テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた   作:609

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マイソロ2 五代目ディセンダー 第十話 変化

あれから三日を掛け、町に入った。

辺りは朝早い為、あまり人は居なかった。

町の入り口で、彼女は子供達に言った。

 

「町には着いた。これで私の役目は終わった。後は、お前達で何とかしろ。」

 

すぐに、ここから去ろうとする。

が、またしても子供達は彼女にしがみ付く。

そして泣き出すのである。

彼女は、ため息を付いた。

そして腰を降ろす。

比較的、解りやすく言った。

 

「私に付いて来ても、良い事はない。むしろ危険な事が、あり過ぎる。なにより……お前達が共に来ても、守ってやれないぞ。」

 

それでも、子供達は首を振る。

声を揃えて、泣きながら言った。

 

「「「それでも良いから……置いて行かないで‼」」」

 

ハッキリ言って、彼女は彼らの答えなど、どうでも良かった。

むしろ彼女は、これで時間を潰されるのが嫌だった。

だから、このままこの子供達を連れて行く事にしたのだった。

 

『こいつ等自身が、自ら付いて来たのだ。死んだらそれまで、だな……』

 

 

――レイノアの、彼らを連れての旅が始まった。

彼女の旅路は、前の旅路に比べて大分遅くなった。

彼女は今日も、彼らの寝顔を見ていた。

 

『……下界人は色々大変だな。そう言えば、父さんも食事や睡眠を取っていた。その辺は、監視者になってもやっていたな……。初代達≪先代達≫も、下界人に合わせて食事や睡眠を取っていた。強いて言うならば、私自身も、最初の頃は世界樹の森でそう言う事をしていたな……。今は、やろうとは思わないがな。』

 

彼等との旅に、だいぶ慣れてから三週間が経ったある日。

レイノアは一人の商人を助けた。

いや、助けるしかなかった。

何故なら、その商人は自分達に向かって逃げて来たからだ。

 

彼女は剣を抜き、魔物を一刀両断。

そのおかげで、難を逃れた。

というより、普通の魔物相手に彼女が後れを取る事はない。

相手にするだけ無駄なのだ。

助けた商人は、肩で息をしながらお礼を言ってきた。

 

「あ、ありがとう。おかげで何とかなったよ……」

 

彼女は当然それを無視する。

そして、辺りを探っていた。

 

『……あの魔物以外は、いないようだ。』

 

魔族も、この近くにいそうにない。

なので、今日はここで野営の準備を始めた。

子供達は商人を強く警戒していた。

彼女の方は、至っていつも通りだった。

いつものように、彼らに果物などを渡す。

と、それを見た商人が驚いた。

そして、慌てて聞いて来た。

 

「ちょ、ちょっと待て!もしかして、君達の食事はいつもこうなのかい?」

 

子供達は頷く。

商人は青ざめて、自分の荷物を漁りだした。

野菜や肉を中心に、食材などを出す。

そして調理を始めた。

それが完成し、商人は全員に手渡した。

 

「これは、先程助けて貰ったお礼だ。ゆっくり食べるといい。」

 

子供達は、それをパクパク食べていく。

レイノアは食べる必要がない。

と言うより、食べる気すらない。

なので、自分の分を子供達の皿に、それぞれ入れていく。

商人は慌てて、

 

「ああ、おかわりならまだ沢山ある。君も食べなさい。」

 

彼女は首を振り、子供達の食事風景を見守っていた。

最近は、彼女自身では気付いていないが、無意識のうちに彼らを見守っていた。

彼女自身が気付くには、まだ当分時間がかかるだろう。

と、商人は疑問に思ったようだ。

だが、そこには触れず、優しく言った。

 

「それにしても……駄目だよ。育ち盛りの君達が、果物とかで済ませては!なにより、それでは体が持たない。ちゃんと、栄養の付いたバランスの良い食事をとらなくては!」

「……食事?これでは駄目なのか。下界人は、何かしら口にしていれば死なないと思ったが……」

 

レイノアのその言葉に、商人が驚き目を見開いた。

商人は彼女に対し、疑問や説明を始めた。

 

「ま、待ってくれ……何かしら食べていたとしても、こんな事を繰り返していれば栄養が足りなくなってしまう。それに、君はいつもは、どうしているんだい?」

「私の事はいい。だが、本で読んだ時はそう書いてあった。しかし、取らないと死に至るということか……」

 

自分は別に、子供達がいつ死のうが関係ないと思っている。

が、自身の知識不足で死なれるのは良い気がしない。

 

商人が、さらに眼を見開いていた。

 

「……つまり、君は本で得た知識のみで、これまでこの子達と居たという事だね。ちなみに、君達の親は何を、君に教えたんだい?」

 

この商人はおそらく、我々を姉弟妹≪きょうだい≫と判断したのだろう。

人間やハーフエルフはともかく、エルフは無理があるだろう……

そもそも、下界人と姉弟妹≪きょうだい≫扱いされるとは思わなかった。

彼女は、冷たい声で言った。

 

「……一つ言っておくが、私とこの子供達とは姉弟妹≪きょうだい≫ではない。私の旅に、この子供達が付いて来ただけだ。」

 

商人は、しばらく何かを考えていた。

商人は子供達を見て、何かを決意したようだ。

 

「君達は、何か目的があって旅をしているのかい?もし、そうじゃないなら、私と共に村に来ないかい。私は、実はその村の村長でもあるから、君達を村に迎え入れられる。」

 

レイノア自身はどうでも良い。

が、この子供達にとっては、良いかもしれないと判断する。

彼女は、この商人が嘘を言っているとは思えない。

今の時代、商人が村長である事は考えられる。

村を維持する為にも、今はこうしないと駄目だからだ。

だが、そんな村で大丈夫だろうか、と子供達を心配している自分がいた。

それは自分ではない、と彼女は思い直す。

 

 

その商人の村は、ここからまだ先に行った所らしい。

なので、道筋がてら、この商人の村に向かう事にした。

 

レイノア達は街に来ていた。

商人の指導の下、彼らは買い物をしていた。

レイノアにとっても、これは初めてといえる行動だった。

一通り終わり、彼らは広場で休んでいた。

 

その間、子供達が遊んでいた。

その姿を彼女は見守っていた。

それこそ、無意識にそうしていたのである。

そんな彼女の様子を見た商人が、

 

「君は……あの子達とは、姉弟妹≪きょうだい≫では無い、と言っていた。でも、私が見るに、君はあの子達を大切だと思っているのではないのかい。」

 

その商人の言葉に、彼女は首を振る。

それでも、目線はいまだに子供達を見ていた。

 

「あの子供達を大切に想っているのなら、私の旅に付いて来たあの子達がいつ死んでも構わないと思うか。そもそも、感情と言うのをあまり知らない私に、何故付いて来たのか……理解に苦しむ。」

 

商人は、横に座っている彼女や子供達から、共にいる理由を聞いている。

だから、普段は言えない子供達の代わりに、あの子達の気持ちを伝えてみた。

 

「あの子達にとって、君は両親の敵を取ってくれた人。そして、両親を埋葬してくれた人だ。何より、君の役に立ちたいと思っているんじゃないかい。あの子達は、何だかんだで君の優しさを知っている。いつ死んでも良いと想える相手を、君は助け、供に居続けている。それはやっぱり、あの子達の事を大切だと思っているからじゃないかな。」

 

レイノアは商人の言葉に驚いた。

そうだ、自分は彼らの事はどうでもいい。

そう思っている。

その気になれば、彼らを置いて行くこともできる。

なのに、ずっと彼ら傍に自分はいる。

そして、あの子達を見守りたい、と思っている自分が居るのに気付いた。

それはつまり……

 

『捨てたはずの感情が、再び蘇ったのか?それとも、私の中に新たに感情ができたのか?』

 

レイノアは、商人を見てた。

 

「情がわいた……と言うやつか。確かに、そうかもしれんな。まさか、この私が下界人に興味がでるとは……」

 

彼女は気が付いていなかった。

自分の表情が、どこか嬉しそうだという事に……

 

改めて、彼らの想い入れを確認したレイノア。

と、彼女は立ち上がり、子供達の方へ歩いて行く。

商人が子供達の方を見ると、子供達は少年少女達に苛められていた。

 

彼女はどうでも良かった。

だが、体が勝手に動いたのだ。

何より彼女は、普通の者より聴力も人並み以上だ。

だから、椅子に座っていても彼等の会話は聞こえていた。

それに眼は、常に自分の周辺を視ていた。

そんな彼女が動いたのは、この言葉を聞いたからだ。

 

「おい!何で、異種族がここで遊んでいるんだよ!ここは人間様専用なんだよ‼」

 

と言って、ジャックが押し倒された。

それを、慌てて秋信がジャックを起こす。

 

「ごめん。僕達はこの街の者じゃないから、ここでのルールを知らなかったんだ。だから、許してくれないかい。」

 

秋信は、彼等に頭を下げて言った。

ジャックは起き上がってからは、姉のエルシアの後ろに隠れていた。

秋信の後ろで、二人が兄と呼んでいるのを聞いた者達。

彼らは、標的を『秋信』に変えた。

 

「お前、あの異種族の兄なのか。……兄が礼儀知らずなら、その兄弟もそうだな!どうせ、お前らの親も、そうなんだろう‼」

 

この言葉には、秋信は拳を握りしめた。

そして、年上の少年達に言った。

 

「……僕の両親も、あの子達の両親も、礼儀知らずじゃない!僕達の父さんは、異種族とか関係無しに、いつも接していた。僕は、そんな父さん達を誇らしかった。それに……僕の兄弟を侮辱するな‼」

 

そう怒鳴ると同時に、少年は秋信に殴り掛かって来た。

今の秋信には、避けきるのは無理だと、レイノアは判断した。

それは、本人にも解ったのだろう。

彼は歯を食いしばっっていた。

しかし、相手の拳は彼には当たってはいない。

何故なら、その拳をレイノアが掴んだからだ。

秋信が恐る恐る目を開ける。

レイノアは、その状態のまま秋信を一度見た。

 

「……何をしている。子供相手に、少しやり過ぎではないか。」

「な⁉なんだよ、お前!関係ないだろう!大体、俺等より……こいつ等の方を何とかしろよ!」

 

彼女の剣を見て、何を思ったのか。

少年は、彼女に命令する。

彼女はため息を付いて、少年の腕を離す。

そして、秋信の方へ行った。

彼の頭を撫で、ジャック達を見る。

その様子を見たジャック達も、寄って来た。

彼女は二人にも、同じようにしてやる。

彼等は、嬉しそうに笑顔いっぱいだった。

そんな中で、彼女は自分の行動に驚いた。

 

『……本当に、興味が出ているとは。助けたあげくに、こんな事を……』

 

それを見た少年達は、納得できないように怒鳴ろうとした。

が、知り合いの軍人が来たのだろう、その者の名を呼んでいた。

その軍人十人が来て、私達を見てから少年に事情を聴いている。

それをどう聞いたのか、彼等はニヤニヤしている。

彼女は商人が近くに来たのを視て、子供達を預ける。

そして、剣を抜く。

何故なら、軍人がいきなり斬りかかって来たからだ。

それを、彼女は背を向けたまま、その剣を止める。

軍人はその行動に驚いたらしく、次々斬りかかって来る。

 

『ここで、この下界人達を斬ると後々面倒だ。なら、軽く受け流すか……』

 

彼女は、彼等を軽くあしらった。

いつまでも、これが続くのも面倒だと判断した彼女は、彼等の剣を真二つにした。

彼等は状況に付いていけなかった。

そんな彼らを無視して、彼女は子供達の所に戻る。

子供達と商人を連れ、この街を後にした。

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