Nightmore named the blood relative 〜新たな「闇の帝王」となった少女〜 作:カドナ・ポッタリアン
ナルは、リンネが大好きだった。
いや、そんな生半可なモノじゃない。愛していた。
ナルは仲間である蛇とよく問題事を起こしていた。
縄張りやエサなどーー様々な事で、あの日もまた、揉めていた。
『これは、俺等の縄張りなんだ。余所者のお前は引っ込んどけ!』
アレは満月の夜だった。
この蛇達は、ナルが何処で何をしていようと絡み、イチャモンをつけて来た。
そして今日は、機嫌が悪かったのか、ナルに文字通り噛み付いて来た。
周りの蛇達は強力な毒牙を持っている。そのため、他の蛇達はナルを助けようともしない。
何たって、あの「人間」を一噛みで殺す事の出来る毒だ。逆らったら、自分が死ぬのが目に見えている。
『どうだナル、俺等の毒は』
『俺等の事を甘く見るからそうなるんだ。自業自得とは正にこの事だな!!』
『そこの人間は、後で噛み付いてやろう』
気がつくと近くには、嫌悪の表情を浮かべた黒髪赤目の美しい少女が立っていた。
ナルは本能的に少女を逃がそうと考えたが、体が全く言う事を聞こうとしなかった。
『...お前等、私に殺されたいか?』
一瞬、何が起こったのかが理解出来なかった。
気がつくと蛇達は逃げ出し、ナルは少女に持ち上げられていた。
少女は歩きながら、森から出た。ナルの意識は朦朧としていた。
借家の裏手へ行くと、少女は柔らかい唇をナルのかまれた部分へ当てた。
まるで、毒を吸い上げられるかのような感覚だった。
少女は毒を全て吸い出すと、ペッと地面に吐き捨てた。
そして、近くの井戸から水をくむと、患部を優しく洗った。
ナルは次第に、今自分は蛇だという事を忘れ、少女に「恋心」のようなモノを抱いてしまっていたのは言うまでもない。
『ナル、お前は本当にどうしようもない奴だな』
『そうですね〜ご主人様』
少女の名前はリンネ・ゴーント。
其れからというモノ、リンネはナルをペッととして扱ったが、ナルにその気はないらしい。
『自称”奴隷”のクセに』
『下僕なんですぅ、だから何だって言うんですかぁ』
『...』
蛇としてリンネに仕えるのは、案外悪くはなかった。
でも、やはり彼女と同じ人間として仕える事がナルの望みだった。
あの美しい顔を日々同じ目線から見て、手を取り接吻をするのが夢だった。
ーー人間になりたい、そんな想いがナルの事を強くした。
「ご主人様、そんな女を見たら目が腐ります。寮に戻って早くイチャつきましょう!」
「誰がお前なんかと」
「ちょっと! 私の話を聞きなさいっ」
アティナはまだ喚く。
自分の思い通りにならない事が、どうしても気に喰わないようだった。
「ご主人様〜♪ さっきみたいに甘えてくれませんか〜?」
「お前殺すぞ」
「ご主人様になら、殺されても構いませんよ?」
「...」
リンネの腕にしつこく絡んで来るナルを見て、アティナはキッと歯を食いしばった。
「アンタねぇ...私は五年生よ! 年上なのよ!」
「それにしては、随分と大人げないな」
「ッ!!」
アティナは其れ以降、口を開く事などなかった。
リンネのナルの背中を、ただただ悔しそうに見つめるだけだった。
寮の部屋に戻ると、アルバスが姿を現した。
「先ほどの女子生徒は、アティナ・グリフィンドールですね」
「グリフィンドール...」
「えぇ、末裔です」
「私以外にもいたとは...気に喰わん」
というより、他にも末裔がいた事に関して彼女は驚いていた。
「最強で最高なのは貴女様です。ヴォルデモート卿」
アルバスはリンネの手を取り、優しく口づけをした。
「もう良いですよ〜だ。私は...ご主人様が浮気なんてしないって信じてますから!」
「そうだアルバス。お前の父親の事だが」
「人の話ガン無視?!」
「あぁ、彼は貴女様が何か目立つような事をなさなければ、手を出して来る事はありません。ただ、少なからず警戒しているのは確かです。お気をつけください」
彼はそう言うと微笑む。
普通の女子ならこの時点で、変な効果音を立ててベッドに倒れるモノだが、リンネはプイッと顔を背けると睨んだ。
「お気をつけください? この私に対して、よくそんな事が言えたモノだな、アルバス」
「いえ...私は、貴女様がポッターなんぞに負けないと存じております。しかし、バックにはダンブルドアや魔法省がおります。もし変に動けば、適当な理由をつけられて『逮捕』となるやもしれません」
「なるほど...」
リンネは不敵にニヤリと笑った。
「私は、貴様のそういう気の強い所が好きだぞ、アルバス」
「ッ! 大変嬉しゅう存じます!」
「あ、今流行のツンデレですか、ご主人様!」
「一体、イギリスの流行はどうなっている...」
ナルは、リンネがアルバスに取られている事が気に喰わないらしく、急いで話題を反らそうとしてきた。
ただ、リンネは3歩歩いたくらいで忘れる人間ではないので、気を反らせるのは一時だけだった。
「フン、まぁ良い。アルバス、貴様はそのグリフィンドールの情報を集めろ。交友関係から好きなモノなど、何でも可だ」
「かしこまりました、ご主人様」
一礼すると、アルバスは再び姿を消した。
「アティナ・グリフィンドールは、私は悪い人間ではないと思います」
「それは当たり前だ。あくまでも、グリフィンドールの末裔なのだからな」
「違いますご主人様」
ナルは優しく微笑んだ。
「我々にとって悪い人間ではないのです」
リンネがナルに愛されすぎる件について。
やー、ナル良いね、理想の男子像?知らねっ
更新ペース?
今新作も書いてるんで遅くなるカモですね。