

 

「……ん?ここは?」

 

 

目の前に屋根の付いた道路が現れる。その道だけ人通りが激しい。

 

 

「ここが商店街にゃ。いつもここで調味料とかを買ってるにゃん」

 

「何なんだここは?何故ここだけ屋根がついている?」

 

「商店街と言うのは大概そういう物らしいにゃ」

 

「そうなのか」

 

 

商店街の中に入る。中は沢山の小型の店が連なり、様々な種類の商品が売られている。

 

魚介類、食肉、野菜、調味料、果物、などなど様々な食材が売られていた。

 

中には食材以外にもナイフや皿等の物も売られている。

 

予想以上に品揃えが豊富だ。

 

 

「さて、まずはレストランに行って、次にゲームセンターに行ってみるにゃん♪」

 

「了解した」

 

 

フードの私と黒歌達はレストラン『open』へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美味しかった~!」

 

 

昼飯をレストランで食べ終えた私達はゲームセンターへと向かっていた。

 

レストランの昼飯は凄く美味かった。なかなかあんなに美味い物は食べられないだろう。

 

あの少食の白音が全て平らげる程だ。デザートのガトーショコラも美味かった。あれはお気に入りだな。

 

 

「それじゃぁ次はゲームセンターね!私も初めて行くから楽しみにゃん♪」

 

「そうか、どんな所か気になるな」

 

 

腹も膨れた我々が次に向かうのはゲームセンターと言う所。名前からして恐らくゲームがあるのだろうが、まずゲーム自体がどんな物か分からないため、少し興味があった。

 

ゲームセンターまではまだ距離がある。ゆっくり周りを見ながら行くとしよう。

 

ふと隣の小さな雑貨屋に目が行った。そこに私は気になるな物を見つけた。

 

 

「あれは……?」

 

 

外に置いてある商品棚の中に、5つの筒上の物体が置いてあった。私はあれに見覚えがある。

 

あれは赤燐グレネード。私の所有物の1つだった物だ。その記憶が蘇る。

 

 

「こんにちは、モンスーンさん」

 

 

突如知らない声がかかる。

 

声のした方を見ると店の店主であろう男がにこやかにこっちを見ていた。

 

 

「お前は誰だ?何故私の名前を知っている?」

 

「今は分からないでしょう。ですがいずれ分かります」

 

 

さっきから意味が分からない事を言ってくる。私はあまりこう言う奴に構いたく無い。早く赤燐グレネードを買って黒歌達の元へ行かねば…。

 

私は赤燐グレネードを店主らしき男に見せる。

 

 

「これはいくらだ?」

 

「お代は頂きません。私は主から貴方の手助けをする様に言われただけですから」

 

「主?貴様、堕天使か何かなのか?」

 

「いえ、違います。私は堕天使と対立する存在、『天使』です」

 

 

天使?堕天使が堕ちる前の存在か?堕天使や妖怪がいるなら天使も居るだろうが、コイツは本物なのか?

 

知らぬ間に商店街が消え、真っ白な空間になっている。恐らくコイツの能力だろう。

 

少なくとも人間では無い、本物の様だ。

 

 

「その天使が私になんの様だ?貴様の主とやらが私をサポートするのはなんの意味がある?」

 

「それは貴方の目で確かめる事です。私が出来るのは貴方の体制を整える事だけですから」

 

 

さっきから何を言っているんだ?

 

男は私に何を伝えようとしているのかは知らないが、少なくとも敵では無いようだ。

 

 

「さて、私が任されていた任務は果たしました。では、私はこれで…」

 

 

男は上を見上げる。すると男の背中から天使の羽根が生えた。男が少しずつ上空へと浮かんで行く。

 

 

「待て!何故私の事を知っているんだ!?」

 

 

私の問に男は空中で体を静止させ、問に答えた。

 

 

「…私からは言えません。ですが、これだけは覚えておいて下さい。貴方『達』には、神のご加護がついています」

 

「達?」

 

「そうです。貴方達、『破滅を呼ぶ風(ウィンズ・オブ・デストラクション)』は、この世界にとって重要な存在です」

 

 

ウィンズ・オブ・デストラクション。その名前は確か私が初めて堕天使を殺した時に黒歌に言った名前だ。

 

意味は私自身分からないが、何故天使がその名前を?

 

 

「…少し喋り過ぎましたね。それでは、貴方に神のご加護があらんことを……」

 

「ま、待て!」

 

 

私の声も虚しく、天使は白く光る上空へと姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「モンスーン君?」

 

 

突如聞こえた聞きなれた声。

 

その声に我に返った私は、目の前の光景に無い目を見開く。

 

目の前には確かに雑貨屋が存在していた。だが、今は目の前にあるのは何も無い小さな空き地だけ。雑貨屋なんて影も形も無い。

 

夢だったのか?

 

 

「……大丈夫?」

 

 

白音が心配そうにフードの中の私の顔をのぞき込む。

 

 

「…ああ、大丈夫だ。少し呆けていた。気にしないでくれ」

 

 

私の答えに満足したのか、白音は良かったとばかりに小さく頷く。

 

 

「それじゃあ、改めてゲームセンターに行くよ!ドンドン行こぉー!」

 

 

何故かテンションの高い黒歌が先陣を切って歩いていく。

 

 

「急がなくてもゲームセンターは逃げないぞ」

 

「……お姉さま、さっきから楽しそうです」

 

 

そんな黒歌に私と白音は少しばかり呆れながらも後を追う。

 

私が足を1歩踏み出した。

 

 

ガチャッ

 

 

その時、私のウエストポーチから金属が擦れる様な音が聞こえた。

 

私はウエストポーチには何も入れてない。

 

不思議に思った私はウエストポーチの中を探る。

 

 

「赤燐グレネード?」

 

 

そこにあったのは、先程消えた雑貨屋で見つけた赤燐グレネードだった。

 

 

「夢では無かった?」

 

 

天使と言う存在と『ウィンズ・オブ・デストラクション』と言う名前。どうやらあの光景は夢ではなかったらしい。

 

 

「モンスーン君!早くしないと置いてっちゃうよー!」

 

 

既に結構遠くに行ってしまった黒歌が立ち止まっていた私を呼ぶ。

 

そうだ、今はゲームセンターに行かなくてはならない。

 

私は様々な疑問を胸にしまい、黒歌達を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここがゲームセンター?」

 

 

私と黒歌達はとある大きな店の前にいた。

 

中から様々な雑音が入り混じりながら聞こえてくる。

 

中の人間は椅子に座ってモニターを眺めていたり、ガラスの大きな箱に入った物を小型のクレーンを使って一生懸命取ろうとしている。

 

恐らくあれがゲームなのだろう。叫んだりしている所から、とても楽しい様だ。

 

 

早速中に入って見る。

 

100円玉硬貨で1回プレイ出来る仕組みの物が殆どの様だ。

 

 

「うわぁぁ!楽しそー!」

 

 

黒歌が叫ぶ。白音もゲームセンターの光景に目を輝かせていた。

 

 

「早速遊ぼう!白音、モンスーン君、行くにゃ!」

 

「慌てるな」

 

 

黒歌に連れられ、巨大なゲームセンターの中を行ったり来たりする。ゲームもやって無いのに何故か疲れてきた。

 

 

「………」

 

 

すると突然、白音が1つの台の前で立ち止まった。

 

 

「どうした?」

 

 

気になった私が白音に聞いてみる。

 

 

「……あれ、気になりました」

 

 

白音が台の中身を指さす。その中には黒い猫の形の髪留めの様な物が商品として置いてあった。

 

中に商品は1つしか入っていない。恐らく売り切れ寸前か、在庫処分の為に置いてあるのだろう。

 

ここで私の腕試しをするのも良いだろう。

 

 

「とってやる」

 

「…え?」

 

 

白音がこちらに驚愕の目を向けて来る。そんな事はお構いなしに私は黒歌に貰った1000円分の100円玉を取り出す。

 

1枚をとってコイン投入口に入れる。すると台から不思議なBGMが流れ、左上につる下げてあったアームが動かせる様になった。

 

まず最初は普通にやってみる。アームを右へ前へと動かし、髪留めの上へと移動させる。

 

位置は完璧。アームが下へと下ろされ、小型の袋に入った髪留めを掴んだ。

 

だがアームの力が弱いのか、掴んだ髪留めを持ち上げた瞬間に落とした。

 

 

(なるほど…こう言う仕組みか)

 

 

恐らくランダムでアームの力が強くなる仕組みだろう。そうやって客に何円も払わせると言う魂胆だ。

 

だが、それは私には通じない。

 

私は再度コインを入れる。また不思議なBGMが流れ、アームを動かす。

 

隣で白音が心配そうにこちらを見つめている。安心しろ、必ず取れる。

 

完璧な位置でアームを下ろす。アームは髪留めを掴み、持ち上げようとする。

 

ここだ。

 

 

「マグネットパワー…!」

 

 

私は静かに呟き、アームに私からは電磁力を発生させる。

 

瞬間、アームの力が上がる。いや、実際は電磁力を使って私がアームの力を調整しているのに過ぎない。

 

これで、実際に稼動している物でも操れる事が証明出来た。丁度いい腕試しをだったな。

 

アームは見事に髪留めを掴み、商品が出てくる穴に髪留めを落とした。

 

 

「欲しかったんだろう?貰っておけ」

 

 

私は手に入れた猫の頭の形をした髪留めを白音に渡す。

 

 

「あ…ありがとう……」

 

 

白音は私に礼の言葉を表し、早速髪留めを自分の髪に付けた。

 

 

「…似合ってますか?」

 

「私はファッションセンスが無いからどうも言えないが、少なくとも髪留めをする前よりは白音らしくなったな。可愛いと言う奴か?」

 

 

白音らしさとはなんなのだろうか?自然に口から出た言葉に私自身訳が分からなかった。

 

だが白音には良い影響を与えた様で、小さく笑みを浮かべている。

 

その顔は何処か赤くなっている気がする。何故だろうか?

 

 

「顔が赤いぞ。熱でもあるのか?」

 

「…何でもないです」

 

 

バッと顔を逸らされる。私が何か悪い事をしただろうか?心配すると言う行為は嫌われる事なのだろうか?

 

やはり女心と言うのは理解不能だ。

 

 

「2人共なにしてるにゃ?」

 

 

後ろから黒歌の声が聞こえた。そう言えば黒歌の事をすっかり忘れていたな。

 

 

「いや、少しな。それより私ならこのゲームセンターを蹂躙出来るが、どうする?」

 

「どうやって?」

 

「マグネットパワーだ」

 

 

それから、私は食べ物のあるクレーンゲームをやりまくり、明日からの食べ物を貯め続けた。

 

出入りが禁止になったのは別の話だろう。




多分ゲームセンターの商品が鉄製の物だったらモンスーンはもうアームなんていらないよね。いい能力だよなぁ…。
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