テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた   作:609

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マイソロ2 五代目ディセンダー 第四話 クラトス・アウリオン~その2~

ある昼下がり、クラトスはいつものように、レイノアと過ごしていた。

食事を取り、本を読んでの勉強、そして剣術の稽古。

ここ最近、レイノアは本を読み終えると、空を眺めていた。

そして今日は珍しく、空を見ながらクラトスに聞いた。

 

「ねぇー、父さん≪クラトス≫……」

 

実は、彼女に“父さん”と呼ばれるのに、今だクラトスは戸惑っていた。

だが、彼女を見て、

 

「何だ?」

「……何で魔族が来るだけで、空がこんなにも暗いんだ?それとも、空と言うのは元々こう言うものなのか?」

 

クラトスは隣に座り、腕を組んで同じように空を見た。

空は瘴気のせいで薄暗い。

 

「……お前が生まれる前は、色々な空の色があった。青にオレンジ、赤……今では見られなくなってしまったが、星も見れた。」

 

そう言って、クラトスはレイノアを見る。

と、彼女は空の中でも、“星空”に興味を持ったようだった。

クラトスはまた空を眺めた。

 

しばらくそうしていると、彼女が何かの気配を感じ取ったのだろう、辺りを気にし始めた。

クラトスは辺りを警戒しつつ、私が声を掛けようとする。

が、その前にレイノアはある精霊の名を発した。

 

「精霊……オリジン……」

 

クラトスはその名を聞き、胃が痛くなる。

彼は一つため息を付いてから、立ち上がった。

レイノアも真似をするように、立ち上がる。

自分にも、宙に浮き、四本の腕を持った精霊・オリジンが実体化したのを見た。

 

『相変わらず、私の事が……いや、私のような存在が嫌いなのだろう。』

 

クラトスはそう思い、精霊・オリジンの様子をみる。

精霊・オリジンは、あきらさまに蔑みの目を自分に向けて来る。

レイノアが何かを感じ取ったかのように、精霊・オリジンに警戒心を抱いていた。

 

精霊・オリジンはレイノアを見下ろし、冷たい声で言った。

 

「貴様が新しい世界の守り手≪ディセンダー≫か……。うむ、こんなんであれに勝てるのか。」

「仕方ないのではないか。世界樹自身も相当危なかった、とマーテルが言っていた。そんな中で生まれたのだ。多少、幼くても……中身はしっかりしている子だ。」

「そんな事は知っている。むしろ、そうでなくては困る。それにしても、あのハーフエルフの女はそこまで解るようになったか。あいつも喜ぶだろう。何より、あいつに掛かる負荷が減るだろうしな。」

「そうかもしれんな……。あの子は今も、人柱のままだからな。」

 

そこで無言が訪れた。

クラトスは初代世界の守り手≪ディセンダー≫の事を思い出していた。

悲しみや後悔、色々な感情が出て来た。

 

静寂だった所に、レイノアが声が飛ぶ。

 

「…クラトス≪父さん≫、大丈夫か?」

 

クラトスは苦笑した。

そんなにも今の自分は、表情に出ていたか、と。

彼女は心配そうに、自分の顔を見て来る。

その心配そうな表情の彼女の頭を撫でる。

 

『まさか心配される程、だったのだろうか……。この子にも、ちゃんと感情が出てきてくれているようで良かった。……だが、おそらくオリジンからは冷たい一言があるだろう。』

 

そんなクラトスのの予想は当たった。

彼の睨みが増し、

 

「……父さん?何を下界人のように遊んでいる。お前はあれを、貴様の前の世界の守り手≪ディセンダー≫を殺す為だけに居るんだぞ。」

 

しかも、精霊・オリジンの言葉は彼女にまだ教えていない事だった。

だから、クラトスは固まった。

 

『別に遊んでいる訳では無いが、この子はもしかしたらそう思っていたかもしれんな。しかし、この子には前の世界の守り手≪ディセンダー≫の事は話していないのだが……。これから、この子がする事も。レイノアは大丈夫だろうか、前の世界の守り手≪ディセンダー≫を殺す為だけに、創られた……と言われたのだ。相当参っているだろう。』

 

しかし、彼の予想とは違った答えが、彼女から出る。

彼女は怒りながら、精霊・オリジンに言ったのだ。

 

「別に、お前には関係ない事だろう。口を挟むな。」

「……貴様に無くても、こちらにとっては世界が掛っている。貴様が、もし世界を救わなければ意味がない。そこの下界人……いや、監視者の為に世界を救う事を辞めれば、これまたこの世界は終わりだ。こちらとしても、新しい世界の守り手≪ディセンダー≫を待っている時間は、もう無いのだからな。」

 

精霊・オリジンの雰囲気はとても冷たい殺気を纏っている。

クラトスはため息と共に、さらに胃が痛くなっていた。

 

『確かに、私一人のせいでレイノアが世界を救う事を放棄してしまえば、この世界は終わる。初代世界の守り手≪ディセンダー≫のしたこと全てが無駄になる。オリジンとしては、そこが気に入らないのだろう。レイノアは巻き込まれたに過ぎない……。レイノアも、流石にもう泣くかもしれんな。』

 

などと考えていたのだが、これまた違った。

彼女は予想を遥かに超えた言葉を、精霊・オリジンを指さしながら言った。

 

「私の事は、別にどう言おうと構わない。が、クラトス≪父さん≫の事を侮辱するのは許さない!」

 

クラトスは驚いた。

まさかレイノア自身のことで怒っているのではなく、自分の事で怒っていることに。

自分は嬉しいのか、突っ込んだ方が良いのか、迷った。

何より、それもあるが、彼女が精霊・オリジンに文句を言った。

それはそれで、彼女の想いがそれだけ強いのだ。

しかし、それと同時に魔族が入って来たのだ。

これには、精霊・オリジンも魔族に目線を送っている。

そして戦闘態勢に入ろうとしている。

つまり、レイノアを完全に無視をしているのだ。

 

魔族がこちらを……いや、レイノアを見て言った。

 

「あの方の言った通り、世界樹が新たな世界の守り手≪ディセンダー≫を生み出していたか……。それを、こちらに渡して貰おうか。」

 

クラトスは剣を抜きながら、レイノアを隠すように前へ出る。

 

『やはり、レイノアを狙って来たか!』

 

だが、当の本人は怒りながら、クラトスの前へ出て来た。

彼は、レイノアを止めようとする。

しかし、彼女の腕を引っ張るより早く、彼女の怒りの声が魔族に放たれる。

 

「今は、オリジンに文句を言っている最中だ!後にしろ‼」

 

その言葉に、流石の魔族も、一瞬動きが止まった。

が、再びこちらに向かって来る。

精霊・オリジンも、本格的に臨戦態勢に入る。

クラトスは再び、レイノアを背に隠そうとする。

が、その前にレイノアが魔術を放った。

 

「レイ!ホーリーランス!光の裁き……ジャッジメント‼」

 

最初に〝レイ〟で魔族の動きを止め、〝ホーリーランス〟で無数の光の槍が魔族を貫く。

とどめに、〝ジャッジメント〟で魔族を消滅させにかかる。

しかし、まだ威力が弱いのだろう。

魔族は倒れ伏せていた。

 

しかしながら、魔族を完膚なきまでに痛めつけたレイノア。

彼女はどうやら、まだ精霊・オリジンへの怒りが収まっていないようだった。

 

『……どうやら、魔術を使えるようだな。上級魔術だけは、初代のように詠唱破棄出来ないようだが……まさか、ここまで完膚なきまでにやるとは……』

 

クラトスはある種、彼女の将来が心配になった。

そしてレイノアは、精霊・オリジンに向かい合って、また指さして言った。

 

「オリジン!クラトス≪父さん≫を侮辱した事は許さない!次、クラトス≪父さん≫を侮辱したら……貴様を叩き潰す‼」

 

精霊・オリジンは臨戦態勢を解いて、レイノアを見た。

クラトスもまた、彼女の眼を見た。

彼女は本気だ。

クラトスは内心で、もう諦めていた。

 

精霊・オリジンが、追い打ちを掛けるように冷たく言う。

 

「‥‥‥そいつが、監視役として居ても、か?」

 

それは、ある意味言われたくない言葉を精霊・オリジンに言われた。

レイノアが、こちらを見上げてきた。

少女は言葉を掛けようとしているのが分かる。

が、何と言って良いのか、分からないと言う感じだった。

クラトスは精霊・オリジンに、これ以上彼女の気持ちを傷つかない為にも、声を振り絞って言った。

 

「オリジン……私が居る事で、この子の邪魔になるのであれば、私以外の者に代わって貰う。だから、この子をあまり責めないでやって欲しい。」

「当たり前だ。だが、監視者でも、お前らでは駄目だろう。そうなれば精霊……四大ではあいつの例があるから駄目だな。」

 

クラトスは、マーテルなら大丈夫だろうと思った。

仮に、他の精霊が来てもマーテルなら追い出される事は無い、と思っているからだ。

と、レイノアが俯いているのが見える。

 

『流石に、もう怒る気力も無いのだろう……』

 

クラトスはそう思った。

だが、レイノアの怒鳴り声が響いた。

 

「……ふざけるなよ、オリジン!父さん≪クラトス≫以外の者が、私の監視役にしたら……私は世界を救う事を辞める‼」

「では、どうするつもりだ。貴様は、あれと共に世界を壊す気か‥。」

 

クラトスは冷汗をかきながら、レイノアの言葉を待つ。

彼女はキッと精霊・オリジンを睨み付け、

 

「……なら、世界を救ってやる!私が世界を救えば良いのだろう。これ以上、父さん≪クラトス≫に文句を言うな!解ったら、さっさと帰れ!ああ、そうだ!あれも持って帰れよ、貴様が連れて来たようなものだからな!」

 

彼女の答えは一応、安心できるものだった。

そして、彼女は魔族を精霊・オリジンに押し付ける。

しかも、アッカンベーと精霊・オリジンにしていた。

 

精霊・オリジンは魔族の残骸を持って、この場を離れて言った。

帰り際にも精霊・オリジンは文句を沢山述べて言った。

この精霊・オリジンとの一件で、レイノアは精霊が嫌いになったようだった。

精霊の話が出る度に、レイノアは露骨に嫌な顔をしている。

 

クラトスの不安はさらに大きくなっていくのであった……

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