テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた   作:609

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マイソロ2 五代目ディセンダー 第三十二話 戸惑い

レイノアは、ある種の殺気を纏って、目の前の敵《レオン》と剣を交じり合わせていた。

自分では気付いていない。

怒りと殺気と言う感情。

それを思いっ切り爆発している事を。

そこから、レイノアとレオンの攻防戦が始まった。

その騒ぎに、ルークとティアが駆け付けて来た。

が、その激しい戦いに彼らは、なす術がない。

ルークが、レイノアの激しいまでの殺気に青ざめた顔をする。

彼は頑張って、カノンノに問いかけた。

 

「も、もしかして……あれが、例のディセンダー≪敵≫さんですか。」

「うん。でも私達、これからどうしよう……。私、足が竦んで動けない。」

 

と、カノンノも同様に、青ざめた顔で言った。

彼らは身動きできないまま、しばらくその場に立ち尽くした。

それを止めたのは、他でもないレオンだった。

 

「あー、相変わらず君は強いね。その剣は、ただの剣なのに。これじゃあ、初めて会った時みたいだね。」

 

彼は嬉しそうに言う。

が、その発言に、レイノアは何も動じていない。

今の彼女にとって、自分に対する侮辱は何も感じない。

それを感じ取ったのだろうレオンは、さっさと終わらせようとする。

 

「……ふ、アハハハハ‼︎昔は、もっと感情的にもなったのに……。折角、手に入れた感情を、本当に捨てたんだ!本来なら、そうやって立っている事も出来ないくせに。感情が無いのは、本当に便利だね。でも、もうじき君も、耐えられなくなるだろうね。その布石を、ここで増やさせて貰う!」

 

そう言って、この場に穴を創り出した。

そこから出て来た魔族達を囮に、レオンはこの場から離れた。

四人は、レオンの創り出した穴から出て来た魔族を見て、

 

「あの黒い魔物は、数年前に現れた……⁈」

「ああ!あれは……俺も、見た事がある!」

 

レイノアは冷めた目で、辺りを見渡した。

魔族よりも、レオンだ。

だが、すでにその彼は居ない。

 

「……逃がしたか。」

 

そして魔族達は、レイノアを見て笑った。

 

「見て下さい、兄弟。あの世界の守り手≪ディセンダー≫は、あの時の世界の守り手≪ディセンダー≫ですよ。」

「おお、そうだな。兄弟よ、我らであの世界の守り手≪ディセンダー≫を倒しましょう。フフ、レディアントを持たない世界の守り手≪ディセンダー≫、しかも手負いと来た。これは我らの手柄ですよ!」

 

そう言って、レイノアに向かって来た。

レイノアは剣を構えた。

ロイド達も、助太刀しようとした。

が、出来なかった。

そこには、レオンとは違った静かな殺気と怒りを出しているレイノアがいる。

今の彼女は、レオンを取り逃がした。

その上、魔族が目の前に居る。

これ程、腹立たしい事は無い。

そもそも、魔族を見る事さえ嫌なら、未だに殺す事の出来ないレオンが、自分を使って遊んでいる。

本当に、怒り狂うものだと彼女は思う。

だが、これも本人は気が付いていない。

感情を思いっ切り出している事に。

それこそ、本当に無いはずなのに。

 

「……魔族無勢がいきがるな!」

 

そう言って、レイノアは剣に力を込める。

剣は強い光を帯びる。

レイノアは、その剣を振るい、二体の魔族を一刀両断した。

それには、この場に居る全員が血の気が引いた。

無論、斬られた魔族も、だ。

 

「ば、馬鹿な……いくら世界の守り手≪ディセンダー≫でも……」

「それだけの傷を負って、我らを倒す事は不可能なはず……」

 

レイノアは、冷たく言い放った。

 

「私を、普通の世界の守り手≪ディセンダー≫と一緒にするな!」

 

光輝いている剣を、もう一振りして魔族を完全に倒した。

レイノアは、穴とこの周辺を浄化する。

レイノアが、彼らに振り返る。

と、剣が折れている事に気が付いた。

 

「……はぁー脆い。あの程度で折れるか。」

 

そう呟き、レイノアは自分を確かめていた。

ティアとカノンノが、慌てて治癒術を掛けようとするが、

 

「ああ、気にするな。この程度なら、動けるから良い。」

 

だが彼女達は無理矢理、レイノアを治療した。

それもそうだろう、今にも死にそうなほどの傷をしているのだから。

それを、本人が一番理解していない。

 

クレス・チェスター・ユーリ・エステル達と合流した彼等は、先程の事を話し合っていた。

が、最後の大仕事が出来てしまった。

それはとてつもなく強大な、黒い魔物だった。

レイノアがその魔物を見て、冷静な声で言う。

 

「ああ、ギルガリムか。あの程度なら、お前達でも倒せるとは思うが……どうする?」

「ギルガリム?君は、あの魔物を知っているのかい?」

 

クレスの質問に、レイノアは無言だった。

が、そろそろ頃合いだと思う。

 

「……船に戻ったら、ある程度の事は教えてやろう。それより来るぞ、構えろ。」

 

レイノア以外の者達は、戦闘モードへと切り替わる。

戦闘が始めるその直前に、レイノアはアドバイスをする。

 

「あれを倒せないと、お前達の言う黒い魔物も、それを呼び出すあいつも、倒す事は出来ないぞ。」

 

全員は一瞬固まったが、戦闘を開始する。

レイノアのアドバイスは、恐怖の一言だった。

彼女はしばらく、彼らの戦闘を見守っていた。

否、ギルガリムを観察していた。

そして、それを呼び出したであろう者を探っていた。

 

『先程、ここら一帯を浄化したばかりだと言うのに。私に気付かれず、ギルガリムを呼び出すとは……。アイツは、一体どこに隠れているのだ。』

 

レイノアは、改めて彼らを見てみる。

彼女が稽古に付き合った分、大分良くなってきている。

 

『大分、剣技もさまになって来ている。それに周りへの配慮も、忘れてはいないようだな。だが、世界の守り手≪ディセンダー≫なしに、ギルガリムを相手にするのは難しい……。いくら手傷を負わせても、止めが刺せないでいる。というより、あの分身体自体が能力に気付いていないとは……』

 

だからかもしれないが、それは本当に気まぐれだった。

レイノアはそんな彼等に、ほんの少しだけ手を貸す事にした。

 

「お前達、少し下がれ。……ストーンブラスト!ウインドカッター!」

 

と、ギルガリムの動きを止め、敵の出した攻撃を風で防ぐ。

 

「止めは、お前達でやれ。」

 

そう言って、彼等は一斉に技や術を放つ。

何とか、彼等はギルガリムを倒す事に成功する。

レイノアはギルガリムに近付き、浄化する。

彼れを一目視た時、彼らは体力を消耗し、瘴気を少し纏っていた。

 

「はぁー……あれを倒せたから、これは私からのおまけだ。」

 

彼らに治癒術と、浄化を施す。

今の彼らに、瘴気で死なれては困る。

何の為に鍛えたのか、解らなくなる。

彼らは元気を取り戻す。

が、レイノアは何処か、体が重い事に気が付く。

 

『成程、二重の布石だったという事か。全く……手の込んだ事を、本当にしてくる。だが、この程度では、私を止める事は出来ない。』

 

いくら体が重く感じても、自分には感情、強いて言うならば、痛覚などは存在しない。

故に、体が動けば、対して問題は無い。

 

船に戻って来た、レイノア達。

船長のチャットに報告を済まさる。

レイノアは、チャットに剣をまた貰う事を言う。

彼女は新しい剣を腰に差し、甲板に出る。

するとそこには、ロイド・クラトス・カノンノが、向かい合っていた。

さらには、今回の任務の者達以外も居た。

レイノアは屋根に戻らず、それを見ている事にした。

ロイドがクラトスに、か細い声で、

 

「クラトス、聞いても良いか?」

「……何だ?」

「クラトス……クラトスは、俺の父親……なのか?」

 

ロイドのその発言に、その場にいた全員は一度、息を飲んだ。

クラトスも目を見張り、レイノアも、驚かずにはいられなかった。

まぁー、それとなく予想をしていた者も、いたのだろう。

左程、驚いていないものも居る。

クラトスは、ロイドに聞き返した。

 

「……何故、そう思うのだ。」

「アイツが……あの時の黒髪の奴が、言っていたんだ。それに視た。」

「ごめんなさい、クラトスさん。実はその時、私も居て……ロイドの小さい頃を視たんです。小さなロイドと女の人。そして、クラトスさん、貴方です。」

 

レイノアは、拳を握りしめていた。

 

『四代目、どういうつもりだ!』

 

クラトスが気持ちを抑えて、何とか言葉にして言った。

 

「……そうだ、ロイド。私は、お前の父親だ。」

 

ロイドは拳を握りしめ、怒鳴り声を上げた。

 

「何で……何で、俺と母さんを捨てたんだよ!それに、クラトスはアイツに手を貸していたんだろう!何で、そんな……ふざけるなよ‼︎」

 

レイノアは、感情の無い心で痛みを感じた。

 

『クラトスが悪いのではない。悪いんじゃないだ……ロイド!』

 

レイノアは、ロイドの前に立った。

誰にも悟られないよう冷たい、感情の無い声で言った。

 

「……ロイド・アーヴィング、その言葉には間違いがある。クラトス・アウリオンが、あれに手を貸していたのは、あれが世界の守り手≪ディセンダー≫であった時だ。それと、クラトス・アウリオンがお前達……家族を捨てたのではない。そうさせたのは、私だ。私が、クラトス・アウリオンの力を借りたのだ。あれが旅をした所、関わりを持った場所を知る為に。」

 

ロイドは目を見張った。

 

「何で……そんな事を?」

「私は、あれの記憶を詠み取りきれていない。その為、それをよく知る者に聞くのが早いからだ。クラトス・アウリオンも、理解していた。世界を救う為に、私に手を貸したのだ。」

「で、でも!俺達を捨てた事には、変わりないだろう!」

「……それも仕方が無かったのだ。あれを追う代わりに、クラトス・アウリオンの子と妻は安全な場所に。そして奴を打倒した時には、お前達の居場所を言う約束であった。しかし、私があれと供に封印されたが為に、クラトス・アウリオンは……お前の居所が解らなかったのだ。私は、クラトス・アウリオンにお前達の居場所を話す事が出来なかった為に。だからロイド……クラトスを責めないでくれ。」

 

最後の一言は、聞こえるか、聞こえないかの声だった。

レイノアは最後に、ロイドの瞳を視た。

そして屋根の上に上がった。

レイノアは逃げたのだ。

これ以上、何と言っていいのか解らない。

その後、クラトスとロイドの会話を、上で聞いていた。

最後には少しずつだが、ロイドはクラトスの事を、父親として接する事にしたようだ。

レイノアは空を眺めながら、悲しそうに笑った。

自分の掌を空に上げ、握った。

 

『少しでもいい……彼等が親子として、戻ってくれれば……私としても嬉しい。例え、名を呼ばれなくても。ロイドが私の事を、覚えていなくても。』

 

そう、心から彼女は思う。

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