Nightmore named the blood relative 〜新たな「闇の帝王」となった少女〜   作:カドナ・ポッタリアン

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第十五 彼よりも、彼女よりも

 

 

 

 

 

「闇の魔法使い」とは、禁断の果実に手を出し、その恐ろしさと深さと力に魅入られた者達の事である。

彼等はかつて、「闇の帝王」であるヴォルデモート卿・某トム・マールヴォロ・リドルに仕えていた。

 

彼等は、脅されて闇の陣営に加わった者や自ら進んで加わった者など、様々だ。

ヴォルデモート卿は「闇の魔術」の使い手であり、世界最強の魔法使いだと謡われた。

しかし、彼は死んだ。

かの英雄、ハリー・ポッターの手によって。

 

他の生徒からすれば、その選ばれし者が同じ屋根の下で寝泊まりしていると考えるだけでワクワクするモノだが、リンネの信者や彼女自身だけは、其れを深いに思っていた。

 

英雄が何だ。

正義が何だ。

リンネが信じるモノ、其れは自分自身のみ。その他はただの下僕にすぎない。

 

まずは魔力から。

今の状態でも強力だが、先代の帝王にはまだ少し届いていない。しかし、もう少しで越す事が出来る。

 

 

「『闇の帝王』は、この私だ。その他の誰でもない...この私」

 

 

ベッドの中、胸に顔を埋めて来るナルを引きはがしながらもつぶやくリンネ。

 

 

「魔法界は...純血族のモノ...マグルや穢れた血は全て消し去る...魔法界は...私のモノ...」

 

 

何時の間にか、リンネはナルに抱きつかれながら眠りに落ちていた。

寝言なのか、「魔法界は私のモノ...」とつぶやき続けていた。

 

 

「ホント、可愛いですね...」

 

**

 

「闇の魔術」とは、主に人を傷つけたり、殺したり、痛めつけたりする邪悪な呪文や術の事。

「死喰い人」やスリザリン出身の者がよく使用している術だ。

 

さて、グリフィンドール寮の談話室。

パチパチと暖炉の炎が燃え盛り、その近くのゆったりとしたイスには、アティナ・グリフィンドールは一人で腰掛けていた。

 

 

「何で...あの子がサラザール・スリザリンの末裔なのよ....」

 

 

彼女は、リンネの組み分けをキチンと記憶に残していた。

他の生徒の間では、「組み分け帽子を怒鳴らせちゃったぜピース☆騒動」は一時期話題になっていたが、もう皆の頭の中は期末試験の事しかなかった。

 

 

「何で...私がグリフィンドールの末裔なのよ...あの子じゃなくて...!!」

 

 

アティナは泣いていた。何時もそうだった。

両親を亡くし、婚約者にも捨てられ、残されたのは遺産と「グリフィンドールの末裔」という肩書きだけ。

 

馬鹿みたいだった。

みんなに認めてもらいたくて、必死に勉強した。

好かれたくて、必死に自分を磨いた。

 

でも全てが無駄だった。

リンネは、自分の持っていないモノを持っていた。

リンネは、自分の欲しいモノを持っていた。たくさん、たくさんーー

 

羨ましかった。

頭脳も美貌も人望も魔法力も...ナルも。

 

アティナは分かっていた。

自分が彼女よりも劣っている事くらい。彼女が自分より優っている事くらい。

 

そして知っていた。

彼女が自分と同じく、孤児だという事くらい。

 

 

「どうせなら、逆が良かったなぁ...立場」

 

 

アティナはボソッとつぶやいた。

「例のあの人」の親戚だという事も知っていた。

アティナは、もし自分がリンネ・ゴーント其の人であったら、立場など考えずに好きに生きるのに...と思っていた。

 

 

「彼女よりも強くなりたい。彼女よりも美しくなりたい」

 

 

じゃあどうすれば良いの?

 

 

「彼女から奪う? それとも...彼女と一緒にいる?」

 

**

 

ヴォルデモート卿は、恐ろしくも尊敬する存在。彼等(・・)の見解はそうだった。

あの人の真っ赤な目で見られる度に、地上で最も忌まわしいとされる彼等は震え上がるのだった。

目は全くもって見えないというのに。感じる事が出来るのだ。あの方を恐ろしさをーー

 

ヴォルデモートは死に、彼等は再び魔法省の監視下に置かれた。

だがかれらは、自分達の本当の「主人」が誰かを理解していた。

 

 

「ホグワーツを守れ。『闇の魔法使い』から」

 

 

彼等はそう命じられた。

ホグワーツは34年前に一度守った事がある。大量殺人鬼「シリウス・ブラック」からだ。

あの狂気の犯罪者は一度彼等の手で捕まえたが、何者かによって逃してしまったのだ。

あの時の怒りは何たるモノか。ホグワーツにはあまり行きたくなかった。

 

再びホグワーツへと派遣され、彼等は決して失敗しまいと誓っていた。

 

通常通り、彼等の仕事ーーホグワーツの護衛に努めていた。

しかし、其れを無謀にも邪魔しようとしていた者達がいた。スリザリンの一年生だ。

彼等は石を投げつけられ、相当なお怒りのようだった。

 

彼等は、謝罪などは一切受け付けない冷酷な生き物。

石を投げつけるだなんて、狂気の沙汰であり、自殺行為だ。

 

彼等は其の一年生に向かって滑り降り、「吸魂鬼の接吻(ディメンターのキス)」が今にも実行されようとしていた。

だが其の時、冷たい声が湖に響き渡った。

 

 

「止めろ、『吸魂鬼』」

 

 

途端に彼等の怒りの矛先は声の持ち主に向いた。

だが、彼等は声の持ち主を感知すると、低い超音波のような声で話し始めた。

 

 

『まさか...そんな、ハズは!』

 

 

声の持ち主である少女は、死んだはずの「我が君」ーーヴォルデモート卿と同じ、瞳と感情を持っていた。

脳裏には、真っ赤な瞳を持った美しい少女の姿が浮かんだ。其の姿は何故か、ヴォルデモート卿と重なった。

 

 

「私はサラザール・スリザリンの末裔。リンネ・ゴーントだ」

 

 

運命かと彼等は感じた。

死んだはずの我が君と等しい存在が、今此処に存在している。

 

 

『末裔?!』

 

 

という事は、あの方のご親戚という事になる。彼等は空中で跪いた。

 

 

『失礼をいたしました、我が君』

「彼奴等には、私が直々に言っておく」

『我が君、何かあれば、すぐに我々吸魂鬼め等をお呼びください。すぐにお手伝いいたします』

 

 

何て慈悲深いお方なのだ。

さて、仲間達に伝えよう。

 

 

 

 

ーーーヴォルデモート卿の復活を。




今回は、アティナと吸魂鬼の視点でお送りしました。

さぁって、来週のリンネさんは?
どうも、ナルです。近頃、ご主人様が寝ている間に胸に顔を埋めるのが趣味になってきました。ご主人様はホントに可愛くて可憐で綺麗で残酷でーーホントに素敵な方なんです。

来週のリンネさんは、「吹き荒ぶ者」。

来週もまた見てくださいね!
じゃんけんポーーあ、はい。すみませんorz

さっき見たんです「サ◯エさん」
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