Nightmore named the blood relative 〜新たな「闇の帝王」となった少女〜   作:カドナ・ポッタリアン

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第十四 寄せるは想い

 

 

 

 

 

ナルは、リンネが大好きだった。

いや、そんな生半可なモノじゃない。愛していた。

 

ナルは仲間である蛇とよく問題事を起こしていた。

縄張りやエサなどーー様々な事で、あの日もまた、揉めていた。

 

 

『これは、俺等の縄張りなんだ。余所者のお前は引っ込んどけ!』

 

 

アレは満月の夜だった。

この蛇達は、ナルが何処で何をしていようと絡み、イチャモンをつけて来た。

そして今日は、機嫌が悪かったのか、ナルに文字通り噛み付いて来た。

周りの蛇達は強力な毒牙を持っている。そのため、他の蛇達はナルを助けようともしない。

 

何たって、あの「人間」を一噛みで殺す事の出来る毒だ。逆らったら、自分が死ぬのが目に見えている。

 

 

『どうだナル、俺等の毒は』

『俺等の事を甘く見るからそうなるんだ。自業自得とは正にこの事だな!!』

『そこの人間は、後で噛み付いてやろう』

 

 

気がつくと近くには、嫌悪の表情を浮かべた黒髪赤目の美しい少女が立っていた。

ナルは本能的に少女を逃がそうと考えたが、体が全く言う事を聞こうとしなかった。

 

 

『...お前等、私に殺されたいか?』

 

 

一瞬、何が起こったのかが理解出来なかった。

気がつくと蛇達は逃げ出し、ナルは少女に持ち上げられていた。

 

少女は歩きながら、森から出た。ナルの意識は朦朧としていた。

借家の裏手へ行くと、少女は柔らかい唇をナルのかまれた部分へ当てた。

まるで、毒を吸い上げられるかのような感覚だった。

 

少女は毒を全て吸い出すと、ペッと地面に吐き捨てた。

そして、近くの井戸から水をくむと、患部を優しく洗った。

ナルは次第に、今自分は蛇だという事を忘れ、少女に「恋心」のようなモノを抱いてしまっていたのは言うまでもない。

 

 

『ナル、お前は本当にどうしようもない奴だな』

『そうですね〜ご主人様』

 

 

少女の名前はリンネ・ゴーント。

其れからというモノ、リンネはナルをペッととして扱ったが、ナルにその気はないらしい。

 

 

『自称”奴隷”のクセに』

『下僕なんですぅ、だから何だって言うんですかぁ』

『...』

 

 

蛇としてリンネに仕えるのは、案外悪くはなかった。

でも、やはり彼女と同じ人間として仕える事がナルの望みだった。

あの美しい顔を日々同じ目線から見て、手を取り接吻をするのが夢だった。

ーー人間になりたい、そんな想いがナルの事を強くした。

 

 

「ご主人様、そんな女を見たら目が腐ります。寮に戻って早くイチャつきましょう!」

「誰がお前なんかと」

「ちょっと! 私の話を聞きなさいっ」

 

 

アティナはまだ喚く。

自分の思い通りにならない事が、どうしても気に喰わないようだった。

 

 

「ご主人様〜♪ さっきみたいに甘えてくれませんか〜?」

「お前殺すぞ」

「ご主人様になら、殺されても構いませんよ?」

「...」

 

 

リンネの腕にしつこく絡んで来るナルを見て、アティナはキッと歯を食いしばった。

 

 

「アンタねぇ...私は五年生よ! 年上なのよ!」

「それにしては、随分と大人げないな」

「ッ!!」

 

 

アティナは其れ以降、口を開く事などなかった。

リンネのナルの背中を、ただただ悔しそうに見つめるだけだった。

 

寮の部屋に戻ると、アルバスが姿を現した。

 

 

「先ほどの女子生徒は、アティナ・グリフィンドールですね」

「グリフィンドール...」

「えぇ、末裔です」

「私以外にもいたとは...気に喰わん」

 

 

というより、他にも末裔がいた事に関して彼女は驚いていた。

 

 

「最強で最高なのは貴女様です。ヴォルデモート卿」

 

 

アルバスはリンネの手を取り、優しく口づけをした。

 

 

「もう良いですよ〜だ。私は...ご主人様が浮気なんてしないって信じてますから!」

「そうだアルバス。お前の父親の事だが」

「人の話ガン無視?!」

「あぁ、彼は貴女様が何か目立つような事をなさなければ、手を出して来る事はありません。ただ、少なからず警戒しているのは確かです。お気をつけください」

 

 

彼はそう言うと微笑む。

普通の女子ならこの時点で、変な効果音を立ててベッドに倒れるモノだが、リンネはプイッと顔を背けると睨んだ。

 

 

「お気をつけください? この私に対して、よくそんな事が言えたモノだな、アルバス」

「いえ...私は、貴女様がポッターなんぞに負けないと存じております。しかし、バックにはダンブルドアや魔法省がおります。もし変に動けば、適当な理由をつけられて『逮捕』となるやもしれません」

「なるほど...」

 

 

リンネは不敵にニヤリと笑った。

 

 

「私は、貴様のそういう気の強い所が好きだぞ、アルバス」

「ッ! 大変嬉しゅう存じます!」

「あ、今流行のツンデレですか、ご主人様!」

「一体、イギリスの流行はどうなっている...」

 

 

ナルは、リンネがアルバスに取られている事が気に喰わないらしく、急いで話題を反らそうとしてきた。

ただ、リンネは3歩歩いたくらいで忘れる人間ではないので、気を反らせるのは一時だけだった。

 

 

「フン、まぁ良い。アルバス、貴様はそのグリフィンドールの情報を集めろ。交友関係から好きなモノなど、何でも可だ」

「かしこまりました、ご主人様」

 

 

一礼すると、アルバスは再び姿を消した。

 

 

「アティナ・グリフィンドールは、私は悪い人間ではないと思います」

「それは当たり前だ。あくまでも、グリフィンドールの末裔なのだからな」

「違いますご主人様」

 

 

ナルは優しく微笑んだ。

 

 

「我々にとって悪い人間ではないのです」

 

 

 




リンネがナルに愛されすぎる件について。
やー、ナル良いね、理想の男子像?知らねっ

更新ペース?
今新作も書いてるんで遅くなるカモですね。
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