テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた   作:609

12 / 55
マイソロ2 五代目ディセンダー 第十二話 想い

一時間程度で、目的の森に来れた。

眼で辺りを探り、魔族の様子を確認する。

 

『それにしても……少し鈍ったな。本来なら、ここまで三十分で来られた。』

 

すると、ここには本命がいた。

レイノアは剣を抜き、先手を取るために斬り掛かる。

相手はそれを、短剣で受け止めた。

その人物は、長い髪を後ろで縛り、黒服で身を包んでいる。

先代≪四代目ディセンダー≫レオンは嬉しそうに笑った。

 

「やぁ♪久振り、レイノアちゃん。それにしても、随分と雰囲気変わったね。昔は感情ありありだったのに、今は全く感じられないや。」

 

その挑発にも、彼女は表情を変えず、

 

「何所で、その名を知った。いや、あの時か……。この数か月、上手く姿を消してくれたものだ。」

「いやいや、俺もかなり大変だったよ。君は、俺とある種同じ眼を持っているみたいだったからね。でも、遠くから視ていたけど……まさか、君が下界人に興味を持つなんて珍しいね。」

 

これには、さすがの彼女も変化があった。

彼女から、物凄い殺気が浮き出る。

彼女自身、視られていたこと自体気付いていなかった。

レオンに、冷たい視線を向けるレイノア。

彼に斬り付けている剣に、さらに力を込める。

 

「いつから見ていた!いや……ここで貴様の命、貰っていく‼」

 

だが、彼は口の端を上げた。

彼は、彼女の剣を簡単に弾いた。

体勢を崩した彼女に、弾丸を打ち込んでくる。

レイノアは、すぐに剣で防ぐ。

彼女は体勢を直しながら、剣を構え直す。

レオンは銃口を彼女に向けたまま、彼女の持つ剣を見る。

 

「それ、クラトスさんから貰ったのか……。随分手入れされているから、剣の記憶を読ませて貰ったよ。」

 

レイノアはキッと睨みつける。

レオンは苦笑して、

 

「そんなに怒らないでよ。俺は、君の先輩で、君のお兄さんみたいな者だよ。君は他の世界の守り手≪ディセンダー≫と違って、俺の生まれ変わりでは無いんだから。」

 

おそらく彼は、己の中の先代達の記憶を視て理解したのだろう。

本来、次代の世界の守り手≪ディセンダー≫は二つの意味で生まれる。

役目を果たした世界の守り手≪ディセンダー≫は、世界樹の中に入り眠る。

そして、再び地に降りるときに、記憶を保有するかしないかを決める。

これが本来の形。

そして、もう一つが転生だ。

世界の守り手≪ディセンダー≫が死んだ場合だ。

その魂は同じで、世界樹の力を使って器が変わる。

この世界≪グラニデ≫は、初代は世界樹の中で眠り続けている。

なので、初代の力の一部を使い、世界樹が新たな命を芽吹かせた。

それがこの世界の二代目世界の守り手≪ディセンダー≫だ。

その彼女から今のこの四代目は存在する。

だが、自分は彼の生まれ変わりではない。

世界樹が、残っていた力を使って、レイノア≪ディセンダー≫を創り出した。

そう、自分は本物≪ディセンダー≫にして、本物≪ディセンダー≫ではない。

だからこそ、この話は気に入らない。

 

レイノアは再び、レオンに斬り掛かる。

彼は銃を連発する。

全てを裁き斬る事ができないと彼女は判断した。

なので、致命傷になる所だけを防ぎ、後は防がずに彼へと突っ込む。

今まで、黙って見ていた魔族達の攻撃を交わす。

そして、先に魔族を片付けに入る。

でなければ、四代目世界の守り手≪ディセンダー≫の元に行けない。

剣に、ディセンダーの力≪光≫を籠める。

その光が、穴も含めて魔族を一掃する。

そのまま、レオンの元へと突っ込んだ。

だが、彼は嬉しそうに笑う。

短剣と銃を交差し、静かに言った。

 

「レディアント完全解放‼」

 

レイノアはハッとして、すぐに後退する。

が、間に合わない。

腹と肩に、重傷の傷を負った。

彼女は膝を着く。

レオンを見ると、先程と違っている。

彼は黒いコートを纏っていた。

レイノアは回復術を掛けながら、立ち上がる。

だが、その瞬間にも彼は攻撃してくる。

剣で応戦したが、間に合わない。

今度は、銃と短剣による攻撃を受け、深手を負う。

最後に、彼に蹴り飛ばされた。

彼女は木に叩き付けられ、気絶していた。

 

 

――自分が目を覚ました時には、四代目世界の守り手≪ディセンダー≫の姿は既に無かった。

その場に、もたれた状態でしばらく空を見ていた。

空は明るくなってきている。

あれから随分と時間が立ったのが解る。

 

『……殺さなかった事を後悔させてやる。しかし、レディアント次第であそこまで変わるとは……。あれをして、こちらの戦意を失わせるつもりだったのか。どちらにしろ、闘志が湧いた!さて、帰らないと……』

 

彼女は体に力を入れる。

が、体は動かない。

かなり損傷が激しいようだ。

 

『……感情があったら、確実に耐えられないかもしれないな。回復術を使おうにも、消耗が激しい。なら、仕方ない……』

 

彼女は、ここら一帯のマナを集める。

そのマナで傷を癒していく。

それでも、しばらく動く事が出来なかった。

 

結局、彼女が動けるようになったのは昼過ぎ。

起き上がり、眼を通して子供達の居る場所を確認する。

どうやら、あの街から出ていないようだった。

彼女は急いで彼らの元へと戻る。

その間も、眼を強化していた。

が、レオン≪四代目≫を見付ける事は出来なかった。

 

街に戻り、もう一度眼で位置を確認する。

宿から出ていない事が分かり、そこに帰る。

彼女が部屋に入ると、子供達が飛び付いて来た。

取り敢えず、彼らの頭を撫でる。

商人が心配そうな顔で、

 

「良かった。朝になったのに帰って来ないから……何か、トラブルでも起きたのかと思ったよ。」

 

あながち間違いではない。

が、それを彼等に言っても仕方ないことだ。

なので、彼女は無言だった。

 

街での買い物を終え、商人の村に向かって旅立つ。

二日を掛け、商人の村に入った。

村は裕福ではないが、それなりに広さのある村だった。

村の周りは森に囲まれており、ある種の隠れ里のようなもののようだ。

そして、彼が村に入ると村人全員が出迎えた。

彼は本当に、この村の村長だったのだ。

しかも、種族混合の村の村長だった。

 

この村の住人は、よそ者の自分達を見ても、嫌な顔一つしなかった。

レイノア達は、しばらく村長の家に居た。

彼には奥さんがいたらしく、物凄く歓迎された。

その奥さんがお茶を出しながら、

 

「ありがとうね。家の人、おっとりしているから……時々、危なっかしいとこが多過ぎて。しかも、魔物から助けて貰ったとか。それに、こんな人だから、村長に見えないでしょ?あ、遠慮せずに食べてね。」

 

と言って、お菓子も出す。

奥さんの話を聞きながら、眼で辺り≪村≫を見渡す。

 

『村自体は悪くない。ここに来る途中にも、畑や家畜がそれなりにあった。この場所は、マナにも恵われているようだな。これを維持できれば、この村はやっていけるだろう。』

 

と、レイノアは子供達を見る。

ジャックとエルシアは、美味しそうにお茶とお菓子を貰っている。

秋信は、遠慮がちにお菓子を食べていた。

無論、出されたお菓子とお茶には、彼女は手を出していない。

それを見た奥さんは、手を頬に当てて聞いた。

 

「もしかして、貴女は甘いもの嫌いだった?」

 

首を振って、彼女は自分のお菓子を子供達に渡す。

奥さんが、ずっと彼女を見ていた。

彼女は仕方なく、お茶を一口飲んだ。

その行動に、奥さんは嬉しそうだ。

が、子供達と商人は驚いていた。

それは、無理もないだろう。

ここ数か月、彼女と供にいたが、彼女の食事みたいなとこを見た事ないのだから。

そんな商人を彼女は見て、

 

「……何だ。」

「い、いや……君も、ちゃんと人の子なのだな、と再認識されたと言うか。君のそう言った姿を、初めて見た気がするからね……」

 

彼は、おどおどした感じでそう言った。

横を見ると、子供達も頷いていた。

奥さんは不思議がっている。

彼女は視線を外し、

 

「する必要が無いからな。これも、お前の女に見られるのが、面倒だと判断したからに過ぎない。」

 

彼には理由は良く分かっていないようだった。

が、話を進める事にしたようだ。

 

「さて、君達はこれから、どうするんだい?前にも言った通り、この村で暮らしても構わないよ。もし、君達さえ良ければ……僕達の子供として、ここに暮らしてくれても良い。」

 

その言葉に、奥さんも嬉しそうに手を合わせた。

 

「そうよ!それが良いわ‼もし、何か理由が無いなら、私達の子供になって。私達、子供は出来なかったものだから、子育てには不住な事があるかもしれない。けど、頑張るから!」

 

彼女は子供達を見ていた。

 

『私は、この村から出て行くつもりではいる。が、この子達は別だ。この子達が良ければ、この村に置いて行くつもりでいた。この村を視て、マナもあり、なにより多種族だ。事件が起きらない限り、この構成は保たれるだろう。それに、目の前のこの男は意外としっかりしている。』

 

エルシアは、彼女の手を握っていた。

彼女は、村長と奥さんを見て、

 

「仮に、この村で住む。もしくは、お前の子供になるとしても……秋信はともかく、エルシアとジャックは異種族だ。それを受け入れられるのか?」

 

彼はその言葉で、彼女自身には〝ここに住む、と言う選択肢は無い〟と、言うのを理解したようだ。

だから彼は、真剣な顔で言った。

 

「無論。私も、妻も、種族は気にしない。異種族だから、何かしらの壁はある。でも、それは同じ人間通しでもそう言った事はある。つまり、そう言う事だよ。」

 

奥さんも、その言葉に頷いている。

レイノアは子供達を見て、

 

「彼等は嘘を付いていない。後は、お前たち次第だ。」

 

子供達は驚いている。

ジャックは、エルシアに抱き付いていた。

おそらく、話に付いていけないからだろう。

それでも、この雰囲気に対して何かしら感じているのだろう。

エルシアが、ジャックの手を握って、彼女に恐る恐る言った。

 

「私達は、姉様と一緒に居たいです。おじ様は優しくしてくれる良い人ですが、私は姉様と供にいたいから……」

 

秋信は、村長を見た。

そしてレイノアにも、気持ちをぶつけた。

 

「おじさんが優しいのは、みんな知ってる。おじさんのおかげで……僕は、姉さんの役に立てれる事を見付けられた。でも、僕も姉さんとは離れたくない。姉弟妹≪きょうだい≫一緒に居たい!」

 

彼女は呆れた。

村長のおかげで、自分と共に居る事がどんなに普通とは違うか解ったはずだ。

なにより、自分に付いて来れば苦労する事は明白だ。

それでも、この子達は自分≪私≫に付いて来る、と言っている。

そんな彼等の事を、ほんの少し嬉しいと思っている自分がいた。

彼女は自覚する。

 

村長は寂しそうに、

 

「そうか……じゃあ、また気が向いたら話してくれ。」

 

レイノア達は、ここに泊まった。

子供達が寝たのを確かめてから、彼女は村長の所に向かう。

彼は彼女を見て、お茶を注ぐ。

それを渡しながら、席に着く。

彼の向かいの椅子に座り、お茶を一口飲む。

 

「……正直、こう言った事をやる必要が無いのに、やるというのは変な感じがするな。昔は気にしていなかったが……」

 

レイノアのその含みのある言葉。

彼はそれを聞いてみて良いものか、と悩んでいるようだった。

彼女はため息を付き、少しだけ話をする。

 

「私は、あの子達に会うずっと前……そうだな、秋信とエルシアくらいの姿の時だったか。父親と言う存在と、供に居た時期があった。その時に、色々やった以来だ。」

 

彼は感心しているようだった。

おそらく、人並み程度にちゃんと暮らしていた、と思ったのだろう。

レイノアは、彼を見ながら本題に入った。

 

「あの子達が、私と供に居たいと願っても……おそらく私は、それを拒むだろう。今は良くても、いずれは手放す事になる。そうなった時、あの子達は三人で生きなくてはならなくなる。その時、あの子達が望むのであれば、私はお前に頼みたい。他の下界人と違い、種族の壁をちゃんと受け止めているお前だからこそ、あの子達はお前に懐いている。」

「そうか……解った、理由は聞くのは辞めておこう。その時が来たら、あの子達の事は任せてくれ。」

 

彼は真剣な顔で、そう言った。

 

『本当に、この下界人は変わっているな。私自身も、まさかこんな事をするとは……。本当に、あの子達に情がわいたのかもな。いや、わいているのだろうな。』

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。