Nightmore named the blood relative 〜新たな「闇の帝王」となった少女〜   作:カドナ・ポッタリアン

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第二十 魔法陣

 

 

 

 

 

 いつまで経っても雨は止まない。冷たい塊が空から鞭打ってきて、生徒達を「風邪」へと陥れた。折角秋から冬への移行時期だというのに、月も見えない星も見えない。空は灰色だった。

 だがそんな中、ジメジメした生徒達に救いの光が差し伸べられた。寮対抗「クィディッチ」試合だ。「クィディッチ」とは、1チーム7人の選手が箒に乗り、4個のボールを6つのゴールを使って競技する、魔法界で人気No.1のスポーツだ。

 各寮に1チームずつあり、それぞれ試合が行われる。その時の得点は寮に加算され、無事勝利を収めればその年で一番優秀な寮としてトロフィーが飾れるのだ。

 リンネは、クロート教授にスリザリンチームに誘われてはいたが、興味も関心も皆無なので無言で突き返した。

 

 

「え、嫌なんですか? 折角シーカーになってもらおうと思ったのに...」

 

 

「クィディッチ」はそれぞれに役割があり、ゴールを守るキーパーが一人。

 クアッフルという相手のゴールに入れるボールを扱うチェイサーが三人。

 ブラッジャーという選手に襲いかかる二個の暴れ玉を棍棒で叩きつけるのが、ビーター二人。

 そして「クィディッチ」で一番重要な役割ーーそれはシーカーだ。金色の小さな素早いボール「スニッチ」を取るという単純なモノだが、そのボールが触れた途端全てが決まるのだ。チームには150点が加算され、試合が終わる。

 

 

「私はスポーツよりも、勉学を優先させたいのです」

 

 

 リンネは微笑みながらも、心の中ではかなりイラついていた。クロート教授がムスッとした表情で談話室から出て行くと、ナル言った。

 

 

「私、ご主人様の飛んでいる所見たいです」

「飛ぶ所は、授業で嫌という程みているはずだが」

 

 *

 

 今日は、大雨で雷が鳴っているにも関わらず、スリザリンVSグリフィンドールの試合が行われる。因縁のライバル対決。各寮のキャプテンは、今年で卒業なのだ。双方何をやっても優勝杯を手に取りたいのは当たり前だ。

 皆、顔に寮のシンボルや旗を描き、全身寮フルカラーで興奮していたようだった。しかしリンネは他の生徒とは違って、ずぶ濡れになってまで試合を見ようとは思わなかった。

 

 

「ご主人様、試合見たいです」

 

 

 ナルはオールやナインと一緒に、「クィディッチ」競技場に行く気でいた。

 

 

「じゃあ、行けば」

「でも私はご主人様と一緒に行きたいんですぅ」

「じゃあ、行くな」

「でも行きたいんでーす」

 

 

 彼はリンネの腕にしがみつき、頰を擦り付ける。オールとナインは呆れたように苦笑を浮かべている。

 

 

「なら行け。これは命令だ、下僕」

「うわ、都合のいい時だけ下僕扱い。...ま、本望ですが」

 

 

 リンネは少し、やりたい事があった。「クィディッチ」の試合の時、教員から生徒まで皆が競技場へ行く。残る者は一人として普通はいない。よほど勉強に追い込まれている奴だとしたら、完全に部屋に引きこもっているはずだ。

 

 

「じゃあ、命令らしいのでいきますー」

 

 

 ナルは不機嫌そうな顔だったが、リンネは気にせずに本を開いた。

 

 *

 

 ずっと自主レポートを書いていたリンネだが、途中で耳障りな音が飛び込んできた。競技場からの歓声だ。よく耳を澄ますと、地下だというのに実況者の声も聞こえて来る。

 

 

「さて、もう良いだろう」

 

 

 本をしまい、リンネは立ち上がった。そして冷たい湖の下の談話室から出て、地上へ続く階段を上った。向かう場所などない。ただ、淡々と歩くだけだ。

 ホグワーツは不可思議な場所だ。実に不可思議。古よりかけられてきた魔法の数々、それらは計り知れない。この場所は、魔法で満ち溢れている。神秘で満ち溢れているのだ。きっと、想像以上のモノが眠っているに違いない。

 

 

「とは言っても、何処に向かうべきか」

 

 

 リンネはふと足を止め、考える。何となくと図書館の前まできてしまったが、知識欲大の宿命なのだろう。意味がないと悟り、その場と立ち去ろうと踵を返したが、すぐに図書館の中から物音が聞こえてきた。

 まるで、何かを破壊するような、重いモノが高い所から滝のように落ちてくるような、そんな音だった。これは関わってはいけない気がして、リンネは速急に立ち去った。

 

 *

 

 何も考えずに歩いていると、八階にまで来てしまった。階段は上がった記憶は皆無なのだが、まぁ良いやと一先ず歩き回ってみる事にした。

 自然と足が向いたその先には、大きな黒い扉。こんなモノ、今日初めて見た。彼女は好奇心に負け、その扉を開けた。

 中は何もなかった。あかりもないのに、薄暗く照らし出されていた。おまけに先が見えないほど広く、暖かかった。カツン、というリンネの冷たい足音が、広い部屋に木霊する。床には、大きな魔法陣が描かれていた。

 リンネはしゃがみこみ、赤黒い陣に触れた。複雑な魔法字や古代文字が描かれ、何かペンやインクではなく、元々の床の模様のようだった。

 

 

「これは...」

「アハ、もう...何もないようにして、早めに出て行ってくれるかと思ったのですがねぇ...」

 

 

 後ろで声がした。反射的に振り返ると、そこには死喰い人のような真っ黒なローブを着たルークがいた。片手にはドクロ、頰には血がついていた。

 

 

「貴女が来た所為で、儀式を中断せざるを得なくなりましたよ」

「儀式?」

「...ハァ」

 

 

 ルークはやれやれとため息をつき、魔法陣を指差した。

 

 

「『悪魔召喚』の魔法陣です。私がドラゴンの血を使って描きました。...しかしながら、使い捨てなのでね。もう召喚続行は不可能です。いや、責めてはいませんよ? でもこの事、誰にも言わないでくださいね?」

 

 

 優しく微笑むその裏には、悪魔が潜んでいたのだった。




投稿遅れて申し訳ないです。
この間リンネと喫茶店で話していたんだ。そしたらね...

リンネ「...カドナ、貴様は物語をノートに書いているのだろう? それなのに何故速筆しない」
カドナ「いやだって、パソコンに考えて打つのと、ノートのを写すの、何方が楽だと思う? 確実に前者だから」
リンネ「そんなのだから、誤字脱字も減らずにネタも中々思いつかないのだ。楽して何でも出来ると思うな」
カドナ「リンネちゃんは、ナルに『下僕』と言えば何でもしてもらえるよね」
リンネ「否定はしない」

こんな話したんだよ。どうやらリンネかぼちゃジュース嫌いらしいね。あげたら無言で突き返されて、私のホットコーヒー(ブラック)を取られたよ。まぁ正直、私もあまり好きじゃないです。だから差し上げたのですが。さっきみたいな会話してたら、「特大メガ餡蜜がけ小豆抹茶かき氷」を運んできた店員さんに、訝し気な目で見られたんだ。その後懐が寒くなったわけだがーー
もう寒いですね。私はこの時期になると、鼻が詰まって寝ている間に口呼吸になって喉が枯れてしまう系女子ですので、風邪なのか見分けがつかんのじゃ。しかもこの頃気管支炎が再発してきた...よし、聖マンゴ行こう。それかマダム・ポンフリーに治してもらおう。

今更感抜群ですが、リンネが足を踏み入れた所は「必要の部屋」です。
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