テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた   作:609

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マイソロ2 初代編 第四十三話 旅立ち

ミトスとクラトスが、ディセンダーの家に向かうと留守だった。

クラトスはふと、ある場所に向かう事にした。

そこは木の根に覆われた、不思議な模様の地面だ。

そこにディセンダーは、ただ立っていた。

寄り添うように、精霊達が控えている。

精霊・シルフが、こちらに気づいて困ったような顔をしながら、近付いて来た。

クラトスは静かに聞いた。

 

「何か、あったのか。」

「うーん、何と言うかね……あれからあの子、ずっとあそこに立って結界を強めているのよ。時々、休むには休むのだけど……私達が言っても、辞めないし。だからアンタ、止めなさいよ!」

 

クラトスはため息を付けながら、ディセンダーに近付いた。

彼は、クラトスに気づいて振り返った。

 

「師匠≪せんせい≫……それにミトスも居るって事は、マーテルさんが気が付いたんだね。良かった……」

 

彼のその顔は、酷く疲れきっている。

クラトスはもう一度ため息を付いて、ディセンダーに言った。

 

「そんな顔では、いざ何かあった時に何も出来なくなるぞ。だから少し休め。私とミトスが、ここでお前を見張るから、早くしなさい。」

 

ディセンダーは唸っていた。

が、すぐ傍に来ていたミトスがジッと見てきている。

ふと視線を外すと、精霊達も同意しているようだった。

押し負けたディセンダーは横になった。

するとすぐに、眠ってしまった。

 

精霊・ウンディーネがそれを確かめると、クラトスに悲しそうに言った。

 

「この子がこんなに悩むのは、我々のせいなのですよ。私達は、この子に言ってしまった。私達が力を貸すから、結界を張れば良いと。でも、結界が張れてもマナは枯渇している。世界樹は我が子≪ディセンダー≫を呼び続けた。でも、この結界を張った事で村人は安堵し、この子の心を縛り付けてしまった。あの子は世界樹の声を聞くのを辞め、ここに居座り続けた。そのせいで、どんどんあの子の心は辛そうに、そして壊れ掛かっている……。あの子は、あの子でなくなる日が、近いかもしれない。我々はただ、あの子の笑顔を守りたかった。だたそれだけなのですよ……」

 

精霊・ウンディーネは、エント≪ディセンダー≫の寝ている姿を見つめていた。

クラトスは、何を指しているか知っている。

だが、それを知らないミトスは疑問に思ったが、気にしない事にしたようだ。

しばらくそうしていたが、いきなり何かが壊れる音がした。

世界の守り手≪ディセンダー≫はガバッと起き上がり、顔を引きつって焦っていた。

 

「そんな⁉まさか……結界が壊された⁈こんな事が出来るのは……皆が危ない‼」

 

そう言って、広場へ走り出して行った。

それを、クラトス達もすぐに追い掛けた。

 

 

ディセンダー達が広場に着いた時、そこには悲惨な光景が広がっていた。

大量の魔物が、村に押し寄せていた。

村人の多くが、既にほとんどが死んでいる。

長老はユアン達と居て、応戦していた。

それでも押されている。

 

ディセンダーは思った。

それはまるで、五年前のようだった。

そこに駆け付けると、ユアンが「遅い!」と怒鳴っていた。

マーテルは治癒術を長老と共に、村人に掛けている。

しかし、次から次へと死んで逝く。

ミトスは治療の方を手伝う。

ディセンダーは、この村を襲っている金髪の男を睨んだ。

クラトスは、ユアンに何があったのか、戦いながら聞いた。

 

 

ーーユアン達が広場に来た時、村人全員が揃っていた。

村人の大半が、ユアンとマーテルを見て、露骨に嫌な顔をした。

長老は村人に向かって、辛そうに言った。

 

「実は今日、皆に集まって貰たのは他でもない。ディセンダーの事じゃ。あの子に、この村を出て貰うつもりだ。」

 

長老の言葉に、村人全員が息を飲んだ。

村人の一人が叫んだ。

 

「村長!それは、そいつ等が来たからですか!」

「ディセンダーは、我々の大切な子供でもあるのですよ!」

「それにあの子は、この村の外の事も何も知らないのに‼」

「その通りじゃ。だからこそ、いつまでも我々の我侭で縛り付けられんよ。それにワシ等は、あの子にすがった事で……あの子も、世界樹も、苦しんでおる。このままでは、世界の戦争は止まりわせん。」

 

村人は、確かに長老の言う通り、ディセンダーにすがっていたのだ。

〝世界樹の子である、あの子ならば〟と。

ここに残っている村人の多くは、ディセンダーの生まれた時の事を知っている。

だが、彼を育ててきたこの村での日々は、村人にとっても救いだったのだ。

彼の誰も差別しない性格も、あの温かい笑顔も、実の子として育ててきたのだから……

村人は解っていても、それを受け入れる事は出来なかった。

中には、泣いている者もいる。

 

ユアンも、マーテルも、これを見るだけで、彼がどんなに愛されているか判る。

ユアンは腕を組み、これからどうするか、長老を見ていた。

しかしマーテルが前に出て、深くお辞儀してから、静かに言った。

 

「私は、隣国の世界樹の神子でした。しかし、新しく来た者達に土地を奪われてしまいました。私はハーフエルフでした。しかし、神子だったが故に、しばらくは大丈夫でした。しかし戦争が始まり、マナの枯渇が激しくなった頃から……私達の村の人々は、世界樹への恩恵を忘れ、怒りや悲しみを向けるようになりました。いいえ、今や世界のほとんどがそうです。だから私達は、これを何とかする為に、今旅をしています。これ以上、戦争が酷くならないように……。皆様にとって、彼が大切なのは痛い程伝わりました。ですがお願いです、彼の力を我々に貸して下さい。」

 

村人の大半は、マーテルの心からの言葉に頷いた。

しかし、ディセンダーの生を知っている者は叫んだ。

彼等は、ディセンダーが神子だと思っている。

だからこそ、守りたいという想いと、自身の保護を守りたい為でもあった。

 

「あんた達は、あいつに何をさせるつもりなのだ‼あいつは人間だ。それにあんた等は結局、あいつの力を利用したいだけだろう‼」

「その通りだ。私達は、彼の持つ力が必要なのだ。」

 

ユアンは腕を組んだまま、冷たい声で言った。

その言葉に、村人の一人は、ユアンの襟首をつかんだ。

その者は、ユアンを殴る。

ユアンは、それを素直に受けた。

村人は、ユアンのその行動に驚いた。

しかし、怒りは収まらない。

だがユアンは、なおも言い続けた。

 

「貴様等は、彼の為と言いながら、自分達の身を心配しているだけだ。彼が居れば、この村は守られる。自分達は、生きるのに必要なマナを手に入れられる。彼が居れば、と……。そうやって貴様等は、誰よりも彼を……彼の力を利用しているのだ。」

 

その言葉に、もう一度殴ろうとした村人は、その手を降ろした。

そして、うな垂れるように静かに言い出した。

 

「確かに、貴様の言う通りだ。じゃあ、どうすれば良かった!今いる村人だけでは、村も、家族も、守れやしない。あの子にすがるしか、俺達の村は助かる道はないんだ‼」

 

ユアンは「ふざけるな!」と叫ぼうとした時、一人の男が空から降りて来た。

ユアンとマーテルは、息を飲んだ。

村人達はただ驚いただけで、警戒こそすれど、身に迫りそうな空気に気付いていない。

長老は冷や汗を出しながら、身を固くした。

男は周りを見渡し、冷たくそれでいて、蔑みを込めて言った。

 

「フン。やはり、どこも同じだな。世界の守り手≪ディセンダー≫にすがるしか、何も出来ないとは……愚かな奴らだ。そんな愚かな下界人共よ、あの愚かな世界の守り手≪ディセンダー≫がこれ以上、世界樹を裏切らないように……この私、直々に制裁を加えてやろう。」

 

そう言って、右手を空に掲げて〝ダオスレーザー〟を討った。

その瞬間、何かが壊れた。

マーテルは、顔を真っ青にした。

そして手を抑えながら、ユアンと長老に小さく言った。

 

「結界が壊された‼︎」

 

その瞬間、大量の魔物が押し寄せて来た。

ユアンは武器を手に、村人の前に出た。

しかし、既に犠牲になった者がいる。

長老は、皆に逃げるように指示を出した。

マーテルも治癒術や術を使用して、対応した。

そうしている間に、ディセンダー達が来たのである。

 

ダオスは、ディセンダーを見下ろし、冷たい目で言った。

 

「喜べ、世界の守り手≪ディセンダー≫。この村を壊せば、貴様も心置きなく世界樹の命令を聞けるだろう。」

 

息のある村人の口からは、「助けてくれ」という言葉が聞こえてくる。

 

ディセンダーは、今までにない以上の怒りを見せている。

それは、村人達も一瞬恐怖する程である。

そして精霊達も手を抑え、動けなかった。

ディセンダーは、魔物を倒し続けた。

その眼にも、その一つ一つの動きにも、躊躇いがない。

だが、斬っても、斬っても、どんどん魔物は湧いてくる。

彼は剣を振りながら、叫んだ。

 

「地の精霊・ノームよ、我が声が聞こえるなら……僕に力を貸してくれ!」

 

すると、地響きが鳴った。

地面から、ノイッシュより二回りくらい大きな、犬のような、猫のような、狐のような生き物が現れた。そして、気の抜けたような声で言った。

 

「ほいほーい。エント≪ディセンダー≫、呼んだかなぁー。それにしても、酷い有様ですなぁー。ウンディーネも、シルフも、居ながらダメですなぁー。さてさて、世界の救世主≪ディセンダー≫、何が望みかなぁー?」

「この村の地形を変えて!これ以上、魔物が入って来られないように!」

「りょうーかーい、ですよぉー!ではでは――」

 

そう言って、地震が起こった。

魔物達の動きも、一時的に止まった。

収まった頃には、村の入口は変形していた。

ディセンダー達は、魔物が動き出す前に、残りの魔物を潰しに掛かった。

何とか倒した頃には、村人はもう長老と数名しか、残っていなかった。

 

ディセンダーは、拳を握りしめた。

そしてダオスを見上げ、怒りめいた声で、

 

「ダオス‼……何故、こんな事をした!この村の人々は、僕≪ディセンダー≫の事も、世界の理の事も、知らなかったと言うのに!」

「笑止。例え理を知っていたとしても、この愚かな者共は、貴様をここに縛り、愚かな貴様も、ここに留まるだろう。……だから私が、制裁してやった。」

「ふ、ふざけるなぁ――――‼」

 

と叫びながら、ダオスに跳び掛かりながら、剣を振るった。

しかし、簡単に弾き返され、地面に叩き付けられた。

そして次の攻撃を、態勢を整えながら受けようとした。

が、間に合わず、剣でそれを防いだ。

しかし、その剣が折れてしまった。

次の攻撃を防ぐ術が無く、身構える。

 

クラトス達は気付いて、傍に駆け寄ろうとする。

が、残っていた魔物に邪魔され、間に合わない。

しかし、ディセンダーの前に飛び込んで来た者達がいた。

飛び込んで来たのは、長老と生き残っていた村人だった。

村人達は「すまない、ディセンダー……」と言って、息を絶った。

 

ディセンダーは、目を見開いた。

長老は途絶えながら、自分に言う。

 

「ディセンダー……、すまんのぉ。ワシ等のせいで……お前を、縛り付けて……しまった。」

 

ディセンダーは、長老を優しく抱き抱えた。

彼は泣きながら、首を振った。

 

「長老達は何も悪くない!僕が全て、悪いんだ。……なのにどうして、皆……僕を助けたの……」

 

長老は震えながら、彼の頬を触りながら、懐かしむように言った。

 

「助けるのは当たり前じゃ。お前は、ワシ等全員の子供で、孫じゃからな。……ワシは……今でも覚えておる。お前に、爺様と呼ばれていた時の事も。……お前が、村の子達に、ワシの家族では無いのに……一緒に居るのは可笑しいと、虐められては……エミリィやワシには、何も言わなくて……。そのせいで一人で暮らしたい、と言い出した時の……お前の顔も。ワシ等は、お前に助けられてばかりじゃった。…すまんのぉ…。ディセンダー、これからはお前の……好きなように…生きてくれ……。それが、ワシの願いじゃ……」

 

そう言って、ディセンダーに触れていた手が、落ちた。

彼は、長老を優しく置いた。

そしてダオスを睨んだ。

拳を握りしめ、怒りめいた声で叫んだ。

 

「ダオス‼……僕は……僕は絶対に、貴様を許さない‼」

 

ダオスは鼻で、それを笑った。

そして、「最後の一撃」だと言うかのように、ディセンダーに向かって、撃った。

 

『力が欲しい……大切の物を守れる強さを!もう誰も、傷かなくてもいいように!僕は、誰かを救える力が欲しい‼』

 

そう強く願った瞬間、ディセンダーは光り輝やき、ダオスの一撃を斬り裂いた。

彼の手には、剣が握られえていた。

その剣を握りしめながら、ダオスに斬り掛かる。

ダオスは反応するのに遅れた。

ディセンダーの剣をもろに、受けた。

彼は深く傷を負い、その傷を押えながら、

 

「ぐっ!この私が、手傷をおうとは!……だが、私はまだやれる。行くぞ、世界の守り手 ≪ディセンダー≫!」

 

だが、ディセンダーは剣を掲げた。

その瞬間、辺り一面が凄まじい光が覆った。

光が収まった時には、ダオスの姿は無かった。

 

ディセンダーはクラトス達に振り返り、静かに言った。

 

「皆……ごめんなさい。巻き込んでしまって……」

 

クラトスは首を振った。

そしてディセンダーに、静かに言った。

 

「いや。我々も、傍に居たのに何もしてやれなかった。……村人を守ってやれなくて、すまなかった。」

 

ディセンダーは首を振った。

そして、村人を埋葬した。

その日の夜、ディセンダーはひたすら村人の、長老の墓の前にいた。

クラトス達は、そんな彼を見守っていた。

 

 

次の日の朝、ディセンダーは決意した。

彼はクラトス達を真っ直ぐ見ながら、真剣な顔で言った。

 

「皆さん!……僕を、皆さんの旅に連れて行って下さい‼︎」

 

クラトス達は頷いた。

ミトスが嬉しそうに言った。

 

「ディセンダー、これからは仲間だ。今まで以上に、よろしくね。」

 

二人は握手した。

そして村の入口まで来ると、ディセンダーは振り返り、悲しそうに言った。

 

「……僕の生まれ育った村。……ノーム。」

 

そう言うと、地面から精霊・ノームが現れる。

精霊・ノームは、気の抜けたような声で言った。

 

「ホイホーイ、何かなぁー。」

「この村を、誰にも見つからないようにして。……皆がもう、怖い思いをしないように。」

「りょうーかーいですよぉー。ではでは――」

 

と言うと、地震が起こる。

村は樹木に覆われ、地下へと続く道へとなった。

 

「これで良いかなぁー。世界の守り手≪ディセンダー≫?」

「うん、ありがとう。‥皆、今までありがとう。そして、ごめんなさい。‥行って来ます!」

 

そう言いながら、クラトス達と共に歩き出した。

僕は、誰かに視られている気がした。

が、無視する事にした。

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