Nightmore named the blood relative 〜新たな「闇の帝王」となった少女〜   作:カドナ・ポッタリアン

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第十二 反らし

 

 

 

 

教室中の視線が矢のように二人に突き刺さった。

かのハーマイオニー・ウィーズリーと、ホグワーツの天才であり傾国でありスリザリンの頭とも言えるリンネ・ゴーントがぶつかり合うのだから。

グリフィンドール生はハーマイオニーを、スリザリン生はリンネを、それぞれ期待と興奮に満ちた目で見つめていた。

ハリーとロンも手を止め、面白そうにこちらを見つめる。

 

正直な所、リンネは彼女の事など気にも止めていなかった。

何時も通りの無表情で杖を持つリンネと、少し緊張して口をギュッと結びながら杖を構えるハーマイオニー。

両者、何かをするような気配はなく、教室には何とも言えない空気が入り浸っていた。

 

 

「あら? 何もしないの?」

「...」

 

 

ハーマイオニーは、ぴくりとも動かないリンネを不思議そうな目で見た。

 

 

「そんな事はない...『エクスペリアームス! 武器よ去れ!』」

「キャッ...!」

 

 

まさかの不意打ち攻撃で、ハーマイオニーはつい防ぐのを忘れ、彼女の杖はリンネの手中に握られていた。

 

 

「良いね、上手いよ?」

 

 

ハリーは優しく微笑む。だが其の目は笑ってなどいない。

ロンは驚いたような表情を浮かべていたが、すぐに表情を取り繕った。

 

 

「うぅ...今のってアリなの?」

「そりゃあねウン。あと可愛いからアリ」

「実践的には、不意打ちは有効的な手段として使えるよ。あと可愛いからアリ」

 

 

ハリーとロンは次々と同意を示した。

すると、ハーマイオニーはため息をもらした。

 

 

「ふぅん、二人共其方の世界の人だったんだ...」

「違う!」

「僕等は極めてノーマルだ!」

「ねぇゴーントさん、ああいうダメな大人には近づいちゃいけないからね?」

「...はい」

 

 

リンネはジッと彼等を見つめた挙げ句、頷いた。

 

 

「ぬあぁ! 少し睨まれた上に同意した!」

 

 

正直、この二人は周りを和ませるためにこういったふざけた事をしているのだと思う。

一年生に、あのハーマイオニー・ウィーズリーが、杖を奪われたという点から生徒達の目を反らす為にーー

 

授業は終わった。

壮大はボケとツッコミで、生徒達の顔は笑顔で溢れていた。

リンネは、ハイスピードで魔法を覚えていた。そのため、クラス全員を驚かせていた。

なので、逆にナルは自分の主人に「不満」という二文字の念を覚えていた。

 

それはというのも、リンネが自分以外の人間に褒められているのが許せなかったのだ。

ちなみにナルは、クロート教授に制服と一緒に貰ったお古の杖で魔法を覚えていた。

 

 

「何でリンネ様は私を撥ね付けるんですか? 何で私だけのモノになってくれないんですか? 何で他の者と喋っているのですか?」

 

 

爽やかな容姿をしているナルだが、殺気をビンビン放ちながらリンネの耳元でブツブツとつぶやく彼は、周りの人間から見れば「悪魔」でしかなかった。

嫉妬心は人一倍というべきか。

 

 

「ねぇねぇねぇねぇねぇ! 何で私を無視するんですか? ってちょっと! 先に行かないでくださいよ!」

「五月蝿い」

「えぇ?!」

 

 

周りの人間は、そんな愛し愛されのような二人の関係に口は一切挟まず、逆に楽しそうに眺めていた。

微笑ましいとも思っていた。

だが、そんな彼等とは裏腹に一人歯ぎしりをするグリフィンドールの少女がいた。

 

**

 

「何故っ何故だ! 何故なんだよ...」

 

 

「闇の魔術に対する防衛術」の教室。

一日の授業が終わり、彼は教鞭に勤しんだ今日に別れを告げていたーーはずだった。

 

しかし、この初日はある人物によって疎ましいモノへと変わった。

二つの真っ赤な瞳が彼を見つめるようだった。

 

 

「何で...何で彼奴は幸せそうに生きてるんだ! 僕の家族を奪っておいて...」

 

 

ハリー・ポッター。

彼が幼い時にヴォルデモート卿に両親を奪われた事を、知っているだろう。

その憎きヴォルデモート卿と、あのリンネ・ゴーントが重なって見えた。

ああ、目の前に死んだはずの闇の魔法使いがいるのに、何故僕は手を出せないんだろうーーハリーの頭はその事でいっぱいだった。

 

 

「彼奴は...!! 彼奴は僕をドン底まで落とした...それなのに、次は少女の姿を借りてのうのうと生きている...!! ふざけるな!」

 

 

ハリーの目は血走っていた。

憎しみと恨みが一気に自分の中に溢れて来た。感情制御だなんてもう手遅れだ。

今はただ、少女に化けた闇の帝王を殺す事しか、考えていなかった。頭になかった。

 

 

「ハリー!」

 

 

教室に、誰かが飛び込んで来た。

 

 

「ハリー! 一体どうしちまったんだよ、急に飛び出して行って...叫び声も聞こえたけど...」

「ロン、僕に関わらないでくれ。頼むから...」

 

 

異常な様子であったハリーを、飛び込んで来たロンは床に押し倒した。

キリキリと歯を食いしばるハリーを見るのは、何十年振りだろうか。

 

 

「リンネ・ゴーントの事だろ?! 好い加減目を覚ませ! あの子はヴォルデモートとは違う!」

「君こそ間違ってる! 彼奴はヴォルデモートだ! 少女の姿をした仇だ!」

「っ...違う。君はあの瞳に惑わされているだけだ。瞳が同じだけだ。当然僕だって、あの子の目を見た時さ、怒りが湧き出て来たよ。でもグッと堪えた。あの子は違うから。ヴォルデモートは死んだ。リンネ・ゴーントは、彼奴の血縁に生まれてしまった可哀想な女の子なんだよ!」

「...」

 

 

 




ハリーも本当に可哀想。
目の前に親のーー友人達の仇がいたら、殺したくもなります。死んだと分かっていながらも、全く同じ瞳を持つリンネを殺してしまいたいと思ってしまいます。
授業では全ての感情を押し殺していますが、本当は憎くて憎くてたまらないのです。

あと、ナルがだんだんヤンデレになってきてる...でも良いんだ。私ヤンデレ好きだから。

リンネも本当は全て分かっているはずです。
ハリーも気持ちも、行動の意図も全て。彼女はヴォルデモートと同じく(無意識な)「開心術師」ですので、彼の心も読み取っています。
故に、嘘も通じません。

P、S
まだ「一字下げ」が実行出来ない...何故?
あと、自分の小説もお気に入り登録出来るのか...!!
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