オーバーロードと大きな蜘蛛さん   作:粘体スライム狂い

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17話

(なんてこった。シクススやデミウルゴスの一件で薄々と分かっていた事とはいえ、こんなのありなのか?)

 

自身の内面世界に満ちていく神話パワーを感じ、クーゲルシュライバーは外見には出さないものの驚愕していた。

 スキルや魔法を使用していないのにも拘らず、《恐怖を喰らうもの》の効果が発動している。

ユグドラシルではありえない現象だ。

 

(おかしいとは思ってたんだ。シクススやデミウルゴス、それにエンリやネム……いや、ネムは除外か。ともかく、魔法もスキルも使っていないはずなのに神話パワーが増える事があった。

恐怖の精神作用を与えていないはずなのに何故、と不思議に思っていたけどコレでもう確実だろうな)

 

神話パワーが増えるという事は自分が誰かを恐怖させたという事の証明だ。

しかし自分は恐怖を付与する効果をもつ一切の手段を使っていない。

では誰が恐怖を付与されたのだろうか?

非常事態に備えてエントマには何時でも生贄の儀式を行えるよう準備をさせているが、実行せよと命令していない以上闘技場に集められた生贄達が恐怖したわけではない。

それは伝言で既にエントマに確認済みだ。

ならば、答えはもう出たも同然である。

恐怖しているのは散々恐怖を演出し怖がらせてやろうとクーゲルシュライバーが努力した相手、視線の先で脚をガクガクと震わせながら此方を睨んでいるスレイン法国の者達だ。

確かに恐怖を引き出そうと各種アイテム、魔法、特殊技術(スキル)をふんだんに使用して演出をしたが、それらには恐怖を付与するような効果は含まれていない。

ならば彼らが恐怖しているのはクーゲルシュライバーの言動に対してだろう。

それはつまり――

 

――魔法や特殊技術(スキル)を使って恐怖の状態異常にせずとも、会話や行動で相手を恐怖させる事が出来れば《恐怖を喰らうもの》の効果は発動するという事だ。

 

なんて便利なんだ。態々相手を怖がらせる演技をした甲斐があったというものだ。

 仮面越しにも拘らず背後から突き刺さるアインズの困惑するような視線を感じながら、前々からやってみたかったものの、ナザリックのNPCを実験台にするのは流石に可哀想だと思い実行できなかった実験が良い結果を出して終了した事をクーゲルシュライバーは喜んだ。

後で誤解を解く必要があり、その際の心労を考えると高揚した気分も萎むようではあったが。

 

クーゲルシュライバーは心の中で誤解だと訴える。

自身が語ったアブノーマルにも程がある超猟奇的なプレイ内容の数々。

それらは決して自分の趣味ではないのだと。

 

(あれは職場の元闇の組織の構成員だった先輩が教えてくれた内容であって……確かに一回試しに手を出してみたけど、それだってまだ普通の内容だったし全然俺は普通の人だよ!)

 

相手を恐怖させるのに丁度いい話はないものかと思案した時、かつて自分が恐れおののいた経験のある話を思い出して披露したに過ぎない。

裏モノ電脳風俗。

俗にそう呼ばれるそれはユグドラシルでも使用されるニューロンナノインターフェイスがあり、払う金さえあれば誰もが体験できる裏世界の娯楽だ。

DMM-RPGなどの基本法律や電脳法で禁止されている一切の要素が解禁された、人類の持つ欲の全てを叶えることが可能なエンターテイメントである。

人間が想像しうるありとあらゆる欲と快楽を追求できてしまう性質上、常習性、依存性が極めて高い下手な麻薬などよりタチの悪い代物で、社会を崩壊させかねない存在として厳しく取り締まわれている。

しかしその魅力はあまりにも大きく、生み出す利益は天井知らずだ。

当然のようにこれを商売道具とする組織が多く存在していた。

組織だって運営される以上、客に対する配慮は当然なされるので一般人であっても存在さえ知っていれば利用するのは容易い。

絶大な人気に支えられたコンテンツはそのユーザーの欲と想像力によって加速度的に先鋭化し、人間の持つおぞましい闇を高密度化していった。

結果、ソドムとゴモラの住人が発狂し、神が憤死しかねない冒涜的とすら言える異常な世界が形成されてしまった。

先ほどクーゲルシュライバーが語ったのはその片鱗にしか過ぎない。

 

(人類誕生以来、人が抱き続けてきた夢の集大成とか先輩は言ってたけど……あんなものが人類の夢だなんて思いたくないなぁ)

 

 たっち・みーが仕事でそういった組織の一つを摘発したという話を遠まわしに語ってくれた時は、一度手を出した身であるものの素直に称賛したものだ。

あれは流石に存在してはいけないものだろう。

素直にそう思う程に嫌悪と恐怖を抱くからこそ、クーゲルシュライバーはこの話をスレイン法国の者達に聞かせたのだった。

いくら人権がなくて奴隷が当然のように存在している世界の住人と言えど、あの人類の究極の闇と言える所業を行えるとは思えない。

無垢な少女にハードコアな無修正ポルノを見せるような下種な行為ではあったが、期待していた通り効果は抜群だった。

 しかしその結果、友人であるアインズに異常嗜好持ちのように見られるとは予想していなかった。

少し考えれば分かる事ではあるが、いまさら後悔しても遅い。

 

(今は気にしないでおこう。さてと、次の実験は……魔法や特殊技術(スキル)に拠らず自然に発狂した精神は魔法やアイテムで治せるかどうか、だったな。まずは彼らを発狂させなきゃ)

 

つまり、自然に発狂した場合それは混乱状態と見なされるのかどうかの検証だ。

でもどうやれば人間って発狂するんだろう?

やっぱり恐怖や苦痛を与えるのが一番なのかな?

数を増やしていく天使(ザコ)を眺めながらクーゲルシュライバーは次の演技をどうするべきか考えていた。

 

 

 

 

 

 

「総員傾聴!今こそ我ら六大神に仕える者達の、人類の守護を担う陽光聖典の義務を果たすときだ!」

 

ニグンの怒鳴り声に近い、しかし強い意志を感じさせる声に陽光聖典の誰もが訓練されたとおりに意識を向けた。

 

「相手はお前達も分かっている通り強大な邪悪だ!魔神だと想定してしかるべき相手だ!」

 

魔神。

その言葉に歴戦の陽光聖典の隊員であっても身を強張らせる。

魔神、魔神だと?やはり魔神なのか?無理だ、勝てるはずが無い。

誰もが感じていた圧倒的脅威。隊員達はニグンが言ったとおり、自身が知る最も恐ろしい存在である魔神を想起していた。

だがそんなわけはないと、否定続けることで恐怖に屈しようとする心を支えていたのだ。

にもかかわらず、信頼する隊長の口から直々にあれは魔神に匹敵する存在だと言われた隊員達の心に絶望が広がっていく。

 

「だが恐れるな!魔神を倒す手段は、ここにある!」

 

おおっ!

懐を握り締めて放たれたニグンの言葉にどよめきが起こる。

その声には今まで無かった希望が含まれていた。

 

「偉大なる六大神の名を貶める魔神に、神の信徒である我々が屈してはならん!我らが神のため、人類の未来のため!今此処であの邪悪を打ち滅ぼすのだ!汝らの信仰を神に捧げよ!」

 

――これで、多少は恐怖を和らげることは出来たか。

 敵前にも拘らず短く黙祷する部下達を横目に、ニグンは今だ動きを見せない敵に警戒する。

大げさな台詞は萎縮する部下達を鼓舞するためのものだ。

あの存在を相手にするならば、万全の状態で挑まねば勝機はあるまい。

切り札を使うにしてもそれだけで容易に勝てるなどと甘い考えをしてはいけない。

切り札を切った上で部下達を総動員し、より勝利を磐石のものとする。

一切の油断は許されないのだ。

 

あの邪悪を野放しにする事は決して許されない。

なんとしても此処で打ち滅ぼさなければ必ずや法国、ひいては人類に大きな災いを齎すだろう。

 

(最悪の最悪、切り札を切っても打倒することが叶わなければ、奴らのような存在が王国に組している事を本国に伝えねばならん……)

 

今此処で部下の数人を撤退させるべきだろうか?

させるべきだ。戦力の減少は勝率を下げるが、それでもやるべきだ。

ニグンは冷静に思考した結果、そう判断した。

ならばまずは撤退を支援する為に目くらましをする必要がある。

 

「全天使で攻撃を仕掛けろ!撃破されたら即座に再召喚し攻撃に参加させるのだ!」

 

 ニグンの命令に従って総数40体を超える天使がアインズら二人と一体に襲い掛かる。

全方位からの一斉攻撃だったが、ニグン達の姿を覆い隠すようにアインズの前面に多くの天使が配置されるように調整されている。

ニグンはアインズ達の姿が完全に天使達によって見えなくなった事を確認すると、素早く3人の部下に撤退の指示を出した。

どこか安堵するような気配を発しながら、彼らは訓練でも見せたことの無い素晴らしい速度で撤退を開始する。

誰もが本当は怖いのだ。

それはニグンとて例外ではない。

本当であれば逃げ出したかった。

だがそんな弱気を、この場に残る陽光聖典の者達は信仰の力と、自分達こそが人類の守護者であるという自負によって押さえ込んでいる。

そして敢然と邪悪に立ち向かっているのだ。

その姿にニグンは唐突にガゼフの叫んだ言葉を思い出した。

 

『俺は王国戦士長!この国を愛し、守護する者!この国を汚す貴様らに負けるわけにいくかああ!!』

 

あぁ、ガゼフ・ストロノーフよ。一度は愚かと嗤ったお前の気持ちが、今こそよく分かる。

守るべき対象が違うだけでガゼフと自分達にはなんの違いなどないのだとニグンは悟った。

そうだ。我々こそがスレイン法国の切り札たる六色聖典が一つ、陽光聖典。

人類を愛し、その未来を守護する者。人が生きる世界を汚す邪悪に負けるわけにはいかないのだ。

 

中には腐敗した人間もいるだろう。しかし多くの人間はそうではない。

腐敗した王国を守ろうとする哀れなガゼフとは違い、自分達の守るべき対象である人類は、守護するに足る存在だ。

六大神を信仰する善良なる法国の民を思う。何の変哲も無い日々にささやかな喜びを見出し生きる無辜の民達を思う。

彼らの何処にあの化け物が語る邪悪が潜んでいるというのか?

そうだ。

人間は、あの化け物が語るような吐き気を催す邪悪を行う生き物では無いのだ。決して!

 

「二人とも、下れ」

 

無数の天使が襲い掛かる中、やけに冷静な声がニグンの下まで届いた。

四方八方から襲い掛かる天使たちによる隙のない攻撃が迫る中、召喚した魔神と護衛役である戦士を下らせようとするアインズ。

その命令に従って天使たちの包囲網から二つの影が信じられない速度で飛び出した。

バカな。なぜあの状態から逃げられる!?

ニグンは驚愕するが、今更命令を撤回したりはしない。

まずは数を減らすべきだ。

天使たちが唯一残ったアインズに殺到し、その刃を突き出す――その前にアインズの魔法が炸裂した。

 

「砕け散るがいい。負の爆裂(ネガティブ・バースト)ォッ!」

 

ズン、と大気が振動した。

アインズを中心に発生した黒い光の波動が一気に周辺を飲みつくす。

瞬き一つでその波動は消え去った。しかし、その結果は歴然として残っていた。

 

「ひ、ひるむなぁ!次の天使を召喚せよ!」

 

一瞬の静寂の後、ニグンが叫ぶ。

ばかな、ありえない。そんな気持ちを即座にかき消しニグンが出した命令に部下たちが一瞬遅れながらも動き出す。

それは命令されたから従う、といった条件反射に近いものだった。事実、部下たちの殆どは眼前で起きた信じられない事態を理解できず唖然とした表情で召喚を行っている。

天使達が次々に再召喚されていく中、ニグンはアインズを睨みつける。

奴は一体なにをしたのだ?

円状に枯れ果てた草原の中心でアッパーをしたかのように拳を天に突き上げた姿で此方を見ているアインズ。

ゆっくりと拳を降ろし、仮面の頬をカリカリと掻くその姿にニグンはゾクリと背筋に冷たいものが走るのを感じた。

アインズには傷は無く、周囲には先ほどまで神々しい光を放ちながら存在していた40体以上の天使達の姿は無かった。

滅ぼされたのだ。

 あの絶体絶命の状況から、アインズは襲い来る全ての天使を滅ぼすという常識外の方法で生還したのである。

対抗魔法による召喚魔法解除ではない。

黒い波動に飲み込まれてはじけ飛んでいく天使達の姿は耐久力以上のダメージを受けた場合のそれだった。

つまりアインズは何かしらのダメージを与える魔法を使って天使たちを掃討したことになる。

 

「う、うわああああ!」

「なんだそりゃあ!?」

「化け物がぁ!」

 

「静まれ!くそっ!幻術使いじゃなかったのか!!」

 

アインズが何をしたのかをようやく理解した部下達が恐慌を起こし、天使達を突撃させながらもそれぞれ好き勝手に魔法を使おうとするのをニグンの一喝が辛うじて阻止した。

部下たちの気持ちはよくわかるが、無闇に魔法を使い魔力を消耗するわけにはいかない。

だが、確かにアインズの強さは問題だ。あんな芸当ができるのはニグンの知る限り最強の存在である漆黒聖典の構成員だけ。

魔神に匹敵するだろう化け物だけでも手に余るというのに、そこに最低でも漆黒聖典の構成員に匹敵する魔法詠唱者(マジックキャスター)が加わるのだ。

状況はまさに想定していた最悪に近づいていると言っていい。

何とかしなくてはならない。

 

「た、隊長!再召喚完了しました!」

「4体ずつ突撃させ四方から攻撃させろ!ガゼフと同じだ、奴を消耗させるぞ!残りの天使は防御陣形だ!」

 

突撃させたところで再び範囲攻撃でなぎ払われるだろう。

しかしアインズの魔力を消耗させることは出来る。

あれだけの強力な魔法だ。連打できるとしても、その回数は限られているだろう。

如何に強力な魔法を使う魔法詠唱者(マジックキャスター)でも魔法を使用するための力が無くなればただの人だ。

そうなればアイテム等には注意しなくてはならないが無力化したと言っていい。

 

アインズへの対応はこれで良しとして、ニグンは包囲網から逃れた化け物と戦士を探す。

居た。

戦士はいつの間にかアインズの隣に戻っていた。

魔力の消耗を強いる此方の作戦に感づいたのだろう。

憎たらしくなるほどに冷静で優秀な判断だ。

あの戦士がアインズを護衛するとなると、アインズを消耗させるのは難しいかもしれない。

 

(だが、それでいい。戦力を分断し、あの二人をあそこに釘付けにできればそれで十分だ!)

 

その隙に最大戦力と思われる蜘蛛の化け物を滅ぼす。

ニグンは懐に手を差し入れ、切り札を握った状態で倒すべき魔神を探した。

しかし――

 

「いない?」

 

魔神の姿がない。

部下に命じて探知系の魔法を使わせても反応しない。

召喚者であるアインズが魔法を使ったことで精神集中が乱れ、召喚魔法が無効化された……などという馬鹿げた願望は即座に捨てる。

奴は絶対にどこかにいる。

ニグンはすばやく天使達による防御陣形の中心に移動すると懐から切り札を取り出した。

それはこぶし大のクリスタルだった。

当然ただのクリスタルではなく、強力なマジックアイテムである。

200年前、魔神が大陸中を荒らしまわっていた頃、単騎で魔神の一体を滅ぼしたことのある最強の天使を召喚する魔法が封じられているのである。

たった一体で都市を壊滅させることすら可能な最高位天使。

これを再び召喚する魔法にかかる費用と労力はまさに国家規模であるが、ニグンはためらいなくその使用に踏み切る。

なにせ相手は魔神だ。いや、確定ではないがそれに匹敵する存在ではあるだろう。

さらには漆黒聖典に匹敵するだろうマジックキャスターがいるのだ。

それらの存在をここで滅ぼすということには、この秘宝に釣り合う価値がある。

 

「む?あれはまさか魔封じの水晶か?それに輝きからすると超位魔法以外を封じられるものだな。ユグドラシルのアイテムもあるわけか。そうすると……あまり遊んでもいられないな」

 

四方向から同時に襲い掛かってきた天使を、片っ端からガントレットに包まれた拳で殴り飛ばして滅ぼしている仮面の魔法詠唱者(マジックキャスター)の姿に全身を冷や汗で濡らしながらも、ニグンは規定の手順に従ってクリスタルを破壊する。

 

――いや、しようとした。

 

「は、はェ!?」

 

ニグンの素っ頓狂な声が草原に響き渡る。

確かに今の今まで手で硬く握り締めていたクリスタルが忽然とその姿を消していた。

慌てて周囲を確認するが、何処にも落ちてはいない。

ニグンの顔からサッと血の気がうせていく。

 

「た、隊長……?」

 

そんなニグンの姿に部下の一人が不安げに彼を呼んだ。

その声が聞こえていないのだろうか、ニグンはブルブルと震えながら口をパクパク開けたり閉めたりしていた。

 

「アインズ。これに何が封じられてるかわかるか?」

「うむ、調べてみよう。道具上位鑑定(オール・アプレーザル・マジックアイテム)

 

聞こえてきた暢気な声に視線を向けたニグンは心臓が飛び出そうなショックを受けた。

頼みの綱だった最高位天使を呼び出す魔法を封じたスレイン法国の至宝たるクリスタルが、あろうことか邪悪の権化たる蜘蛛の魔神の手中にあったのだ。

クリスタルには辛うじて視認できる白銀の糸が付着している。

それを見て何をされたのかを悟ったニグンは絶叫を上げた。

 

「ぎゃあああああああ!!ま、魔神をも滅ぼすち、ちっから!力がぁあぁぁぁ!お前らぁっ天使を全て突撃させろおおお!あのクリスタルを取り戻せええええ!はやくぅぅぅ!!」

「りょ、了解!」

 

半狂乱になったニグンが叫んだ命令に部下たちは忠実にしたがった。

こんな事をしてもまたあの魔法で蹴散らされてしまうのではないか?

部下たちの誰もがそう予想しつつも、再び全天使が突撃していく。

そして彼らの意に反して、天使たちは滅ぼされなかった。

 

「お、おい!何をしている!はやく取り戻せと言っているんだ!」

「し、しかし隊長!天使たちが、う、動かないのです!」

 

突撃を敢行した天使達の全てが空中で停止していた。

どれだけ指示をだしても、僅かに身じろぎするだけでまったく動かない。

 

「一網打尽とはこの事か。ではさようならだ。《炎の網(フレイミング・ウェブ)》」

 

蜘蛛の魔神がそう言った次の瞬間、何も無いように見えた天使たちの居た空間に炎が上がった。

その炎はまるで蜘蛛の巣のような形で空中に広がっている。

炎で可視化された事で誰もが理解できた。

天使たちはあの魔神がいつの間にか張り巡らせていた蜘蛛の巣にかかり身動きが取れなかったのだと。

しかしそれを理解できたところでなんだというのだろうか。

燃える蜘蛛の巣では、名前の通り火に対する耐性を有しているはずの炎の上級天使(アークフレイム・エンジェル)が炎上し灰になっていく。

 

「で、なにが封じられてるか分かったか?」

「あぁ……もったいないことに、封じられてるのは威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)の召喚魔法だな。十位階魔法じゃないとか何処の馬鹿の仕業なんだ?」

「ふぅん。それなら使っちゃってかまわないか?どうせ要らないだろ?こんなの」

「……まぁ、別に構わないが」

 

まずい。

聞こえてきた会話にニグンがそう思った次の瞬間、辺りに光が満ちた。

 

「お、おおぉぉぉ……」

 

感嘆にも呻き声にも聞こえる声がニグンの周囲から沸き起こる。

その光は今や隠れてしまった太陽が地上に出現したかのようだった。

草原は爆発的に白く染め上げられ、その微かな香りが鼻腔をくすぐる。

伝え聞く伝説の降臨を前に、ニグンは絶望に呻くようにその名を呼んだ。

 

「最高位天使、威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)……」

 

現れたのは光り輝く翼の集合体だった。

手や足、頭などが一切が存在しておらず、翼の塊から王権を示す錫杖が出ているという異形の姿ではあるが、誰もがそれを神聖なる存在だと感じていた。

その姿を見せた瞬間から、周囲の空気が清浄なものへと変化していったからだ。

至高善の存在。

 それを前にした者達の中から歓声があがり……すぐに萎むように消えていった。

 

それは何故か?

単純な話だ。

最高位天使であり至高善の存在、人間では決して到達することの出来ない神の力の結晶である威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)が。

あろうことか魔神に付き従うように傍に控え、あまつさえ此方に対して敵意を向けているのだから。

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 

いつの間にか足の力が抜け草原にへたり込んでいたニグンから搾り出すような声が漏れる。

 両手を突き、頭を垂らすニグンの姿に何かを察したのか、彼の部下たちも次々に膝を屈していく。

そんな中、誰よりも先に膝を折ったニグンから叫び声が上がった。

 

「なぁぜだああああ!何故、なんでそうなるんだ!おま、おまえはっ!お前は邪悪だろうが!魔神だろうがぁぁぁぁ!」

「ん?」

 

蜘蛛の魔神を指差し、唾を飛ばしながら叫ぶニグンに対し、叫ばれた相手は実に不思議そうに小首をかしげていた。

最悪の事態だった。

切り札を奪われ、使用され、その脅威が自分たちに向けられている。

まさしく最悪な状況だったが、ニグンが激情を露わにしているのはもっと別のことに関してだった。

あのアイテムを使用したのがアインズであったら。

もしそうならニグンは此処まで怒り狂わなかっただろう。精々自分たちの勝機が完全に0になった事で絶望するぐらいだ。

なにせ魔神を使役する得体のしれない魔法詠唱者(マジックキャスター)であっても、拳で天使を殴殺する魔法詠唱者(マジックキャスター)であっても、それでもアインズは人間だと思われるからだ。

人間であるならばあのアイテムを使用しても構わなかった。

どんな悪人であっても、人間に対する偉大なる神の深い慈悲ゆえに使用が許されたのだと思えるから。

だが、実際にアイテムを使用し、現れた至高善の存在を従えるのは誰がどう見ても邪悪であると確信できるおぞましい化け物なのだ。

そんな事は神官でもあるニグンには到底受け入れられなかった。

 

「お前もだ!なんでそんな邪悪に従うぅ!おかしいだろうが!至高の善なんだろぉ!人間を救えよぉぉぉぉ!」

 

ニグンは半狂乱になって叫ぶ。悠然と宙に漂う威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)を指差し、涙を流しながら力の限り叫ぶ。

その涙には悲しみや悔しさ、怒り、憎悪など、様々な感情が交じり合っていた。

そんなニグンの叫びを聞いて、涙を見て、蜘蛛の魔神が先ほどから変わらない平静な声で言った。

 

「いや、天使だろうがなんだろうが、従えられるのは当然だろうが」

 

なぁ?などと同意を求め、うむ、などと同意を示すアインズの姿を呆然と眺めつつニグンは世界から切り離されたかのような非現実感を味わっていた。

何を言っているんだ、こいつは。

そんな馬鹿な話があっていいのか?

天使は異界より召喚される神に仕えしモンスターだ。そこに異論を挟む者もいるが、スレイン法国ではそうであると信じられている。

その神に仕えしモンスターが、偉大なる六大神に仕える善の象徴たる天使が。

邪悪の権化に従うなんて間違っている。

これが低位の天使ならばまだわかる。邪悪なる力に抵抗できずその手先として使われているのだと理解できる。

だが眼前で邪悪に付き従うのは最も神に近い場所に仕えているであろう至高善の最高位天使。

なぜ。なぜ?なぜなんだ?

六大神は人類を救済する神だろう?人類は守るべき存在だろう?我々が人生をかけて守るに値する生き物だろう?

考えても考えても答えは出ない。いや、答えを出してはいけない。

もしも答えを出してしまえば、それは己が人生のほぼ全てを捧げてきた神への信仰に取り返しのつかない傷が出来てしまうだろうから。

 

「ふひ……うへぇへへへへ……」

 

ニグンの周りからチラホラとそんな狂気を孕んだ笑い声が聞こえてきた。

部下たちの声だ。

 

「人類なんて、守る価値がないって、そういいたいのかよ……へへっ」

「魔神の言うとおりの邪悪って事なのか、俺たちは……」

「神様、俺が今まで捧げてきた信仰心は、俺の人生は一体……」

「なにが至高善だよ……なにが神だよ……ふざけんな糞が……」

 

愚かな。いや、哀れな。

神に対する厚い信仰心を持つ事が入隊条件の一つである陽光聖典の隊員達が、口々に神を罵る言葉を呟いていた。

ニグンが必死に目を逸らしていた答えを、彼らは出してしまったのだろう。

痛みや恐怖などには易々と屈しないだろう屈強な彼らの心を砕いたもの。

それは信仰に人生を捧げた彼らにとって、きっと死よりも辛いこと。

つまり――

 

「おっ?もしかして彼ら発狂してないか?なぁどう思う?」

 

投げかけられた言葉にニグンは狂気に向かおうとする思考を停止させる。

気を抜くとすぐ項垂れてしまう頭をのろのろと持ち上げると、見たくも無い威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)を侍らせた蜘蛛の魔神の姿を見つめた。

 

「お前がリーダーだろう?どうだ、お前の眼から見て彼らは狂ってるか?」

「……あぁ」

 

もはや罵声を浴びせる力も残っていないニグンは、見ての通りだろうと思いながらそう答えた。

ニグンの答えに魔神が嬉しげな声を上げる。

 

「そうかそうか!そいつは重畳!では早速実験を……んん?」

 

上機嫌になにか物騒なことを言おうとしていた魔神が突然なにかに気付いたように天を仰いだ。

 

 

 

 

 

 

(よかったー! 痛めつけてもいい連中とはいえあんまり怖がらせたり痛い目に遭わせるのは可哀想だもんなぁ。なぜかは知らないけど穏便に発狂してくれて良かったよ)

 

穏便に発狂するってどうなんだろうかと思いながらもクーゲルシュライバーは上機嫌だった。

発狂させるというのは酷い事だ。

ただでさえ酷い事をするというのに、その状態に持っていくまでに恐怖と苦痛を与えるのは幾らなんでも哀れに思えていたのだ。

 

(発狂するってことはそれなりに辛かったんだろうけど、まぁフルコースになるよりマシでしょ。それにしても、なんで俺が威光の主天使を従えてる事にあんなに驚いてたんだろ?アイテム使用者が召喚モンスターを従えるのは当然じゃないか)

 

色々と分からない事が多いが、余計な苦しみを与えず目標を達成できたのだから問題ない。

クーゲルシュライバーは嬉々として実験の第二段階へ進もうと混乱状態を解除する第三位階魔法《ハーツ・イーズ》の込められたスクロールを取り出そうとする。

本来はクレリックの使用する魔法なのだが、これはオカルトホラーでも取得可能な為クーゲルシュライバーでもスクロールでの使用は可能なのだ。

手探りで目当てのものを探り当て、いざ取り出そうとしたその時だった。

意識の隅で感じた、何かが引っかかったような感触。

それはこの世界に来てから初めて感じたものだった。

 

(でも、分かるぞ。これは……やばい!)

 

謎の感覚の正体について気がついたクーゲルシュライバーは即座にアインズに何が起こっているのかを伝えた。

 

「モッ……アインズ!何者かが私に対して探知魔法を使用してきたぞ!注意してくれ!」

「なに?……させるものかよ」

 

クーゲルシュライバーの報告にアインズが素早く反応する。

 即座にガントレットに覆われた両手に魔法陣が展開される。

アインズはブツブツと呟きながらも次々に魔法を使用していく。

 展開されては消えていった魔法陣の数が五つを数えた頃、唐突に大きく空間が割れた。

まるで割れた安全ガラスのように。

だが、ひび割れた異様な光景は即座に元に戻る。

 

「もう少しプレゼントしたかったんだが……残念だ」

「そうは言うがなアインズ。情報系魔法に対するカウンターを5つも追加できたのだから十分ではないか?」

「……まぁ覗き見を懲りさせるには十分か。それで、そっちは大丈夫だったのか?」

 

情報を抜かれてはいないかと心配するアインズにクーゲルシュライバーは胸を張って答えた。

 

「大丈夫だ。カウンターという程ではないが、妨害魔法がかかっているからな」

 

そう、クーゲルシュライバーにも情報系魔法に対する防壁はある。

 といってもアインズのように相手にダメージを与えるようなものではなく、情報の閲覧を妨害し相手に狂気(インサニティ)の魔法をかけるという内容のものだ。

この防壁による閲覧の妨害は敵術者の視界に全く関係のない画像を映し出すという形で実現される。

ユグドラシルではこの時に表示される画像は、術者が自由に差し替える事が可能だった。

なにかのスクリーンショット、自作の絵、不特定多数が悶絶する事間違いなしな手書きノートの実写映像等々、術者の数だけ様々な画像があった。

ある種ブラクラに似た使い方も出来るため、悪戯感覚でビックリ画像を仕込むプレイヤーもいたのだが……。

 

 

 

 

 

 

 リ・エスティーゼ王国領の草原にいるクーゲルシュライバー達は知る由もなかったが、この時スレイン法国では大事件が起こっていた。

陽光聖典に切り札として渡されていた最高位天使を召喚するためのクリスタルが使用された事が確認された為、一体何が起こったのかを調べる為に土の巫女姫を中心とした高位神官達による探査魔法儀式が急遽行われたのだ。

精神を集中し魔法を発動させた土の巫女姫達はまず最初にクリスタルを使用した者を調べようとした。

しかし魔法が調査対象の姿を捉える前に、自我も無く、視力すらないはずの巫女姫の視界になにか異質なものが滑り込んできた。

 

 

それは何も無い空間だった。ただただ果てしない闇が続く空虚な空間。

そんな空間に、やがて光が差してきた。

太陽の光のような優しいものではない。天使が纏うような神聖なものではない。

それは禍々しく緑色に染まった邪悪な燐光。見ているだけで狂気に駆られるような、そんな光だった。

そして、彼女は見た。見てしまった。

不気味な光に照らされ現れた、いや、現われたのではない。ソレは最初から既に其処に居たのだ。

深淵を覗きこむ、彼女のすぐ傍に。

 

それは冒涜の言辞を吐きちらかして沸きかえる、最下の混沌の最後の無定形の暗影。

それは粘液質の深淵にて忌わしい分裂繁殖を繰り返す灰色の脈うつ液体じみた塊。

それは触腕や長い鼻や蛸のような目を備え、なかば無定形で、一部が鱗や皺におおわれている巨大な闇。

それは蛸の頭部を備え、顔はのたうつ触腕の塊で、鱗に覆われたゴム状の体を持ち、四肢には長い鉤爪があり細長い翼を持つ大いなる司祭。

それはぞっとするような柔軟さの触腕状の付属肢と手の両方を持った燃えるような三眼を備えた巨大な無定形の生き物。

 

それはそれはそれはそれはそれは!

 

「ぎゃああああああああああああ!!」

 

突如として悲鳴を上げて身をのけぞらした土の巫女姫にその場に集まっていた誰もが目を向けた。

そして戦慄する。

 

「ぐふふふひひぃぃぃぃ!!」

 

土の巫女姫が口から泡を吹きながら、自らの眼窩に指を差し込み、かき混ぜ、無いはずの目を抉り取ろうとしている。

あまりにも唐突に発生した惨事に周囲にいた誰もが即座に行動できず硬直してしまう。

そして次の犠牲者が出た。

それは土の巫女姫を利用して情報系魔法を使用した神官だった。

彼女も巫女姫と同じように自分の目を指で潰し出す。巫女姫と違いドロリとした水晶体が眼窩からあふれ出し引きずり出された視神経がブラブラと垂れ下がっている。

数秒経ち、ようやく周囲の者達が動き出したとき、喉を掻き毟り悶える巫女姫に発狂した神官が奇声を上げながら再び情報系魔法を使用した。

あきらかに狂気に囚われた彼女が、一体何を思ってそうしたのかは永遠にわからない。

そして、その次の瞬間。

 

巫女姫と神官の体が異常に膨張し、破裂し、大爆発が起こった。

 

その後スレイン法国に5度に渡る爆発音が響く事になった。

爆発音の原因である土の神殿には、不思議なことに衝撃と炎による破壊痕の他に、大量の蟲や獣の屍骸や、滾々と湧き上がり続ける塩水、金属製の棘、謎の粘液、石化した人間の残骸などが確認されたという。

 

 

 

 

 

 

(確か最後に設定しといた画像はHPラヴクラフトいあいあ愛好会さんの所の素材だったな)

 

クーゲルシュライバーの言うとおり、発動した対情報系魔法に登録されていたのはかの旧支配者ギルド「HPラヴクラフトいあいあ愛好会」謹製、神話生物オールスターのスクリーンセーバーだった。

ユグドラシル内で旧支配者種族を使用しているプレイヤーだけに配布されていたそのデータは課金しなければ魔法に登録できない程のデータ量だったが、その膨大なデータ量が物語るように非常に出来が良かった。

プレイヤーの中にはそれが見たいが為に態々対策をしないで旧支配者種族を使用しているプレイヤーに情報系魔法をかける者もいた。

そういう類のプレイヤーは大抵原作ファンであり、『旧支配者の精神を垣間見て発狂した哀れな探索者』をロールプレイして楽しんでいた。

 

(でもこないだシクススに盆踊り大会の映像見せた時の事を考えると、楽しむ余裕はないかもなぁ)

 

まぁどのみちアインズのカウンターでえらい事になっているだろうから関係ないか。

そう結論づけてクーゲルシュライバーはアインズに先ほど何があったのかを説明され「本国が俺を……」とショックを受けているリーダーらしき人物に声をかけた。

 

「それじゃあ続きと行こうじゃないか。あ、いやまて。その前にだ」

 

ゆっくりと歩き距離を縮めていくクーゲルシュライバーから逃げるように、リーダーの男が地面に尻餅をついたまま後ずさっていく。

 

「お前は私の事を魔神と呼ぶがな。そんなランプにでも封印されてるような奴らと一緒にしないでくれ。私はな……」

「あ、あああぁ……来るなッ!来ないでください!お、お願いしますからぁぁぁぁぁ!」

「おいおい、そう逃げるなよ。アインズはああ言ったが、別に命までとろうって訳ではないんだから」

「うわぁああああ!!監視の権天使(プリンシパリティ・オブザベイション)!奴を倒せぇぇぇぇ!」

 

絶叫と共に動き出した天使の一体が光り輝く巨大なメイスを振りかぶり襲い掛かってくる。

神聖属性を付与された武器による攻撃はクーゲルシュライバーの持つダメージ軽減スキルを突破することが可能だ。

そんな武器による一撃が、人間の骨を粉々に粉砕することが可能な速度でクーゲルシュライバーに向かう。

 

「はいチョンパ」

 

その声と共に放たれたユグドラシルにおける最大ASPD――アタックスピード、攻撃速度の意――に到達するクーゲルシュライバーの混沌属性を持った首狩り(ヴォーパル)などが付与された爪による一閃により、監視の権天使(プリンシパリティ・オブザベイション)の頭部が切り飛ばされ魔力の燐光となって消えていく。

残った胴体部分が振り下ろすメイスもクーゲルシュライバーに到達することなく光になって消えた。

 

「アイィィィィィィ!?」

 

クーゲルシュライバーは情けない叫び声を上げて逃げる男に向かって擬腕を差し出す。そしてスキルを発動した。

 

十二の糸疣(トゥエルブウェブシューター)

 

差し出した擬腕の先端についた手の形をした部分。人間で言うところの5本ある指の先端と手首の部分の甲殻が捲り上がり、其処から白銀の糸が投射された。

六条の白銀の線が伸びる先は涙で顔をグシャグシャにした敵のリーダーだ。

放たれた糸は複雑な動きでリーダーを絡めとり彼から動きの自由を奪い去った。

クーゲルシュライバーは自分と彼を繋げる糸を引き寄せる。

 

「ああぁぁぁぁ!助けて!助けてくれぇぇぇぇ!」

 

人外の怪力によって引っ張られた彼は空中を矢のように飛んでクーゲルシュライバーの擬腕に捕らえられた。

 リーダーが助けてと言っているのにも拘らず、周囲にいる彼の部下たちは何もしようとしない。

あまり信頼されてなかったのかな?と思いながらも、クーゲルシュライバーは自分のノッペラボウのような擬頭をリーダーの顔に近づけて言った。

 

「魔神などと勘違いしているようだから教えてやる。私はな――」

 

 

 

 

 

――邪神なんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 




ニグンちゃん途中まですごく頑張ってた。
監視の権天使を最後まで残していたのは威光の主天使を強化しようと企んでいたからなんですけど、魔封じの水晶取られちゃったんで無駄になっちゃいました。

アルベド発狂が見送られました。
この先モモンガ様かボールペンに初ダメージを与える事になる誰かさんの幸運を祈りましょう。

土の巫女姫ちゃんには発狂爆発してもらいました。
先にアインズ様を覗いていればあそこまで酷い事にはならなかったんですけど、まぁボールペンがクリスタル使ってるんであれはもう運命ですね。

ニグンちゃん達は割と絶望的ですが、組織としての希望はまだ生きてます。ニグンちゃんが先に撤退させた3人の仲間が無事法国にたどり着けることを祈りましょう。

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