テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた   作:609

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マイソロ2 五代目ディセンダー 第二十一話 自分の心

今日は、夕飯を庭で食べていた。

テーブルには、大量の料理が並べられている。

レイノアは微妙な顔をして、それを見ている。

二人と一匹は何故か楽しそうだ。

彼女は状況が読めなかった。

そんな中、アンナが彼女の手にプレゼントを置く。

レイノアは無表情で聞いた。

 

「……何だ、これは。それと、これはどう言った状況だ。」

 

アンナは手を合わせ、嬉しそうに言った。

 

「今日は、私とクラトスが出会った日なのよ。それに貴女の歓迎会と、私達の子供のお祝いよ。あ、当然子供と言うのは、貴女の事よ。つまりお祝いよ、お祝い!」

「……嫌な事だな。大体いつ、私が貴様の子供になった。」

 

と、言いながら、貰ったプレゼントを開けるレイノア。

中身は、ロケット式のペンダントだった。

中にはまだ、写真は入っていない。

アンナが、嬉しそうに言った。

 

「それ、クラトスとお揃いなのよ。クラトスの中には、私との写真が入っているけど、反対側はまだなのよ。だから今度、撮りに行きましょう。」

「断る。……だが、礼は言っておく。それと……私の名はレイノアだ。」

 

と、いつぞやのように、レイノアは家の屋根に上っていく。

彼女が、アンナに名を教えたのはうるさいから。

それと、単なる気まぐれでもあった。

それでも、名の意味を教えない事で、レイノアはまだアンナを遠ざけていた。

だが、本人は気付いていない。

この場所が、自身にとって大切だと思っている事を。

 

レイノアは、子供達の写真を取り出した。

 

『……流石に、このサイズでは入らないか。』

 

 

ーーそれから、数年の月日が流れた。

あれから写真は、まだ撮ってはいない。

単にレイノアが、撮る気にはなっていない事もあった。

そんなある日のことだ。

レイノアは、アンナを視ていた。

彼女の視線に気付いたアンナが、いつものように言った。

 

「レイノア、そんなに見つめてどうしたの?……は!もしかして、やっと写真を撮る気になってくれたの♪」

 

レイノアは無言のまま、じっと視ていた。

そして納得したように、口に出しす。

 

「……ああ、そう言う事か。アンナ、お前のお腹の中に子供がいるぞ。今日、お前の中に波動があるから、不思議だったが、理解出来た。ただ、それだけだ。」

 

それを聞いた彼女は、嬉しそうに手を合わせた。

そして、お腹を優しく撫でた。

一方クラトスは、飲んでいたコーヒーを噴き出した。

二人は何やら語り出す。

 

二人の会話を邪魔しないように、レイノアは外に出た。

単に、興味が無いと言う事もあった。

が、こう言う時は二人だけにしてやりたかった。

ノイッシュの横に座り、思い出した事を話しす。

 

「……そう言えば、秋信の所にも新しい命が芽吹いていたな。エルシアも、嬉しそうだったな。」

 

レイノアはノイッシュの背に寄り掛かる。

一枚の写真を出してから、一冊の本を読み続けた。

三人《弟妹》からの大切なプレゼントを……

 

その日の夕飯、アンナは嬉しそうだった。

そして、彼女に言った。

 

「私とクラトスの子供かぁ、どんな子かしら……。目元とかは、貴方に似るとカッコいいでしょうね。」

 

これを言うのは、今日で何回目か……

ずっと同じ事を言い続けている。

レイノアは、ため息を付いていた。

当然、クラトスの子は気になる。

が、それはあくまでクラトスの子供として、だ。

そう思っていた何やら彼女に、アンナは箸を置いて言った。

 

「レイノアも、この子のお姉さんとして、力を貸してね。」

 

レイノアは一瞬反応し、固まっていた。

しばらくそうした後、アンナを見て言った。

 

「……私が、貴様の腹の中にいる、その子供の姉になるのか……?何故だ。」

 

その声に、クラトスは反応していた。

レイノアは、自分の声は震えているのか、怒っているのか、自分では解らないような気持ちだった。

が、アンナは変わらず明るい声で、かつ真剣な顔で言った。

 

「あら、だってそうでしょ。この子は、私とクラトスの子よ。貴女が、私の事を母と思っていなくても、仕方ないわ。でも、この子はクラトスの子供でもあるのよ。貴女はクラトスを信頼している。だからクラトスの子供として、この子と接して欲しいの。」

 

レイノアの瞳が揺れる。

 

『クラトスの子が、私の弟妹のどちらかになる?……また私に、弟妹どちらかが出来るのか、あの子達以外の……』

 

レイノアは予想していなかった。

そうなるとは考えていなかったのである。

彼女は拳を握りしめて、外に飛び出した。

二人が、すぐに追いかけて来る。

走る彼女の前に、ノイッシュが立ちはだかった。

彼に邪魔され、仕方なく立ち止まる。

いや、その気になれば逃げられただろう。

だが、彼女は止まったのだ。

アンナが、悲痛の声で言った。

 

「ごめんなさい!そんなに嫌だとは思わなかったの。だから、クラトスとこの子を拒絶しないで‼︎」

 

レイノアは首を振った。

 

「別に、貴様の子が出来るのが嫌なのではない。……私には、既に弟妹がいる。あの子達との約束すら守る事も出来ない私が、クラトスや貴様の子の姉になれる訳がない。」

 

彼女は気付いていない。

その声には感情がこもっている。

それは、過去の後悔からなのか。

それとも、また失うのが怖いのか。

彼女は拳を強く握り締める。

 

しばらくこの場に、静寂が訪れる。

アンナが泣きながら、

 

「ごめんなさい……私、貴女の気持ちも知らないで、自分の事ばかり……」

 

アンナは大体気付いている。

レイノアから話は聞かなくとも、あの日別れをしたのがその一人だということ。

そして、毎日出掛けて行く先も、それに関係するだろうということも。

いつもレイノアを見ていた。

話さなくともわかる。

彼女の微かな反応。

嬉しさや悲しさ、寂しさや尊さ。

色んな想いを持って、その子達と接していただろうということを……

だからこそ、悲しいのだ。

辛いのだ。

彼女の気持ちに気付いてあげられなかったことに。

だが、当のレイノアは意味が解らなかった。

自分が出した言葉も、アンナの行動も。

クラトスが、アンナを抱き寄せながら言った。

 

「…レイノア、お前がすぐに受け入れられないのは解っている。しかし、私はその子達の分も含めて、これから生まれて来るこの子に半分でいい……分けて欲しいのだ。」

 

クラトスもまた、知っているからこそ辛い。

だが、それでも彼女には関わりを捨てさせたくない。

 

「…‥だが、私はディセンダー≪救世主≫としても、何も出来なかった。私はもう……」

 

彼女は気付く。

そうだ、私は失いたくない。

失いたくないのだ。

大切な弟妹を……

大切な人の悲しむ顔を……

 

クラトスはレイノアをジッと見て、

 

「なら、産まれた時にもう一度考えてくれ……レイノア。」

 

彼女はしばらく、クラトス達の家には帰らなかった。

 

レイノアは翼を広げ、エルシアの居る村の上に居た。

そしてエルシア達を視ていた。

それは知る為だ。

家族とはどう言うものなのか。

赤子とはどう言うものなのか。

本来のきょうだいとは、どう言うものなのかを。

産まれた赤子を抱いた、エルシアの声が聞こえた。

 

〝姉様、また新しい秋信兄様の血を引いた子が、産まれました。姉様、姉様は今どうしていますか。姉様にも、新たな道が出来ている事を……心から祈ります。〟

 

レイノアは、エルシアの心を知りたかった。

あの子の姉として、あの子を一人にしてしまった自分に対する思いを……

だから、エルシアが眠っている時、夢を装った。

そうする事で、直接聞けると思ったからだ。

 

『他の世界のディセンダーが、そう言った能力を持っていたはずだ。』

 

レイノアは、エルシアに語りかける。

 

「……エルシア。」

「ね、姉様?レイノア姉様⁉」

「静かに、エルシア。……これは夢だから。」

「ゆ、夢……そうですか。でも、夢でもこうして、レイノア姉様とお話できて嬉しいです。」

「私も嬉しいよ。だが、すまない‥…エルシア。迎えに行けなくて。」

「いいえ、姉様。兄様が言っていました。ジャックの墓に、毎日花が添えられていると。きっと、姉様が会いに来てくれたのだ、と。でも、長い年月が経って、きっと会い辛いのだろう、と。私も、兄様も、この村に大切な者が多くなってしまった。それをきっと知ってしまったのだろう、とも。兄様が最後、私に言ってくれました。姉様が会いに来てくれた、と。私、嬉しかったのです。私もいつか、本物の姉様に会える事を、心から楽しみに待っています。姉様の大切な剣と供に……」

「そうか……ありがとう、エルシア。」

「……所で姉様、何か悩み事でもあるのですか?」

「……何故、そう思う?」

「妹の勘です。」

「そうか、エルシア。私は今、父さんの所に居る。父さんの所に女が居て、人間の生活と言うものを学んでいる。いや、学ばされていると言う感じか。その女は、自分は母親と言い張るのだ。歳は、私の方が上だと言うのに。おかしなものだ、私がお前達以外に、こうも心を砕くとは。」

「そうですか……良かった。姉様に、そう言った新しい想いが生まれて。では、姉様の父様とその女性との間に子が、生まれるのではありませんか?」

「鋭いな……。その通りだ。だが、生まれるのは、はっきり言って嬉しいのだと思う。あの父さんが、選んだ者との子だ。だが私は、お前達との約束も、お前達を守る事も、出来なかったのだ。そんな私に、お前達以外の弟妹を持って良いはずがない。」

「……妹である私は、少し妬いてしまいます。でも、別に良いのですよ。だってその分、姉様は一人じゃなくなる。姉様は、この世界を好きになってくれる、という事でしょ。私は、姉様が大切です。だから、姉様にも生きる道を、作って貰いたいのです。……それに兄様との約束で、姉様の父様にも、会いたいですから。」

「そうか……本当にありがとう、エルシア。私が、この世界に居る間は秋信の子孫と供に、ちゃんとお前を見守っているからな。」

 

レイノアはエルシアとの会話を終えた。

素直に嬉しかった。

彼女の想いが……自分にそこまで言ってくれた可愛い妹が。

 

早朝に、クラトス達の元に帰った。

ノイッシュの鳴き声で、二人は急いで出て来た。

アンナが泣きながら、レイノアに抱き付いた。

 

「お帰りなさい、レイノア……でも、心配していたのよ‼︎」

 

レイノアは、彼女をいつもみたいに引き剥がす。

が、そのやり方は優しい。

彼女から離れ、背を向けて言った。

 

「お前達の子が産まれたら、写真を撮りに行っても良い。」

 

彼女は大喜びで、レイノアの手を握って、

 

「約束よ‼絶対だからね!クラトスも、ちゃんと聞いていたでしょ。」

「ああ。この子が産まれたら、皆で撮りに行こう。」

 

それからほどなくして、クラトスとアンナの子供が生まれた。

元気な男の子だ。

 

レイノアは、その今にも壊れてしまいそうな赤子を抱く。

そっと、優しく抱きしめる。

彼女は二人に聞いた。

 

「この子の名は何と言うのだ、クラトス、アンナ。」

 

二人は声を揃えて言った。

〝ロイド〟と‥。

 

ーーそれから、レイノアはロイドの面倒をみている。

首がすわってから、皆で写真を撮った。

写真屋が、彼女のペンダントを見て、

 

「おや、君のはもう一枚貼れるね。どうする、何か貼りたいものはあるかい?」

 

レイノアは、ダメ元で写真を出す。

その写真はとても古い。

 

「これでは無理だろうか……」

「うーん、大丈夫。ちょっと古いけどやってみるよ。」

 

と、悩みながら写真を貼って貰った。

元の写真も返して貰えたので、彼女は何処か嬉しそうだった。

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