テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた 作:609
レイノアは、クラトス達のいる家に帰った。
クラトスは安心し、アンナは嬉しそうに抱き付いた。
「お帰りなさい。その様子だと、ちゃんと会えたのね。」
彼女を引きはがし、小さくお礼を言った。
「会いに行って良かった。礼を言う、アンナ。」
と、すぐに家の屋根に上がった。
彼女はしばらく固まったが、
「クラトス!名前を言ってくれたわ‼初めてよ、初めて‼」
「それは解ったから落ち着け、アンナ。」
彼女は大喜びであった。
レイノアは、ノイッシュの所に居た。
後ろに、クラトスの気配がする。
「アイツを名で言うのはやめようか。」
彼は隣に立ち、否定した。
「あれは嬉しいのだ。お前が来てから、色々やっていたからな。」
「……あの子達も、はしゃいでいた。何度も、もう一度言えと。クラトス、会わせたい弟妹がいると言ったが、妹だけとなった。いつか必ず、会わせたい。」
クラトスは、レイノアの頭を撫でながら、
「お前が会わせられる日で構わない。時間はまだある。」
レイノアは彼の目を見て、
「クラトス。お前が望むなら、監視者から外す事は出来る。そうすればアンナと供に、ずっと居られる。」
レイノアのその声は、決意と悲しさがある。
だが、彼は首を振り、
「仲間を見捨てる訳にはいかない。」
「そうか。私は……お前達と子達の為に、世界を守る。あの子達は、私の事を自分達のディセンダー≪救世主≫と言った。なら私は、あの子達の為の救世主≪ディセンダー≫として、あり続ける。」
彼は、また彼女の頭を撫でていた。
おそらく、彼女の翼の事を察したのだろう。
翼は、この世界における世界樹を裏切った証拠。
さらに深刻化すると、瞳の色は赤になる。
だが彼女の瞳はまだ、紫色だ。
「私は、世界樹や世界の事なんてどうでもいい。故に、翼を持っていても私自身は気にしていない。」
レイノアは、空を見上げながら話す。
その姿は、初代を思い出すほど同じだと、クラトスが思うほどに。
「世界樹の言葉ですら、生まれた時から無視していた。クラトス、この世界も、下界人も、嫌いだ。無論、精霊も、魔族も、全てを拒絶している。だが私は、あの子達が大切だ。翼を手に入れた時、失いかけてやっと理解できた気がする。」
そう言って、彼を見る。
彼は、頭を抱えていた。
当然だろう。
世界樹を無視していたのが、生まれた時からなのだから。
だが顔を上げて、レイノアを見た。
なので、彼女は話す。
「私を殺せるのは、初代の創った剣と世界樹の力だけだ。本来なら、死んでいてもおかしくはない状態でも私は生きていた。自身のレディアントと能力も知れた。」
「お前は世界の理に、縛られる事を悔やむか。」
クラトスの表情は、暗かった。
彼は初代の事も、レオン《四代目》の事も知っている。
だからこそ、聞いたのだろう。
「理はどうでもいい。後悔もない。」
それだけ言うと、レイノアは屋根に上がった。
ーーある日、レイノアは険しい谷に居た。
目的は薬草を積むため。
その理由は、アンナが熱を出したからだ。
『四代目の知識が、こんな所で役に立つとは……気に食わん!これも、あいつのせいだ。』
彼女は、本当なら動くつもりは無かった。
が、動いてしまったのだ。
レイノアの作った薬草を飲んで、元気になった途端、
「ありがとう、貴女のおかげで元気になったわ。それにしても、物知りなのね。私もら貴女に母親と認められるようにもっと、もっと、努力しなくちゃね‼」
アンナはガッツポーズをとって言う。
その言葉に、レイノアは動きを止め、クラトスを見る。
彼は背を向けていた。
視線をアンナに戻し、
「何故、母親なのだ。」
「私はクラトスの奥さんよ。で、貴女はクラトスの娘。なら、私は貴女の母親なのよ。」
彼女は意味が解らんと言う顔をしていた。
確かに、クラトスは父親として見ている。
だが、アンナは違う。
「クラトスはともかく……そもそも私は、お前より年上だ。」
「あら、そうなの。でも、大丈夫よ。歳なんて関係ない!要は気持ちの問題よ、気持ちの♪」
さらに意味が解らないと言う顔をするレイノア。
そして、クラトスは頭を押さえていた。
当の言い出し人の彼女は、物凄く上機嫌だ。
「残念だが、私には感情が無いに等しいのだ。貴様の言う気持ちの持ちようでは、どうにもならんぞ。」
「そうなの?なら私が、一から教えてあげるわ。それに貴女も、全ての感情が無い訳だは無いようだし。」
レイノアの中で、アンナの見方が変わった。
『こういったタイプに、何を言っても駄目だ。これはもう二代目に近いタイプかも知れない。』
そう思うと、
「もう、好きにしろ。」
対抗するだけ無駄だと思い、レイノアは投げ出す。
それを聞いた途端、アンナは手を合わせて、
「なら、まずは普通の生活を知る事からね!今日からこの家の中で、寝泊まりをして、食事も一緒にしましょうか♪」
レイノアは即座に断ろうとする。
が、その前にアンナは、
「ね、クラトス。貴方も、そう思うでしょ。」
「……ああ、そうだな。」
クラトスも最早、抵抗する事は諦めていた。
こうしてレイノアは、人間の生活を送らされる事となった。
彼女の朝は、エルシアと秋信の家族の様子を見守る。
その後、二人の墓に花を添え、昨日あった事を話してから家に帰る。
昼には家に戻り、クラトス達と買い物に行く。
夜はアンナに付き合わされ、調理。
そんな生活が、一か月以上続き、
「大体、食事や睡眠を取る必要はない。」
「良いじゃない♪今まで通り、やりましょ!その方が楽しいし♪」
全くもって、駄目だった。
クラトスがため息を付いて、
「諦めろ。最早、何を言っても駄目だ。」
その言葉に、アンナは拗ねて、彼を怒り始めた。
レイノアは、彼らに用意されたベッドの上で、考えていた。
ここ数か月、この家に関わり、素直に彼ら《子供たち》と普通の生活を送っていれば、道は違ったのだろうか。
いや、自分が下界人の事を理解していれば……
彼女は珍しく眠った。
過去の世界の守り手≪ディセンダー≫の記憶。
思い出したくもない、知りたくもない、彼らの想いや感情。
レイノアは、目が覚めた時、歯を食いしばった。
「だから、寝たくないんだ……!」
今日も、レイノアは街に来た。
大量の荷物を持って、アンナの後を歩く。
クラトスとは別行動だ。
レイノアは彼女に聞く、
「おい、まだ何か買うのか。」
「うーん、後あれと、あれを買って……まだいっぱい買うわよ!」
彼女はさらに買い込む。
レイノアは、街で軍人とすれちがった。
彼女からは関わるつもりが無い。
が、向うから関わって来た。
いや、彼女の態度が気に入らなかったのだろう。
この場にアンナが居なかったのは、幸いだ。
「邪魔だ、そこを退け!」
彼等は、レイノアが何も出来ないと思い込み、睨みつける。
『こいつ等を飛び越えるか、蹴り飛ばすか、どちらにしようか。』
と、彼女が思っていた。
が、場に似合わない明るい声が聞こえて来た。
「家の子がなにかしたのなら、謝ります。」
と、頭を下げるアンナの姿がある。
『あれは馬鹿か。ひ弱な人間のくせに何故、入って来たのだ。』
レイノアの予想お通り、彼女は軍人に絡まれる。
しかも、前に見た事のある場面そっくりだ。
「貴様が親か。だったら、ちゃんと教育しておきな!軍人に逆らったらどうなるか、をな‼」
そう言って、地面に叩き付けられた。
すかさず、レイノアは彼女を助ける。
殴り掛かっている軍人を、後ろから蹴る。
彼らは剣を抜き、斬り掛かる。
荷物をアンナの所に置き、剣を巧みに避ける。
と、彼女は眼で、空から大きな魔物が飛んでくるのを確認した。
『ギルガリム⁉四代目の仕業か?違う、四代目にそんな力はない。』
軍人は巨大な魔物を見て、逃げ惑う。
街の入り口には、魔物までやって来ていた。
レイノアは魔物には目もくれず、ギルガリムに眼を向ける。
鳥型で、自分より数百倍は大きい。
警戒を怠る訳にはいかない。
だが、アンナがしがみ付く。
「駄目よ‼いくらクラトスが、貴女の事を強いと言っていても、武器も持たずに魔物に突っ込んでは!」
「私を、普通の下界人と同じにするな!」
彼女を引き剥がす。
ギルガリムは、こちらに突っ込んでくる。
レイノアはレディアントを呼び出し、左手で握る。
そして、自分も同じように突っ込む。
剣を振って、相手の動きを止める。
ギルガリムは動きを変え、羽根を飛ばす。
それを剣で落とし、剣に力を込めて打ち放つ。
翼を傷付ける事に成功する。
が、また空に飛び、狙いを定めている。
深手を負っても、その動きは下界人には追えない。
ギルガリムは、空中から羽根を飛ばす。
レイノアは舌打ちをして、この辺一帯を結界で守る。
だがすぐに、ギルガリムがその結界に体当たりし、結界の一部を壊す。
剣を楯代わりにして、鳥の嘴を止める。
が、足爪がレイノアの肩に食い込む。
その足爪を一気に抉って離れる。
大量の血が出るが、彼女は何一つ動じない。
後ろでは、顔を青くしているアンナの姿があった。
レイノアは剣を構え直し、ギルガリムを見据えた。
そこにクラトスが駆け付ける。
「クラトス、そこは任せたぞ。」
壁をつたって、ギルガリムの真横に並び、地面に叩き付ける。
飛べないように片羽を斬り落とす。
ギルガリムは立ち上がり、こちらに火を吐く。
「スプレッド!冷たき檻に閉ざせ、インブレイスエンド!」
それを水魔法で相殺し、氷の柱の中にギルガリムを閉じ込める。
だが、その氷を破る。
しかも、その氷をこちらに飛ばす。
レイノアは、瞬時に炎魔法で対処した。
「焼き払え、エンシェントノヴァ!」
炎の向こうで、ギルガリムが大勢を整えようとしているのが解る。
『おかしい。ギルガリムに、これ程の知能は無いはずだ。』
レイノアは眼を使って、違う見方をした。
周囲を観察型では無く、記憶や波動、構造を理解する方の眼で、ギルガリムを分析する。
『現世界の守り手≪ディセンダー≫を調べに来たのか……』
レイノアの目に、闘気が湧く。
「私も、相当甘く見られたものだ‼レディアント完全解放‼︎」
レディアント完全解放させ、一撃必殺をかます。
最早、闘い云々とは程遠い。
彼女は一気に戦いを終わらせる。
レディアントを元に戻し、剣は消える。
それは一瞬の出来事だ。
理解出来た者はいない。
ただ一人、クラトス以外は。
レイノアは、自分に治癒術を掛け、全回復させる。
二人の元に戻り、荷物を持ち、この場を去る。
入り口で、先程の軍人では無い者に捕まった。
しかも、その者の顔は見た事がある。
その軍人達も、街に入って来た魔物を倒したようだ。
「君、待ちたまえ。君が先程の魔物を退治したと聞いた。どうだろう、君は軍に入らないかい。君の腕なら、隊長クラスも簡単だろう。」
「断る。新しい者を入れる前に、軍の内部を正すべきだ。貴様の曾祖父にも同じ事を話した。何度も言わせるな‼」
と、歩いて行く。
道中、アンナに傷を心配された。
簡単に説明し、納得させる。
家に着いてから、荷物をしまう。
しまいながら、クラトスが聞いてきた。
「あの軍人を、知っていたのか?曾祖父が、どうのと言っていたが……」
「昔、同じような事があっただけだ。しかも同じ顔、同じような台詞を言って。顔だけでは無く、波動も同じときた。おそらく血縁者だろう。」
彼女は、珍しく文句を言いながら、長々と話す。