テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた 作:609
レオンは壁にもたれた状態で、レイノアに言った。
「お礼を言うよ、レイノア。君のおかげで、俺はやっと自分を取り戻せた。それに……アドリビトムの方にも、お礼を言いたい。そしてレイ、君もよく頑張ってくれたね。」
彼は、とても優しい口調で、優しく微笑みながらそう言った。
これが、本当のレオンの姿なのか、と全員が思った。
だが、レイノアだけは相変わらずだった。
彼女にしてみれば、今回の行動自体が、異例だったに過ぎない。
現に、彼女≪レイノア≫の名が出た時は、怖かった。
が、それでもこの世界は救われたのだと思う。
レイノアは少しイラつきながら、レオンに聞く。
「ところで、四代目。……貴様はいつから、奴に取り込まれていた。」
レオンは悲しそうに笑った。
彼は空を見てから、レイノアを見て言った。
「中に入られたのは、おそらく仲間を殺された時かな……。彼が、いつからこの世界に居たのかは、俺も解らない。でも、彼が無くても、俺の結果は同じだったと思う。俺の中にも元々、何かは入っていたのだと思うよ。でも俺は、その頃は見向きもしなかった。俺の大切な仲間を……恋人を失って、俺はこの世界を救う価値を見失った。」
レオンは自分の手を見る。
「でも、彼女がこの世界を救って欲しいと願ったからこそ、俺はこの世界を変えようと思った。俺は、異端分子を消してきた。どんなに俺の手が血に染まっても、周りから嫌われ、疎まれても。世界を変える為なら、例え俺の大切な仲間を奪った魔族だろうと利用した。でも俺は、日に日に心と言うモノが……自分と言うのが、解らなくなった。」
レオンは、本当に悲しそうだった。
でも、拳を握りしめて、続きを話した。
「そんな時だよ、君が生まれたのは。でも、君が生まれて俺は嬉しい半分、悲しかった。俺は世界の守り手≪ディセンダー≫では、無くなったということ。そして君にも、同じような苦しみを味わう事になるのだと。だから俺は、君をこちら側に連れ込もうとした。でも君は、どんな時も自分でいた。それが、俺にはとっても羨ましかった。応援したい分、君を落として見たかった。きっと君も、俺と同じになると思った。」
レオンは、レイノアを見て言った。
「だって、その時には君にも大切な弟妹が出来ていた。でも、君達の生活を視ていたら……とても不安になった半面、君が変わっていくのが、とても嬉しかった。出来れば、君が世界の守り手≪ディセンダー≫と言う存在を忘れ、レイノアと言う一人の人間として、彼らと供に居続けて欲しかった。だからこそ、君の弟が死んだ時、何故そうなったのか、訳が解らなくなった。そして俺が完全に落ちたのは、君の母親を守れなかった時だと思うよ。君のあの言葉で、俺ははっきりした。そこから俺は、考えるのを止めたんだ。今の今まで……」
彼の言葉に全員が、息を飲んでいた。
そして悲しいと思った。
そんな中、レイノア腕を組んで、呆れていた。
『思った以上に、単純だったな。これが、私が殺そうと思っていた奴とは……。ハッキリ言って、今の今まであきれてものも言えん。だが……』
だが、レイノアはレオン背を向けて言った。
「確かに、貴様にはこちらとしても、礼を言うべきなのだろうな。あの子達は、貴様に助けられた。そして、ロイドもまた、貴様に助けられた。……だが、貴様がやった事に対し、私は許すつもりは無い。その事は忘れるな。」
「……アハ!ほんと、君は変わらないな。……レイノア‼」
レオンの反応と同時に、レイノアもまた気付き、駆け出した。
レディアントの方を手に、レイとゲーテの元へ。
レイとゲーテを切ろうとした、敵の斬撃を防いだ。
「あちゃー、ばれちゃったか……残念。」
「貴様、どう言う事だ!いくら貴様のような者でも、あれだけの手傷を負って、もう回復するなど‼︎」
「うん。僕も、あれには困ったよ。おかげで別の世界に、飛べなくなちゃったもん。でもこれで、君を殺せるよ。君も、初代の創りし理を曲げる事は出来ないでしょ。」
そう言って、金髪の少年は、一本の黒い剣を取り出した。
その剣を見て、レイノアは目を見張った。
魔剣・エターナルソード。
初代の作りし剣。
そして、レイノアだけではなく、レオンとクラトス、セルシウスも、驚く。
「貴様……結界を無理矢理壊したな!」
「うん。おかげで、かなり苦労したよ。あの結界で、魔物百匹以上は相手にしないと、いけなかたもん。でも、そのかいあって、これを手に入れられた。でも、無理矢理手に入れたから、扱いが難しくて。あ、そうそう。後、これね……他の世界でも使えたよ。」
そう言って、少年は笑う。
その逆に、レイノアとクラトスは目を見張った。
レオンは、すぐに剣の情報を視たのだろう。
悲痛な声で、悲しく唸った。
「……そんな⁉この世界の……初代の想いが、別の世界を壊したなんて……」
「……え?どういう事、ニアタ。」
「うむ。すまない、カノンノ。我々にも、それは解らぬのだ。」
カノンノ達の疑問に答えたのは、セルシウスだった。
「あれは……この世界の初代世界の守り手《ディセンダー》が創りし魔剣。そして、世界の守り手≪ディセンダー≫を殺せる剣よ。」
「へぇー、精霊は知っているのか。でもやっぱり、この世界は良いよね。面白い物が、沢山ある。だから今回は、世界の守り手≪ディセンダー≫一人の命で、勘弁してあげる。」
彼は冷たい笑みを浮かべ、レイノア達に突っ込んでくる。
レイノアは動かなかった。
いや、動けなかった。
動けば、レイとゲーテに、あの剣が刺さるからだ。
分身体≪レイ≫はともかく、ゲーテにあの剣が刺されば厄介だ。
ゲーテと初代は繋がっている。
どちらか一方に大きな影響があれば、互いに干渉しあってしまう。
この世界の柱となっている初代に何か起これば、世界は崩れる。
レイノアは翼を広げ、レディアントに力を込めた。
解放しようとして、出来ない事に気付く。
『……まさか、レディアントの力を封じるとは、やはり厄介だな。』
レイノアは、世界の守り手≪ディセンダー≫の能力だけを、レディアントに込めた。
だが、レイノアの足元に魔方陣が浮かび出た。
その魔方陣から出て来た鎖が、彼女の動きを封じた。
『く!なんて奴だ……しかし、この力はもしや……』
レイノアは、なすすべなく剣に腹を突き刺された。
『いや、今はこっちが先だ……。返して貰おう、初代の剣を!』
レイノアは腕の鎖を壊し、魔剣を離させなかった。
最後の力を使い、魔剣を隠しす。
つまり剣の存在を、消したのだ。
少年は、レイノアから離れ、残念そうな顔で言った。
だがそれは、本当に楽しんでいるようだった。
「あーあ、残念。隠されちゃった。ま、いっか♪又、取りに来るよ。じゃ、またねー。」
そう言って、少年は消えた。
レイノアの足元の魔方陣も消え、彼女は膝を付いた。
血が大量に流れ出て行く。
『……やはり、初代の力の方が上か。まぁー、当然か……』
レイノアは、レディアントを甲板に刺し、それを支えに何とか体を保っている。
ロイドが、駆け付けて来る。
「姉ちゃん‼」
レイノアの目の前に、膝を付いた。
クラトスもやって来る。
何人かは急いで、治癒術を掛ける。
だが、効果が無い。
「嘘⁉治癒術が効かない‼︎どうして⁈」
『……当然だ。治癒術が効いたら意味がない。』
レオンには、今のレイノア《自分》の状態が視えているだろう。
だからこそ、言い切れる。
「……あの剣は、世界の守り手≪ディセンダー≫を殺す為の剣だ。世界の守り手≪ディセンダー≫がその剣に斬られたら、治癒術の意味はないよ。だってそうだろ、効いてしまったら世界の守り手≪ディセンダー≫を殺す、と言う意味がない。でも、君も最初から俺を殺しに来る時、あの剣を使えば良かったのに……」
レオンが、途切れ途切れに言った。
レイノアは、ロイドとクラトスが、自分の血で汚れるのを見た。
彼女は、自分の流れ出る血を見ながら、
「あれを使えば、確かにお前を確実に殺せるだろう。だがきっと、世界樹がそれを許さなかった。……あの剣は殺すだけでは無く、存在そのものまで、消す剣だ。それでは、お前の能力だけではなく、この世界の正式な世界の守り手≪ディセンダー≫も、殺す事になる。私や、そこの奴ではなく、な。」
「……ほんと君は、世界の守り手≪ディセンダー≫そのものだよ。」
レイノアは、そこでやっとロイドに顔を向けた。
ロイドは、今にも泣きそうな顔をしている。
彼女は、残された力をふんだんに使った。
「……ロイド、悲しむな。私としては十分だ。成長したお前も見られた。母さんが、最後に願った通りに、お前は成長してくれた。だからこそ私は、あのときお前に殺されても良いと思った。……これからも、そのまま成長してくれ。」
レイノアは、レイの方に手をかざす。
何かの魔方陣が、彼女を包む。
それが消え、レイノアはクラトスを見た。
「……すまないな、クラトス。私は、あの子達との約束を果たせそうにない。結局、私はやっぱり約束を守れないのだな。」
彼女は瞳を揺らし、
『真実も告げられないまま……』
レイノアはいつだって、クラトスの悲しそうな顔は嫌いだ。
ついに泣き出したロイドを、優しく抱きしめた。
「……ロイド、私の大切な弟。………すまんな、秋信、エルシア、ジャック。」
レイノアは瞳を閉じ、彼らを思い浮かべる。
そして、シャックの最後の顔を思い出し、
『お前を……視付けてやれなくて、すまないシャック……』
そして、レイノアが倒れた。
瞳は閉じ、息をしていない。
ロイドが悲しむ間もなく、今度はレイに変化が出た。
レイの体が、消えそうになっているのだ。
「レ、レイ⁉いきなりどうして⁉」
「そうか、ディセンダー・レイは……彼女の分身体であったな。だから彼女が死んで、状態を保てなくなっているのかもしれん。」
「そ、そんな……。何とかならないの、ニアタ‼」
カノンノは泣きそうな顔で、叫んだ。
そこに厳しく、それでいて優しい声が、聞こえて来た。
「……残念だけど、ニアタ・モナドはこの世界の理を知らないから、どうする事も出来ないよ。……レイ、君は最初、世界の守り手≪ディセンダー≫の力を持った人形だった。でも、アドリビトムの皆から心を貰い、彼女に会って意志を手に入れた。今の君には、君だけの感情と意志があるはずだ。君もまた、この世界の世界の守り手≪ディセンダー≫・レイなのだから。」
レイは、自分自身を抱き、言葉を発した。
「わ、私は……私は私として、ここに居続けたい‼」
そう言って、レイの体から光出す。
その光が収まった時、彼女の体は元に戻っていた。
「それは彼女が残した、君を生かす術式だ。君が、君でいる限り、それは続く。」
レイは、レオンを見つめて、
「……四代目。貴方なら、この人を救う方法を、知っているのではありませんか?」
レオンは頷いた。
彼は、彼女の瞳を見て言った。
「君が、本当にレイノアを救う気持ちがあるなら、世界樹の元に行くと良い。そこに、初代の残した宝珠がある。それを、彼女の元に持ってくれば大丈夫。彼女は、まだ消えていないから、間に合うはずだよ。」
それを聞いたチャットが、涙を堪えて、
「……今すぐ船を、そこに向かわせます!レイさん、貴女はどうしますか?」
「私は、彼女を助けたい……。だから、行きます!」
その言葉を聞いてチャットは、走って行った。
ロイドは涙を拭き、レイに言った。
「レイ!俺も、一緒に行く。俺も、姉ちゃんを助けたい!」
「うん、一緒に頑張ろう。クラトスさんは……」
クラトスは、レイノアを抱え込んでいた。
そして、首を振って言った。
「私はここに残る。レイノアの事も、それにレオンの事も、あるからな。」
「そうだな……。姉ちゃんを一人にしておく事は、出来ないもんな。」
すぐに、世界樹の森の入り口まで来た。
レオンが、森の入り口を指さし、
「この森を一直線に走ると良い。道は、繋げておいたから。覚悟をしっかり持っていれば、大丈夫。」
レイは頷き、ロイド・カノンノ、そしてニアタで森に入って行った。