Nightmore named the blood relative 〜新たな「闇の帝王」となった少女〜 作:カドナ・ポッタリアン
それからしばらくして、第一の課題が差し迫った。聞いた話だと、トーナメントで八百長や不正は茶飯事らしい。勿論、誰の手助けも受けてはならないという言葉を、リンネは忠実に守っていた。先に謎が解けてしまったら、楽しくない。
スリザリン生達は独自の網で、第一の課題が何なのかを掴んでいたようだったが、リンネはそれを決して聞かなかった。
スキーターの書いた新聞の影響で、闇の世界は騒然とした。悪の血筋とも言える「ゴーント」がまだ残っているというのだ。リンネの存在を知らない者達にとっては、それは恐ろしくもあり、願ってもないチャンスでもあった。
ーー「闇の帝王」の復活ーー
この言葉が、純血主義者達の脳裏を過ぎった。魔法省とハリー・ポッターの影響により、純血思想はかなり薄められた。しかし、それを根強く持つ者達は三十年経った今でも、数多く存在しているのだ。
ただ声に出さないだけで、闇の世界は歓喜に満ちていた。
歴史さえ辿れば、リンネ・ゴーントがサラザール・スリザリンの末裔であり、ヴォルデモート卿の血縁者である事は分かるのだ。しかし、誰もそれを実行しようとはしなかった。恐怖だけが心に募り、知る者達の口さえも塞いだ。
生徒達の胸元には、「リンネ・ゴーントを応援しよう」バッチが輝いていた。ただ反スリザリン派の生徒達は、それを見るや否や金切り声を上げて窓から飛び出そうとしていた。
その様子を見たマクゴナガルは、やはり不信感を覚えた。年齢制限がなかったかのように扱われ、蔑まれさえもしないリンネが、普通の人間とは思えなかった。平凡であり非凡な英雄は、あんなにも敵視されていたのに、赤く黒い少女はそんな気配さえないのだ。
対して謹慎中のハリー・ポッターは、新聞を持つ友人達の話さえ耳に入る事はなかった。
リンネは、一人ベッドの上で自分の杖を磨きながら考えた。
第一の課題が何なのか。どんな相手だろうが課題だろうが、リンネは誰にも負けるつもりはなかった。壁があれば、壊せば良い。
すると、ナルが足に巻きついてきた。
『ご主人様、大丈夫ですか?』
『どういう意味だ?』
『思いつめているご様子でしたから』
別に思いつめてなどいない。ただ、考え事をしていただけだ。
ナルはリンネの思考を読み取ったかのように、的確な言葉を口にする。
『考えるだけ時間の無駄ですよ。今は、私と遊んでくれれば良いんです』
『お前と遊ぶ方が、ずっと時間の無駄だと思うが。…確かに、考えてもどうにもならない。何も分からないままの方が、スリルがあって面白いしな』
リンネは小さく笑う。そして、磨き上げられた美しい杖を掲げ、先から緑色の火花を迸らせた。
『…闇の魔術を使うおつもりなのですか?』
『場合によっては、だがな。しかし、私の立場は保たなければならない。非凡な麗しい一生徒の技を、とくとご覧あれ』
『頑張って下さいね。私も人間にしてくれたら、お手伝いできたのに…』
『あの魔法、どれだけ疲れると思っている。少なくとも、丸一日は熟睡できるぞ』
一年生の時に容易く扱ったあの魔法は、実際はとても難しく、多くの魔法力と体力を奪われる。リンネは口にさえ出さなかったが、まだ幼かった彼女にとって、あの負担は一週間意識を奪われても仕方のないほどだったのだ。クロートがそんな魔法を彼女に教えた理由は分からない。マクゴナガルにどうやって許可を取ったのかも分からない。ただ、彼が只者ではない事は確かだった。
『ご主人様、お客様のようです』
ナルがそう言った途端、部屋の戸が叩かれた。リンネが立ち上がってドアを開けると、そこにはバグマン女史が立っていた。まさか彼女だとは思っていなかったので、リンネは驚いてしまった。バグマン女史は優しく笑うと、こんな事を言いだした。
「実は私はグリフィンドールだったんだけど…合言葉が『スキーター死すべし』になのは驚いたわね」
「どうかされたのでしょうか? 課題の事で?」
「そうそう。…ちょっと部屋に入っても良いかしら?」
「…どうぞ」
リンネは不信感を覚えながらも、バグマン女史を部屋に招き入れた。部屋には、特にやましいモノもないし、散らかってもいないので、すんなり入れる事が出来た。バグマン女史は笑顔でズカズカと部屋に踏み込んできた。
「へぇ、やっぱホグワーツの部屋は懐かしいなぁ…ん、一人部屋?」
「えぇ。そうなんですよ。…バグマンさん、どうされましたか?」
「いやいや、少しミス・ゴーントの様子が気になっただけよ。どんな風に、課題に備えているかの確認とか」
バグマン女史はそう言うと、ベッドの上の蛇を見てたじろいだ。
「おっと…蛇ね。…ホグワーツって、蛇持ち込んでも良いんだっけ?」
「持ち込んじゃいけないとも書かれていませんし、咎められた事もありませんから平気ですよ」
「…ミス・ゴーント、第一の課題が何か、聞いているかしら?」
笑顔だった女史の表情が一変し、切羽詰まったように見えた。リンネは首を横に振る。「開心術」を使っても良いが、それでは知りたくない多くの情報が頭に流れ込んできそうだったので、止めた。
「トーナメントでカンニングは当たり前。寧ろしない方がおかしい。でも、ミス・ゴーントは誰からも情報を受け取っていない。どうしてかしら? スリザリン生達が四苦八苦して手に入れた、喉から手が出るほどほしいはずの情報なのに」
魔法省の役人がこんな事を言って良いのだろうかと、リンネは顔をしかめる。しかし、さも当たり前のように彼女は答えた。
「問題を知った状態でテストに挑んでも、何の楽しみもありませんよ。『
私はこの大イベントを、心ゆくまで楽しみたいんです。だから、気にしないでください」
リンネが笑顔で言うが、それでも女史は引かない。
「でもねミス・ゴーント、この試合は生半可な覚悟で挑めるモノじゃないのよ。貴女はゲーム感覚で挑んでいるようだわ。もしかしたら、死んでしまうかもしれない」
「私を甘く見ないでくださいバグマンさん。熟練の魔法使い達が待機しているなら、もしもの事態は避けられますし…ホグワーツの代表選手は、私です。どうか、楽しみにしていてください」
リンネ「さぁカドナ、説明しろ。何故昨晩は更新がなかった」
カドナ「風邪で寝込んでましたー! 37.8でしたー!(^ω^)」
リンネ「だから今日は短いのか。インフルエンザではないのか?」
カドナ「もう熱引いたから平気。急に気温が上がったから体調崩しただけだと思うよ」
リンネ「読者諸君も、風邪ともどもインフルエンザにも気をつけろ。もう花粉も多く飛んでいるしな。マスクを忘れないように」
カドナ「まさかのツンデレはt「アバダケダブラ!!」