テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた 作:609
それから二・三日、レイノアは頭を押さえていた。
それプラス、初代の結界について色々、対策を組んでいた。
この前のあれで、世界を覆っている結界は大分修復された。
クラトスのお守りも一つにできた。
初代の結界に手を出してきたという事は、レオンは本気になったということ。
なら、これからレオンはどう手を出してくるか。
だが、レイノアは勢いよく立ち上がり、叫んだ。
「馬鹿な!四代目の奴、どうやってゲーテに干渉を……くそ‼」
レイノアは「すぐに戻る」と彼等に言って、出て行く。
レイノアは世界樹の上まで来ると、心臓を押さえた。
『流石に痛覚を失っても、世界樹とのリンクは切れないようだな。このままでは、世界に負が流れ出す。そんな事はさせない!』
彼ら《子供たち》と、この世界を守ると約束した。
今度こそ、その約束を果たす。
レイノアは翼を大きく広げ、ゲーテと世界樹の抱える負を自身の中に移す。
それによって、ゲーテは落ち着いた。
世界樹も、安定し始める。
レイノアはそのまま、世界樹の枝を取り、お守りを創る。
『これをアンナに渡せば、守りは強固される‥が。アンナは、絶対にロイドを離さないだろうしな。』
レイノアはお守りを創りながら、家に戻った。
しかしそこには、燃えた家と瘴気しか残っていなかった。
彼女はすぐに土地の記憶を見て、何があったのか視た。
魔族が攻めて来て、彼等は急いで逃げ出したようだ。
レイノアは急いで、クラトスを探す。
そして瞬時に、そこに移動する。
彼女がそこに着く。
レオンの存在に気付く。
同時に、互いにレディアントを解放させた。
「「レディアント完全解放‼」」
レイノアとレオンの激しい戦いが、始まった。
彼女も、彼も、翼を広げる。
互いに飛び回りながら、戦い続ける。
そんな中でも、クラトス達が気になっているレイノア。
と、レオンがクラトス達に向かって、飛んで行く。
「クラトスさん、すいませんね。貴方達には、消えて貰う。」
クラトスはとっさに、アンナを押し出す。
それにより、クラトスだけがどこかに消えた。
アンナは悲痛な叫びを出していた。
レイノアは、クラトスがどこに飛ばされたか探すが視付からない。
彼女は、アンナとロイド、ノイッシュを掴み、何処かに瞬時に飛んだ。
「ここはどこら辺だ。……くそ、クラトスは何処か解らない!」
レイノアは辺りを視て、危険がない事を確認する。
さらに飛ぼうとするが、消耗が激しかった。
彼女は野営の準備をして、アンナに言った。
「アンナ、これを。お守りだ。結界が、お前達を守る。」
「だったら、それはロイドが持っていて……」
と、ロイドの首に掛ける。
ロイドは、ノイッシュの背に眠っている。
レイノアは近くに魔族の反応を掴み、早めに対処しようとする。
「アンナ、もしもの時は、お前の判断で逃げろ!ノイッシュ、二人を頼んだぞ。」
レイノアは、魔族の元に駆け出して行く。
残されたアンナは、ロイドを必死に守る。
守りながら、走り続けている。
だが、襲われそうになった所を少年に救われた。
その少年は、自分達を襲った者だった。
しかしアンナは、彼を敵とは思えなかった。
「君達、駄目だよ。彼等を殺しては……早く下がれ!」
だが、上級魔族が笑いながら言った。
「くははは、四代目世界の守り手《ディセンダー》よ。そちは世界を壊そうとするのに、あの五代目のものは壊したくないと言う。全く、何と矛盾しているのか……」
「……それは、俺の勝手でしょ?君達は、僕の指示した下界人を殺せばいい。」
「いつまでも、我々がそちに従うと思うたか!」
と、後ろの彼等を襲う。
アンナは、ロイドをノイッシュの方へ渡す。
しかし、そちらにも魔族が向かう。
レオンは二人を助けようとする。
だが、どちらかしか救えない。
それに気づいたアンナが叫んだ。
「私より、あの子を‼」
彼は、ロイドを助けた。
ロイドは気を失っていた。
彼は、すぐに魔族を一掃した。
アンナに近づき、彼女を視る。
かなりダメージが大きい。
レオンは背後に殺気を感じた。
と、そこにレイノアが斬り掛かって来た。
彼はすぐに離れる。
レイノアは、アンナを視た。
すぐに、治癒術を掛ける。
だが、中の瘴気が強い。
レイノアはそれを、自分に移す。
だが量が多く、彼女は何十回も、自分自身を殺し続けた。
それが解るからこそ、レオンはレイノアに言った。
「おい!それ以上やったら、君ですら持たないぞ!」
「黙れ!私は、貴様を絶対に許さない‼覚えていろ、必ず、貴様を殺す‼」
レオンは目を見開き、瞳を揺らす。
だが、レイノアには解らない。
いや、気づけなかった。
彼が心配する理由も、何故あんな表情をしたのかさえも……
レイノアは、この場からアンナ達を連れて飛んだ。
ーードワーフ族の男は、自分の住んでいる家から光を見た。
それが、森から放たれたものだと分かる。
男は斧を持って、そこに向かった。
それは魔物が暴れているか、もしくは何者かが何かをしていると思ったからだ。
だが、それは予想と違った。
男が見たのは、泣きながら女性に光輝く剣を刺した少女の姿と、大きな声で母親に叫んでいる幼い子供。
そしてそれを守るように、そして近付けさせないように、犬のような生き物がいる。
レイノアは先程の場所から離れた所で、アンナの治療を再び始めた。
その間にも、クラトスの波動を探す。
『くそ!四代目め‼︎クラトスを何処に飛ばしたのだ……クラトス‼』
と、アンナが苦しみ出した。
レイノアは光を強くする。
『このままじゃ、ジャックと同じになってしまう。それだけは駄目だ……それだけでは……‼︎』
レイノアはレディアントで、アンナを刺した。
そして丁度そこに、ドワーフ族の男がやって来た。
レイノアは翼も広げたまま、レディアントも解放したままの姿だ。
だが、彼女は気にせず剣に力を込める。
すぐ傍で、ロイドが怯えている事も、泣き叫んでいるのも知っている。
だが今、これを止めればアンナが魔族の手に落ちてしまう。
だから彼女は、これを止める事が出来なかった。
一・二分経ってから、彼女は剣を抜いた。
ドワーフ族の男が、状況を掴めないままでいた。
が、我々の傷に気付いて、近付いて言った。
「何ってこった……こりゃあ、相当ヤベーな。俺の家がここから近い、そこで手当てをーー」
レイノアは、ドワーフ族の男の腕を掴んだ。
そしてその男に、怒鳴りながら言った。
「何所だ!貴様の家は‼︎いや、強くその場所を思い浮かべろ!早く!ノイッシュ!」
ドワーフ族の男は言われるがまま、家の場所を懸命に思い出す。
ノイッシュはロイドをくわえて、こちらに掛けて来る。
レイノアは男の家に飛んだ。
彼女はドワーフ族の男の家のベッドに、アンナを寝かせ、再び治療に掛かる。
ドワーフ族の男は、ロイドをなだめながら、その光景を見守る。
「アンナ、このままお前を殺させはしない。ジャックのようにはしない。だから……だから!」
レイノアは泣いていた。
こうなるのが嫌で、ずっと嫌で関わる事を避けていた。
なのに自分は関わった。
知っていた、世界の守り手≪ディセンダー≫である以上、こうなる事は予想できた。
巻き込んでしまうと。
いつの間にか、忘れていた。
自分が何者であるのか。
自分が過去に何を失い、自分の手で壊してしまったか。
と、レイノアの頭に、アンナの手が乗る。
おそらく、レイノアの表情を見だからだろう。
彼女の頭を優しく撫でる。
「ごめんね、レイノア。私、貴女の母……親になったのに……こんなに弱くて。」
レイノアは泣きながら、アンナの手を強く握った。
アンナのその姿は、ジャックの時と同じだ。
弱弱しく、脆い。
下界人ほど、そう言う生き物であること。
あの時と同じ、悲しみと失うと言う恐怖。
『私は、私は……お前の事を……』
レイノアは、さらに彼女の手を強く握り締める。
「……まだ死ぬな。それに、私の母ならまだ死ぬなよ。」
「そうね。私、まだ何も……貴女にして上げられなくて……クラトスにも、ロイドにも……」
レイノアは唇を強く噛む。
『違う!お前は教えてくれた。再び、あの子達に会う為のきっかけを……その一歩を、私にくれた。私はお前の……』
レイノアは、握るアンナの手に頭をつけ、
「私は……お前の明るさに、救われた。秋信に会いに行けたのも、エルシアに夢の中で話せたのも、お前のおかげだ。クラトスも……父さんもちゃんと、私が探して来る。だから……だから、死なないでくれ、母さん‼︎」
アンナは嬉しそうに、涙を流した。
彼女はドワーフ族の男に、礼と謝罪を言った。
「申し訳ありません。見ず知らずの私達に、手を貸して頂き……ありがとうございます。私は、この子達の母親の……アンナと言います。……お願いです、この子達の父親が来るまで……この子達を……ここに置いて下さい。ご迷惑……なのは重々承知しています。ですが……どうか。」
「安心しろ、これも何かの縁だ。俺が、出来るだけの事はする。だから、安心しなさい。」
その言葉に、アンナはもう一度お礼と謝罪をして、ロイドを呼んだ。
ロイドの頭を撫でながら、言った。
「レイノア、私の娘。例え……世界や他の人が……それを否定しても……貴女は私の子よ。」
アンナは不安そうに、悲しそうに見上げているロイドを見て、
「ロイド、クラトス……お父さんのように強く……そして、優しい子に育ったね。」
そう言って、ロイドの頭を撫でていた手が床に落ちた。
ロイドは動かなくなった母を、必死に揺すりながら呼んでいる。
レイノアは声を殺して泣いていた。
彼女はこれを知っている。
この状況に似た光景を過去に見た。
救えなかった。
守れなかった。
大切な、大切な家族を。
母親を。
なにより、また奪ってしまった。
大切な人の……大切な人を。
ドワーフ族の男は、彼等の気持ちが収まるまで、それを静かに見守っていた。
そして、彼女は決意する。
『救えなかった。奪ってしまった。これは私が、犯した罪だ。アンナを……母さんを救えなかった。ロイドから母親を奪ってしまった。四代目……私は、貴様を絶対に許さない‼そして何より、私は自分を許さない‼︎』
彼女の瞳は、ゆっくりと赤く染まっていく。
それは、怒りの炎のように、赤く、赤く、染まっていた。