テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた 作:609
マイソロ2 五代目ディセンダー 第五十一話 新たな始まりへの時間
四代目
彼らは日々同じ日常を過ごしていた。
だが、この日はアドリビトムにある者達がやって来たのだ。
「すまないが、誰か居ないか」
カノンノが様子を見に行く。
「はーい、ちょっと待って下さい」
カノンノが入り口を見ると、青い髪の男性が居た。
彼の後ろには、緑色の髪の女性と金髪の少年が一緒に居た。
カノンノは笑顔で、彼等に話し掛ける。
「こんにちは。えっと、依頼ですか?それならあちらで……」
「いや、依頼ではなく。ここにクラトス・アウリオンは居ると聞いたのだが」
「クラトスさんですか?えーと今は……」
その時、レイがやって来た。
「カノンノ、依頼人さん?」
「ううん、クラトスさんを訪ねて来たみたいなんだけど……」
「じゃあ、チャットに聞いて来るよ」
「うん、お願い」
レイが急いで、チャットの元へ駆けて行く。
カノンノは男性に向き直り、
「ちょっと待って下さいね。……て、大丈夫ですか⁉顔色が悪いですよ!」
と、男性は青い顔をしていた。
緑色の髪の女性が、気に掛けている。
男性は口を押え、少し震えた声で言う。
「だ、大丈夫だ……。ちょっと思い出したくない事を……思い出しただけだ……」
「そ、そうですか?……あそこの椅子で休んでいて下さい。私、お茶を持ってきますので」
彼等を椅子まで案内し、カノンノは食堂に行った。
入れ違いのように、レイが戻って来た。
「カノンノ……あれ?」
レイは椅子に座っている彼等を見つけ、彼らの元に向かった。
「えっと……今、クラトスさんは依頼で出ているんですけど、今日中には戻ってくるそうです」
レイは、彼等に笑顔で言った。
その行動に、青い髪の男性が固まっていた。
レイが不思議そうにしていると、緑色の髪の女性が笑顔を向けながら言う。
「ありがとうございます。では、ここで彼を待っていてもいいかしら?」
「ええ、大丈夫ですよ。自由に、このギルドを見て回っても、大丈夫ですよ」
「ふふ、ありがとう。じゃあ、後で案内して貰ってもいいかしら?」
「はい」
と、会話をしていた。
一方その頃……
レイノアは、ロイドとクラトスと供にアンナの墓参りに来ていた。
後ろから、ダイクが話し掛けて来る。
「今、茶を入れた所だ。飲んでいきな」
「お!サンキュウ、親父」
と、ロイドが家の中に入って行く。
レイノアとクラトスもそれに続いた。
「ダイク殿、ありがとうございます」
「礼はいらねーよ。嬢ちゃんも、飲んでけ」
レイノアは出されたお茶を見ていただけであった。
そしておもむろに、口を開いた。
「ダイク、私には必要ないと前にも言ったはずだ。私は――」
と、話途中のレイノアの頭をダイクは殴る。
レイノアは、そこを抑える。
無論、彼女に痛みは感じない。
そこにダイクの怒鳴り声が降って来る。
「全く。遠慮はいらねーって、前に言ったろ。子供なんだから」
レイノアは、ダイクを見ながら冷たい声で言う。
「……私は、お前より年上なのだが」
「子供だろ」
しばらくの沈黙の末、レイノアは出されたお茶を飲んでいた。
ダイクの家で、しばしまったりしていた。
そんな中、レイノアは今のこの時のように、クラトス達と供に過ごした家での事を思い出していた。
――真っ暗な森の中、綺麗に輝く無数の星々。
レイノアはそれを、家族で仰向けになって見ていた。
昔、クラトスが言っていた星……
『確かに、綺麗だな……。何より、こうして皆で見れるのがいいな。あの子達とも、こうして見てはいたが、それとはまた違った味がある』
レイノアは薄っすらと、笑みを浮かべていた。
あの後、帰りにクラトスがロイドに肩車をしてやっていた。
さらに近くに見えたのだろう。
ロイドは星に興味を持ったようだった。
星に関しては、私よりも詳しい。
とても喜ばしい事だ。
と、思いにふけっていたのだが……
「………………」
レイノアは、クラトスを横目で見た。
クラトスがそれに気付き、問いかける。
「……どうかしたか?」
レイノアは眉を寄せてしばらく黙った後、不満そうに口を開いた。
「……船に青と、緑と、金が来た……」
「………ああ、やっと来たか」
二人の間に、沈黙が流れる。
珍しく、その雰囲気に気が付いたロイドが二人に問いかけた。
「ど、どうした二人とも……まるで、これから面倒な事が起こるような顔をして」
レイノアは意外そうな顔をしながら、
「……珍しく勘が働くな、ロイド。お前の言う通り、これから面倒事が起こる」
「え?……それってヤバい事?」
「……さぁな」
ロイドに対して、レイノアは珍しく、かなり大雑把な言いようだった。
クラトスが立ち上がり、
「ダイク殿、すまない。どうやら船に客人が来たようなのだ。私達はこれでお暇する」
「お、そうか。また、いつでも来な」
彼等は、ダイクとノイッシュに別れを告げ、急いで船に戻る。
船に戻ったレイノア達。
「俺、依頼の報告して来る」
ロイドが報告の為、チャットの元へ駆けて行く。
レイノアとクラトスは甲板に向かった。
甲板に出ると、楽しい笑い声や、話し声が聞こえる。
クラトスは三人を見付け、声を掛けた。
「久しいな……」
それに気が付いた青い髪の男性が、待っていたと言う感じで、
「お!来たか、クラトス‼久しぶりだな。元気そうで、何よりだ………っ!!」
緑髪の女性と金髪の少年も、近づいて来た。
「クラトス、久ぶり‼」
と、元気よく挨拶する少年。
女性はお辞儀しただけであった。
「ミトスとマーテルも元気そうでなによりだ。……所で、ユアン。何を固まっている」
青い髪の男性・ユアンは、レイノアを見ていた。
クラトスに小声で言う。
彼のその声は震えている。
「い、いや……彼女を見て、最初の頃を思い出したのだが……あちらの子は逆の性格だったものだから……その気辺りが辛くて。彼女は何で、ああなったのだ……」
と、ユアンが言っている傍から、冷たい声が聞こえて来るのだった。
「……ユアン・カーフェイ。誰が、何だと言うのだ」
ユアンは固まった。
彼の顔が一気に真っ青になる。
レイノアはため息を付いた後、話を変える。
「まあいい。……貴様に会うのは、二度目だな」
「なっ⁉あの時に気が付いていたのか⁉」
「むしろ気が付かないと思ったのか?」
少しの沈黙。
レイノアは緑色の女性・マーテルと金髪の少年・ミトスを見て、
「……マーテル・ユグドラシル、それにミトス・ユグドラシルは初めてだったな」
少しの間をあけ、
「………余計な事だけは言うなよ」
彼女の冷たい視線に、彼等は固まったのであった。
だが、彼女の忠告はすぐに壊れた。
それは、拍子抜けした声が響いたからだ。
「お。
と、その声の主、ユーリ・ローウェルが声を掛けて来たからだ。
レイノアは、ユーリを冷たく睨む。
「……ちっと、タイミングが悪かったみたいだな」
ユーリは、頭を掻きながら言った。
そこにまた一人、呑気な声が響く。
「ユーリ、そこに
と、呑気な声の主、クレス・アルベインが寄って来た。
これにはユアン達も、どうしたものかと思っていた。
そこに、レイとカノンノまでやって来て……
「あ!クラトスさん、戻って来ていたんですね」
ユアン達が改めて、レイノアとレイを見比べていた。
その間にも、レイノアの冷たさは増していく。
しかもご丁寧に、クレスが説明を始めてしまった。
「あ、この二人は双子とかではなく、あの
と、言っている。
レイノアは頭を抱えたくなった。
丁度そこに、船長とジェイド・カーティスがやって来た。
「クラトスさんに会えましたか。ゴホン。では……挨拶が遅れました。僕は、このギルドのリーダーのチャットです」
と、自己紹介を始める。
レイノアの視線に気が付いたジェイドが面白そうに、
「いやいや、チャット。これは、その雰囲気ではないようですよ」
「へ?ああ、レイさんと
「いやー、そうでは無かったんですがねぇー……」
レイノアは、もうどうでも良くなった。
むしろこの際だから、彼等に改めていう事にする。
「………
と、冷たい殺気を出す。
その場の全員が、苦笑いをした。
「まあいい。それより船長。彼等は、私が四代目の件で話していたクラトスの昔馴染みだ。彼等は世界樹に頼まれて、
「レイさんをですか?」
レイノアは頷いく。
ジェイドが意外そうに、
「おや。あれは作り話だと思いましが、本当だったのですね」
レイノアは、黙ってジェイドを睨んだ。
ジェイドは「やれやれ」と言うように、黙ることにした。
「それで、そいつの様子を観察したいそうだ。故に、ここにしばらく置いてやってくれ」
「ええ、それは構いませんけど……」
「……後、私の事はこれからは五代目か、
それを聞いたジェイドが、悪戯顔の明るい声で言った。
「では、お名前で呼んでも?」
「………殺されたいのか?」
と、レイノアは本気の目で、ジェイドを睨んでいた。
そして、屋根の上に上がって行く。
彼女が居なくなってから、ジェイドが笑顔のまま言う。
「いやー、照れ屋さんですね」
「おたくも、よくやるよな」
と、ユーリが突っ込む。
それはその場に居た者は、皆そう思った。
こうして彼等は、しばらくこの船にいる事となった。
彼等はこの船に、早く馴染む事が出来た。
ミトスは見た目が同じくらいの歳の子達と仲良くなった。
特に、ジーニアスと仲が良くなった。
マーテルもまた、女性達と仲良くお茶などをしている。
まあ、ユアンもそれなりである。
クラトスは、ユアン達と話していた。
そこに、レイノアがロイドと話している姿が目に入った。
マーテルが嬉しそうに、それでいて不思議そうに見て言った。
「……クラトスの息子さん、ロイド君でしたね。ふふ、あなたに似ていますね」
「でも姉様。クラトスの息子なのに、馬鹿なんだよ」
と、ミトスがちょっと拗ねたように言った。
クラトスとしては、ミトスの想いも組んでやりたい。
が、レイノアが絶対聞いていると思って、いちをフォローを入れておいた。
「確かに学力は苦手な方だが、あれはあれで……心意気は良い方だぞ」
そんなクラトスの言葉を聞いて、ユアンが驚きを露わにする。
「………クラトス。お前、家族ができてから大分変ったな」
これには、クラトスも複雑だった。
と、彼等の会話が聞こえて来た。
「そうだ、姉ちゃん。これやるよ」
と、ロイドがレイノアの手に木の彫物を手渡す。
レイノアはそれを手の平に乗せ、見ていた。
「……器用な物だな。これは、ノイッシュか」
「おう。この前作ったんだ」
レイノアは優しい笑顔になって、お礼を言った。
「礼を言う、ロイド。大切にするよ」
そんな様子を見たユアンが、目を見開いて言った。
「クラトス……」
「………何だ」
「本当にあれは、あの時の
「…………同じだが」
と、話していると、慌しくスタンが出て来た。
「大変だ、皆‼この先に、巨大な魔物が現れたらしくて――――」
と、言っている傍からその魔物が現れた。
それは、普通の魔物とは思えないくらい大きい。
まるで、ドラゴンのような感じだ。
ユアンはその魔物を見て、瞬時に判断する。
「あれは…………ただの魔物ではないな」
「そのようだ」
クラトスも同意する。
チャットとジェイドが出て来る。
「あ!
レイノアは、ロイドの創った彫り物を手の平に乗せたまま、チャットを見た。
「………………何だ」
チャットは勇気を振り絞って、レイノアに言う。
「あなたの力を借りたいんです!」
「断る」
それは即答だった。
その場にいた全員が「え⁉」と、言う顔になった。
ジェイドが、今回は真剣な顔で言う。
これは真面目な話だと言う事だ。
「何も、倒すのを手伝ってくれとは言っていません。ただ、この先の住人の避難がすむ間だけです」
レイノアは、その魔物の先を視た。
「確かに、村があるな。……だが、あの距離ならお前達だけでも行けるはずだが?」
と、冷たく視ている。
ジェイドはメガネを上げた。
「うーむ、困りましたね。いえ、実はあの魔物……」
と、ジェイドの説明の途中で、船に衝撃が来た。
それは巨大な魔物が空を飛び、船に体当たりをしたのだ。
既に、魔物は地面に着地している。
「と、言うように空を飛べるのですよ」
と、説明の続きを話した。
だが、他のメンバーは固まっている。
何故なら、今の衝撃でレイノアの持っていた木の彫物が壊れたからだ。
ロイドが慌てて、それを拾って言う。
「ね、姉ちゃん!これなら直せるから、後で直すよ」
当のレイノアは、固まっていた。
否、
それを見たジェイドが瞬時に判断した。
明るい声で手を叩く。
「はいはーい、そこの皆さーん。危ないので、こちらに来ましょう」
と、甲板の先に居た者達を呼び寄せる。
だが、先陣きって闘っていたクレスが反論する。
「何を言っているだ、ジェイド!あれが、また来た時に攻撃しないと!」
だが、ジェイドは笑顔で彼等に言った。
「いえ、あの巨大魔物より怖い事が起きるからですよー」
その一言で、彼等はレイノアから物凄い殺気が出ている事に気が付いた。
彼等は、すぐにその場を離れた。
再び、巨大な魔物が空に飛ぶ。
レイノアは、すでに歩き出していた。
甲板のふちに立ち、冷たい声で言った。
「船長、気が変わった。あのギルガリムは、
「そ、そうですか……それは助かります」
チャットは後ろに下がりながら、震えた声で言う。
ギルガリムは、こちらに攻撃しようとして固まった。
いや、
レイノアの殺気に当てられたのだ。
それを見たユアンが、
「……おい、クラトス。ギルガリムが、
「………………」
クラトスは無言だった。
当の本人は、冷たい笑みを浮かべている。
否、そう見えるだけかもしれないが、かなり怖い。
「………逃がすと思うか! ライトニング!サンダーブレイド‼」
敵を麻痺させ、墜落して行く。
その姿にユアンが青ざめ、声が震えいる。
「クラトス………」
「……………何だ」
「あれは、確かにあの時の
「……………」
クラトスは、やはり無言だった。
「って、まずいよ!すぐそこに街が‼」
と、ミトスの言う通り、街が見える。
レイノアがそこを少し視て、手を掲げる。
「安心しろ。
と、秘奥義を発動させ、跡形も無く敵を葬った。
「……いや、変わらなかった。いや、むしろ
ユアンの声は悲痛的だった。
そこに、笑い声が聞こえて来た。
「アハハハハ!ユアンさんの言う通りだね。あれから大分経つから、少しは変わったと思ったけど……全然変わってないね」
その声の主は、彼らの後ろからだった。
そこには、屋根の上に腰を掛けている黒髪の少年が居た。
レイノアがそこに座っている者を見て、冷たく言い放つ。
「遅かったな、
「いやいや。俺としては、もう少し休んでいたかったんだけどね……」
と、そこから飛び降りながら言った。
「え、四代目さん⁉何で⁉」
と、甲板に出て来たカノンノが驚いていた。
四代目
「や、久しぶり♪でも、この様子だと……まだ何も話していないの?」
と、レイノアを見る。
逆にレイノアは、「言うと思うか」と言う顔をしている。
だが、彼女は思い出したかのように説明を始める。
「ああ。あれらが、世界樹に頼まれてあいつを観察に来ている事は話した」
レオンは苦笑いで、色々と諦めた。
「あー、はいはい。えっと……君が、ギルドのリーダーさんであっているかな?」
と、いつの間にかレオンは、チャットの前まで来ていた。
「あ、あっていますよ」
と、チャットは何所か拗ねたように、警戒した感じで言った。
レオンはこれまた苦笑いで、説明する。
「あー、ごめん。えっと……俺は、
「
と、ジェイドがすかさず言った。
レオンは笑顔で、それに答える。
「そう。レイは、レイノアによって仮
と、最後の方は苦笑いだった。
「そうですか……。それでは、
と、ジェイドが確認と疑問をぶつける。
レオンは彼に笑みを浮かべる。
と同時に、チャットから少し離れ、
「そ、
と、ピースする。
そして短剣を取り出した。
その短剣で、レイノアの剣を受け止める。
「と、危ないなぁー。駄目だよ、
「貴様が、さっきから私の名を呼んでいるだが?」
彼女はそのまま、レオンを力で押さえ付けようとする。
対して彼は、嬉しそうにからかい始める。
「えー。だって、名前は呼ばれてこそ意味を持つんだよ。だったら、呼ばなくちゃ」
「貴様にだけは、言われたくないのだが!」
と、レオンは彼女の剣を弾き、嬉しそうに言う。
「もー、照れ屋さんなんだから……。でも俺は、嬉しいよ」
「何がだ」
と、レイノアは冷たい視線を送っている。
彼はより一層笑顔で、
「だって、あの君が昔みたいに感情を表に出している事が多いんだもん。
「何が、お兄ちゃんだ!馬鹿らしい!兄になるなら、あいつだけにしろ!」
「えー。それじゃあ、つまらないよ」
「そんなもの知らん!」
と、言って怒っている。
チャットが、これ以上悪化しないように言った。
「お願いですから、船は壊さないで下さいよ‼」
「大丈夫、壊さないから。ね、レイノア。て、あれー……?」
と、彼女はまだ怒っている。
レオンは苦笑いで、ロイドの元へ行く。
「ロイドも、レイノアが感情豊かになるのは良い事だよね」
「んー、そうだな。俺は、姉ちゃんの色んな表情を見たい!」
それを聞いたレイノアは、剣をしまった。
全員が、「どうやらこれで終わりそうだ」と思った。
が、そうでは無かった。
「四代目。……今度、名を呼んだら許さんぞ」
彼女の目は本気であった。
その一瞬、場は凍りついたようだった……
そして、レオンもまた、この船にかなり馴染んだ。
「おーい、レオン君。ちょいと教えて欲しい事があるんだけどー」
と、ゼロスがやって来る。
「お、レオン。ちょっと教えて欲しい事があんだけど」
そこにまた一人、スパーダがやって来た。
レオンは、笑顔でそれを迎えた。
「良いよ。ゼロス、スパーダ」
と、ナンパや女性について話し始めた。
それを、レイノアは冷めた目で見ていた。
「ロイドに連れられ、食堂に足を運んだが……何だあれは」
「え?仲良さそうじゃん」
と、ロイドは理解していない。
レイノアとロイドは、クラトス達の所に行く。
隣の机にはレオン達が居る。
「あ、
と、彼女の名を平気で言う。
剣を抜こうとするレイノアを、クラトスとたまにロイドが止める……
と言うのが、ここ最近の日課となっており、日常である。
そこにお茶を持って来たパニール達。
「まあまあ、お茶でも飲んで落ち着いて」
と、パニールがレイノアの所に置く。
レイノアは、普通にそのお茶を飲んだ。
その行動に、食堂に居た者達は、
「え?」「あ?」「嘘……」「あらあら」
と、驚きを隠せない。
それに、レイノアが冷たい声で言う。
「……飲んで駄目なら、飲まないが」
だが、パニールは頬に手を当て、嬉しそうに言う。
「いいえ。私は飲んでくれた方が嬉しいわ。もっと沢山飲んでいって」
と、台所に戻って行く。
「はい、レオンさんも。あ、でも私初めて入れたやつだから、もしかしたら不味いかも……」
と、カノンノが、自分で淹れたお茶を渡す。
「ありがとう、カノンノちゃん。可愛い女性が入れたお茶なら、何でも美味しいものだよ」
レオンはそれを笑顔で貰い、飲んだ。
……が、「ブー」とむせた。
「おわ⁉レオン君、ちょっと汚い」「おいおい。大丈夫か、レオン」「ええ⁉やっぱり駄目でした⁉」
と、各々言う。
レオンはお茶を置いて、
「いや……ゴホ、ゴホ……お茶が不味いんじゃないよ。むしろ美味しかった。ただ……」
と、レイノアを見る。
カノンノ達もレイノアを見る。
レイノアは、
その姿は、普段の彼女とは思えない程優雅だ。
レオンは肘を付き、重苦しそうに話し始めた。
「ねぇー、レイノアさん……」
と、何故か、彼女をさん付けで呼んだ。
対するレイノアも、珍しく名を言われた事を怒らず答える。
「………何だ」
「俺の間違いでなければ、
「……奇遇だな。私も、それが視えたな」
と、会話をしている。
何と言うか、重い。
「俺の記憶違いでは無ければ、あの人は方向音痴で、問題事を引き起こす常習犯……だったよね?」
「そうだな……。私も、そう記憶している」
と、レイノアは横を見る。
その人物が誰だかわかったのだろう、クラトスとユアンが頭を抱えていた。
『……おそらく、私と四代目の言っている者の事を思い出したのだろうな。彼等もよく、巻沿いをくらっていた』
と、レオンが立ち上がる。
その声は裏返っていた。
「不味くない!あの人を放置とか!」
「では、お前が行け。それでも嫌なら、そいつを――」
と、話の途中で、レイノアも立ち上がった。
レオンは頭を抱えた。
そして何かを見ているかのように、唸る。
「言っているそばから、あの人は!何でトラップを引くかな⁉」
「……私も行ってやる。クラトス……ついでだからユアン・カーフェイ、貴様も付いて来い」
と、食堂を出て行く。
ユアンは顔を青ざめ、クラトスにだけ聞こえるように口を開く。
「……クラトス、私は行きたくない」
「……諦めろ」
と、言って、二人も食堂を出て行く。
「じゃ、カノンノちゃん、レイ。ちょっと出て来るから、リーダーさんに言っておいて」
と、出て行こうとする彼をカノンノは止めた。
「あの、レオンさん!事情は分からないですけど、私達も手伝います」
と、レイとロイドも付いて来た。
「じゃ、俺等で報告しとくわ」「気を付けて、行って来いよー」
と、言う事のなので、報告は二人に任せ、三人を連れて行くレオン。
洞窟の入り口でそんな彼を、レイノアは呆れた目で言った。
「貴様は、何を考えてあれらを連れて来た」
「いやー、人手は多い方が良いかなって……」
と、後退る。
レイノアは彼等三人を見て、
「いいか、お前ら……
と、早口で説明し、歩き始める。
「え?でもニアタはここには――」
と、そこにニアタがやって来た。
「カノンノ、我々も供に行こうと思う。構わないか?」
「あ、う、うん。じゃあ急ごう」
と、彼女を追い掛ける。
洞窟の広い所に来た一行は、一人の少女を見付けた。
髪は腰ぐらいあり、黄緑色の髪をしたピショップの服装をしていた。
レイノアとレオンは、そこに駆けて行く。
クラトスとユアンは、「ああ、やっぱり」と言う顔をしている。
が、彼等は気付いていない。
ニアタが思い出したかのように、
「おや?あれはグラニデの
「うん?知っているのか、ニアタは」
ユアンが聞く。
「うむ。我々の故郷の
その説明に、今度はレイが聞いた。
「星渡り?」
「うむ。その名の通り、星と星を渡る事だ。だが、今思えば……彼女は時空を超えたようだな」
と、レオンの叫び声が聞こえて来た。
「ああ、居た。良かった……。お願いですから、何もしないで!いや、そこを動かないで!」
少女はそれに気付き、嬉しそうに駆けて来る。
「あ、レオン!良かったです!私、道に迷ってしまって………あっ!」
と、彼女がこける。
その瞬間、何かのスイッチが入った。
そして巨大な魔物が出て来た。
その姿を見たカノンノが、
「何か、コレットに似ているかも………」
「ああ。似ているな」
と、ロイドのお墨付きだ。
レイノアは剣を抜き、殺気めいている。
「だから動くな、と言っているのに!」
と、レオンと供に、巨大魔物との戦闘を始める。
その隙に、ユアン達が彼女の元に行く。
「いたた………あ!クラトス様に、ユアン様。お久しぶりです。あれ?カノンノとニアタも居ます……じゃあ、テレジア?それとも、パスカ?ここは異世界ですか?あ!でも、それは自分から見てからでしたね」
と、?マークが浮かんだり、!マークが浮く。
「あ、えっと、私は………」
と、カノンノが説明する前に、ロイドが疑問をぶつけた。
「あれ?クラトスとユアンは、知り合い?」
「ああ。少しな………」
と、言う。
ニアタが彼女に説明をする。
「久しぶりだな。グラニデの
「え?……そうですか。カノンノや皆に、また会いたかったです。でも、私も死んでいるから……どちらにしても無理ですね……」
と、最後の方は小さく、彼等には聞こえなかった。
と、思い出したように、少女は立った。
「あ!そうです!レオン達をお手伝わなきゃです!」
と、詠唱を始めた。
それに気が付いたレオンが叫ぶ。
「……っ‼クラトスさん!ユアンさん!そこを離れて‼」
だが、それよりも早く、彼女の詠唱が終わった。
「当たって!ピコハン‼」
だが、それは巨大魔物にではなく、
それはレイノアにも、当たっている。
レイノアの静かなる殺気には、彼女は気付いていない。
彼女は慌てて、謝る。
「えー⁉ごめんなさい‼次は大丈夫です!」
と、再び詠唱を始める。
彼等が止める間もなく、それは繰り出された。
「水よ、邪たるものを洗い流せ、スプラッシュ‼」
そしてそれも、敵……にではなく味方だった。
彼等はビショビショだ。
そしてついに、レイノアが切れた。
「……二代目。もう何もするな!いや、二代目が動く前に終わらせる‼」
と、濡れたまま、敵に向かって走った。
レイノアは、敵を一刀両断した。
彼女がこれ以上何かしないよう、速やかに船に連れて行った。
その間も、レイノアは凄く不機嫌であった。
「改めまして、皆様。私、グラニデ二代目
と、とても礼儀正しい。
レイノアは濡れた髪を拭きながら、
「船長。そいつは面倒事を起こす常習犯だ。気を付けておけ」
と、未だに怒っている。
「あ、そうそう。あなたがレイノア?」
「え?……いえ、私は……レイの方です」
同じく髪を拭いていたレイを、レイノアと間違えたロアさん。
「あら、ごめんなさい。二人はとてもよく似ているから、間違えちゃったわ。でも、先程はありがとう。私、まだ目が覚めたばかりだから力加減が上手く出来なくて……本当に助かったわ」
と、手を合わせてお礼を言う。
「ロアさん………それは、私ではなく彼女の方です」
「あら?」
と、人間違いを続ける。
最早、レイノアはこの場をレオンに任せ、居なくなっていた。
そしてその翌日にも厄介ごとは起きた。
ロイド達が、甲板でいつものように稽古をしていた。
と、そこに一人の少女が着地してきた。
オレンジ色の髪にショートだが、前房が長い。
腰には二本の剣があり、顔はどこか二代目・ロアに似ている。
「……成程、アイフリードの残した船か。まだ動いているとは驚きだな」
ユーリが彼女に話し掛けた。
「おたくも、もしかして
少女は振り返り、
「ん?いかにも我は、
と、彼等を見まわし、
「うむ。稽古中だったのか……。下界人の人間よ。君達を審判する前に、我もここで一つ稽古を供に付けておきたいな。良いかな?」
「そりゃー、構わないが……」
「では、さっそく始めよう」
と、彼女は二本の剣を抜く。
一方、二代目・ロアが来た事により、船の中は一段と賑やかになった。
それと同時に、ロアの危険さが分かったようだ。
レイノアは、レオンと供に食堂に居た。
しかし、レオンはチラチラと外を気にしている。
ロアがお茶を飲みながら、
「それにしても……カノンノは、カノンノにそっくりですね」
「えっと、そんなに似ていますか?ニアタもそれぽい事は、前にも言っていたけど……」
「それは勿論!レイノアとレイが似ているくらい似ていますわ。あの時、道に迷っていた私を、カノンノが優しく案内してくれて……とても嬉しかったです」
ロアは手を合わせ、思い出すように言った。
「ロアさんは、この世界やパスカ、後テレジアでしたっけ?それ以外にも、行った世界はあるんですか?」
興味津々で、カノンノとレイは聞いている。
ロアは、笑顔で答えた。
「はい。生まれたばかりの世界に落ちた事もありますわ。それ以外にも寿命を迎え、終わりゆく世界も見ました」
と、後半は悲しそうに言った。
だが、話を切り替えるようにミトス達を見て、
「でも、こうしてまたお会いできて嬉しいですわ。ミトス様やマーテル様も、お変わりなく」
「え⁉あ、うん。そうだね……」
と、ミトスは戸惑いながら言う。
「あら?ロアさんは、ミトスさん達ともお知り合いで?」
パニールが、お茶を注ぎながら聞いた。
「はい。旅の時にお会いしましたわ。」
「え?」と言う顔が、カノンノ達には出ている。
それに気が付かなかったロアは話し続ける。
「色々、助けて下さって。流石はしょ――」
と、話す彼女の口を、レイノアが塞いだ。
「二代目の
と、代わりに話す。
ロアはレイノアの手を口から離し、
「え?そうだったの?」
「貴様は黙っていろ」
と、彼女は二代目を黙らせる。
後ろの方で、ジェイドやリフィル辺りは何かを考えているのだ解るが、
「とにかく、二代目は極度の方向音痴なのだ。それはどうやら
これに関しては、レイノアは嘘を言っていない。
つまり、事実である。
と、船が大きく揺れた。
レオンが頭を押さえて、
「あー、やり過ぎだよ……」
と、言って外に出て行く。
レイノアもロアを連れて、甲板に出た。
甲板に出たら、稽古をしていた者達全員が伸びていた。
「おたく、強過ぎしょ……」
と、ユーリが声を出した。
その光景を見たロアが、
「あー!駄目ですよ、リナ。あなたの力は、普通の人より強いのだから」
「そうだな。外に再び出たのに浮かれ、我も少し加減をするのを忘れたようだ」
ロアが詠唱を始める。
カノンノが、レオンに聞いた。
「あ、あの……止めなくても?」
「ああ、大丈夫。彼女、魔術は失敗する事あるけど、治癒術だけは最強だから」
と、落ち着いている。
レイノアもまた、同じである。
「癒しの光よ、かの者達を癒せ、ハートネスサークル」
と、負傷者全員を治した。
「では、改めて名を名乗ろう、下界人の諸君。我は、グラニデ三代目
三代目・リナは、レイノアの代わりとも言えるような稽古を彼等にしていた。
レイノアにとっては、興味は無いので追及はしないし、怒りもしない。
レイノアは屋根の上で、空を見上げながら、
「これで、残すところ初代だけか……」
と、リナを見ながら、
『二代目と違って、三代目は余計な事は話さないから安心だが……三代目は、二代目と相性が悪いのが問題だな。ま、過去の自分と望んだ自分だからな……あの二人は』
と、自問自答をしていた。
しばらく経ったある日、レイノアはいつものように空を見ていた。
しばらくそうした後、甲板に降りた。
『やっとか……』
そして、すぐ傍にはロア・リナ・レオンも居る。
レイノアが、レディアントを具現化した。
その様子で、クラトス達監視者は理解した。
彼ら
そこに光の玉が来て、仮面を付けた少年が現れる。
レイは見覚えのある彼に驚きが隠せない。
なぜなら彼は……
銀色の髪をした少年は、全員を見渡す。
笑顔の中にある真剣な声で言った。
「さて、これから君達、バンエルティア号の方々を審判させて貰う。君達が、本当に
と、指でパチンっと鳴らして彼等を飛ばした。
だが、監視者であるクラトスはここに居る。
ニアタには、こちらで既に言ってあった為、異空間に飛ばされた後も大丈夫だろう。
レイノアは、彼等が何所に飛ばされたかは理解している。
初代が精霊達と供に作った異空間だ。
レイノア以外の
彼等と同じ異空間へ飛び、審判する為だ。
だが、レイノアは初代に切り掛った。
『解っていることとはいえ、ムカつくものはムカつくのは確かだ!』
初代は、それが解っていたように彼女を弾き飛ばした。
彼は、彼女が気絶したのを確かめてから、ゲーテの元へ行く。
初代は仮面を外し、ゲーテに近付いた。
ゲーテに昔言った事を話し合う為だ。
「久しぶりだね、ゲーテ」
「俺はお前を知らんが?」
ゲーテは初代を睨みつける。
初代はキョトンとした顔で、
「え?あー……でもそうか。わかった。僕は初代
「はぁ⁉」
初代は笑顔で、そして優しく言う。
「君は覚えていないだろうけど、君と僕は繋がっているんだ。それこそ、レイノアとレイが同じくらいね。で、ここからが本題なんだけど、昔僕は君に世界樹と負の想念の事をお願いした。あの時、君はまだ君自身の感情が無かった。でも今は、君自身の感情がある。今の君の気持ちを知りたいんだ。これから先も、君が僕らと同じように世界樹と共に過ごしていくのか。……それとも、一人の人間として新たに生を受けるか。まぁ、後者を選べば時間がかかってしまうかもしれないけど、君は自由になれる。ただし、記憶は全て一からとなる」
初代は彼から目を離さず、真剣な表情で言う。
ゲーテは頭を掻きながら、
「……俺は自由が欲しい。だが、それは誰かに貰うのではなく、自分から手に入れる。それに、俺はあのお人好し
「……そう。ありがとう、ゲーテ。君に光を与えてくれたレイには感謝しないと」
初代は笑みを浮かべた後、
「ゲーテ。みんなの審判……いや、試練を乗り越えるで……眠っていて」
初代は彼の頭の上に手を置く。
ゲーテが何かを言う前に、彼は眠りにつく。
彼を壁に寄りかかせ、初代はクラトス達の元へ行く。
そして、彼は大事な仲間と話した。
「久しぶりです。元気そうで、良かった。」
「僕もだよ!君にやっと会えた。エン―――」
初代は悲しそうな笑顔で、ミトスの口に指を当てる。
「ごめんね、ミトス。今の僕は、レイノアの力を借りてここに居るんだ。だから、僕のもう一つの名を言ってはダメ」
「……わかった」
ミトスは悲しそうに、肩を落とす。
初代は苦笑いして、
「でも、こんな形でも君に会えてよかった。ずっと見てたよ、ミトスの夢。ありがとう。そのおかげで、僕は今ここに居られる。それだけじゃない。僕以外の
「……うん。君との約束だもん。僕は待ち続けるよ。君が本当の意味で帰ってくるまで……」
二人は見つめ合う。
そこに、怒り気味の声が響く。
「ゴホン。初代にミトス。君らが盛り上がるのは構わないが、審判が始まっているのを忘れずにな」
「ユアン、かたーい!」
ユアンが腰に右手を当て、左手で口元に当てる。
それにミトスが、頬を膨らませる。
「このまま続けさせてやりたいが、そろそろレイノアも起きるだろう。そうなれば……」
クラトスは右手で腹を抑え、左手を口元で抑える。
想像したのだろう、彼は無言になる。
初代とユアンは、彼から視線を外して、
「な、なんか本当にすいません、
「同情する、クラトス」
その少し後、レイノアは目覚め、初代を睨む。
『……あの時はガキだったくせに』
初代は、初めて会った時のように複雑そうな顔になっていた。
初代自身、話し掛けるのに少し戸惑ったが、何とか普通に声を出した。
「初めまして、レイノア。と言っても、前の時に直接会ってはいないけど。あの時も、今の君の能力を借りてここにいる訳だけど……」
レイノアは立ち上がり、初代と向き合った。
『……自分が子供頃の話はしないのだな。当然と言えば当然だな。それなら、やる事は一つだな』
レイノアは腕を組み、冷たく言った。
「で、私に何の用だ、初代」
クラトスは彼女のその姿を見て、心配そうに初代を見る。
初代は微笑を浮かべたまま、
「君は、僕の記憶を本当の意味で受け継いでいるね。三代目と四代目も受け継いでいるけど、一部のビジョンを視たに過ぎない。でも君は、全てを知っているんだろう?僕の本当の感情も……」
『……こういう話をしている時のこいつは、子供の頃と変わらんな』
レイノアは冷めた目で初代を見る。
「……だったら、何だ?」
「いいや。これだけは言っておこうと思って。たとえ、別の
と、頭を撫でる。
その姿は兄妹のような感じだ。
と言っても、初代とレイノアの身長は頭一つ分、彼が高いだけだ。
レイノアは目を見張った。
『貴様に言われなくても!それにそれは……』
レイノアは初代を殴り飛ばした。
「それを言って良いのは、貴様ではない」
それを見たクラトスは「やっぱりか……」と、言う顔をした。
しかし、視線を外し、
「……だが、礼は言っておく」
それは意外にも素直な彼女の気持ちに変わりはないだろう。
初代は起き上がりなげら、レイノアに言った。
「君は、それを後悔している?その様子だと……してないね。でも、悔しそうだ。そんな君に、僕はこの言葉を贈るよ。自分が本当にそれを望むのなら、恐れるな。大切な物を守る為に、己自身を信じられるか。なぜなら、過去には戻れない。だから今、守りたいものを一生懸命守ればいい……と、思うよ」
『……この言葉は、あのとき私が言った言葉か。まさか、ここで聞くとは……だが!』
彼女は背を向けて、
「貴様に言われなくても、解っている!私は、私の守りたいものを守るだけだ」
と言って、甲板の先まで歩いて行った。
そして、レイノアも異空間へ飛んだ。
初代は苦笑いし、
「僕たちも、行きましょうか。解っているとは思いますが、今回のあなた達は監視者として動いていただきます。クラトスさんは一番辛いかもしれませんが――」
「心配は無用だ。私は私の役目を果たすさ」
クラトスは初代をまっすぐ見て言う。
「ありがとうございます。セルシウス。君も、今回は手出し無用でお願いね」
「わかっているわ。これは、
「じゃあ、ゲーテのことお願いね」
「わかったわ」
初代は頷き、クラトス達を連れて異空間へと入った。