テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた   作:609

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マイソロ2 五代目ディセンダー 第二十二話 弟≪ロイド≫

ある昼下がり。

レイノアは赤子のロイドと、二人で留守番をしていた。

いや、ノイッシュも居る。

ノイッシュの背にもたれながら、赤子のロイドを自分の腹に乗せていた。

ロイドは気持ちよさそうに寝ている。

レイノアは、本を読みながらいた。

その間、ロイドが起きないようにしている。

無論、ノイッシュも気持ちよさそうに寝ている。

ロイドが生まれてから、レイノアは大分変わった。

この小さな命を知る事で、彼女は命を知っていった。

と、ロイドが泣き出した。

 

「……ロイド、どうした?さっきご飯は与えたし、おしめも変えた。えっと、こういう時は……どうしたら良いのだ、ノイッシュ。」

 

だが、ノイッシュも困惑していた。

レイノアは記憶を探る。

初代が赤子時代を……

 

「確か、初代が赤子の時の子守唄があったな。」

 

初代も赤子の時があった。

世界樹が、下界人と同じように育てたいと言う思いもあったからだ。

その間、初代はあるエルフの祖父と孫《姉》に育てられた。

その孫《姉》が、泣く初代によく聞かせていた子守唄を思い出す。

歌詞までは思い出せないが、メロディーは解る。

それを口ずさむ。

初代が赤子の時に聴いていた子守唄は嫌いではない。

故に、快く唄った。

それを聞いて、ロイドは泣き止む。

しばらくして、ロイドはまた眠りついた。

ノイッシュもこの唄を気に入っていたらしい。

だから彼女は、クラトス達が帰って来るまで、その子守唄を唄い続けた。

 

クラトス達が帰ってくると、クラトスは驚いた。

そして、クラトスはそれを懐かしむように聞いていた。

頃合いをみて、彼女が唄うのをやめた。

すると、クラトスがぼそりと呟いた。

 

「そうか、レイノアはそれを知っていたのだな……」

 

レイノアは、あえてそれの返答をしなかった。

それは単に、全てを知っている。

初代が姉を思い出し、唄っていた時の気持ち。

それを知るクラトスも、思い出したのだろう。

初代にとって、クラトスは師匠であり、外を知るきっかけになった人、何より父のような兄?と言う関係だった。

当時、初代にとってクラトスは……いや、初代の仲間達は、彼にとってとても大切だったのだから。

 

ーーそれから、月日は流れた。

ロイドが喋ったり、歩いたり、出来るようになってからは大変だった。

正直、喋ったり、歩いたりした時は嬉しかった。

それは本心だろう。

現にレイノアはロイドに対し、色々な表情を見せるからだ。

それに対して、アンナはロイドに言う。

 

「あー、ロイドばっかりズルいわー。よし、決めた!ロイド、お母さんも、お姉ちゃんに色んな表情出して貰えるように、頑張るからね。」

 

と、ガッツポーズを取る。

無論、ロイドには意味は解っていない。

レイノアは相変わらず、彼女が何をしたいのか解らなかった。

むしろ、比べるだけ無駄だろうに、とさえ思う。

故に、心の声が漏れたのか、彼女はぼそりと言った。

 

「赤子相手に、何を言っているのだ。」

 

その後、近寄って来たロイドを抱き上げる。

 

「ほら、ロイド……高い、高ーい。」

 

と、遊んでやる。

しかし、歩くのに慣れて来ると、さらに困ったものだ。

何故なら、毎回何処かに消えるのだ。

それを探すのは、レイノアの仕事だ。

今ならどことなく、初代の世話をしていた精霊達の大変さが解る気がする。

初代も、幼児の時はすぐに消えた。

それを探したりしていたのは、精霊達だ。

無論、下界人とは接点を取っていない。

故に、余計に苦労していた。

が、レイノアはそれでも、それ以上に精霊が嫌いなので、この考えは無かった事にするのだった。

そして今日も、ロイドは消えたのだ。

レイノアは探しに出る。

波動や眼の能力も使ってはいるが、ノイッシュが一緒なので見つけやすい。

 

「ロイド、見付けたぞ。毎回、良くここまで一人で来られるな。……ノイッシュ、よく目を離さなかったな。」

 

ロイドを抱き上げ、ノイッシュの頭を撫でる。

彼に着いた土汚れを落とす。

人の心配をよそに、ロイドは気の抜けた声で言った。

 

「姉たん!これ拾ったの。」

 

と、言って、花を見せる。

レイノアは笑顔で、ロイドの頭を撫でた。

と、ロイドは空を見上げ、

 

「上、上、姉たん!」

 

と、騒ぐ。

彼女は仕方なく、翼を広げる。

ノイッシュに、ため息交じりで言った。

 

「ノイッシュ、先に帰っていてくれ。」

 

ノイッシュは家に向かって、走って行った。

レイノアは空に上がった。

ロイドは大喜びだ。

発端は偶然だ。

前にロイドを抱いたまま、空に飛んだ。

ロイドはこれを気に入ってしまった。

そして、大好きなのである。

そんなロイドの姿を見たら、

 

「……そう言えば初代も、赤子の時だったな。マクスウェルにやって貰っていた。落ちそうだったがな。」

 

レイノアはしばらく浮いてから、ロイドに言う。

 

「さて、ロイド。クラトスとアンナが、待っている……帰るぞ。」

 

帰っている時、ロイドは何かを考え込んでいた。

レイノアは家の手前で降り、歩いて帰る。

帰ると、アンナ達が外で待っていた。

レイノアがロイドを降ろすと、一目散に二人の元へ行った。

そして先程の花を渡す。

彼女も傍に行くと、ロイドが聞いた。

 

「姉たん!姉たんは、おとーさんとおかーさんの事、きりゃい?ちゅき?」

 

レイノアは意外な事を聞くと思った。

しかし彼女は膝を付いて、ロイドの頭を撫でる。

 

「嫌いではないぞ。クラトスも、ノイッシュも……それにアンナの事も好きだよ。」

「じゃあ何で、姉たんはおとーさん、おかーさんって、呼ばないの?呼んで、呼んで!」

 

ロイドは目を輝かせて、ピョンピョン跳ねる。

レイノアはしばらく考えた。

クラトスの事は、昔父と呼んだ。

アンナは、あれから色々あった。

昔ほど、いがみ合う事もない。

基本は自分中心だが。

そもそも、彼女には本当の意味で、名を明かしていない。

だが、自分が人ではない、と言う事も。

おそらく、世界の救世主《ディセンダー》と言うのも気付いているだろう。

レイノアはロイドを抱き上げ、アンナに言った。

 

「アンナ、私は救世主≪ディセンダー≫だ。だが、それとは別に名がある。それが、レイノアだ。さらに、その名には意味がある。私の名の意味は、〝光を知りし者〟だ。だから、その、今さらだが、そう言う事だ……父さん、母さん。」

 

と、クラトスにロイドを渡して、家の屋根に上がった。

アンナは大喜びで、ロイドに言った。

 

「ロイド、レイノアお姉ちゃんが、呼んでくれたよ。嬉しいねぇー♪」

「ねぇー♪」

 

と、続いている。

クラトスも、久しぶりにレイノアに父と呼ばれたので、実は嬉しかった。

 

レイノアは、今のこの時が幸せだった。

何故なら、彼女が彼等の本当の家族としての生活が続いたからだ。

それは、自分が世界の守り手≪ディセンダー≫である事も、四代目の存在も、忘れる程に。

 

そんな日々が続いたある日、レイノア達は街に来ていた。

レイノアは町に入るなり、走り出す。

クラトスは、気を張り詰めた。

彼は、レイノアが居なくなってから警戒はしていた。

が、まさか魔族が出て来るとは思わなかった。

 

「まさか、魔族が現れるとは!」

 

クラトスは、ロイドをアンナに預け、戦い始める。

だが、これが少数なら、クラトス一人で大丈夫だったろう。

しかし、魔族はこの場に十匹以上いた。

軍人が来て、供に応戦するが手に負えない。

そこに光の剣を振いながら、飛んでくるレイノアの姿があった。

レイノアは、クラトス達と合流すると真っ先にクラトスの傷を癒す。

ついでなので、軍人にもやった。

理由は簡単だった。

邪魔されるのが嫌だったから。

魔族の一匹が、レイノアを見て言った。

 

「まさか本当に、世界の守り手≪ディセンダー≫に会えるとは思わなかった。お前を殺す前に、あやつから伝言をやろう。〝また、新しい大切な者が出来たんだ。本当、君は変わらないね。今度は大切にすると良いよ。俺みたいに、そして前の君みたいに、ならないようにね。〟」

 

そう言った瞬間、レイノアは自分でも気付かないうちに、凄まじい程の殺気が出た。

そして怒りに満ちた声で叫んだ。

 

「レディアント完全解放‼」

 

この街に居た全ての魔族を、光魔術で一掃する。

 

「光の裁き、ジャッジメント!ジャッジメント、ジャッジメント、ジャッジメント‼」

 

その状態で地面に手を当て、光で包む。

それが終わると、クラトス達の方に走る。

そのまま、家まで飛んだ。

 

家に着くと、すぐにレイノアは屋根に上がった。

彼女はそのまま、屋根の上で四代目《レオン》を探し続けた。

 

『街に着くまで街が結界で覆われ、魔族がいる事に気が付かなかった。しかも前のように、この光景を視ているという事だ。ふざけやがって!』

 

その日から、レイノアは二人の事を父、母と呼ばなくなった。

それは、四代目や魔族から遠ざける為でもあった。

レイノアは、常に外を視て、レオンを探る。

だが、視付ける事が出来ない。

そして、彼女は考えていた。

 

『この世界の魔族の穴は、初代があの時結界を作った。その初代の封印が壊れたのか。調べるのには、やっぱり初代自身の方がいい。しかし、ここにはクラトスが居るし……ハッキリ言って、合わせたくないな。だが、クラトスが持っているお守りを一つにするにも、初代の方が一番やりやすいし。それにもう一つ、作るつもりだし……仕方ないか。』

 

レイノアは、クラトスを連れて外に出た。

アンナとロイドに見えない場所に来て、彼女は意識だけを初代に明け渡す。

その瞬間、激しい拒絶反応が出た。

つまり、長くは持たないと言う事だ。

 

「‥‥‥成程、四代目も頑張ったね。僕の結界を、半分まで壊すとは。」

 

それにクラトスが反応した。

目を見張って言った。

 

「まさか、エント……か?」

 

レイノア(初代ディセンダー・エント)はニッコリ笑う。

クラトスのお守りに光を当てて、お守りを一つにした。

 

「……師匠≪せんせい≫、この子のことお願いします。」

 

と、言って、レイノアが崩れ落ちる。

クラトスは慌てて、支えた。

レイノアは頭を押さえながら、唸った。

 

「くそ!初代の奴、貴様が創った結界だろうが!何、拒絶反応出しているだよ。」

 

レイノアはクラトスに支えながら、家に帰ったのだった。

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