テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた   作:609

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マイソロ2 五代目ディセンダー 第二十話 めぐる

レイノアは、クラトス達のいる家に帰った。

クラトスは安心し、アンナは嬉しそうに抱き付いた。

 

「お帰りなさい。その様子だと、ちゃんと会えたのね。」

 

彼女を引きはがし、小さくお礼を言った。

 

「会いに行って良かった。礼を言う、アンナ。」

 

と、すぐに家の屋根に上がった。

彼女はしばらく固まったが、

 

「クラトス!名前を言ってくれたわ‼初めてよ、初めて‼」

「それは解ったから落ち着け、アンナ。」

 

彼女は大喜びであった。

 

 

レイノアは、ノイッシュの所に居た。

後ろに、クラトスの気配がする。

 

「アイツを名で言うのはやめようか。」

 

彼は隣に立ち、否定した。

 

「あれは嬉しいのだ。お前が来てから、色々やっていたからな。」

「……あの子達も、はしゃいでいた。何度も、もう一度言えと。クラトス、会わせたい弟妹がいると言ったが、妹だけとなった。いつか必ず、会わせたい。」

 

クラトスは、レイノアの頭を撫でながら、

 

「お前が会わせられる日で構わない。時間はまだある。」

 

レイノアは彼の目を見て、

 

「クラトス。お前が望むなら、監視者から外す事は出来る。そうすればアンナと供に、ずっと居られる。」

 

レイノアのその声は、決意と悲しさがある。

だが、彼は首を振り、

 

「仲間を見捨てる訳にはいかない。」

「そうか。私は……お前達と子達の為に、世界を守る。あの子達は、私の事を自分達のディセンダー≪救世主≫と言った。なら私は、あの子達の為の救世主≪ディセンダー≫として、あり続ける。」

 

彼は、また彼女の頭を撫でていた。

おそらく、彼女の翼の事を察したのだろう。

翼は、この世界における世界樹を裏切った証拠。

さらに深刻化すると、瞳の色は赤になる。

だが彼女の瞳はまだ、紫色だ。

 

「私は、世界樹や世界の事なんてどうでもいい。故に、翼を持っていても私自身は気にしていない。」

 

レイノアは、空を見上げながら話す。

その姿は、初代を思い出すほど同じだと、クラトスが思うほどに。

 

「世界樹の言葉ですら、生まれた時から無視していた。クラトス、この世界も、下界人も、嫌いだ。無論、精霊も、魔族も、全てを拒絶している。だが私は、あの子達が大切だ。翼を手に入れた時、失いかけてやっと理解できた気がする。」

 

そう言って、彼を見る。

彼は、頭を抱えていた。

当然だろう。

世界樹を無視していたのが、生まれた時からなのだから。

だが顔を上げて、レイノアを見た。

なので、彼女は話す。

 

「私を殺せるのは、初代の創った剣と世界樹の力だけだ。本来なら、死んでいてもおかしくはない状態でも私は生きていた。自身のレディアントと能力も知れた。」

「お前は世界の理に、縛られる事を悔やむか。」

 

クラトスの表情は、暗かった。

彼は初代の事も、レオン《四代目》の事も知っている。

だからこそ、聞いたのだろう。

 

「理はどうでもいい。後悔もない。」

 

それだけ言うと、レイノアは屋根に上がった。

 

 

ーーある日、レイノアは険しい谷に居た。

目的は薬草を積むため。

その理由は、アンナが熱を出したからだ。

 

『四代目の知識が、こんな所で役に立つとは……気に食わん!これも、あいつのせいだ。』

 

彼女は、本当なら動くつもりは無かった。

が、動いてしまったのだ。

 

レイノアの作った薬草を飲んで、元気になった途端、

 

「ありがとう、貴女のおかげで元気になったわ。それにしても、物知りなのね。私もら貴女に母親と認められるようにもっと、もっと、努力しなくちゃね‼」

 

アンナはガッツポーズをとって言う。

その言葉に、レイノアは動きを止め、クラトスを見る。

彼は背を向けていた。

視線をアンナに戻し、

 

「何故、母親なのだ。」

「私はクラトスの奥さんよ。で、貴女はクラトスの娘。なら、私は貴女の母親なのよ。」

 

彼女は意味が解らんと言う顔をしていた。

確かに、クラトスは父親として見ている。

だが、アンナは違う。

 

「クラトスはともかく……そもそも私は、お前より年上だ。」

「あら、そうなの。でも、大丈夫よ。歳なんて関係ない!要は気持ちの問題よ、気持ちの♪」

 

さらに意味が解らないと言う顔をするレイノア。

そして、クラトスは頭を押さえていた。

当の言い出し人の彼女は、物凄く上機嫌だ。

 

「残念だが、私には感情が無いに等しいのだ。貴様の言う気持ちの持ちようでは、どうにもならんぞ。」

「そうなの?なら私が、一から教えてあげるわ。それに貴女も、全ての感情が無い訳だは無いようだし。」

 

レイノアの中で、アンナの見方が変わった。

 

『こういったタイプに、何を言っても駄目だ。これはもう二代目に近いタイプかも知れない。』

 

そう思うと、

 

「もう、好きにしろ。」

 

対抗するだけ無駄だと思い、レイノアは投げ出す。

それを聞いた途端、アンナは手を合わせて、

 

「なら、まずは普通の生活を知る事からね!今日からこの家の中で、寝泊まりをして、食事も一緒にしましょうか♪」

 

レイノアは即座に断ろうとする。

が、その前にアンナは、

 

「ね、クラトス。貴方も、そう思うでしょ。」

「……ああ、そうだな。」

 

クラトスも最早、抵抗する事は諦めていた。

こうしてレイノアは、人間の生活を送らされる事となった。

 

彼女の朝は、エルシアと秋信の家族の様子を見守る。

その後、二人の墓に花を添え、昨日あった事を話してから家に帰る。

昼には家に戻り、クラトス達と買い物に行く。

夜はアンナに付き合わされ、調理。

そんな生活が、一か月以上続き、

 

「大体、食事や睡眠を取る必要はない。」

「良いじゃない♪今まで通り、やりましょ!その方が楽しいし♪」

 

全くもって、駄目だった。

クラトスがため息を付いて、

 

「諦めろ。最早、何を言っても駄目だ。」

 

その言葉に、アンナは拗ねて、彼を怒り始めた。

 

 

レイノアは、彼らに用意されたベッドの上で、考えていた。

ここ数か月、この家に関わり、素直に彼ら《子供たち》と普通の生活を送っていれば、道は違ったのだろうか。

いや、自分が下界人の事を理解していれば……

彼女は珍しく眠った。

過去の世界の守り手≪ディセンダー≫の記憶。

思い出したくもない、知りたくもない、彼らの想いや感情。

レイノアは、目が覚めた時、歯を食いしばった。

 

「だから、寝たくないんだ……!」

 

 

今日も、レイノアは街に来た。

大量の荷物を持って、アンナの後を歩く。

クラトスとは別行動だ。

レイノアは彼女に聞く、

 

「おい、まだ何か買うのか。」

「うーん、後あれと、あれを買って……まだいっぱい買うわよ!」

 

彼女はさらに買い込む。

 

レイノアは、街で軍人とすれちがった。

彼女からは関わるつもりが無い。

が、向うから関わって来た。

いや、彼女の態度が気に入らなかったのだろう。

この場にアンナが居なかったのは、幸いだ。

 

「邪魔だ、そこを退け!」

 

彼等は、レイノアが何も出来ないと思い込み、睨みつける。

 

『こいつ等を飛び越えるか、蹴り飛ばすか、どちらにしようか。』

 

と、彼女が思っていた。

が、場に似合わない明るい声が聞こえて来た。

 

「家の子がなにかしたのなら、謝ります。」

 

と、頭を下げるアンナの姿がある。

 

『あれは馬鹿か。ひ弱な人間のくせに何故、入って来たのだ。』

 

レイノアの予想お通り、彼女は軍人に絡まれる。

しかも、前に見た事のある場面そっくりだ。

 

「貴様が親か。だったら、ちゃんと教育しておきな!軍人に逆らったらどうなるか、をな‼」

 

そう言って、地面に叩き付けられた。

すかさず、レイノアは彼女を助ける。

殴り掛かっている軍人を、後ろから蹴る。

彼らは剣を抜き、斬り掛かる。

荷物をアンナの所に置き、剣を巧みに避ける。

と、彼女は眼で、空から大きな魔物が飛んでくるのを確認した。

 

『ギルガリム⁉四代目の仕業か?違う、四代目にそんな力はない。』

 

軍人は巨大な魔物を見て、逃げ惑う。

街の入り口には、魔物までやって来ていた。

レイノアは魔物には目もくれず、ギルガリムに眼を向ける。

鳥型で、自分より数百倍は大きい。

警戒を怠る訳にはいかない。

だが、アンナがしがみ付く。

 

「駄目よ‼いくらクラトスが、貴女の事を強いと言っていても、武器も持たずに魔物に突っ込んでは!」

「私を、普通の下界人と同じにするな!」

 

彼女を引き剥がす。

ギルガリムは、こちらに突っ込んでくる。

レイノアはレディアントを呼び出し、左手で握る。

そして、自分も同じように突っ込む。

剣を振って、相手の動きを止める。

ギルガリムは動きを変え、羽根を飛ばす。

それを剣で落とし、剣に力を込めて打ち放つ。

翼を傷付ける事に成功する。

が、また空に飛び、狙いを定めている。

深手を負っても、その動きは下界人には追えない。

ギルガリムは、空中から羽根を飛ばす。

レイノアは舌打ちをして、この辺一帯を結界で守る。

だがすぐに、ギルガリムがその結界に体当たりし、結界の一部を壊す。

剣を楯代わりにして、鳥の嘴を止める。

が、足爪がレイノアの肩に食い込む。

その足爪を一気に抉って離れる。

大量の血が出るが、彼女は何一つ動じない。

後ろでは、顔を青くしているアンナの姿があった。

レイノアは剣を構え直し、ギルガリムを見据えた。

そこにクラトスが駆け付ける。

 

「クラトス、そこは任せたぞ。」

 

壁をつたって、ギルガリムの真横に並び、地面に叩き付ける。

飛べないように片羽を斬り落とす。

ギルガリムは立ち上がり、こちらに火を吐く。

 

「スプレッド!冷たき檻に閉ざせ、インブレイスエンド!」

 

それを水魔法で相殺し、氷の柱の中にギルガリムを閉じ込める。

だが、その氷を破る。

しかも、その氷をこちらに飛ばす。

レイノアは、瞬時に炎魔法で対処した。

 

「焼き払え、エンシェントノヴァ!」

 

炎の向こうで、ギルガリムが大勢を整えようとしているのが解る。

 

『おかしい。ギルガリムに、これ程の知能は無いはずだ。』

 

レイノアは眼を使って、違う見方をした。

周囲を観察型では無く、記憶や波動、構造を理解する方の眼で、ギルガリムを分析する。

 

『現世界の守り手≪ディセンダー≫を調べに来たのか……』

 

レイノアの目に、闘気が湧く。

 

「私も、相当甘く見られたものだ‼レディアント完全解放‼︎」

 

レディアント完全解放させ、一撃必殺をかます。

最早、闘い云々とは程遠い。

彼女は一気に戦いを終わらせる。

レディアントを元に戻し、剣は消える。

それは一瞬の出来事だ。

理解出来た者はいない。

ただ一人、クラトス以外は。

レイノアは、自分に治癒術を掛け、全回復させる。

二人の元に戻り、荷物を持ち、この場を去る。

 

入り口で、先程の軍人では無い者に捕まった。

しかも、その者の顔は見た事がある。

その軍人達も、街に入って来た魔物を倒したようだ。

 

「君、待ちたまえ。君が先程の魔物を退治したと聞いた。どうだろう、君は軍に入らないかい。君の腕なら、隊長クラスも簡単だろう。」

「断る。新しい者を入れる前に、軍の内部を正すべきだ。貴様の曾祖父にも同じ事を話した。何度も言わせるな‼」

 

と、歩いて行く。

道中、アンナに傷を心配された。

簡単に説明し、納得させる。

 

家に着いてから、荷物をしまう。

しまいながら、クラトスが聞いてきた。

 

「あの軍人を、知っていたのか?曾祖父が、どうのと言っていたが……」

「昔、同じような事があっただけだ。しかも同じ顔、同じような台詞を言って。顔だけでは無く、波動も同じときた。おそらく血縁者だろう。」

 

彼女は、珍しく文句を言いながら、長々と話す。

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