Nightmore named the blood relative 〜新たな「闇の帝王」となった少女〜   作:カドナ・ポッタリアン

49 / 52
第四十九 気づいて

 

 

 

 第二の課題の得点は、リンネ・ゴーントが五十点満点。

 あの後、クリスト、レノアの順番にそれぞれ魔法生物を捕らえて戻って来た。海蛇は相変わらず湖の上に浮いたままで、放置。二人が戻って来た頃には、リンネは椅子に座ってホットココアを飲んでいた。教師陣に質問攻めにされながら。

 

 第三の課題は、後日発表されるらしい。

 クィディッチ競技場が立ち入り禁止になっているから、きっとそこで何かしら行われるのだろう。特に内容を知る必要もないので、リンネは残り少ない一年をのんびり過ごす計画を立てる。のんびりと言っても魔法の訓練をする程度だが。

 

「ヴォルデモート卿、第二の課題の際、どのような魔法をお使いになられたんですか?」

「あぁ、あれか」

 

 湖の畔で散歩をしていると、オールが話しかけてきた。ナインも以前は一緒に行動していたが、今は生徒会への媚売りと情報収集で忙しくあまり顔を見せない。地味子も見ないな。

 リンネはあの日教師陣にしたものと同じ言葉で答え、オールを唸らせる。

 

「あまりよく分かりませんね。まず、『千里眼呪文』って何ですか?」

「少し専門的な魔法だ。自身に魔法をかけ、瞳を閉じる事によって好きな場所を見る事が出来る。範囲は術者の力量によって異なるが、私だったらこの場所から、湖の端辺りまで見れる。ただ、体力と魔力の消耗が激しい、あまり勧めないぞ」

 

 そもそも、普通の魔法使いがこの魔法を使えるはずがない。ユージュでさえも扱いの困難な魔法なのだ。

 

「いつもながら思うのですが、一体貴女様は何者なのですか? まだ未成年ながらも闇の魔術を使いこなし、聞いた事もないような魔法をいとも簡単に扱うなんて…」

「私はリンネ・ゴーント。それ以上でもそれ以下でもない、闇の帝王の意志を継ぐ者だ」

「...貴女様らしいです」

 

 何となく寂しそうな表情を湖に向け、リンネはふと立ち止まった。

 闇の帝王の意思...純血一族による完全なる支配。彼女に明確な野望があるわけではない。マグルも純血も、正直どうでも良い。どれ程魔法界にマグルがのさばろうとも...彼女には関係ない。

 ただ、彼の成し遂げられなかった偉業を自らが完結させる。世界最強の闇の魔法使いと呼ばれた彼の名を継ぐ事で、彼をも超える。

 

 ハリー・ポッターは衰えた。もう邪魔をする者はいない。

 魔法界がいくら博愛主義に呑まれようとも、純血思想を持っている者はまだ多い。名家であっても、ハリー・ポッターにより社会的地位を失った死喰い人であっても、まだ心は白に染められていないはず。

 

「マグルなんざ魔法界には必要ない。我々純血だけで十分だ」

「粛清対象は大勢...これから、忙しくなりそうですね」

 

 *

 

「『第五十七回、チキチキ、リンネ様のご機嫌を取ろう大会』! 始まり始まり〜!」

『うぇーい!』

「...一体何の馬鹿騒ぎだ」

 

 寮へ戻ってみれば、あまり彩りのない談話室が飾り立てられ、いつも物静かなスリザリン生達がナインの言葉に乗ってはしゃいでいた。スリザリンらしさの欠片もない言動に、少々呆れも覚えるが、皆リンネの活躍が嬉しいのだろう。楽しそうに笑っている。

 さて、ナイン率いるスリザリン軍団は、リンネが寮に入ってきた事にも気付かず話を進める。

 

「ルールは簡単だ。そろそろ戻って来るであろうリンネ様から、お祝いの気持ちも込めてご機嫌を取るんだ。リンネ様の表情が動けばポイントだ。判定はこの俺、ナイン・ダウントとォ!」

「この私、ナルがさせていただきまァすッ!」

 

 二人で決めポーズを取り、ドヤ顔をする馬鹿二人組。って、

 

「何故ナルが勝手に人化している...?!」

「あの呪文をこの寮の人間がかけれるとは思わないのですが」

 

 まだ気付かれていないリンネとオールの二人組。スリザリンの熱狂ぶりが凄すぎてどうにも近寄りづらい状況だ。火傷しそう。

 まさかこの馬鹿騒ぎにナルまで絡んでいるとは思わず、ついため息が漏れてしまう。しかし、こんな雰囲気も悪くない。祝ってくれるのはありがたい事だし、忙しいナインがこうやって盛り立ててくれているのだから。

 

 とりあえず、しばらくこのまま皆の様子を見ている事にした二人組。

 今まさに寮に入ってきたように見せるのも良かったが、気付かれなかった事に少し腹立だしさを覚えたので、寮の暖炉の前で気付かれるまで待つ事にする。

 

「リンネ様、紅茶です」

「あぁ」

 

 ハイテンションな民衆はさておき、二人組はティータイムを始めた。まだ気付かれない。

 

「何か、悲しくなってきました」

「私も好い加減拗ねるぞ。ご機嫌取るとか言いながら...当の本人がやってきても気付かんとは...」

「全くです。...ですが、皆一生懸命、リンネ様のご機嫌を取る方法を考えていますよ。本当に愛されてますね、リンネ様は」

「...そうだな」

 

 




更新遅れてすみません。
何だろう...慢性的なネタ不足?って奴です。トーナメントは終わらせますが、それからの学校生活で何をやらせるかが完全未定です。
厚かましいですが、リクエスト募集します! とりあえず、何かアイデアをください! 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。