テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた   作:609

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第二章~~大切なもの~~
マイソロ2 五代目ディセンダー 第十三話 姉弟妹≪きょうだい≫


村長としばらく話した後、レイノアは外に出た。

眼を通して辺りを探る。

ここから少し行った場所に、クラトスがいるのが解った。

そこに向かって彼女は走り出す。

 

 

丁度、クラトスは一人だった。

レイノアは彼の前に出る。

クラトスは彼女の存在に気付いていたのだろう。

対して、驚いていなかった。

クラトスは口を開き、彼女の頭を撫でる。

 

「……久しぶりだな。元気そうで、何よりだ。」

「父さん≪クラトス≫も、元気そうで良かったよ。……所で、他の監視者は居ないのだな。」

 

クラトスは撫でるのを止め、腕を組んで言った。

 

「別件で居ない。今は、アイツと一緒だ。」

 

と、言って横を見る。

そこには大きな犬?のような犬が居る。

彼女はこの生き物を知ってはいる。

が、会うのは初めてだった。

レイノアが視線を送ると、その生き物が飛びついて来た。

彼女は押し潰された。

避けようと思えば避けられた。

が、何故か自分は避けなかった。

それは、この生き物と仲の良かったあのディセンダー≪初代≫の記憶のせいか。

彼女は、その生き物に怒鳴る。

 

「おい、離れろ。私は初代では無い。離れろ、と言っているだろう、ノイッシュ!」

 

クラトスは少し驚いた。

感情を捨てたレイノアが、感情を少し出しているのだ。

 

彼女は、ノイッシュを退かせ、叱っていた。

それが一通り終わると、彼女はクラトスに向き直る。

クラトスは苦笑して、彼女に言った。

 

「……初代の記憶を持っているとは聞いたが、まさか初代のようにノイッシュとも話が出来るとは……。先代達は、それは出来なかったのだ。ノイッシュも嬉しいのだろう。」

 

クラトスがしょげているノイッシュの頭を撫でる。

レイノアは土汚れを落とし、

 

「それは解っているが、浮かれ過ぎだ。……何だ、父さん≪クラトス≫。」

「いや、昔ほどではないが……お前が感情的になる事があるのだな、と思っただけだ。」

 

クラトスは嬉しそうに言った。

逆に、彼女は頭を押さえていた。

クラトスは心配そうな顔をしている。

が、彼が声を掛ける前に、

 

「そうか……まさか、クラトス≪父さん≫が見てもそうなら……そうなのだろうな。あの子達に会ってから、良くそう言われるようになったからな。」

「あの子達?……誰かと供に、旅をするようになったのか?」

 

彼は意外そうな顔をしている。

彼女は眼を、子供達の居る方へ向けた。

子供達は、まだ寝ている。

レイノアは、クラトスに向き直って、

 

「……偶然、拾う事になっただけだ。いつ死のうが関係無かった……のだが、ダメだな。最近は、あの子達から眼が離せなくなった。もし、今の私に感情と言うものがあるなら、それはあの子達が創った……今の私≪レイノア≫としての感情だろう。」

 

クラトスは、素直に嬉しかった。

理由はどうあれ、レイノアに感情や他者に対する思いやりと言うものが出来たのだ。

彼女は、未だにしょげていたノイッシュの頭を撫でながら、

 

「その内、父さん≪クラトス≫にも見せてやるよ。私の弟妹を……」

 

と、最後の方は囁きに近かった。

その呟きと共に、彼女はこの場を去った。

理由は、ユアン達が来たからだ。

クラトスとしては、レイノアが去った理由が解っていた。

ユアン達が来ているのに、気が付いていたからだ。

なにより、ああいう時は大抵、彼女はクラトス≪自分≫の事を、父と呼ぶ。

なのに、呼ばなかった。

そこからでも、予想はついていた。

しかし、最後の言葉を言っている時、彼女は一瞬ではあったが笑っていた。

それが何より、彼にとっては嬉しかった。

 

レイノアは、村長宅に帰って来た。

彼女は、クラトスに言った言葉を思い出していた。

 

『クラトス≪父さん≫に会わせるのは別に良いと思った……。しかし、まさか私があの子達の事を“弟妹”と言うとは……。変わってきているな、私も……』

 

朝までもう少し時間がある。

ので、村長宅に置いてある薪木を斬って、時間を潰す。

これもまた、自分としては珍しい事だと、彼女は思った。

薪を切っている間に、秋信が起きて来た。

彼は、彼女の薪を斬る姿に見入っていた。

彼女は、薪木を上に何個か投げる。

それを、綺麗に斬っていたのである。

秋信は、近くにあった枝で彼女の真似をし始めた。

全ての薪を切り終わると、彼女は彼に剣を教えた。

 

そして一か月後、この村から旅立った。

村長夫妻は笑顔で、レイノア達を送り出してくれた。

出る際にも、彼らは旅に必要な物を沢山分けてくれた。

 

 

――レイノアが、この子供達と供に過ごして、三年が経った。

彼女は、いつものように秋信に剣を教えていた。

その間に、エルシアが料理を作る。

村長家に居る間に、エルシアが覚えたのだ。

エルシアの料理ができ、ご飯を食べる。

これが、最近の流れだ。

そんな中、レイノアは少しだが子供達と食事をするようになった。

そうして欲しいと、彼らにお願いされたからだ。

 

レイノアは子供達を見る。

初めて会った時、秋信は十歳。

エルシアは八歳。

ジャックは五歳。

 

三年経った今では、秋信は十三歳。

体付きは普通の少年と変わらない。

あと数年もすれば、彼女の背を超すかもしれない。

彼には、昔彼女が使っていた剣を与えていた。

彼は嬉しそうに、それを毎日振っている。

その気になれば、小さい魔物は一人で倒せるようになった。

ちなみに、魔物≪練習台≫はそこらじゅうに居る。

 

エルシアは十一歳。

エルフである為、成長は遅いだろうと思う。

が、ある程度育ってから成長が止まる型のだろう。

今は、普通の人間と対して背は変わらない。

最近では、料理と治癒術に興味があるらしい。

料理は毎日、彼女が担当している。

治癒術は、レイノアが教えていた。

彼女とは相性が良く、小さい傷なら綺麗に直せる。

そんな彼女は、日に日に可愛さも増していた。

 

ジャックは八歳。

この子もハーフエルフである為、成長は遅いと思う。

が、この子も普通に成長していた。

だが、普通の八歳よりは小さい方だった。

その辺は、初代と供に居た金髪のハーフエルフの少年を思い出す。

 

最近のジャックは、皆の真似事が好きらしい。

剣を振っている秋信の真似をする。

それだけではない。

料理をしているエルシアの手伝いもする。

彼はこの中で、一番笑う子だった。

 

レイノアも、この子供達に関わり随分と変わった。

彼女自身では気付いていないだろう。

が、子供達の前でだは、少しだけ笑うようになった。

この子達を大切だと、認識している証拠だ。

 

レイノア達は、大きな街に来ていた。

街を歩いていると、親子の会話が入って来た。

 

「お母さん、お父さん。僕、あれが欲しいよ。買って、買って!」

 

子供はおもちゃを指差して、おねだりをする姿がある。

その子供の両親が、子供に優しく言った。

 

「もぉー、この前買ってあげたでしょ。今度にしなさい!」

「そうだぞ。その時は、もっと良いものが、出ているかもしれないぞ。」

 

だが、子供はねだり続けた。

押し負けた両親は、そのおもちゃを買って、この場を去って行った。

 

彼女は、自分の手を握っていたジャックの手が一瞬だが、強くなったのが判る。

二人も見ると、秋信はエルシアを優しく頭を撫でていた。

彼女は、この手の感情は解らない。

だから、ある意味人間の子供らしく、そして人間としての生活が一番長かった初代の感情を詠み取ってみた。

初代が、この手の感情を一番知っていると判断したからだ。

 

『……寂しさと羨ましさ。何より、欲求間的なものか……。それに、気を使って我慢している、という辺りか。』

 

彼女は子供達を見て、

 

「……お前達も、ああ言う物が欲しいなら買ってやるぞ。」

 

子供達は嬉しそうな顔をしたが、すぐに首を振った。

そしてすぐに、この場を離れたがった。

広場に移動し、レイノアはベンチに座って考えた。

 

『あの手のものは、本当に解らん。初代の役立たず。だが、これから先の事も考えて、あの子達の身を守れる物が欲しいな……よし!』

 

彼女は秋信を呼ぶ。

秋信がすぐに走って来る。

彼女は手短に言う。

 

「少し、この場を離れる。夕方には戻るつもりだ。……だが、もしそれまでに戻って来なければ、適当に宿を取って、そこに居ろ。ああ、それから、この街から絶対に出てはならんぞ。」

 

と言って、お金を渡す。

秋信は不安そうにしている。

彼女は、彼の頭を撫でながら、

 

「私がいない間、あいつ等を頼んだぞ。」

 

秋信は拳を握りしめて、力強く頷いた。

彼女は、それを嬉しく思う。

子供が成長するのを喜ぶ親の感情とはこういうものだろうか、などと考えていた。

その後、秋信が二人の元に着いたのを確認した。

彼女は走って、この場を離れる。

と言っても、離れていても眼だけは、常にあの子達に向けていた。

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