テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた 作:609
クラトス・アウリオンは、レイノアの傍を離れなかった。
他も者達はそれぞれ、自分に出来る事をやろうと動き出している。
なので、この甲板には彼と四代目世界の守り手≪ディセンダー≫・レオンだけだった。
レオンは、クラトスに話し掛けていた。
「……俺、てっきりクラトスさんは、宝珠を取りに行くと思っていました。」
「私もそうしようと思った。だが、レイ達が行くと言ったのだ。なら私は、監視者としての……クラトス・アウリオンとして、いなくてはならない。」
「はは……クラトスさんも、変わらないですね。」
レオンは、懐かしむように語りだす。
「あの家で過ごしていた頃のクラトスさんは、こう、もっと楽しんで居たと思うけど……」
「……視ていたのか。」
「ええ、全部視ていました。それこそ、レイノアが世界樹の外に出たあの時から。」
彼は、苦笑いしながら思い出す。
「レイノアが、俺を探せなかったのも、自分自身を探すようなものだったから。そもそも俺達世界の守り手≪ディセンダー≫は、波長が一緒だから見付けようがない。でも、近くに寄れば気付かれちゃうけどね。」
「そうか……。そう言えばお前は、レイノアの弟妹に会った事があるんだったな。」
「ええ。とても素直で、良い子達でしたよ。あの冷たいレイノアが、クラトスさん以外に心を砕いた初めての下界人達。あの子達のおかげで、レイノアは喜びを知った。でも、その分だけ絶望を受けた。俺は、レイノアが死ぬ所も視たよ。だけど彼女は、ある種の不死身だと思ったね……。だってさ、脳や心臓を貫かれようと、斬られようとも、生きているんだから。それに、クラトスさんの奥さんを助ける時、彼女は何十回も、自分を殺して助けようとしたんですよ。」
「……そうか。レイノアに、そんなに無理をさせてしまっていたか。私はレイノアに対し、父にも、監視者としても、一人の人間としても何一つ、してやれなかった……」
「‥‥‥それは違いますよ。レイノアにとって、貴方と出会えたから、彼女は落ちる事も無く、そして家族を知れた。まぎれも無く、クラトスさんのおかげですよ。」
クラトスは静かに、拳を強く握っていた。
一方、森を走っているレイ達。
走っている間、魔物に邪魔される事もなく、すぐに目的地に着けた。
それも短時間で来られたのは、とても不思議であった。
レイ達が広い所に出る。
と、仮面を付け、銀色の髪をした一人の少年が空を見上げ、立っていた。
レイ達は剣を抜く。
彼を警戒し、戦闘態勢に入る。
だが、少年がこちらに気が付いて、振り向く。
表情は解らないが、少年からは敵意を感じなかった。
「あ、貴方は一体、誰ですか!……いえ、貴方はここにあると言う宝珠を知っていますか?」
少年が一つ頷き、指を差す。
レイ達はそこに向かうと、池があった。
その中を覗くと、祠があった。
少年が近付いて来て、そのまま水の上を歩いて行った。
そして池の中心まで行く。
少年はこちらを見て、言った。
「‥…ここに来た理由を聞こう。」
少年の表情は解らない。
だが、その声が真剣なのは、解る。
レイは剣をしまい、少年を真っ直ぐ見て言った。
「助けたい人がいるんです。その人を救うには、ここにある宝珠が必要だと聞きました。お願いです、その宝珠を私に……いえ、私達に貸して下さい。」
少年は、しばらくこちらを見ていた。
少年は仮面を付けていても、分かるくらい真っ直ぐこちらを見て、厳しい口調で言った。
「君達が、本当にその人を救いたいと思うならば、自ずと扉は開くだろう。」
そう言って、少年は消えた。
レイ達は、どうしたもかと悩んだ。
レイが、池に手を入れた。
すると水が光出した。
レイ達は頷き、皆で池の水に触れる。
すると、水が半分に割れ、階段が見えた。
レイが、急いで祠に向かう。
だが、扉は閉ったままだ。
レイは心の中で、自分を振り返り、彼女の事を思い出す。
『……私は最初、自分が誰なのか解らなかった。解るのは、自分の名前だけ。でも、アドリビトムの皆と居て、とても楽しかった。ゲーテの事を知って、とても悲しかった。でも、皆のおかげで、私はゲーテを知れた。世界を知れた。彼女が来て、私は本当の私を知れた。私は創られた、彼女の分身体だ。……でも、私は私として、まだ彼女に認めて貰っていない。それに、彼女には彼女の大切な人達が、彼女の事を待っている。だからこそ私は、彼女を救いたい。だからどうか……扉よ、開いて‼︎』
レイの想いが通じたのか、扉がゆっくりと開いて行く。
そして光輝く、一つの宝珠がこちらにやって来た。
レイが手を出すと、そこに宝珠が乗った。
レイはそれを大事に抱え、上へ上がる。
すると、水が元の姿に戻り、池へと戻る。
そしてその中心には、あの少年が立っていた。
少年は優しい声で、
「君の想いは伝わった。早くそれを、彼女の元へ持って行くと良い。使い方は、四代目世界の守り手≪ディセンダー≫・レオンに聞くと良い。」
その言葉で、ニアタが納得した。
「そうか……。其方が、この世界の最初の世界の守り手《ディセンダー》か。」
少年は、仮面を付けていても分かるくらい嬉しそうに、微笑んでいた。
レイ達は、急いで帰る。
少年が最後に、
「ゲーテに優しくしてくれて、ありがとう……。君達のおかげで、あの子は優しと喜びを知る事が出来た。」
そう言って、消えて行った。
レイ達は、それを背中で聞いていた。
船に戻ると、四代目世界の守り手≪ディセンダー≫・レオンが、今にも消えそうなくらい透けていた。
レオンはホッとしたように、
「良かった。俺が消える前に、戻って来てくれて……。レイ、宝珠を彼女の所に、近付けると良い。」
レイは、彼の言う通りにした。
すると、宝珠が浮かんだ。
それは、レイノアの元へ飛んで行く。
レイノアの真上まで来ると、それは強く光出す。
彼女の流した血が、何かの魔方陣を描き始める。
魔方陣が消えると、宝珠もまた消えた。
レイノアの傷は癒えていたが、動きがない。
レイ達は心配したが、レオンはホッとしていた。
「これで、大丈夫……。宝珠も役目を終え、祠に帰って行った。じきに、レイノアは目を覚ますよ。」
そう言いて、しばらく見守る。
すると、レイノアの手が少しだが動き出した。
そしてゆっくりと、目を開けた。
レイノアは起き上がり、自分を確認しているようだった。
そしてレオンを見て、
「……そうか、宝珠を使ったのか。死に損なったな。後で後悔しても、知らないからな。」
「…それに関しては、大丈夫。君が、彼等の居るこの世界を壊す事は無い、と知っているからね。」
レイノアは、小さく礼を述べた。
「お前達には感謝する。私を、ここに留めてくれた事を……」
ロイドは、思いっきり泣き出した。
それは、レイやカノンノもそうであった。
レイノアは苦笑し、立ち上がった。
そして、レオンを見据えて、
「……行くのか?」
「ああ。俺は長く、この世界に居過ぎたのかもしれないね。しばらくは、ゆっくりと眠っていたいよ。」
「……おそらく、無理だな。」
「そうかもしれないね……。じゃあ、また会う時まで、さよなら……」
そう言って、四代目世界の守り手≪ディセンダー≫・レオンは消えて行った。
レイノアは、ロイド達に振り返った。
「さて、報告しに行くか。それに、今回の報酬も、まだ足りていないからな。」
「お、俺も一緒に依頼受けるよ。な、クラトス!」
「……そうだな。」
「あ!じゃあ、私達も一緒に受けたい!ね、レイ。」
「うん。私も、世界の守り手≪ディセンダー≫として、これからも頑張りたいから!」
レイノアは、少しだけ笑って、
「……フ、足手まといには、なるなよ。」
そう言って、扉を開けるのであった。
彼らの旅路は、まだまだ続いて行く。
彼らの道に光が満ちて行く事を願う。