やはり俺のがっこうぐらしはまちがっている。   作:涼彦

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皆さん初めまして。涼彦です(´∀`*)

衝動に駆られてつい書いてしまいました。時系列は圭ちゃんが家出(自殺行為)をしてから二日目くらいからスタートとなっております。基本的に俺ガイルキャラは八幡と小町しか登場しません。でもって八幡が巡ヶ丘高等学校に入学した設定になってます。割とシリアス多めですが良ければ読んでくださいお願いします(必死)。

※タイトル作ってみましたヽ(・∀・)ノ

【挿絵表示】



第一章《本物と虚構》
第一話:彼と彼女はそうして巡り合う


夏季も終わりに近づき陽気で暖かな陽射しが降り注ぐ。しかし、彼女は車の影に身を潜めながら歩道や道路を不気味に彷徨くモノ――ゾンビを視界に収めると思わず背筋に怖気が走った。ヒトの形をした化物。その姿は未だに慣れず、全身が粟立つのを感じた。

 

――祠堂圭がショッピングモール《リバーシティ・トロン》から脱出して二日目。通学鞄に詰め込んだ水と食料は減る一方だった。室内に立てこもる親友を置いて助けを呼ぶために街へ出てはみたが、どこにも生存者の姿は見当たらない。加えて持参した食料には限りがあり鞄に詰めた量はたかが知れている。唯一、彼らを対処できるペンライトはあまり使用しておらず数十本残っていた。どういうわけかゾンビたちは皆光と音に反応して寄ってくる。倒す必要がないのは好都合だが、誘導に使ったペンライトを回収するのはリスクがあまりにも高く数は減るばかり。故に安易な使用は憚られた。使うのはゾンビに道を塞がれている時、そして緊急の脱出用だ。いざという時の為に武器を調達することも考えたが、圭はごく普通の女子高生。身体能力はほぼ平均並みであり、バットやスコップではゾンビを殺しきれるか怪しかった。かと言って拳銃は発砲時に音が出てしまいゾンビを引き寄せてしまうし、そもそも拳銃を発見するのが困難だ。弾薬の調達もしなくてはならない。その点、ペンライトは投げた時の音と発光により労せずゾンビを撒ける。数こそ限られているものの、人口の光が失われ月明かりが頼りの夜間はペンライトが真価を発揮するというものだ。

 

しかし、圭は夜間に簡易的なバリケードを作って施設や空家となった住宅に隠れて過ごしていたためペンライトを使う機会はあまり無かった。加えて圭は単独だ。夜の帳が下りてしまえば視界が利かなくなり、月が雲に隠れてしまえば状況はより一層悪くなる。そんな状況でゾンビ犇めく街を移動するのは無謀というものだった。そのため、圭は昼間のうちに生存者と食料を探し求めて荒廃した街を探索している。

 

ガードレールと接触したのかバンパー部分が破損した赤い軽自動車の後方から恐る恐る顔を出し前方の様子を伺う。圭は今、広い通りに出ていた。故に感染者はかなりの数だ。道路は横転した車、炎上したのか黒焦げになってしまった車、そして乗り捨てられた車が数多くあった。老若男女問わず徘徊するゾンビの位置をしっかり確認すると、次いで生存者が居そうな建物を探す。親友にも教えていたが目の良さには自信があった。この状況下において目の良さは比較的重要だった。それ故に遠方からその地点の状況を確認して行動していったおかげで今日までを生き延びてきた。背後にも留意しつつ近い建物から目を見やる。するとやはりというべきか入口にバリケードが設置されていないところが大半を占めている。圭の表情に焦燥が見え始めた――その時、遠目に一軒のコンビニエンスストアが目につく。商品を陳列する棚らしきもので入口が塞がれていた。流石に店内までは視認出来なかったが、周囲で唯一のバリケードが張られた場所だ。この地獄を生き抜く生存者が居るかもしれない。

 

一抹の希望を胸に抱きつつ周囲を確認すると、すっと立ち上がりなるべく音を立てないように小走りで目標のコンビニまで向かう。いつでも投擲できるように鞄からペンライトを取り出し数本構える。効果はさほど期待できないが、一瞬でも気を反らせれば問題ない。道路を横断し、歩道を彷徨くゾンビの横にペンライトを投げ道路へ誘導する。しかし一本ではほんの少し反応するだけだったが、二本目を追加して投げると漸くその身体を引きずるようにして道路に出て行く。そうして歩道の安全を確保すると再びコンビニに向かって急ぐ。

 

圭はコンビニの軒先にたどり着くと、鞄から数本のペンライトを追加で取り出し周囲を彷徨く数体のゾンビの気を惹きつけるためペンライトを纏めて少し離れた位置にある車に向かって投げつけた。投擲されたペンライトが二本ほどバンパーにヒットし軽い音を立てる。その音を聞きつけたゾンビがのそのそと緩慢な動きで車に群がっていった。その間に圭はコンビニ内部をガラス越しに確認してゾンビが居ないことを確認すると入口の扉を開ける――幸いにも自動ドアではなかったためすんなりと開けられた――今度は陳列棚を力一杯押し込み、ある程度棚の隙間を作ると念のため開けた扉を閉めてから隙間に身体を突っ込み店内へ。

 

バリケード代わりにされた陳列棚が一方に寄せられ、店内は広々としていた。掃除が行き届いているのか血痕はおろかゴミ一つ落ちていない。端の方にはいくつものゴミ袋が纏められていた。どうやら中身は菓子類の袋や空き缶、ペットボトルのようだった。やけにシンと静まり返った店内に圭は嫌な予感がした。もしかしたら既にここの食料は尽きていて生存者が餓死してしまったのかもしれない――そう思った圭は念のため鞄に手を突っ込むと残り少ないペンライトを掴んだ、その瞬間。

 

「――だ、誰だ。アンタ……」

 

のっそりとレジから身を出した彼は低い声で問う。その声色には確かな警戒が含まれていた。突如姿を現した生存者に驚きを隠せない圭だったが、慌てて敵ではないことと目的を伝えようとして――彼の持つ、酷く濁りきった死んだ魚のような目と目が合った。

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