Nightmore named the blood relative 〜新たな「闇の帝王」となった少女〜   作:カドナ・ポッタリアン

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第十三 もう一人の末裔

 

 

 

 

 

少女は思い悩んでいた。

 

 

「アティナ、キチンとなさい」

 

 

少女は苦しがっていた。

 

 

「アティナ、貴女、何でこんな事も出来ないの? 失格だね」

 

 

少女は心に獅子を飼っていた。

 

 

「僕の婚約者にしてはね、君、落ちこぼれなんだよ?」

 

 

それが何?

 

 

「そろそろね、僕の婚約者っていう地位を、サキに譲ってもらえない?」

 

 

元より私はそのつもりよ。もう既に、処理済みだし。

 

 

「あ、そう。でもそれなら...もう僕の所に連絡がきて...うっ」

 

 

どう? その痛み。呼吸の出来ない苦しさ。アンタの所為で、私の人生は滅茶苦茶なの。

でも大丈夫よ。殺しはしないから。

 

 

「うっ...くぁ...」

 

 

フフフ、大丈夫。貴方の愛しい愛しいサキちゃんも、同じ目に遭ってるわけだから...

 

**

 

ホグワーツは、千年以上も昔、人里離れた土地に四人の最も偉大なる魔女と魔法使いが学校を作った。

 

 

「此処がそのホグワーツ。ご先祖様がお作りになられた学校。此処が私の家」

 

 

グリフィンドール寮五年生用女子部屋の中の一つ。

早朝のベッドの中、小虎のような少女が目を覚まそうとしていた。

 

それがアティナ・グリフィンドールだ。

かの偉大なる魔法使いであり、ホグワーツの創設者の一人でもあるゴドリック・グリフィンドールの末裔だ。

そんな彼女は、ホグワーツの学生であった。

 

アティナは友達がいない。

何時も一人。

楽しい時も嬉しい時も苦しい時も悔しい時も悲しい時も...何時も何時も一人だった。

優れた容姿と頭脳、そしてゴドリック・グリフィンドールその人の末裔でもあるから...とアティナは思っていた。

 

 

「(今日も一人...だよね)」

 

 

実は根っからの「イケメン好き」なアティナだが、正直このホグワーツには彼女の求める美青年はいないと感じていた。

 

ある日、魔法薬のテストで98点を取り、気分がどんよりと落ち込んでいた。

丁度其の時は、先生の出張で授業が一科目だけ休講となった。

とりあえず、テストの憂さ晴らしに校内を散歩をしようと、角へ足を踏み入れたその時ーー

 

 

「「いたっ」」

 

 

二つの声が重なると同時に、アティナは額と尻に痛みを感じた。

 

 

「っ! 大丈夫ですか?! お怪我は!」

 

 

目の前には、尻餅をついた自分に優しく手を差し伸べて来る、緑色の瞳を持った黒髪の美青年ーーナルだ。

 

 

「ふぇ?!」

「あ、もしかして頭でも打ちました? 参ったなぁ...怒られる」

 

 

そう言うと、ナルは明後日の方向を見る。

アティナは彼の顔に見とれていた。タイプドストレートだった。

 

 

「だっ大丈夫です」

 

 

アティナは差し出されたままのナルを手をギュッと握りしめると、勢い良く立ち上がり、ニコッと笑った。

 

 

「私、アティナ・グリフィンドールです。ゴドリック・グリフィンドールの末裔ですっ」

「そうなんですか。私のご主人様は、サラザール・スリザリンの末裔なんですよ?」

「え...」

 

 

ナルの微笑みの裏に、アティナは悟った。

これはヤバい、と。

 

 

「(ええっと...スリザリンの末裔が入学してきたとは聞いていたけど...ご主人様? あ、まず名前を聞かないと...)」

「貴方の、お名前は?」

「私はナルと言います」

「ナルさん、ですか! とっても良い名前!」

「ありがとうございます、では失礼して」

「あ、待って!!」

 

 

アティナの声も聞こえぬまま、ナルは走り去って行った。

ただアティナの中には、ナルを愛おしく思う感情だけが取り残された。

 

その後、アティナは様々な手を使ってナルの事を調べ上げた。

そしてようやくストーキングしようと所まで発展したわけだが、一つの障害に打ち当たった。

 

 

「ねぇご主人様〜♪ 構って〜♪」

「貴様と遊ぶくらいなら、勉強した方が有意義だ」

「えぇ! 酷いなぁ」

「お前は下僕らしいからな。下僕と戯れるご主人様がどの世界にいる」

「それなら、ご主人様が一番最初の人になれば良いんです! ザ・下僕と戯れるご主jーーギャフン!」

 

 

それは、リンネ・ゴーント。

ナルは彼女の事を「ご主人様」と呼び、その他の生徒よりも強い形で崇拝していた。

時々、下僕やらペットやらという単語が二人の間を飛び交う事は分かるが、アティナは大好きなナルに見とれて会話の内容は掴めていない。

 

だが、そんなストーキング行動にリンネが気づいていないと思ったら大間違いだ。

勿論既にアルバスに話をつけて、ストーカーをストーカーしてもらっている。

故に、アティナに関する情報はかなり持っていた。

 

リンネの考えだと、きっと昼休み中の今ーーこのリンネとナルしかいない湖の近くで彼女は見ているはずだ。

ナルをーー

 

リンネは試しにある事を実行する事にした。

口元はゆるめ、愛おしそうな目でナルを見る。

 

 

「ねぇナル? ナルは...私の事好き?」

 

 

この世のモノとは思えない天使のような笑みを浮かべながら、リンネはナルに聞いた。

途端、ナルの心が大きく波打った。

 

 

「す、好きですよ〜♪ 大好きですよ〜♪ でも急にどうしたんですか?」

「私もナルの事大好きだよ。...ねぇ、誰もいないからさぁ、ね?」

「っ! ご、ご主人様?!」

 

 

リンネはナルに抱きつき、唇を徐々に近づける。

ナルの顔は嬉しさでカアッと赤く染まった。

 

 

「はい...喜んで」

「...っ、止めてよ!!」

 

 

あと1mmで唇が重なるかと思ったその瞬間、リンネの頬を赤い閃光が擦った。

 

 

「やはりな」

「...クッ!」

 

 

リンネはデレ顔をやめ、ナルを突き飛ばした。

 

 

「ご、ご主人様?! 何でさんざん期待させておいて突き飛ばすんですか?! 今流行の小悪魔系女子なんですか?!」

「何だそれは。『エクスペリアームス! 武器よ去れ!』」

「うわっ」

 

 

リンネとナルがもたれて本を読んでいた木のすぐ側に、アティナは立っていた。

そして、杖を奪われた事に唖然としていた。

 

 

「え? え?!」

 

 

目の前には、不機嫌そうな顔をしたナルが立っていた。

否、不機嫌で済ませられない怒りだ。

目をカッと見開き、殺気を放ち、笑顔は何処へ消えている。

 

 

「ねぇ...君、誰だかは知りませんが、私とご主人様だけの甘い甘〜い時間を邪魔しないで頂けますか? 折角キスしかけていたのに...!! 私の念願の夢がっ」

「ゆ、夢って...私よりそこの女の方が良いわけ?!」

「確かにご主人様は、性格悪いし自己中心的だし残酷だし意地悪だし人を見下すのが大好きだけど...私の命の恩人なんです」

「だからって、そんなペットのように従順に仕える事ないわ!」

 

 

アティナはどうにかナルの心持ちを変えようと、必死に訴えかけた。

しかし、ナルは少しも耳を貸さない。

 

 

「何を言っているんですか? 私はご主人様の”忠実なる下僕”ですよ?」

「...ナル、お前は何時も壮大に勘違いをする言葉を発するな...?」

 




やあやあやあやあ、相変わらずのgdgd回だ。
今回は、アティナのお話ですね。いやぁナルモテるな...ナルカッコいいからな...

登場人物!

【アティナ・グリフィンドール】
グリフィンドールの末裔。
もう親戚も両親もおらず、婚約者にまで裏切られる始末。しかし、一部の使用人はアティナの事を尊敬している。
容姿、才能ーーと様々なモノに恵まれた人間ではあるが、愛だけは手に入れる事が出来なかった。


そう、アティナは可哀想な人間なんです。

さて、ナルを手に入れようとするキャラは置いといて、湖ですね。
昼休みは、何時もリンネとナルが湖の近くで本を読んでいるため、誰も近寄りません。なので、リンネに殺される危険を犯してまで、誰も行きませんよ...

さてさて、湖とかまぁどうでもいー話は置いておいて...ホラ、この小説「黒歴史ノート」に書いてたって最初に言ったじゃないですか?
さっき書きました。え? ノートに書いてたんじゃないのって?
あの時の自分に、画力があったとは思えない。今もないけどさ。



【挿絵表示】



【挿絵表示】



一番上が適当に描いたリンネちゃん。
下が表紙絵的な奴。

色? ...そんなもん、面倒くさくてつけれねぇよ。
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