テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2 で、作ってみた   作:609

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マイソロ2 五代目ディセンダー 第九話 出会い

レイノアが、世界樹の森を出てから数か月。

魔族に会っては、倒す日々が続く。

だが、四代目だけは見付けられずにいた。

 

――彼女は、森の中を探索していた。

と、彼女の耳に悲鳴が聞こえて来た。

さらによく聞くと、その中には怒鳴り声。

そして魔族の気配がある。

彼女は、そこに向かって走る。

 

移動しながら、彼女は眼を使った。

彼女の眼は、遠くの場所も視える。

 

『先程の悲鳴……女と子供。成程、軍の者に襲われているのか。ん?これは……二組の家族、か。』

 

彼女は、ほんの数秒でその場に着いた。

既に、彼等の父親らしき男性二人と女性一人が、彼女の到着と同時に倒れ伏していた。

もう一人の母親と思わしき女性は、子供達を背に庇っていた。

その母親の背中には、深く抉られた傷がある。

 

彼女はとりあえず、種族を確認した。

人間だけの家族と、母がエルフと父が人間の家族。

だが、異種族同士の娘らしい子供はエルフだ。

と、言うことは連れ子か姉妹だろうと判断する。

 

倒れるエルフの母親は、まだ微かに意識があった。

レイノアをもうろうとした目で見る。

 

「お……お願いします。子供……たちを……助け……て下さい……」

 

最後の力を振り絞り、それだけ言うと母親は死んだ。

その子供達は覆いかぶさる母親の亡骸から出て来た。

何度か母親を揺すった後、泣きながら縋り付いている。

 

レイノアは、それを軽く見ただけだった。

何故なら、自分には関わりのないものだったからだ。

自分に助けを求められても、自分には関係ない。

だから、彼女は軍人に視線を向ける。

否、魔族を視付ける。

この場に居る軍人は十人。

その内の三人は、魔族が憑ついている事を確認した。

 

彼女は剣を抜く。

素早く移動し、魔族が憑ついている軍人を一人斬り倒す。

彼らが反応するよりも早く、次のターゲットに剣を向ける。

そのまま、残りの二人も斬り倒す。

彼ら≪普通の者達≫は一瞬、何が起こったのか解らずにいた。

故に、あと残るのは普通の下界人のみだ。

レイノアが、彼ら≪普通の者達≫に視線を向ける。

と、彼ら≪普通の者達≫が剣を構える。

だが、レイノアの殺気と先程の光景を理解した事で逃げ出していった。

 

彼女は目的が達成したので、この場を離れようとする。

と、足元に何かを感じた。

見ると、ハーフエルフの子供が自分の足にしがみ付いていた。

改めて、彼女は子供達の存在を思い出した。

軍の者が居なくなった。

ある意味では、この子供の母親の頼まれごと果たしたようなものだ。

なら、やはり自分は、ここに居てもすることはない。

そう自己解決すると、自分の足に引っ付いている子供を見降ろす。

今の自分ではよく分からないが、おそらく今の自分は彼らに対して無関心だ。

故に、この子供に冷たい視線を向けているだろう。

 

「……何だ。私は、もうここには用はない。離せ。」

 

おそらくよっぽど今の自分は怖いだろう。

自分の真下に居る子供は、ビクビクしていた。

そして、他の二人もビクビクしている。

足にしがみ付いている子供は、ビクビクしながらも首を振って泣き始めた。

すると、残りの子供達も、この子供と同じようにくっ付いて来た。

そして、これまで溜めていた感情が一気に爆発したかのように、泣き出した。

 

彼女はこの状況に、ため息を付いた。

この状況をどう解決するか。

彼女は少し視線を外す。

少し離れた所に、この子供達の両親が倒れている。

彼女は考える。

 

『初代や他の世界の守り手≪ディセンダー≫が見た感情では、この手の時は不安、悲しみ、恐怖……だったか。今の私には、もう到底理解できない。おそらく、親を失った小さな子供には、対処できない事が多過ぎるのだろうが……』

 

彼女は子供達に視線を戻す。

とりあえず、幼い頃にクラトス≪父親≫にやって貰ったように、彼らの頭を撫でてみる。

それから比較的優しく、

 

「ひとまず、お前達をこの近くの町まで連れて行ってやる。だから、離れろ。」

 

子供達は泣きながら、離れた。

そこでやっと、その場から歩き始めようとした。

が、ハーフエルフの子供が泣きながら訴えた。

 

「お母さんとお父さん……このままじゃ、可哀想だよ。お姉ちゃん、お兄ちゃん、埋めてあげようよ!」

 

その言葉に、エルフの少女は戸惑っていた。

人間の少年は、黙って自分の両親を見ていた。

彼はこの中で一番年上だ。

そして、今の自分達の状況を誰よりも理解しているだろう。

 

彼女は、ここでこれ以上時間を費やすのが面倒だと判断した。

なので、彼等の両親の所まで歩き、魔術で地面に穴を空ける。

そこに、彼等を入れて土を掛ける。

 

過去の世界の守り手≪ディセンダー≫の記憶にあった、墓と言うものを簡易的に作る。

土汚れを落としながら、立ち上がる。

子供達が急いで、そこに近付いて来た。

そして、また泣いた。

彼女はため息を付いていた。

 

『どうして、こうも子供と言うものは泣き虫なんだ。全く……これではまるで、初代のようではないか。』

 

彼女は、マナを操作して小さな花畑を作る。

子供達は驚いていたが、その花を一人一輪持って、墓に添える。

これでやっと、彼女はここを離れる事が出来た。

 

 

しばらく、森の中を黙々と歩いていた。

彼女は後ろを振り返と、人間の少年がハーフエルフの子供を背おっている。

これでは町に行くのに、まだ掛かると判断した。

彼女は辺りを見渡し、野営できる場所を探す。

本来なら、自分は野営をする必要はない。

そもそも、休むだけ時間の無駄だ。

だが、下界人であるあの子供達はそうはいかない。

彼らを抱えて、町まで走るのもいい。

が、敵と遭遇した時の事を考えるとあまり得策とは言えない。

 

彼女は、休むのに丁度良い場所を見付けた。

その場所を整理し、枝を集める。

子供達が到着したのを確認して、彼女は火を点ける。

 

「良いか、この火を絶対に消すな。それと、ここを絶対に離れるなよ。」

 

子供達は頷いた。

それを見て、彼女はこの場を一時離れた。

理由は簡単だ。

ここら一帯にいる魔族を消滅させて行く。

それが一通り終わると、彼女は少し遠くに駆け出す。

目的の場所には、沢山のリンゴがなっていた。

彼女は、それを持って子供達の元へと帰る。

 

『それにしても、なぜ私がこんな事をしなければならんのだ。全く……下界人はなぜこうも、一人でいる事が苦手なのだろうか。』

 

世界の守り手≪ディセンダー≫は、本来なら食事を取る必要はない。

だが、下界人は食事を取らなくては死んでしまう。

別に、彼女としては、子供たちが死んでも構わない思っていた。

だが、ここで死なれては、あの時の時間が無駄になる。

それはそれで、構わない。

そう思っていた。

なのに、自分は彼らに関わっている。

これは、自分の中に残る感情なのか。

それとも、消したはずの他の世界の守り手≪ディセンダー≫の感情なのか。

彼女には解らない。

 

『……そう言えば、初代と三代目は子供苦手だったな。まぁー、初代の場合は触れ合う事がほとんど無いに等しかった訳だが……』

 

そして、彼女はあの場所の近くに帰って来た。

と、盛大な泣き声が聞こえてくる。

彼女が、その場所に顔を出した。

と、子供達は泣くのを一瞬止める。

だが、また泣き出したのだ。

 

「……何を泣いている。こんな所で泣いていると、魔物が寄って来るぞ。ほら、これを食べて泣くのを止めろ。」

 

と、大泣きしていたハーフエルフの子供に渡す。

次に、エルフの子供に渡す。

二人は、それを美味しそうに食べ始める。

彼女は視線を奥に向ける。

奥では、ズボンを掴んで泣くのを我慢していた人間の少年が居る。

彼にもリンゴを渡してやる。

 

 

レイノアは、彼等がリンゴを食べているのを見ていた。

と、人間の少年が聞いて来る。

 

「あの……お姉ちゃんは食べないのですか?」

「私はいらない。まだ、沢山あるから心配するな。」

 

彼は不思議がっていた。

だが、これは本当だ。

取る必要のないものを、わざわざ取る必要はない。

そこで、彼女はある事に気が付く。

彼らを呼ぶのに、どうするべきなのか。

クラトス≪父親≫と供に暮らしていた時のようにすればいいと判断する。

だが、彼らの名を知らない。

彼女は彼らに、名と歳を聞いてみた。

 

「お前達、名と歳を言え。」

 

とても、ぶっきらぼうだ。

しかし、人間の少年が説明する。

 

「……僕は秋信≪あきのぶ≫。歳は十歳です。こっちはエルシア、歳は八歳。この子はエルシアの弟で、ジャック。歳は五歳です。」

 

彼女は改めて、この子供達を見る。

人間の少年は薄茶の短い髪、瞳は深い緑色。

エルフの子供は金の長い髪、瞳は明るい青色。

最後のハーフエルフの子供は、姉と同じ金の色で短髪、瞳は明るい茶色。

そして、エルフとハーフエルフの彼らは、確かに同じ波動を小さく感じる。

 

秋信は不安そうに、

 

「お姉さんは?」

「……私の事は好きに呼べ。」

 

彼女は、子供達から視線を外して、そう言った。

 

『どうせ、町までの関係だ。それに、下界人に名を明かしても意味はない。なにより、名を明かすつもりは、この先ないのだから……』

 

 

――その日の夜

彼等はレイノアの横で眠っていた。

ジャックが彼女の服の裾を握っている。

その為、身動きが出来ない。

それを守るように、エルシアが寝ている。

秋信は、開いている彼女の横で眠っていた。

彼女自身、ここで大人しくしているのは、単に今日はもう何もすることが無いからだ。

と、言っても彼女自身は眠らない。

故に、彼女は薄暗い空を眺めて、朝が来るのを待ったのだった。

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