Nightmore named the blood relative 〜新たな「闇の帝王」となった少女〜 作:カドナ・ポッタリアン
「さて、今夜は皆さん方に、お聞きしたい事があります」
真夜中の校長室。
そこには、ホグワーツの四つの寮の寮監達と、マクゴナガル校長がいた。
校長室にはまだ、アルバス・ダンブルドアの面影が残っていた。
そして、壁には大量の歴代の校長の肖像画が飾られていた。
その中の一つ、一番大きな肖像画の主は、まだ起きていた。
アルバス・ダンブルドアの肖像画だ。
「わしも、早く聞きたいところじゃのう。ヴォルデモート卿の血縁者である、リンネ・ゴーントの学校生活を」
ダンブルドアの肖像画は、先生方を見回した。
「俺的には、彼奴は好きだがな」
自分より目上の人間の前では、一人称が”俺”になるユージュが言う。
すると、グリフィンドールの寮監で「天文学」の教授であるスィック教授がニヤリと笑う。
「それは、アンタだけの問題なんじゃないのか?」
「それならお前は何だ、スィック」
「ふぅ...アンタと同じだよ。彼女とは何かと意見や考えが合うんだ...パートナーも何だかイケメンだしな...あたしもお気に入りだよ...」
スィック教授は、シルバーのショートカットを触ってブツブツとつぶやいた。
ダンブルドアの肖像画が、静かな声で呼びかける。
「ヴォルデモート卿も、かつてはそうやって教師達の信頼を得、多くの者を魅了してきた。しかし、その子は何の罪もない純粋な子供じゃ。彼女がそうであるかそうでないかは分からんが、警戒はするのじゃぞ?」
「はい、先生。...あくまでも噂なのですが、既に吸魂鬼や一部の生徒を仲間にしているそうです」
レイブンクローの寮監、フリットウィック教授が何時ものキーキー声で言った。
「噂、ですか...ちなみに、それは誰から?」
「生徒からです。妙にゴーントの周りに人が集まっているようで...恐らくそれから色々と話が盛り上がっているようなんですよ」
「話が盛り上がっていると言えば、あの組み分けの件でしょうか...」
クロート教授がため息混じりに言った。
早く部屋に戻って、魔法薬を作りたい...という願望が彼の中で渦巻いていた。
「あぁ...そう言えば、組み分け帽子がリンネに何か言ってたよな? アンタ、隣にいたけど聞こえなかったのか?」
「はい、しかし、人の噂も七十五日と言いますか...まだ七日した経っていないのに、その話題などもう聞こえませんよ」
「...まぁ、詳しい事は彼に聞きましょう」
マクゴナガルは、校長室の扉を開けた。
扉の向こうには、黒いローブを着た男が入って来た。ホグズミート駅でハグリットに話しかけていた、あの黒い男だ。
彼は真顔でダンブルドア校長の肖像画の前まで歩くと、先生方と肖像画にお辞儀をした。
「アルバス・ポッターです」
「わしと同じ名じゃな☆」
ダンブルドアの肖像画は、ニコッと笑うとピースサインをした。
だがそれに誰もツッコむ様子はなく、マクゴナガルは淡々と言った。
「彼は、『闇祓い』として、現在ホグワーツの警備、及びリンネ・ゴーントの見張りという役割を果たしてくれています。そして彼は、間違えようもなく、あのハリー・ポッターの息子です」
校長室には、ざわめきが走った。
あのハリー・ポッターの息子が、「闇祓い」としてホグワーツに来ているのだ。
「聞いても良いかしらポッター」
マクゴナガルは話しかけた。
すると、アルバスは頷いて「どうぞ」て言った。
「リンネ・ゴーントについてです。この一週間、様々な彼女に関する噂が経っています。そこで、彼女が何か怪しい動きをしていないか...聞きたいのです」
「...いえ、彼女は至って普通でしたが」
「なるほど、ありがとうポッター。見張りに戻ってください。無理は禁物ですよ」
**
校長室から出たアルバスは、後悔の念に押されていた。
さっき、マクゴナガルに話した事は、全くの嘘だ。
本当は、吸魂鬼とも話していたし、談話室で「蛇語」を発し、皆を怖がらせていたりもした。
だが、彼女の目を思い出した途端、嘘が喉を通って勝手に出て来た。
先生達はそれを信じてくれた。嘘だというのに...。
「おや、そんな暗い顔をして。どうかさなれましたかな?」
アルバスがトボトボと廊下を歩いていると、誰かに声をかけられた。
顔を上げると、目の前には長いカールで派手な帽子を被っている半透明な男が、プカプカと浮いていた。
「あぁ、やぁサー・ニコラス」
彼の名は、ニコラス・ド・ミムジーポーピトン卿。
グリフィンドール寮のゴーストで、皆には「ほとんど首無しニック」と呼ばれている。
「こんばんは、アル。それで、どうなされたんですか? ん?」
「...まぁ、誰にも言わないのなら、教えてくれても良いけど...」
「勿論ですとも。ささ、座って」
ニックは、アルバスを中庭へと誘い、ベンチに座らせた。
柔らかな風が、アルバスの頬を撫でた。
星がキラキラと輝いている。
ニックはアルバスの隣に座った。
「実は、その...僕はある人の為に嘘をついたんだ。それが、どんなにいけない事か分かりきっているというのに...」
「なるほど。その方は、とても大切なお友達なのでしょうか? それとも、アル、貴方が好いている方ですか?」
「後の方だよ」
「ふむ、ちなみにその方はアルの事をどうお思いで?」
「いや、多分彼女は、僕の事を知らないと思うんだ。ずっと、影から見ているだけで...」
「一方的な片思いというわけですか...」
ニックは首をかたむけた。
すると、その首はガタンと外れ、薄皮一枚でどうにかくっ付いている状態となった。
「ちなみにアルは、その方のどのような所がお好きで?」
「何と言うか、一目惚れなんだよね...」
アルバスの言葉に、ニックは首を激しく振った。
外れた首がブランブランと暴れる。
「分かります。私もミス・エネミーに思いを寄せていたモノです。一目惚れで」
「何か、あの子の赤く美しい瞳をジッと見ているだけで、心が支配されるというか...心地よい気分になったんだ。それから、彼女の事が頭から離れなくなって...」
ニックは彼の言葉を聞くと、元々半透明な顔なのに真っ青になった事がハッキリと分かる。
「それはもしや...リンネ・ゴーントの事ですか?!」
「え、そうだけど...」
「...良いですか? これは忠告です。彼女とは関わりは持たない方が良い。身のためだ。ピーブスまでもが彼女の異常性を感じ取っている。ゴーストは皆、彼女の前には姿を現しません。何故か分かりますか?」
「え、君がさっき言ったように...異常性?」
「それもあります、しかしーーあ、マズい...」
アルバスの問いに答えようとしたニックだが、バーンという大きな音が近くで聞こえて来たので、彼は口を噤んだ。
「い、良いですか? 悪い事は言いません。あの子は諦めなさい。きっと、碌な事がない。じゃ、お休みなさいアルバス!」
ニックはそそくさと立ち去った。
アルバスは彼の消えた壁辺りを眺めながら、言葉の意味を考えていた。
今回は、校長達のお喋りでした。
リンネちゃんの正体を知っているのは、寮監達と校長と闇祓いだけですね。
ダンブルドアの肖像画は、マクゴナガル先生やその他の方々の心の拠り所となっています。
さて、人物紹介。
【ライリー・スィック】
天文学の教授。
若干男勝りだが、中々の美人。
決して、病気ってわけじゃない。
【アルバス・ポッター】
ハリー・ポッターの息子。
リンネに一目惚れ。
闇祓いとして、城の警備の指揮とリンネの見張りを担当している。
本作品のキーパーソン。
バレーボール見れなかったなー。
他の小説投稿サイトと掛け持ちしてるんで、忙しいですなー。
アルバスくんは、これからバンバン出て来ると思います。ナルには負けますがな。