テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた 作:609
レイノアは、あの村から飛立ち、レオン≪四代目≫を探した。
彼を見つけ、そこに向かって飛んで行く。
レイノアはレディアントを完全解放している。
その為、いつもより速く目的の場所に着けた。
そこに着くと、同様にレディアントを完全解放した四代目世界の守り手≪ディセンダー≫・レオンが立っていた。
「いやー、驚いたよ。まさか、あんなやり方で魔族をこの世界から追い出すなんて。そう思うと、流石は初代の力、この世界最強の世界の守り手≪ディセンダー≫だけあるよね。それに、それが君のレディアント完全解放か……。全く、恐れ入ったよ。それで、君はどうするのさ……この世界を。」
レイノアは剣をレオンに向け、真っ直ぐ見つめてた。
「父さん≪クラトス≫の為、あの子達の大切なモノが眠る大好きな世界の為、ジャックが眠るこの世界を……これからを生きる秋信とエルシアの為に、私は必ずこの世界を救って見せる‼」
「そう、残念だ……。君なら、俺と同じになると思ったのだけどな。」
その言葉で、レオンも構える。
二人の戦いは始まった。
彼らの戦いは一週間以上も続いた。
力の一滴まで、互いに全て出す戦い。
最早、油断した方の負けだ。
勝負の優勢だったのはレイノア。
たが、レオンは自身の能力を使い、精霊を使う。
それによって、レイノアの不利な状態が続く。
彼女自身は、精霊を殺しても気にしない。
だが、レオンとの戦いが終わった後、精霊に働いて貰わないとマナを世界に送れない。
故に、彼女は精霊を正気に戻していく。
全ての精霊を正気に戻す頃には、彼女はかなり力を消耗した。
これでは、レオンの有利が決定的であった。
それでも、彼女は剣を構え直し、剣に力を込める。
最後の力を全て剣に注ぎ、彼に突っ込む。
彼はこれを狙っていたかのように、溜めていた力を打ち出した。
……結果は相内。
レオンは何所かに姿を消し、彼女は今回の件で眠りに入る事となった。
薄れゆく意識の中、あの村に残してきた彼らの事を想う。
『あの子達に約束したのだ、迎えに行くと……。すまない、秋信、エルシア。ジャック……お前の魂も必ず探し出すからな。』
彼らへの想いが、この世界を浄化し、世界にマナが再び戻った。
私は長い眠りについた。
――あれから何年……いや、何十年経ったのだろうか。
レイノアは目を覚ました。
最初に起きて向かう場所は大切な弟妹の居る、あの村だ。
『あれから、八十年近く経っている。エルシアはエルフだ。生きているとは思うが……秋信はどうだろうか。』
ジャックの墓に着き、彼の墓を優しく撫でた。
彼女は眼使い、村を視る。
彼女はすぐに二人を見付けた。
そして、彼女は泣いていた。
彼女の視るその先には、車椅子に座る人間の老人。
彼の左腕は無い。
それを押すのは、二十代位のエルフの女性。
その周りには、その老人と同じ波動をしている者達がいる。
それはつまり、その老人の血縁者という事だ。
『そうか、私が眠っている間に……秋信には、子供が出来たのか。それがさらに続き、孫まで。あれは、秋信の子孫になるのか。エルシアと同じ波動がない。つまり、エルシアは誰とも契りを交わしていないのだろう。』
そこには、種族を越えた温かさがある。
彼女は、彼らの前に出る事は無かった。
ジャックの墓に触れながら嬉しそうな、それでいて悲しそうに言った。
「秋信には、家族が出来たのだな。あの家族は、エルシアも大事にしているようだ。ジャック、あれでは彼らを、この村からは出せないな。秋信はもう年だ。あれでの旅は、秋信が辛いだけ……エルシアも、この村が好きなようだし。今、会いに行けば彼らを困らせるだけだろうな。だから毎日、ここで見守る事にするよ……。」
ジャックの墓に花を添えて、この村を去る。
彼女は村から離れ、森を歩いていた。
と、彼女はクラトスを見付けた。
とりあえず、そこに向かった。
彼女がクラトスの行くと、眉を寄せる。
そこには、確かにクラトスは居たが、傍には見知らぬ女が居た。
クラトスはレイノアを見て、嬉しそうだった。
そしてその知らない女に、「自分の子供」と話した。
彼女は嬉しかった。
クラトスが自ら、自分の事を娘としてみてくれたことを。
だが、その女が何を思ったのか、笑顔で彼女に抱き付いた。
そして離れると、彼女の手を握り、
「貴女が、クラトスの子供ね。話は時々、聞いていたわ!私の名前は、アンナ。〝アンナ・アーヴィング〟と言うの、宜しくね。貴女の名前は、何と言うの?」
「貴様に名を教えて、何の意味がある。」
と、冷たく言い放った。
アンナは、残念そうな顔をしている。
レイノアはアンナの手を振り払って、クラトスの元に行く。
「あれは何だ。……解った、もういい。」
クラトスの顔は照れていた。
それでいて、何処か落ち着いていない。
これを見れば、大抵解る事だ。
『つまりクラトス≪父さん≫は、この女に惚れたという事だろう。いや、あの女がクラトス≪父さん≫に惚れていたのかもしれんな。まぁ、理は教えていないだろうが……何と言うか微妙だ。これを世で言う、嫉妬と言うものだろうか……。』
などと、彼女は考えていた。
レイノアは、彼らが住んでいるという家に案内された。
小さいが、暮らすには十分過ぎるくらいの広さだ。
これをクラトスが建てたと言うのだから、苦労しただろう。
お茶を出されたが、レイノアは飲まない。
話によれば、クラトスがアンナを野党から救った事によって出会った、と言っていた。
それから懐かれたらしい。
さらに、ノイッシュもこの家に居た。
いつの間にか、レイノアはここに居座るようになっていた。
夜は、この家の屋根に居る。
朝が来れば、クラトスの顔を見た後、秋信達の様子を見に行く。
しばらく見守った後、クラトスの元に帰る。
これが、彼女の日課となっていた。
家に帰れば、彼女はしばらく家の中に居る。
それは、アンナに押し負けられたクラトスに頼まれたからだ。
アンナは、レイノアの分の食事を作る。
が、彼女はそれを食べない。
だが、彼女はそんな彼女にいつも優しく微笑むのである。
レイノアとアンナのそれが、何度も続けられたのだった。
レイノアは、今日は街に来ていた。
と言うよりかは、半ば無理矢理連れて来られたと言うべきだろう。
アンナが、彼女の分の日用品を買うと言って、来たのだ。
レイノアとアンナは広場に居た。
ここで待つように、クラトスに言われたのだ。
二人は、ベンチに座っていた。
隣にいるアンナは、さっきからずっと一人で話し続けている。
と、いきなり彼女が、走って行った。
レイノアの眼は、常にこの街を視ている。
無論、こっちに帰って来てからは、秋信達の村にも眼を向けている。
その為、なぜアンナが走り出したのか、彼女は知っている。
なのでレイノアは、荷物を全て持ち、ため息を付きながら彼女の後を付いて行く。
そこには、怪我をした子供達が居た。
複数の男性の大人達に、叩き付けられていた。
アンナが、彼らに怒りながら、
「何をしているんですか!相手は子供ですよ!」
男の一人が、アンナを怒鳴り付ける。
「こいつらは、うちの商品を盗んだ!今度ばかりは、もう許せねぇー。邪魔をすんじゃねぇー、女‼」
と、アンナを掴み上げた。
レイノアにとっては、彼女がどうなろうとどうでも良い。
が、クラトスの悲しむ顔は見たくは無いのだ。
故に、彼女を掴んでいる男の腕を、レイノアは叩く。
彼女は、地面に尻餅をつく。
男が、今度はレイノアに怒鳴り付ける。
「何しやがる!このガキ‼」
「別に、こいつがどうなろうが、私には関係ない。が、父さん≪クラトス≫の悲しむ顔は見たくないのでな。さっさと去れ、下界人共。」
「何、意味解んねぇーこと、言ってんじゃねぇー‼」
と、レイノアに殴り掛かって来る。
レイノアは荷物を持ったまま、余裕で受け止め、投げ飛ばす。
残りの者達が、殴り掛かって来る。
レイノアは次々に、叩きのめしていく。
ついに、彼らは逃げ出して行った。
『下界人が、私に勝てる訳が無かろう。全く……荷物は無事だな。』
辺りが静まり返った。
アンナが彼らの怪我を手当していた。
それを見たレイノアは、ため息をついて、治癒術を子供達にかける。
アンナは、彼女にお礼を言うと、子供達を見る。
子供達に優しく、それでいて厳しい口調で言う。
「いい、盗みはしては駄目よ。そんな事をしても、良い事なんて無いのだから。」
だが、子供達はアンナに反発しる。
「アンタには、解らねーよ‼俺らは、他の皆を守る為にも、こうしていかないと生きていけねけーんだ!」
子供達の種族は人間もいる。
でも、この子たちは下町の子供達だ。
だから、こういう事をしているのだろう。
下町の者はお金が無く、貧しい生活をする者が多い。
それに親を亡くした子供達も多い。
そのほとんどが、異種族だ。
彼女も、そこの出身だからこそ、理解し困っているのだろう。
しかし、盗みをしていても、この子達の為にはならない。
だが、後ろに立っていたレイノアは、鼻で笑った。
「何だよ!アンタみたいな強い奴には、解らねーよ!俺等みたいな……弱い者の気持ちは‼」
レイノアは、目を細め、厳しい口調で言う。
「当たり前だ。貴様ら下界人の事など、私には理解しがたい。それに貴様らは、自分自身を弱い生き物と決めつけて、何もしていない。やろうと思えばやれる事も、それを理由に何一つやらない。種族が何だ、下町育ちが何だ、大人が何だ。貴様らは、貴様ら自身だ。他者を責める前に、自分自身を見つめ直せ!」
レイノアはアンナを掴み上げる。
彼女は、レイノアの持っていた荷物の中を漁る。
そこからリンゴとパンを、彼らに渡した。
レイノアはこの場を去る前に、
「……それから、貴様らは弱い者の気持ちが分かる者だ。だからこそ、ああいう大人にはなるな。他人に誇れるように生きろ。生きる事において、お前達下界人の取柄は優しさだ。それを真に強く持て。そうすれば道が開く。今は解らんだろうが、大きくなれば解るはずだ。」
そして、この場を後にした。
アンナは恐る恐る、お礼と先程の事を、彼女に話した。
「さっきは助けてくれて、ありがとうね。それに、あの子供達にも……」
レイノアは広場ではなく、クラトスの元に向かっていた。
そして彼女は、アンナに言った。
「別に、貴様を助けたのは父さん≪クラトス≫の悲しい顔をさせたくないだけだ。もし、貴様に何かあれば、父さん≪クラトス≫が自分を責めるだろうしな。」
少し間を置いた後、独り言のように話し出した。
「……それにしても、下界人の子供に甘くなったのは、あの子達のせいだな。あれらを見ると、あの時の子供達を思い出す。あの子達がもし、私と供に来ていなければああなっていたのか。それとも、私に付いて来なければ、あの子達の人生は違う道を行っていたのか。」
アンナは、それを静かに聞いていた。
彼らはクラトスと合流し、アンナは今日あった事を彼に話す。
レイノアは一番前で、それを聞きながら、黙々と歩いていた。