テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた   作:609

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マイソロ2 初代編 第四十四話 初めての旅

ディセンダーは初めて訪れた町に、興味津々だった。

彼は辺りを見渡していた。

ミトスが呆れたように、

 

「ディセンダー……初めてなのは解るけど、ちょっとは落ち着きなよ。」

 

ディセンダーは少し照れながら、「そうだね」と言って落ち着いた。

でも、やっぱり気になる。

チラチラ、あっちこっち見ていた。

 

ユアンは、そんなディセンダーに声を掛けた。

 

「……仕方がない。ディセンダー、私は買い物をする。付いて来るか?」

 

ディセンダーは、笑顔で頷いた。

よっぽど嬉しかったのだろう、ミトスを誘っていた。

クラトスは目でユアンと合図を取った後、

 

「では、私は宿の手配をしてこよう。」

 

クラトスが言うと、マーテルもそちらに付いて行った。

そのせいか、ユアンは少しがっかりしたようだ。

ノイッシュも、クラトスに付いて行った。

彼等は分かれて行動を始めた。

 

ディセンダーは、ミトスやユアンに疑問めいた事を言った。

 

「それにしても、町の雰囲気は町へ行く人に聞いていた通りだなぁ……。人も大勢居るし、家も多い、何より店が多い!僕、初めて本格的なお店を見たよ。」

 

そういうと、ユアンが腕を組みながら、疑問を言った。

 

「それでは、今までどうやって、物を手に入れていたのだ?」

 

ディセンダーは「うーん」と唸ってから、質問に答えた。

 

「確かに、店に近い物はあったけど……村では基本、畑や家畜を育てていたし。それに、それぞれの家の代表者や警護の人が、村で育てたものを売って、お金を入手したり、買い物をしたりして……。お遣いをした事もあるけど、僕はお手伝いをして、分けて貰ったりしていたから、基本は困る事は無かったよ。」

 

ユアンは「よくそれで、やっていけたな。」と、感心した。

買い物も一通り終わり、クラトスやマーテルと合流する為、宿屋がある方へ向かった。

 

その途中で、もの凄い怒鳴り声が聞こえてきた。

そこに寄ってみると、家族らしい人獣がいた。

町の人々は、その家族に石を投げたりしていたのだ。

ディセンダーはたまらず、彼等を庇うように前に出た。

そして、彼等を怒鳴り付けた。

 

「何をしているんですか⁉……彼等が、何か悪い事でもしたんですか?」

 

すると人々が、蔑みに満ちた目で怒声を浴びせて来た。

 

「そいつ等は、化け物だ‼リカンツなんか、町から出ていけ‼」

 

ディセンダーは、理解出来なかった。

自分の村は、多種族構成であった。

だが、ここまで忌み嫌われている所は見た事が無かった。

村の人達が町に行っては怪我をして帰って来ていた時があった。

もしかしたら、こんな感じだったのかもしれないと思うと、やるせなかった。

 

「彼等は化け物なんかじゃない!悪い事も何もしてないのに、レイモーンの民を嫌う意味が解らない!貴方達には、それでも心はあるんですか!」

 

すると人々はなおも怒りながら、いや恐怖しながら、言った。

 

「そうか……貴様も、こいつらと同じ化け物の仲間だな!こいつ、人間にしては髪も瞳の色もおかしいぞ!」

 

そう言って、ディセンダーにも石を投げてくる。

彼は、後ろに居る彼等に当たらないように体を動かす。

 

ユアン達が傍に寄ろうとしたと同時に、ディセンダーの頭に石が当たる。

彼の頭から血を流れた。

その瞬間、突風が吹く。

人々が目を瞑る。

突風が止んだ時には、誰も居なくなっていた。

人々が唖然としていると、今度はいきなり大量の水が落ちてきた。

そこに居た人達はびしょ濡れになり、余計訳が解らなかった。

 

あの場から退散したディセンダー達。

ユアンは、ディセンダーの頭の手当てをしていた。

すると、横から悲しそうな声が聞こえた。

 

「ごめんなさいね……。私達を助けたばかりに、貴方に怪我をさせてしまったわ。」

 

声の主は、レイモーンの民の母親だった。

すぐ傍には、兄妹なのだろう子供達が母親にしがみ付いていた。

 

ディセンダーは、子供達を見た。

まだ半獣人化しているので、制御が出来ていないのだろう。

ディセンダーは小さく首を振る。

 

「これくらい大丈夫。貴方方は、怪我はありませんでしたか?」

 

すると、兄の方の子供が母親にしがみ付いたまま、怒って来た。

 

「大体、どうして僕達を助けたんだよ……お前は人間だろ!助けても、良い事なんて無いのに……。それによく見たら、そいつらハーフエルフだし、お前は変な奴だよな。」

 

最後の方は、悲しそうに聞こえた。

ディセンダーは苦笑したが、優しく彼に言った。

 

「僕はただ、理由も無しに暴力を振るったり、差別されたりするのが許せなかっただけだよ。僕の生まれ育った村は、多種族構成だったから。それに僕は、君達と同じレイモーンの民を見て育った事もあるし。」

 

と、真顔で言った。

すると男の子は、呆れたように、

 

「お前って、バカだな……。でも、助けてくれてありがとう。」

 

ディセンダーは「えー」という顔をしていた。

隣では、ミトスがお腹を抑えて笑っている。

ユアンも、苦笑いで見ていた。

 

でも、ユアンは知っている。

男の子から、お礼を言われた時のディセンダーの顔は、とても嬉しそうだった。

 

それから親子と別れ、クラトス達と合流した。

クラトスとマーテルに、市場の事を話した。

それを聞いてマーテルは、急いでディセンダーの傷の手当てを始める。

クラトス達が今後の話をしていると、精霊・ウンディーネと精霊・シルフが姿を現れた。

精霊・シルフはユアンを見て、怒りっぽく言った。

 

「……ディセンダー≪あの子≫は、どこ?」

 

ユアンは、奥の部屋を指さした。

精霊・シルフは、奥の部屋へと入って行った。

それから、残っていた精霊・ウンディーネに、ユアンは感謝を述べた。

 

「先程は助かった。おかげで、あの場から逃れられた。」

 

精霊・ウンディーネは、笑顔でユアンに言った。

 

「当然です。あの子が怪我をしたのですから。本来なら我々は、あの場に居た者共を八つ裂きにしたかったのですが……あの子が後で気にしてしまうので、突風と大量の水圧で、良いにしてきました。」

 

それを聞いた三人は、内心本気で思った。

 

『『『本当に、死人が出なくて良かった……』』』

 

 

次の日、町を出おうと歩いていた。

そしたらディセンダーの足に、小さな子供が抱き付いて来た。

その小さな子供が泣きながら、

 

「お願い‼……お母さんと、お兄ちゃんを助けて‼」

 

歩くのを止め、その子を見る。

と、半獣人化した女の子だった。

ディセンダーはその子と視線を合わせえる。

その子を見て、

 

「君は……昨日の子だよね。まずは何があったのか、教えてくれる?」

 

女の子は泣きそうな顔で、ディセンダーに必死に訴えた。

 

「お母さん達、剣を持った鎧の人間達に捕まっちゃったの。それで、どこかに連れて行かれちゃった……」

 

と、言って泣き出した。

ディセンダーは、クラトス達を見た。

クラトスは少し考え、

 

「おそらく、帝国騎士の者だ。鎧を付けているという事は、地方の役所付だろう。……異種族を捕まえに、来たのだろうな。今やこの国は、人間以外の者を良しとしていないからな。」

 

ディセンダーは再び女の子をなだめながら、優しく聞いた。

 

「お母さん達は、どこで捕まったの?」

 

女の子は辺りを見渡し、「解らない」と、また泣き出してしまった。

ユアンは腕を組みながら、難しそうに言った。

 

「場所が解らないと、救いようがないぞ。」

 

考えていたディセンダーは、女の子を見て「大丈夫」と言った。

そして、女の子におでこを当てた。

しばらくそうした後、今度は地面に手を当てて、目を閉じる。

ユアンが声を掛けようとした瞬間、ディセンダーが先に叫んだ。

 

「……見つけた!こっちだ‼」

 

と、走り出して行った。

クラトス達も彼を追いかける。

ユアンは女の子を抱っこして、その後を追った。

広場に着くと、大勢の騎士が集まっていた。

そして何かを囲んでいた。

そして中央には、レイモーンの民の親子の他に、エルフやハーフエルフの姿が見えた。

クラトスはユアン達を下がらせると、町人に聞いた。

 

「彼等は、何の重罪を犯したのだ。」

 

村人はこちらを振り向かず、自分と姿が違う異種族をおぞましい者を見るような目で答えた。

 

「ああ。この村に入った事が、重罪だよ。」

「……彼等はどうなる。」

「簡単さ。帝都に連行され、尋問されるか、殺されるか、さ。」

 

その町人は「当然だ」という顔で答えた。

クラトスは、このままではユアン達も危ないと思い、ここを離れさせようと合図を送った。

ユアンはそれを悟り、離れようとした。

だがその瞬間、女の子が大声で「お母さん‼」と叫んでしまった。

町人の一人が、目を見開いて叫んだ。

 

「ここにも、化け物がいるぞ‼」

 

それを聞いた騎士達数人が、近寄って来る。

そして、ユアン達を囲む。

 

ディセンダーは、クラトスの顔を見る。

クラトスの顔はどうするか、と言う顔だった。

その瞬間にも、ユアン達が連れて行かれる。

ディセンダーは、ガマンができなくなった。

騎士達の前に飛び出した。

クラトスは、ひとまず彼に対する騎士の様子を見る事にした。

 

「騎士様、教えて下さい。何故、彼等は咎人でもないのに、檻車に入れられるのですか?」

 

騎士の一人がディセンダーを見て、一瞬悩んだようだ。

が、「面倒だ」と言うように言った。

 

「少年よ……彼等は、我らの国に居る事自体が罪なのだ。あの者達は、我々と違う化け物だ。君もさぞ、あの化け物が恐ろしいだろう。君も、その姿だ、苦労したのだろう。」

 

ディセンダーはその言葉に目を見張り、拳を握りしめて怒り出す。

 

「……恐ろしい?僕は、そんなこと思った事はない!彼等は、人間と少し構造が違うだけだ‼貴方達は、自国の無害な民を……傷付けているだけだ‼貴方達は、それでも本当に騎士ですか‼僕は、こんなこと許さない!……僕は、彼等を……そして、僕の仲間を返して貰う!」

 

それを聞いた、騎士達は激怒し、剣を抜いて来た。

クラトスが、ディセンダーの横に立ち、共に剣を抜いた。

騎士達が、切り掛かる。

その間にも、ユアン達は連れて行かれる。

 

ディセンダーは応戦しながら、大声で叫んだ。

 

「シルフ、ウンディーネ!力を貸して!」

 

すると、騎士達はいきなり現れた精霊に驚愕していた。

だが、騎士達はすぐに襲い掛かる。

精霊・シルフが、ディセンダーに叫んだ。

 

「時間は私達が稼いであげる。今の内に助けなさい!」

 

ディセンダーは頷き、クラトスと共に、まずユアン達を助けた。

それから、他の者達を助けに入った。

彼等を救い出し、町の入り口まで急いで逃げる。

そして、騎士達を振り切り、森の中に入った。

 

 

彼等の治療を終え、レイモーンの家族以外の者達と別れた。

クラトスは、周りの者に気付かれないよう「ここなら大丈夫」と、合図を送るように頷いた。

 

ディセンダーは、精霊達を呼び戻した。

その数分後、彼等は姿を現らわした。

ディセンダーは苦笑いで、彼等にお礼を述べた。

 

「さっきはごめんね、でも助かったよ……ありがとう。」

 

精霊達は、嬉しそうに頷いた。

すると最後の治療を終えた男の子が、興味深く言った。

 

「そいつ等の耳尖っているけど……エルフ?それとも、ハーフエルフ?」

 

精霊・シルフは宙に浮いたまま、男の子に近付き、怒った顔で言った。

 

「ちょっと!私達をあんな奴らと、一緒にしないでくれる。私達は精霊よ、精霊!全く、これだから下界人共は。」

 

と、文句をブツブツ言いだし始めた。

男の子は「精霊?」と首を掲げた。

その疑問には、ディセンダーが優しく、分かりやすく答えた。

 

「精霊は、君達とは違って、各場所の祠や遺跡に居る者達だよ。その土地のマナを守ってくれたり、管理してくれたりしてくれているんだ。」

「へぇー、じゃあ、凄いんだ‼」

 

と、男の子は目を輝けせながら、言った。

精霊・シルフは、「当然!」という顔をしている。

 

それから歩き始め、森の分かれ道で彼等と別れた。

ディセンダー達は砂漠に向かって、歩き出す。

 

 

ユアンは、先程疑問に思っていた事を、ディセンダーに向かって言った。

 

「そう言えばディセンダー、あの子の家族が広場に居ると解ったのは、やっぱりあの行動か?どうやったのだ。」

 

精霊達は、ユアンを物凄い目で射抜いた。

が、ディセンダーはそれに気付かずに答えた。

 

「えっと、あれは何と言うか……世界の守り手≪ディセンダー≫特有の能力で……」

「ディセンダー特有の能力?」

「うーん……えーっと……そうそう‼親子とか、家族というのは、波動が一緒なんですよ。だからそれをたどれれば、後は地脈を辿れば解るんですよ!」

「そ、それは――」

「ゴホン!」

 

ユアンは、更に深く追求しようとした。

が、精霊達の殺気に負け「そ、そうか」と小さく言った。

 

森の出口近くで、今日は休む事にした。

火の番を、ディセンダーが名乗り出た。

皆が眠ると、精霊・ウンディーネが静かに言った。

 

「それにしても、エント≪ディセンダー≫。先程は、ヒヤッとしましたよ。貴方が、彼等に全て話すのではないかと。」

 

世界の守り手≪ディセンダー≫……いや、エントとして、彼等に苦笑交じりな顔で答えた。

 

「ご、ごめん……。でも、流石に僕も、師匠≪せんせい≫にすら全部教えていない事を……ううん、彼等には知らなくても良い事を言う訳にはいかないよ。それにあれは、僕もさっき出来るようになったから……。もしかして、君達の知る世界の守り手≪ディセンダー≫はあの辺のこと得意だった?」

 

精霊・ウンディーネは思い出すように言った。

 

「私の知る世界の守り手≪ディセンダー≫は得意でした。視ただけで、その者の記憶まで読んでしまう程……それ故、あの子はよく、物探しとかもしていましたね。」

「それは凄いね。」

 

エントはそう言って、精霊・シルフを見た。

精霊・シルフは彼に背を向け、

 

「忘れたわ。そんなこと……」

 

と、その背は哀しそうだった。

エントは小さく笑い、それから空を見ていた。

三人で、夜が明けるのを待つのだった。

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