モンスターハンター 【紅い双剣】   作:海藤 北

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 少し遅れましたが二十四話です。
 ここでお知らせとなりますが、この「モンスターハンター 【紅い双剣】」のメインストーリーは後数話で完結いたします。
 詳しくは最終話のあとがきをお読みください。


第二十四話 三つの敵

 カイトは過去を打ち明け、リンはそれを受け入れた。彼女は罪を赦すのではなく、それを罪として見なかった。

 カイトの気持ちはそのことによって救われ、五年間抱き続けていた自責の念が幾分か肩荷から降りた。

 まだ彼らにはポッケ村におけるジャンの存在という解決すべき問題があるのだが、カイトにとって大きな問題を一つ解決できたことによってそちらに集中できるようになったと言える。

 

 しかしカイトに対してリンは少し様子が違っていた。

 端的に言うと、彼女は困っていた。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

「はい、注文のもの」

「おばちゃん、ありがとう」

 リンはあつあつの焼き立てパンを受け取ってゼニーを支払った。

 カイトの記憶のことをジャン達に悟られては面倒なことになる可能性もあるので、普段通りに生活するように言われている。

 あの日(・・・)のあと、カイトに語られたことはバルドゥスとブルックにも伝えられ、二人は自分たちの妻や友人たちの最期と真実を知ることになった。二人が少し悲しげに表情を曇らせただけで終わったのは歳のせいか時のせいかはわからない。

(……ただ一つ気になったことといえばうちのお母さんの最期のことがわからないことかな)

 カイトの語った話の中で轟竜戦におけるメイについての詳しい話はなかった。

(まあ今となっては迷宮入り、かあ……)

 リンが母のことを思い出しながらも取り乱さないのも時が解決してくれたのか、それとも別の理由があるのか。

 

「ん、リンか。そのパン早めの昼食か?」

「あっ、んええっと……!そ、そうだよ!」

 買い物帰りのリンはカイトに遭遇し、表情に出るぐらいに動揺してしまった。

 実はあの日(・・・)以来リンはいつもこうだった。

「えっとな、リン。なにか言いたいことがあるなら言って欲しいんだが……」

 カイトもカイトで記憶が戻ったばかりで気持ちの整理が完全についたわけではない。しかしジャンに悟られないように平静を何とか取り繕っている。

 しかしカイトの目の前のリンは明らかにあの話を聞いてから動揺している。

 本人はカイトのせいではないとは言っていたが、やはり自分の父に刃を突き立てたカイトに距離をおきたいのだろうか。

「う、ううん、全然そういうのじゃなくてっ……!とにかく大丈夫……!」

「あ、おいちょっと待てよ……!」

「ごめん本当になんでもないからっ!」

 慌てて両手を振ってカイトの心配を否定しつつも、リンはその場から全力で逃げ出してしまった。

 駆け足で逃げるリンはただただ困惑していた。

 今眼の前にいたカイトは、“記憶を失う前のカイト”なのか“自分と出会ってからのカイト”なのか。自分はどちらとして接していくべきなのか。

 そこに恐怖などといった感情はなく、リンはただひたすらに自分の行動指針が立たずに困惑しているのだった。

 そうして、ああでもないこうでもないと浮かんでは消える考えがその表情にそのまま現れており、たまたま通りすがったフローラに心配されたのであった。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

「今のカイトさんとどう接するべき、ですか……」

「うん……。頭ではいつも通りって思ってもなんかできなくて」

「まあ確かに少し雰囲気は変わった気はしますけど……」

「なんか聞いた話の通りならカイトって、その……。昔は根暗系だったってことだよね?」

「こらこら」

 リンの少しズレたところからの切り込みにフローラは苦笑いした。

「うーん、私は普段通り接してますし、リンちゃんもそこまで気にすることは無いんじゃないですか?」

「頭では分かっているんだけどね。どうしても記憶を無くす前のカイトが別人のように思えちゃうみたいで」

「なるほど……」

 フローラはリンの言いたいことも理解できる。自分たちが接していたカイトは、一度身辺の記憶がまっさらに消えた状態で出会い、いわば自分たちと一緒に人格形成をしたと言ってもいい状態だった。

 しかし今のカイトは記憶が戻り、この半年の経験とは関係なしに元からの人格が彼の土台を成していることだろう。

 そう考えると全くの別人になったと言い換えることもできる。

「でもちゃんと話してみないことには何もわからないと思います。今のカイトさんがどのような人間なのかなんて」

「で、でも何となく話しかけにくくて……」

「そうやって逃げ続けているだけじゃ駄目です」

「う、うん……」

 リンがフローラに怒られてしゅんとしたところで、別の通りからレイラとガウがやってきた。

「おや、貴様ら何の話をしていたんだ?リンがへこんでいるように見えるが」

「まあリンが悩んでいることなら大体検討つくがな」

「レイラさん……、ガウ……」

「大方カイトのことだろう」

「や、やっぱりわかる?」

「当たり前だ」

「そ、そっかあ……。あの、ガウはもういいの?……その」

 リンがしどろもどろ聞こうとしていることもガウはすぐに察することが出来た。

「カイトのやつを殴ったことか?」

「うん……」

「はんっ、あんな事とっくにあいつと解決している。話してしまえば解決してしまうことは意外と多い」

「話してしまえば……かあ」

「……ひとつ言っておくが、カイトは記憶が戻っただけで俺たちとの半年の記憶が消えたのとは違う。カイトはカイトで何も変わっていない」

「……うん、そうだね」

 ガウのその言葉を聞いてリンは意を決してきた道を引き返し始めた。

「ありがとうガウ!ウチ少し話してくるね」

「おうおう、急ぐのはいいけど転ぶなよ」

「わかってるー!」

 そう言って坂を駆け下りていったリンの後ろ姿を見て、ガウは深くため息を付き、レイラは笑った。

「やれやれ元気なことだな」

「もうすぐ二十だってのになあ。少し心配だぜ……」

「貴様も昔のようにもう少し血気盛んでもいいと思うがな」

「うるせえ、少しは大人になったってことだろ」

「早くやる気を出してG級認可の試験を受けてもらわないと困る。ここで足踏みしてるわけにはいかんだろう」

「ま、まあそれはそうだがよ……」

「それに以前の活力をもってしてくれないと、夜も楽しめないしな(・・・・・・・・・)

「お前、あのなあ……」

「ふふっ」

「フローラちゃんいるから」

「む、そうだったな」

「あわわ……」

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

「カ、カイト!」

「ん、リンか。その袋、まだ飯食ってないみたいだけどどうした?」

「えっと、その……。そ、そう!一緒に食べようかなって思って!」

「お、分けてくれんのか?」

「それはない」

「ケチくせえなあ……」

「う、うるさいっ!」

 暗に食い意地が張っていると言われたリンは顔を真赤にして怒った。

 そんなリンを見てカイトは少し微笑んで小さくため息をついた。

「カイト?」

「いや、なんか最近避けられてた気がしたからさ。こんなふうに話すのも久々で」

「あ……」

「やっぱりコルトの……、お前の親父のことなのか……?」

 カイトの表情が少し曇った。

 先日の過去の告白の時、リンは確かにカイトのことを責めはしないとは言ったが、それでもカイトはリンがそのことを気にするだろうとは思っていた。

 どんな理由や状況であったとしても、リンの父親の最期に手をかけたのは自分なのだから。

 しかし、それは杞憂であり、リンがカイトとなんとなく話しづらかったのは別の理由であった。

「ううん、違うんだ。それに、ごめん。もうカイトのことを避けたりしないから。ウチの中で整理がついたから」

「そ、そうか……?」

「うん。……だから今まで通りでいよう、ね?」

「……ああ」

 少し不安げなリンの頭をカイトは軽くなでた。

 リンは子供扱いするな、と手を払いのけたがその顔は少し嬉しそうであった。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 そして、日も落ち始め、村の人々が燭台に明かりを灯し始めた頃。

 ついに恐れていた事態が発生した。

 

「き、緊急です!」

 それは、古流観測隊隊員が声を荒らげて集会所に飛び込んできたことから始まった。

 夕食時のため集会所には多くの村人が集っており、そこにはカイトたちの姿もあった。

「何事ですか」

 ギルドマネージャーが古流観測隊隊員の耳打ちに一瞬その細い目を見開き、それから表情を曇らせた。

 ギルドマネージャーらは、“これから起こりうる事態”について村人たちに前々から説明しており、各々にそのことに備えるようには通達してあった。

 できることならば回避したかったことだが怒ってしまったことは仕方がない。

 ギルドマネージャーは集会所の中央に立ち村人たちに状況の説明を開始した。

「前々から説明していましたが、このポッケ村周辺で古龍クシャルダオラの目撃情報が相次いでいました。そして最新の情報によりますと、最悪の事態ですが進路をこのポッケ村の方に向けているとのことですわ」

 その言葉で集会所中がざわついた。

 それも当然のことで、古龍がポッケ村程度の村に訪れれば跡形もなく消え去るというのが何度も繰り返されてきた歴史である。

 戦えぬものはその身を引くしか無いのだ。

「みなさんもある程度の覚悟と準備はなされてきたことと思いますわ。我々はこれから三日後以内にこのポッケ村を発ち、南西へ向かいフラヒヤ山脈の向こうにあるいずれかの村へ一時避難をさせていただくこととしますわ」

 村人たちが不安げにギルドマネージャーの方を見た。

「そ、それはこの村を捨てていくということですか……?」

「いいえ、この村の守護は今ここに滞在して頂いているハンターの皆さんに依頼いたしますわ。村の皆さんにはあくまで一時避難をしていただくという形を取るだけでございますわ」

「あ、あの、その事なんですが……!」

 ギルドマネージャーに慌てて書類を持って駆け寄ったのは、G級受付嬢のシャーリーだった。

「つい先程なのですが、例の轟竜がフラヒヤ山脈の南下ルート周辺で目撃情報が出たようで」

「……それでは南への避難は危険すぎますね」

「え、ええ……。如何様にすれば……」

「……困りましたわね」

 流石のギルドマネージャーも思案顔であった。

 クシャルダオラが接近しているということはいずれこの村に大嵐が来るということである。その前に村人を避難させたいのだが、その進路にティガレックスが待ち構えているということである。

 村人全員を護衛するだけの人材は当然ポッケ村にはない。

 ギルドマネージャーの「最悪は私達が」というつぶやきにシャーリーはコクリと頷いた。

 

「あ、あの!ウチたちがティガレックスをどうにかするよ!」

 

 しばし訪れた沈黙を破ったのはリンだった。

「リンさんたちが、ティガレックスを討伐なさるということですか?」

「うん。確かに村のみんなを護衛するだけの人数のハンターはいないけど、ティガレックスとクシャルダオラを別々に相手にできる人数は揃っているよ」

「ですが、クシャルダオラは最低でも上位以上の個体と観測されていますし、ティガレックスに至ってはG級指定を受けている個体ですわ。今いるハンターでG級超えはレイラさんのみ(・・・・・・・)。かと言ってレイラさん抜きでクシャルダオラ討伐のパーティーを組むのはリスクが高すぎますわ」

 カイトの名前を挙げなかったのは、まだカイトの過去については他の村人たちには秘密にしてあるからである。

 カイトは「ダフネは」と一瞬思ったが、そういえばここ数日姿を見ていなかった。あの巨躯に青いアフロなので、いれば気がつくはずである。おそらく何らかの用事のために既に村を発った後なのだろう。

 

「失礼ですがギルドマネージャー殿。あのティガレックスの個体がG級指定を受けたのは遥か昔の話ではないか?」

 

 次に口を開いたのはレイラだった。

「と、言いますと?」

「いや、実はこの間カイト殿と一緒にあのティガレックスの姿を目撃したのだが……。あれは既にG級の域にある個体ではない。下位レベルと言ってもいいだろう」

「なんと、下位レベルとまでおっしゃいますか」

「ええ、その覇気こそ過去に絶対強者であったことを証明していたが、すでに身体的限界が来ていた。あの個体の相手は私がいなくても十分であると思う」

「……【白銀の鋼刃】のお言葉ですから信用いたしましょう。レイラさんを中心にクシャルダオラ撃退パーティーを編成し、もう一方でティガレックス討伐パーティーを編成します」

 ティガレックス討伐、という言葉にリンとガウ、そしてカイトの胸が高ぶった。各々の人生に大きく影響してきた相手とついに対峙することができるということである。

 

 そしていざ本格的な話に移ろうとした時、革靴の音が集会所に入り込んだ。

 

「いやいや、お話中の所申し訳ないが、その話はまた後日にしていただこうか」

 

 集会所に入ってきたのはジャンとその部下のギルドナイトたちだった。

「我々には時間がないのでね。そんな事は後回しにしてフラヒヤ山脈の環境調査(・・・・・・・・・・・)に赴いてもらわねばならない」

「ふざけるなよ。この村の存続がかかっている」

 額に青筋を浮かべて前に出てきたガウと目も合わせずにジャンは鼻で笑った。

「ふざけてなどいないさ。それにお前が怒ったところでなにも変わらんぞ?この村のクエスト発行権限は誰にあると思っているんだ?」

 そのセリフはつまり、フラヒヤ山脈の環境調査という名のウカムルバス調査が終わらない限りティガレックスやクシャルダオラへの対策は取らせない、ということだ。

 それをさらに言い換えるならば、村人たちは見捨てよ、ということだ。

「ふざけんなっ!」

 ガウが怒鳴ってジャンに飛びかかろうとするが、それは寸前で止められた。

 ジャンの部下たちが腰から抜いたギルドナイトセーバーの剣先をガウに一斉に向けたからだ。

「ここで怒っても何も変わらんと言っているだろう。お前たちのすべきことはいち早く“フラヒヤ山脈の環境調査”を終わらせることだと思わないかね?」

「きっ、貴様……!」

 今にも剣など気にせず殴りかかりそうなガウの肩にギルドマネージャーが手を置いた。その顔は普段の温厚な彼女のものとは大きく異なっていた。

「ジャン・マーカトさん。ギルドとは常に自然の安定とともに人々の安全を第一に考えるべきではありませんか?今の貴方の態度はそのような考えが見られませんわ」

「おおこれはこれはギルドマネージャー殿。確かにそのとおりであるが貴女も勘違いしない方がいい。ここはギルド本部ではない、貴女の言動が私の行動を束縛することなど出来ない。そして事が終われば私は貴女よりも高みに立つことになる。貴女の偉そうな口上も二度と聞くことは無いだろう」

「……若造があまり調子に乗らない方がいいですわよ」

「くっくっく、言ってろ竜人の老いぼれが」

「あなた、さすがに失礼が過ぎているわよ」

「まあまあ、シャーリー君。君も受付嬢などに収まる器ではないだろう。私についてくれば確かなポジションを確約しよう」

「あいにく興味が無いですね」

 普段からは想像できないような声色で話すギルドマネージャーと受付嬢シャーリーと、それを笑って受け流すジャンを村人たちは固唾を呑んで見守っていた。

「もっとわかりやすく言いましょうか。──あなたは指を咥えて黙ってみていればいいということだ」

「……ほう……?」

 普段ギルドマネージャーが仰いでいる明るい色の扇子は今日手元に無く、何故か金属の音がする(・・・・・・・・・・)紫色の扇子を翻していた。

 シャーリーもどこから持ちだしたか、布に包まれた長物を手に持っており、カイトも腰のホーリーセーバーに手をかけた。

 ガウやラインハルト、バルドゥスたちはもしもの時に村人たちを守るように備え、リンとフローラはどうすればいいのか分からず蒼白になっていた。ただ一人レイラだけは、何かを待っているかのように落ち着いていた。

 

 そして一触即発のその空気を打ち破ったのは集会所の外からの新たな来訪者だった。

 

「そこまでですよ、ジャン・マーカット」

 

 そう言って姿を現したのはここ数日姿を見せていなかったダフネだった。

「お前は確か【白銀の鋼刃】の相方か……。たかがG級ハンター風情が私に指図できると思っているのか?」

 ジャンの言葉にもダフネは一切動じずただただ言葉を続けた。

 

「──ハンターズギルド本部であなたの拘束が決定した。すぐに武器を置いて投降していただきます」

 

「な、んだと……?」

「心当たりはあると思いますよ?あなたの犯した罪の数々の証拠が存在しているのです」

「ぐっ……!」

 ダフネの言葉に動揺したのはジャンだけではなく、カイトも同じだった。

 ジャンの汚職の証拠。それはカイトが現物を持ち、先日交換条件でレイラが情報をカイトに提示すると言ったものだ。もしもの事態に備えてレイラはその現物の隠し場所は教えたが、ここからそれを回収しに行き、評議会にかけられて判決が下されるには日数が足りなすぎる。

 それなのにダフネはこういうのである。

「既に現物は評議会のもとに晒され、あなたを拘束するための調書も作成してある」

 そう言ってダフネが差し出した羊皮紙には確かに、ダフネを拘束せよという旨とハンターズギルドの印が押されていた。

「ぐっ、いつの間に……!やはりコルト・シルヴェールから流れたものかっ!」

「その通りです。今は亡きコルト・シルヴェールの集めたあなたの汚職の数々の証拠。それが五年の歳月を経て陽のもとに晒されたということです」

 それを聞いてジャンはカイトの方を睨んだ。

「カイト、貴様記憶が戻ったなっ……!やはり貴様も始末しておくべきだった……!」

「ひとつ言っておきますと、確かに現物の在り処を教えてくださったのはカイトさんですが、実際に評議会へ申請をしたのは私です。一週間前のことです」

「一週間前だと!?ここからドンドルマへは片道で三日はかかるということが分かっているのか?」

「ええ、ですから私はドンドルマにいた知り合いに鷹を飛ばして、代わりに評議会へ現物の提出をしてもらったんです」

 確かにそれならば日数も十分足りる事になる。

 一つ謎が残るとすれば、ハンターズギルドがそのような汚職の告発を外部から受けとこに対して素直に評議会で判決を下したことである。自らの立場を悪くする可能もあるような証拠はそのまま隠蔽することもできたはずである。

「その評議会もすぐに終わったようでしてね。その知り合いにこの調書を徒歩で届けて貰ったんです。恐ろしく足の早い方でね、このような事態にどうにか間に合ってくれました。ちなみに私がしばらく姿を見せていなかったのは村の外でその方を出迎える準備をしていたためです」

 そしてダフネの後ろから小柄な影が姿を現した。

 身体に対して大きめの外套をかぶっており、フードのせいでよく顔は見えない。

 おそらくこの人物が、ダフネの知り合いということなのだろう。

 カイトはその姿に覚えがあった。

 あのラインハルトが

 フラヒヤ山脈から命からがら帰還した夜、カイトにいにしえの秘薬をくれた行商人だった。

 そしてその人物はフードを脱ぎながらこう言った。

 

「やあやあ、ずいぶんと懐かしい顔が勢揃いしているねえ」

 

 フードの下から現れたのは女性の顔だった。

 クセのある髪は肩ほどまでの長さで、色は綺麗なブロンド。

 瞳は燃えるような紅色をしていた。

 

 その姿を見て、その場の多くの人々が目を見開いた。

 中でもリンは特別動揺し、表情が固まっていた。

 

 

「…………おかあ、さん…………?」




 はい、今までもちらほらと伏線をはらせていただきました人物の登場ですね。
 詳しくは次回で説明があります。
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