Nightmore named the blood relative 〜新たな「闇の帝王」となった少女〜 作:カドナ・ポッタリアン
「そうだミス・ゴーント。この学校に、『生徒会』という制度があるのはご存知ですか?」
ホウキに乗り、滑らかな髪を揺らしながら、インク空を漂っていた。ラメのような星は、漆黒にぶちまけられていた。しかし、リンネの髪は何よりも黒く、何よりも深い闇に飲まれていた。
「生徒会...?」
「えぇ」
リレット教授は小さく息を漏らす。
「本当、ユニークな人がたくさん。聞きたいですか?」
リンネが頷くと、地面に降り、近くのベンチに座った。辺りは、壁に備え付けられた魔法の松明で照らされていた。
「生徒会は、『ホグワーツ特別委員会(HSC)』とも呼ばれています。約10年前に設立されたモノで、生徒会長もいるのですが...それは毎年選抜されています」
双方、お腹が空いてきた。肌寒いこの季節、いくらローブで暖かい格好をしているリンネでも、流石に寒気がした。
「生徒会は、学校行事やイジメ撲滅、学校の予算などを管理しています」
「面白い制度ですね」
「えぇ、面白い...」
リレット教授は空を見上げる。数多の星々と月。天文学にはピッタリの夜だ。
「そうそう、ホグワーツには『闇の魔法使い』や魔フィアの関係者も入学してくるんです。そういう危険な人物には、生徒会からの”監視”がつきます。勿論、ルーク・シンシアにも、所謂『監視持ち(MR)』なんですよ。気をつけて」
彼女は立ち上がってリンネを見ると、首をかしげてニコッと笑った。
「実は私、ミス・ゴーントの事、勝手ながら生徒会に推薦させていただきました。やる気なあるのなら、入ってみてはどうでしょうか?」
*
魔フィアや生徒会など、魔法界や学校はヴォルデモートが消えてから様々な変化が巻き起こった。新たな悪の勢力、新たな制度、新たな法律ーー
闇祓いは勿論の事、魔法省も大きく変わった。腐った純血主義政治ではなく、平等な民主主義となったのだ。しかし、リンネはそれに関わる気は皆無であった。
「生徒会ですか...もしかして、我が君はなさるおつもりでしょうか?」
真夜中の談話室、リンネは『魔法史』の教科書を読んでいた。近くにはオールとナインがおり、ナルは暖炉の前でニコニコしていた。私が漏れ聴こえないように、周囲に「防音呪文」をかけている。
「それは有り得ない。私は公の場に出たいワケではない。目立つ行為はしないつもりだ。そこで、貴様等に命令だ」
「「はい! なんでもどうぞ!!」」
オールとナインは、初めて頼られている気がして嬉しくて、声を揃えて返事をした。
「では...私の代わりに生徒会に入れ」
「「...へ?」」
「私はさっきも言ったが人前に出るつもりはない。お前等も推薦されているらしいな。私の指示に従いながら、役員として動け」
「「了解です!」」
敬礼をする二卵性双生児と、うるさいと睨むリンネ。ナルは相も変わらず、包み込むような暖かさを感じる炎の前で体育座りをしている。
「ナル、貴様は何をしている」
「あー、暖かいんですよ〜」
ナルは満面の笑みで言う。
「勝手にしておけ。私は先に寝室に行くぞ」
とリンネが吐き捨てるように言うと、彼は不機嫌そうに頬を膨らませ、もっと構ってくれても良いじゃないですか...とぼやくが、既にリンネの聴覚は遮断されていた。
*
学校とは、秩序が守られてこそである。ヴォルデモート卿が滅び、再びホグワーツはカゴの外へ飛び出した鳥となったワケだったが、そこで一つの問題が起きた。
「イジメ」という問題がで始めたのだ。まるで日本のような事だが、ホグワーツでもあったのだ。「死喰い人」の子供や「許されざる呪文」を率先して使っていた人間をリーダーとしたーーまたはターゲットとしたイジメだ。勿論「許されざる呪文」は法律で禁じられているが、バレなければ問題ない。
その為、生徒会には新たな制度「イジメ撲滅」が追加された。パトロールを行い、イジメを発見し、証拠さえ掴めればその生徒は退校処分となる。
そのおかげか、イジメはめっきりと無くなった。
しかし、33年前のホグワーツ、通称「UI年」。
詳しい事を知っている生徒は少ないが、かなり酷かった事と概要は分かっている。
33年前、ホグワーツに魔法省が干渉してきた。そしてホグワーツには、ドローレス・アンブリッチというカエルっぽい役人がやってきた。それだけでは飽き足らず、ホグワーツに理不尽な校則を作り、生徒達は絞め上げた。
その時に用意されたのは、アンブリッチの「尋問官親衛隊」。それらは自らの権力を奮い、他の人間をクズ扱いしていた。その時を、「Umbridge(アンブリッチ)」「Inquisitorial Squad(尋問官親衛隊)」、二つの頭文字をとって「UI年」と呼ばれる。
今まで生徒会の人間が権力を盾にした事はなかったが、やはり好ましくないのは当然だ。
「はい、我ら生徒会の合言葉は?」
『権力を盾にするな!!』
「そのとお〜り!」
ホグワーツ城に特設された「生徒会専用」の部屋、通常の教室の三倍はあり、白い石の綺麗な床や壁で一番奥にはホワイトボード。手前には大きな会議用のツクエとたくさんのイスがある。
現在そこには生徒会役員が着席し、手元には数枚の動く写真が置かれている。
「まぁ、合言葉はあまり関係ないのだが、今日は『監視持ち(MR)』についての報告をしてもらおう!」
ホワイトボードの一番近く、つまりドアから一番遠いところだ。そこで、制服を着た6年の男子生徒がツクエに片手を置き、息を切らしていた。
「はい! 会長!!」
すると、会長の近くに座っていた可愛らしい赤毛おさげの少女が立ち上がった。
「まずはルーク・シンシア様! あの人は『フラッド』の次期リーダーなのですが、今の所は普通の生徒と何ら変わりありません。しかし、先日の朝食時ーー」
「そこは! この超天才最強魔学者であり邪神ルシファーの生まれ変わりであるこの俺様が! 説明してやろうではないかあ!!」
『あー、はいはいはい...』
頭に黒い冠を被った、目つきの悪い金髪少年が立ち上がった。途端に生徒会室はため息で満たされる。
「ハーッハッハッハ! 俺様こそが、世界を恐怖に陥れる伝説の英雄、サイエント・リンゴンーー」
「お前はいつもこうだな! リンゴ野郎!」
金髪少年サイエントは、隣の不機嫌そうな中性的な女子に頭を殴られた。
「サイエントの代わりに、私が説明します。先日、ルーク・シンシアは、我々がマークしている一人であり、『例のあの人』の唯一の血縁者であり、サラザール・スリザリンの末裔であるリンネ・ゴーントに接触しました。『ずっと会いたかった』と彼は言っていたそうです」
「ウ〜ン、あの二人が絡むと面倒くさそうだなぁ。まぁ、そろそろリンネ・ゴーントのマークは無くしていいかもしれないな」
会長は深いため息をついた。残念な事ながら、生徒会は成績には影響しない。ある種の「ボランティア」なのだ。会長にとっては、時間の浪費でしかない。
「はい、もう終わりで良いね。俺は愛しのアヤちゅわんと仲良しデートなんだ」
「最初のテンションは一体何処へ...」
「っつうか、アヤちゅわんって誰?」
委員達は、会長の自由っぷりにほとほと呆れ返るしかなかった。
更新遅れて申し訳ないです。
あぁ、生徒会かぁ、中学生の時の私は何考えていたんだか。しかし、改変はしてますんで。
今は「ヴォルデモートに死ぬほど愛されています、誰でも良いので助けてください」の続編を書いています。あー、勉強大変だなぁ〜
しかぁし! 私の脳の方程式は、「ハリポタ>>>>>>>>>>執筆>>勉強>読書」ですからね! 仕方ないんだ!
そういえばだけど、ハリポタの依存性って、「ニコチン」と同じくらいって聞いた事ある。嗚呼、事実ですね。はい、ハリポタ中毒者! 挙手!!