Nightmore named the blood relative 〜新たな「闇の帝王」となった少女〜   作:カドナ・ポッタリアン

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第五十一 雑談

 

 

 

「そういえばナル、お前はどうやって人になった? この寮にあの魔法がかけられる人間はいないと思うが」

「あぁ、教授がかけてくれたんです。どうせなら君もはっちゃけようぜ、みたいなノリで」

「あの男...」

 

 菓子やジュースやらを飲み食いして皆で駄弁っている所、リンネは一番気になっていた事を問いた。

 クロート教授は、「変身術」の教授であの魔法を教えてくれた張本人だ。そりゃあ使えるだろう。部屋で留守番をさせていたつもりだったが、どうやら騒ぎ声につられて外に出てしまったらしい。

 別に咎めはしない。いくら蛇でも楽しみたいだろうし、周りがパーティをしているのに部屋で一人だなんて寂しいだろう。

 

「リンネ様、『第三の課題』の目処は立っていますか?」

「目処か...特に計画立てはしていないな」

 

 課題の内容を知っていてもつまらないし、とリンネがつぶやけば、話しかけてきたナインは少し首を傾げる。

 

「本当に宜しいのですか? 確実に優勝するためには、先に内容を知っていた方が良いのでは...」

「私があの愚か者二人に負けるとでも? 馬鹿を申すな」

「申し訳ありません、リンネ様。そのようなつもりではなかったのです」

「まぁ良い。...第三の課題、楽しみだ」

 

 *

 

 ホグワーツには、「黒い湖」と呼ばれる巨大な湖がある。

 水中人や巨大イカ、貴重な薬草も生える不思議な湖だ。噂ではホグワーツ創設者達の私物が沈んでいるだとか、スリザリンの怪物が湖にも眠っているだとか。

 リンネはこの湖が好きだ。人が少なく、春夏秋冬全ての季節を通して美しい。自然は人の心と対をなしている。リンネはその中で過ごすのが心地よいのだ。

 

 しかし、そんな湖には、憎きアルバス・ダンブルドアの墓がある。汚らしい...壊してしまいたい、粉々に。

 そう思っているのは、決してリンネ・ゴーントだけではない。湖に停泊している船の船長もまた、その墓を忌々しく感じるのだ。

 

「あの墓、どうにかならないか? うざったらしくて仕方ないんだ」

「今すぐに破壊してきても良いですよ、兄さん。国際問題に発展しちゃうや」

「君がやってきてよ。ほら、従者じゃん」

「従者の使い方を間違ってるよ...」

 

 ウィスプ兄弟は顔を見合わせて口角を上げる。

 自分の学校の代表選手は、現状では二位。良い方なのだろうが、リンネ・ゴーントと比べるとどうも霞んでしまう。

 

「それにしても、リンネ・ゴーントの呪文は凄かったなぁ...折角湖の中にトラップを仕掛けたのに、全くの無意味になってしまったよ」

「レノア・ブランシャールが激怒してたね」

 

 一応レノア・ブランシャールにリンネ・ゴーントの邪魔をすると約束していた。課題が終わった後、物凄い剣幕で詰め寄られたのを覚えている。

 だが、あれは仕方がない。まさか湖に一歩も足を入れずに課題を成功させるだなんて、規格外も甚だしい。

 流石、というより、おかしい、と思ってしまうほどの魔法の才能。聞く話、彼女は「面白くないから」という理由で課題については全く情報収集を行っていないらしい。

 皆が死に物狂いで挑むこの試合に、彼女はただの遊び(ゲーム)感覚で参加しているのだ。レノア・ブランシャールが嫉妬するのも無理はない。

 

「そうだ、調べてみたかい? リンネ・ゴーントの出生」

「まぁね。けれど、あまり良い情報は入らなかったよ。リンネ・ゴーント、十三歳、孤児。以前住んでいたロンドンの孤児院『グラヴ』は、何者かの引き起こした火事によって消失、現在は魔フィアグループの首領、シンシア家に滞在...後は、純血、闇の帝王の血縁者という事くらい」

「闇の帝王は確か、混血だったな。という事は、娘や孫ではないのか...」

「みたいだね」

 

 リンネ自身も、自らの出生はよく知らない。しかし、スリザリンの直系の者だというのは確かだ。

 

「本人に聞いてみれば?」

「僕が調べても分からなかったのに、本人が知ってるわけないじゃないか。というか、何で人任せなんだよ」

「私はほら...校長の職務が忙しいから」

「ワインを飲んでダラけるのが職務ってんなら、確かに忙しいね。じゃあその仕事、サボっちゃおうか」

 

 そう言うとチェイスは、机の上にあった無数のワインボトルを魔法で消し始めた。慌てて止めるメイツキーだが、火のついて弟はもう止められない。これは泣きすがってでも止めなければならない。アル中のメイツキーにとって、ワインを消されるのは何よりも地獄なのだ。

 

「止めてくれチェイス! 本当、マジで止めて!」

「はッ、じゃあ酒飲んで死ね。そしたら僕が校長職引き継ぐから」

「アルコールはね、体に良いんだよ! 飲んだら頭がボーッとして、テンションが上がるんだ! 楽しいんだ!」

「もはやクスリじゃん! 止めようよもう...」

 

 

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