テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた   作:609

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マイソロ2 五代目ディセンダー 第二十五話 封印

レイノアはクラトスを探す為に森に行き、怪我をして帰る事が続いた。

彼女が力を取り戻すには、時間を費やす。

その間にも、世界は瘴気に蝕まれ続ける。

彼女の力の加護があるエルシアの村の結界ですら、脆くなっていた。

隙間から瘴気が入っていたのである。

 

ーー世界樹の森。

世界樹の傍の湖底に、レイノアは居た。

そこで自身の瘴気と、消耗した力を回復させる。

しばらくして、湖から出ても、全回復とはいかなかった。

ふと、普段は無視する世界樹の言葉を、今日は聞く事にした。

 

「……何だ、世界樹。」

「良かった、貴女にお願いしたい事があります。四代目を、レオンを救って下さい。」

「……は?四代目を救って欲しい?私は、四代目を殺すのではなかったか?」

「いいえ。彼は、世界を恨んだ今でも苦しんでいます。それに、貴女の事も救ってくれました。」

「……例えそうでも、私は四代目を殺す。私の大切な物を壊したのだからな。」

 

レイノアはどんな理由があろうと、レオンを許す気はない。

例えそれが、誰であろうと。

彼女は世界樹の森を出て行く。

彼女が家に帰ると、ロイドが笑顔で出迎えた。

 

「姉たん、お帰りなさい。」

「ああ、ただいま。」

 

レイノアはロイドを抱き上げ、食卓へ向かう。

彼女は最初、食事を取る事を拒否した。

が、ロイドの泣きに負けた。

ダイクに、途中で買った野菜と、採って来た果物などを渡す。

それは彼女自身が、借りを作りたくないからだ。

 

数日が経ったある日。

レイノアは殺気だっていた。

 

「ノイッシュ、絶対にこちらに来させるな!」

 

ノイッシュは、ロイドを抱くダイクの前で返事をする。

彼女剣を構え、魔族を冷たく視る。

女魔族が、

 

「やっと見付けたわ。貴様の命、貰い受ける!」

「魔族無勢がいきがるな‼︎」

 

戦いが始った。

レディアントは既に、完全解放している。

こちらの優勢は必然的だ。

 

「馬鹿な!あそこまで弱っていたというのに!」

「いつまでも、お前達に優勢を与えると思ったか?」

 

女魔族は苦しそうに、歯を食いしばる。

だが女魔族は口の端を上げ、

 

「ならば仕方ない!せめて、ここの人間だけでも‼」

 

ロイドの方へ向かって行く。

止めようとするが、他の魔族に邪魔される。

レイノアは剣《レディアント》をロイドの方へ投げ、叫ぶ。

 

「レディアント‼」

 

地面に刺さると同時に、剣から光が溢れだし、結界を作る。

女魔族は、吹き飛んだ。

武器を無くしたレイノアの元に、魔族が向かって来る。

レイノアは、お腹辺りに手を持っていき、翼を広げた。

そして、光輝いた一本の剣を創り出す。

女魔族が、顔の表情を変え、動きを止める。

彼女から距離を取り、

 

「正気ですの⁉自分の存在を使うなんて!」

「お前達を殲滅できるのなら、私はやるさ。お前は解っているはずだ。これはレディアント以上の力を持つ事を。」

「ええ、良く知っていますわ。我らの知る、世界の守り手≪ディセンダー≫の能力ですからね。」

 

この剣は、ディセンダーの力であり、存在のようなもの。

故に、この剣はディセンダー≪自分≫自身の心ともいえる。

つまり、剣が折れれば、心や精神はもろに直撃を受ける。

何より剣が黒ければ、瘴気や心の闇に飲まれているということ。

光輝いていれば、その逆だ。

それ故に、能力を持つ者は少ない。

彼女の場合、瘴気は既に消えている。

無論、心の闇はある。

が、彼女はそれを受け入れている。

それでもまだ、剣の形ははっきりしていない。

それはおそらく、彼女が魔族やレオンを許していない。

何より、自分自身を……

 

「さて、お前達を殲滅させて貰う。私の大切なものに、手を出した事を後悔させてやろう。」

「その剣が折れれば、貴女自身が危ないでしょう?それだけでは無い、その剣が穢れれば、貴方は今以上に苦しみますよ。」

 

だが、レイノアの目や纏う雰囲気は本気だ。

既に詠唱も、している。

その気迫に魔族は焦り、逃げ出す。

 

「逃がすと思うか!光の裁き、ジャッジメント!縛れ、光の楔を…追撃せよ、光の粒子よ!シャイニング・バインド‼」

 

ジャッジメントで敵を逃がさず、動きを止めて倒す。

レイノアは、ロイド達の前に刺さっている剣を抜く。

ダイクから降りたロイドが、不安そうに抱き付いて来た。

彼女は優しく、それでいて厳しい口調で、

 

「ロイド、私は今からここを出て行く。ロイドは、ここで父さんを待っていてくれ。」

 

ロイドは、泣きながらしがみ付いて、首を振る。

 

「やだ!姉たんが、居なくなるのやだ!姉たんと一緒に、おとーさんを待つ!」

 

彼女はロイドを抱きしめる。

 

「ロイド、私は救世主≪ディセンダー≫だ。私は、この世界を救い続ける事を選んだ。弟妹が居て、両親が愛し、願いのこもったこの世界を守る。その為には、この世界に居る魔族を、世界に漂う瘴気を消さなければならない。それを出来るのが、ディセンダー≪私≫だけだ。それが終わったら、ロイドの所に帰る。」

「姉たん、ちゃんと帰って来てくれる?」

「ああ。だからロイド……母さんのように優しく、父さんのように強くなってくれ。他の下界人のように、他の者を無下にするな。姿、形は違えども、この世界に生きる者達は皆、同じ存在だ。だから差別だけは、絶対にするな。他者の痛みをちゃんと判る男になれ。約束、出来るか?」

 

ロイドは頷いた。

レイノアは彼にだけ聞こえるように、

 

「ロイド、お前に私の名を預けよう。〝レイノア‥光を知りし者〟だ。」

 

ロイドを離し、抱き上げる。

ダイクに彼を渡し、ノイッシュの頭を撫でる。

 

「ノイッシュ、父さんが来るまで、ロイドの事を頼んだぞ。」

 

ノイッシュは悲しそうに、一鳴きした。

ダイクを見て、

 

「ダイク、私は世界の守り手≪ディセンダー≫だ。だから頼む、この子の父親が来るまで、ロイドを頼む。」

「ずっと言っているだろう。子供が遠慮するな。頼りたい時は頼れば良い。だから、気を付けて行って来い。ここで、こいつらと供に待っているから。」

「……礼を言う、ダイク。」

 

レイノアは、レディアントをロイドに渡す。

 

「ロイド、その剣はお前に預ける。どうか、彼らの事を忘れないでくれ……」

 

翼を大きく広げ、空に上がった。

辺りは光輝く羽根が、舞っている。

ロイドはその羽根が消えるまで、ずっと空を見ていた。

 

 

ーー世界樹の森、世界樹の本体の元にレイノアは降りた。

そこには先客がいた。

世界樹の幹に座る、人間の姿をした精霊。

金髪に赤い瞳、雰囲気は見るからに俺様系だ。

その精霊は口の端を上げ、

 

「ここに何の用だ、世界の守り手≪ディセンダー≫。」

 

レイノアは、あきら様に嫌な顔をする。

 

『精霊・ラタトスクか。私を監視していたのだから、理由は知っているだろうに。』

 

彼女はイラつきながら、

 

「決まっている、ここを空け渡さない為だ。それに、奴の能力で貴様まで使われたら厄介だからな。」

「確かに、俺様を使えば門が開く。大量の魔族共が入って来るだろうな。それで、貴様は何をするつもりだ。」

 

レイノアは眉を寄せる。

 

『茶番も良い所だ。私が、この世界を救う理由を知っているくせに。』

 

彼女はさらにイラつきながら、

 

「決まっている。魔族をここから排除し、四代目を封じる。」

「殺す、の間違いではないか。世界を救う為に。」

「今の状態で、四代目を殺すのは無理だ。世界樹にも最早、それだけの力は無い。」

 

レイノアは拳を握りしめた。

精霊・ラタトスクは冗談混じった声で、

 

「それを聞いて、まぁー安心した。もしや、お前が魔族と手を組んだのかと思った。」

 

レイノアは怒りに満ちた声で、

 

「それこそ笑える冗談だ!私は、初代のように甘くはない。私の大切な物を二度も奪われ、手を組むくらいなら……この世界を壊した方が、マシだ!」

 

レイノアは魔族を近くに感じた。

もう一度、俺様精霊を見た後、空へ飛ぶ。

 

世界樹と同じ高さまで上がる。

魔族はまるで、黒い道のように長く続いていた。

レイノアは、再びあの剣を出す。

魔族が、勢いよく突っ込んでくる。

瞼を閉じ、ここにはない己のレディアントを頭の中に想い描く。

そして目を見開き、

 

「レディアント完全解放‼」

 

レイノアの姿は、完全解放状態へと変わる。

剣もまた、その形をしている。

次々に魔族を殲滅。

半分程度、倒した所で秘奥義を発動させる。

 

「縛れ、光の楔を…追撃せよ、光の粒子よ!シャイニング・バインド‼」

 

全ての敵を拘束し、光の柱で打ち消す。

休む間もなく、レオンの前に行く。

 

「……君は君自身を掛ける、か。でも俺は、ここで負ける訳にはいかない。」

 

彼は既に、レディアントを完全解放している。

切り掛かる為にも、彼が呼び出した精霊を正気に戻す。

その間にも彼は、彼女に攻撃してくる。

それを交わしながら、精霊を正気に戻すのは今の彼女には難しい。

 

『ロイド、すまない。……私は結局、何一つ約束を守れないのだな。』

 

翼を広げ、剣に今ある全ての力を込める。

剣を突き出し、彼に突っ込む。

彼は、剣を避けない。

精霊もまた、動かない。

いや、動けない。

 

「これは……別の世界の世界の守り手≪ディセンダー≫の能力か!」

 

レオンと精霊は、光の鎖で縛られていた。

さらに彼女は剣に力込め、

 

「四代目、お前の負けだ。この世界が終わる、その時まで封印する!」

 

辺り一面、光が覆い世界中に弾け飛ぶ。

世界中に広がっていた瘴気が、浄化されていく。

 

レイノアとレオンは暗闇の中に居た。

彼は既に、意識を閉ざしていた。

彼女もまた、意識が無くなりそうだ。

彼女は握っていた剣を、世界樹に飛ばす。

薄れゆくその意識の中で、必死に形を創り出す。

自分と同じ姿をしたディセンダー≪自分≫を。

 

『これから危機が訪れた時、あれに救わせる。四代目の封印の為にも、私はここに居なくてはならない。かと言って、私の記憶は持たせたくはない。あれの眼を通して、この世界を見極めよう。あの子達以外の者を助ける価値があるかどうか。』

 

自分と同じ姿をした少女が、うっすら目を開く。

その瞳にはまだ、感情や意志は無い。

 

「お前は私の代わりだ。私はお前を通し、世界を視る。お前の名は〝レイ‥光〟だ。お前の光の名は、お前自身の光となるか、見極めさせて貰う。光持ちし者よ。」

 

彼女を世界樹の中で眠らせる。

 

『あれが、これからどう育つかは、あれを拾った下界人次第。……クラトスに、ロイドの事を教えなくては。』

 

最後の力を振り絞り、クラトスの元に意識を飛ばす。

彼は悲しそうに、レイノアを見ていた。

彼女の姿は透けている。

いつ消えてもおかしくない。

それを察知したのだろう。

レイノアは消えゆく意識の中、ロイドの居る方角を示す。

 

「ロイドはノイッシュと一緒だ。ドワーフ族の家に居る。すまない父さん、どうかロイドの元へ……」

 

全てを言えず、彼女は消えた。

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