オーバーロードと大きな蜘蛛さん   作:粘体スライム狂い

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野営前まで纏めて書きたかったんですけどモチベーション的に断念。
盛り上がりに欠けるけど投稿です。


32話

エ・ランテルから東北にあるカルネ村に向かい、馬車一台とそれを取り囲む7人の冒険者が平原を進んでいた。

東に向かう彼らの左手にはトブの大森林の威容が広がる。

無数の巨大な樹木が有り余る生命力に任せ大きく枝葉を伸ばした結果、太陽光の殆どは濃緑の大海に飲み干され、森の中は深海を思わせる暗さと不気味さを宿していた。

 

今は遠く離れているが森は人外が跳梁跋扈する未開の地に他ならず、突然未知の怪物が森の中から躍り出てきてもなんらおかしくは無い。

だが馬車を囲む冒険者達、ペテル・モーク率いる『漆黒の剣』とモモン達三人組に緊張の色は無い。

前者は経験と知識からこの辺りにまで脅威となるようなモンスターは出てこない事を知っているのと、出発直後に見たナーベとミュールの第三位階魔法への信頼感から。

後者はアウラやクーゲルシュライバーといった仲間達の報告で、森全体に自分達の脅威となりうる強大なモンスターが居ない事を知っているからだ。

 

(まぁ見落としがあるかもしれないし、案外地下に何かが潜んでいるかもしれない。油断はしないに越したことはないんだが)

 

実際にこの世界には自分達を脅かすにたる能力を持ったものが居る。

決して油断はするまいと己に言い聞かせながら、モモンは馬車の御者をつとめる長い前髪で目を覆い隠した金髪の少年、ンフィーレア・バレアレを見つめた。

 

モモンを名指しで依頼したのはこの少年、ンフィーレア・バレアレだった。

エ・ランテルにおける最も腕のよい薬師であるリイジー・バレアレの孫であり、本人もまた優秀な薬師であり稀少なタレントの持ち主である街有数の有名人である。

そんな彼をモモンが油断できないと警戒する理由は、彼をエ・ランテルの有名人にしている稀少かつ強力なタレントにある。

 

タレントとは大体200人に一人の割合で生まれ持つという、ユグドラシルには無かったこの世界特有の能力だ。

その効果は人によって様々であり、イネ科穀物の収穫時期を数日早めるといったものから、召喚したモンスターが少しだけ強くなるという戦闘向けのものなど多種多様である。

 

そんなピンからキリまであるタレントだが、ンフィーレアが持つのはモモンがこの世界で聞いた中では最も強力な能力だった。

彼のタレントは「あらゆるマジックアイテムの使用が可能」というもの。

その効力は王族の血が流れている事が使用条件のマジックアイテムでさえ、使用を可能とするのではと噂されている。

 

(ギルド長でしか使えないギルド武器、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンですら使用できるかもしれない能力。ナザリックを崩壊させることが可能な力だ。やはりこの世界の未知は十分に我々の脅威となる。未知に備えなければ)

 

モモンはンフィーレアを警戒すると同時に、高く評価していた。

その能力は敵に回れば厄介この上ないが、味方にすれば非常に心強い。

 彼は不可解なことに、野放しにするにはあまりにも強大な力の持ち主であるにも拘らず国による保護を受けていない。

この隙に可能であればンフィーレアの身柄を押さえ、さらに一歩踏み込んでその貴重な能力を引き剥がしてしまいたかった。

タレントという能力を引き剥がしデータクリスタルなどに変換する事は、超位魔法《星に願いを(ウィッシュ・アポン・ア・スター)》を使えば可能かもしれないのだ。

本来ならば経験値を消費するこの超位魔法は濫りに使用することは出来ないのだが、毎日ノーコストで召喚されたモンスターの経験値を世界級アイテム《強欲と無欲》に貯め続けているために、一回や二回の使用は問題なく行える。

モモンはこの依頼が終了した後、秘密裏にンフィーレアを誘拐するつもりだった。

 

(なんて美味しい状況なんだ。一石二鳥以上じゃないか)

 

ペテル達から情報は取れる、資金稼ぎも出来る、超稀少な能力をゲットできるかもしれない。

それ以外にも、働き次第では名声なども得られるだろう。

たった一回の仕事で得られるだろう物の大きさと多さにモモンはヘルムの下でほくそ笑む。

 

(だがまずは依頼を完璧にこなすのが肝心だ。失敗してンフィーレアを失うような事があれば今後の冒険者としての活動にも支障がでる)

 

ンフィーレアのタレントについては彼が死ねば悪用される危険性がなくなるので、レアな能力を逃したという悔しさだけですむ。

しかしエ・ランテルの有名人の直接の依頼を受けていながら、むざむざと死なせたとあってはモモンの評価は地に落ちる。

それは避けるべき事態だった。

 

(とは言っても、トブの森に薬草を採取しにいくンフィーレアの警護、及び薬草の採集の手伝いという今回の依頼……この構成で失敗するとは思えない)

 

慣れた様子で警護の為の陣形を組み、余裕を持ちながらも要所要所で注意を向けている漆黒の剣を見ていると、この依頼ならば彼らだけでも十分達成可能だと思える。

モモンはンフィーレアの依頼を彼ら漆黒の剣と共同で受けることにして正解だったと確信していた。

もしもモモン達三人組だけで依頼を受けたとすると、思わぬところで無知を晒したり、警護に対する理解が足りずンフィーレアに怪我を負わせてしまう可能性もあったからだ。

ミュールの回復魔法があるといっても、治せば良いという問題ではないのだ。

 

(彼らが居るからンフィーレアの警護にはそこまで意識を向けることは無いだろう。油断はしないが、ここは一つ偉大な戦士として名を売ることを考えてみるかな)

 

モモンが売名行為に積極的なのはクーゲルシュライバーの入れ知恵が原因だった。

売名に必要になるだろう各種演出について手ほどきを受けていなければ、モモンはこの場で行動を起こそうとはしなかっただろう。

モモンはメッセージを使用しアウラへと通話を繋ぐ。

 

『仕事中悪いがアウラに頼みたいことがある』

『何なりと仰ってくださいモモンガ様!』

 

元気一杯の返事を返すアウラ。

現在彼女はトブの大森林で森林内の調査と拠点の構築任務に励んでいる。

トブの大森林近くの平原を移動する自分達をサポートさせるには都合のよい存在だった。

 

『現在トブの大森林の南辺に広がる平原を移動中だ。私の姿が見えるか?』

『えぇっと……はい!見えました!馬車一台と8人の集団ですね』

 

アウラが居るのはトブの大森林の深部であり、樹冠に登って周囲を見渡したとしてもモモン達のいる外延部とはかなりの距離がある。

しかしレンジャーとしての技量に長けたアウラにとっては、その程度の距離を見通す事は児戯に等しい。

 

『うむ。その集団に向けて森に潜むモンスター共をけしかける事は可能か?』

『もちろんできます。どのぐらいのレベルと量が必要ですか?』

 

モモンは少しばかり考え込む。

漆黒の剣達が戦闘を想定しているのは小鬼(ゴブリン)とそれに飼われる(ウルフ)、そして草原で遭遇する中で最も危険度が高い人食い鬼(オーガ)だ。

更に森林内部では跳躍する蛭(ジャンピング・リーチ)巨大昆虫(ジャイアント・ビートル)系統のモンスターならば何とかなるという。

木の上から糸を飛ばしてくる絞首刑蜘蛛(ハンキング・スパイダー)や地中から襲い掛かってくる森林長虫(フォレスト・ワーム)に対しては苦戦するといっていた事から、地上を移動し攻撃手段が近接物理攻撃に限定されるモンスターが相手としては好ましく思えた。

 

『あまり素早くない小鬼(ゴブリン)人食い鬼(オーガ)の類で、大よそ10レベル以下が望ましい。数は最大で30体だ。そしてそれとは別に20レベルぐらいのモンスターを2、3体程混ぜておくと尚良い』

小鬼(ゴブリン)人食い鬼(オーガ)は問題ないです。丁度いい数の小鬼(ゴブリン)の集団を見かけましたのでそれをぶつけます。ただ20レベルのモンスターといいますと少し難しいかもです』

『何故だ?報告書にはそのレベル帯のモンスターもいると書かれていたが』

『生息域がモモンガ様のいらっしゃる森林南部から離れているんです。そこから追い立てるとなると少し時間が掛かってしまいます』

『今すぐにけしかけろという訳ではない。タイミングは私が決めるから何時でも突撃させられるように移動させておいてくれ』

『わかりました!』

 

これでよし。

アウラとの通信を切り、モモンは何食わぬ顔で歩き続ける。

 そんなモモンにペテルが少し硬い声で話しかける。

 

「モモンさん。ここから少し行くと危険地帯になります。対処不可能なモンスターは出てこないとは思いますが、念のため警戒をお願いします」

「わかりました」

 

丁度いいタイミングで危険地帯になってくれたものだ。

後はアウラが20レベル相当のモンスターを近場まで誘導してくれれば準備は万端だとモモンはほくそ笑んだ。

ンフィーレアと漆黒の剣達のド肝を抜いてやろう。

演出についてクーゲルシュライバーから様々なアドバイスを貰っているモモンは、効果的な戦闘シーンについて頭をめぐらせる。

 

(ここはやはり俺がメインを張るべきだろう。ナーベもミュールも既に第三位階魔法の試し打ちで実力を認められているが、俺はまだ実力を見せていないからな)

 

 漆黒の剣から軽んじられているわけではないが、魔法詠唱者二人を守るタンク役として見られている節がある。

タンクも重要な役割ではあるのだが、やはり人々が英雄視するのはメイン火力として襲い掛かる敵をなぎ倒していく者だろう。

モモンという男は美女の魔法詠唱者二人の火力に頼った戦い方をする、なんて評判は些か情けない。

ならば自分が英雄として見られるにはどういった戦闘の流れがいいのか、モモンはじっと黙りこんで考える。

 

そんなモモンの沈黙を別の意味に捉えたのだろう。

ルクルットが戯けるような軽い口調で話しかけてきた。

 

「大丈夫だって!そんなに心配することねぇって!奇襲でも受けない限りそんなにやばい事にならねって!そして奇襲なんか、俺が目であり耳であるうちは問題ナッシング!なぁナーベちゃんミュールちゃん、俺すごくない?」

 

キリリと顔を引き締め、顔が最も美しく見えるだろう角度で自分をアピールするルクルット。

顔が良いため三枚目にも見える彼の仕草はモモンから見て中々にかっこいいものだった。

だがナーベは人間に対してよい感情は持っていない。

演技力に乏しいナーベが再三に渡るルクルットのアピールに激発しないかモモンは気を揉んだ。

しかし――

 

「ミュールさんの短杖(ワンド)凄いです!見ただけでも強力な魔法の力を感じますよ」

「ありがとうございますニニャさん。さる御方から頂いたもので私の宝物なんです」

「杖は使い慣れたものが良いっていうのはわかっているんですが、やっぱりこういった素晴らしいものを見ると私も新しい杖が欲しくなってしまいますよ。ナーベさんもそういう事ってありませんか?」

「……別に。新しく杖が欲しいと思ったことなんてありません」

「あれ?新しくって言うと、もしかしてナーベさんご自分の杖をお持ちなんですか?」

「……今は手元に無いけれど、一本持っています」

「へぇー。一体どんな杖なんですか?やっぱりミュールさんの杖みたいに凄かったり?」

「当然です。ミュールさんの杖と比べても負けることのない最高の杖よ」

 

アピール先であるナーベとミュールの二人はニニャと一緒に魔法詠唱者特有の話題に興じており、ルクルットには全く意識が向いていなかった。

 

「うぉぉぉぉい!?俺の話聞いてないのぉ!?っていうかニニャお前両手に花とかずるいぞ!」

「ニニャは我々随一の美男子であるからな」

「はははは、諦めろルクルット。お二人みたいな美人にはお前はつりあわないよ」

「ちっくしょおぉ……。でもいいや、ナーベちゃんの得意そうな顔みれたし……」

 

がっくりと肩を落としながらもルクルットはナーベを見て笑っていた。

杖を実際に見せたわけでもないのに、さも自慢げに語り胸を張るナーベの姿はその美しい理知的な見た目に反して幼さを感じさせるものだ。

社交的なミュールのおかげでナーベの持つ剥き出しの不快感や刺々しさが薄れている。

 クーゲルシュライバーの胸中にどのような葛藤があったとしても、ミュールを連れてきたのは大成功だったようだ。

 モモンは穏やかな心持ちで陽気に騒ぐ彼女達を見つめていた。

 

(NPCにとって与えられた装備は宝物扱いなんだなぁ。一つまた勉強になった)

 

彼女達に混じって杖談義に興じたい気持ちを押し殺しながらモモンは歩く。

戦士である自分があの会話に割って入ることはできない。

だがどうしてもモモンは考えてしまうのだ。

自分だったらどんな杖が最高の杖となりうるだろうか?

答えはすぐに出る。

ギルド全員で作り上げた思い出のギルド武器《スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》に決まっている。

あれをニニャに見せたら驚くだろうか?驚くに違いあるまい。

ナーベやミュールには悪いが、あの杖こそ至高の杖。

あれ以上に素晴らしい杖は存在しないのだ。

 

「ふふん」

「ん?どうしたのモモンさん?急に笑ったりして」

「い、いや。なんでもありません」

 

小さく漏れてしまった笑いを聞きつけたルクルットにモモンは心の中で冷や汗をかく。

流石は野伏(レンジャー)

少なくとも彼の耳は信頼できるとモモンは確信した。

 

「ペテルさん。馬に水を飲ませてやりたいんですが、あそこで休憩しませんか?」

「ここから危険地帯ですしね。わかりました。モモンさん、よろしいでしょうか?」

 

あり得ないとは思うが、いざという時はンフィーレア一人で逃げてもらう事になる。

その時に馬の足は不可欠だ。馬が万全の力で走れるように休憩は必要だろう。

それにアウラの為にも時間は必要だ。

モモンは静かに頷いた。

 

「ええ、構いませんよ」

 

 

 

■■■

 

 

 

翼持つ屈強な体躯が本来の色を失いクリーム色一色へと変じ、その形すらも失っていく。

粘土をこねるように変形するそれは、やがて軍服を着た一体の異形へとその姿を落ち着かせた。

 

「ご苦労だったパンドラズ・アクター。お前のおかげでシャルティアの笑顔を見れそうだぞ」

「お役に立てたようで光栄でございます!」

 

カッ!と軍靴の踵を鳴らして敬礼するのは、モモンガが作り上げた100レベルNPCパンドラズ・アクターだ。

ネオナチ親衛隊制服の上からコートを片袖だけ通してはおり、クーゲルシュライバーのように凹凸のない楕円状の頭部には厳しい軍帽が載っている。

目と口の部分に3つ穴が空いているだけというドッペルゲンガー特有のシンプルな構造の顔に似合わず、発する声は声優並みの美しさだ。

動作が一々大仰で恥ずかしいとは創造主たるモモンガの言だが、クーゲルシュライバーはこのNPCをことのほか気に入っていた。

 

「これで私の用事は済んだ訳だが、折角ここまで来たわけだしな。しばらく邪魔してもいいかな?」

「勿論でございます。ささ、こちらへどうぞ」

 

クーゲルシュライバーはアイテムボックスから腕を引き抜くと、パンドラズ・アクターに導かれるままソファに座る。

宝物殿管理責任者室と銘打たれたこの場所は、戦闘にも使用できるように広大な空間を有している。

しかし室内にある物と言えばソファ二脚とテーブル一脚のみだ。

奥に続く道からはいかにも古墳らしい陰鬱な雰囲気が流れ込んでおり、空間の空虚さと相まってなんとも寒々しい気分になる。

こんな所にたった一人で、パンドラズ・アクターは平気なのだろうか?

モモンガは誰も居ない玉座の間を自室としていたアルベドを哀れんで、第九階層の空き部屋を彼女の自室として与えたという。

ならばパンドラズ・アクターにもなにかしらの救済処置を行うべきではないかとクーゲルシュライバーは思った。

 

「なぁパンドラズ・アクター。お前はこの場所にたった一人だけで居る事になにか思うところは無いのか?」

「はっ!大変名誉な事だと。至高の御方々の宝物を守る大役を、私唯一人が仰せつかったその意味を重く受け止めております」

 

宝物殿の番人という主人からの信頼が厚くなければ就く事の出来ない職務を、唯一人任されるというのは自分こそが最も信頼されるシモベであるという事の証明である。

その事を名誉に思っている、パンドラズ・アクターはそう言っているのだろうがクーゲルシュライバーが聞きたいのはそういうことではなかった。

 

「いや、職務に対することでは無くてな。この空間についてだ。お前が望むならばもう少し家具を増やしたり……」

 

話し相手として人員を増やしてもいいんだぞ。

口元まで出た言葉をクーゲルシュライバーは飲み込む。

その言葉はパンドラズ・アクターの誇りを傷つけかねないからだ。

 

「家具?……おお!これは失礼しました!至高の御方をお持て成しするのに、ここは些か以上に殺風景でした!」

「いや私は構わないんだが、そのなんだ。お前の居住スペースとして、ここの設備は不十分ではないかと心配しているんだ。なにしろ人が訪れる事の無い宝物殿で、お前はたった一人きりで職務に励んでいるではないか」

「おぉ……。なんと慈悲深い!されどクーゲルシュライバー様、このパンドラズ・アクター!至高の御方から与えられた部屋に不足や不満を感じたことなど一度たりとて御座いません」

 

軍帽のつばに手を添えるクーゲルシュライバー的にとてもカッコイイポーズを取って断言するパンドラズ・アクター。

本当だろうかと真意看破を使用するが、まったく嘘は感じられなかった。

本人が良いのならそれで構わないのだろうが、本当になんの不満もないのだろうか?

クーゲルシュライバーが疑惑の眼差しで見つめているのが分かったのだろう。

パンドラズ・アクターは大仰な仕草で語りだした。

 

「……部屋には不満などありませんが、強いて一つ挙げるとするならば、宝物殿に篭っていると我が創造主モモンガ様のご活躍を眼にするどころか耳にすることすら稀です。それが残念ではあります」

 

我が創造主、か。

その言葉にクーゲルシュライバーは心中に棘のようなものを感じた。

 

「やはりそういうものなのか?被造物としては創造主の事が気にかかると?」

「創造主様の事が気にならぬ者などナザリックには居ないでしょう」

「そうか……だとしたら」

 

自らの口から零れ出た言葉にクーゲルシュライバーは蝕肢を不機嫌に引きつらせた。

だとしたら、なんだと言うのだ?

ミュルアニスもパンドラズ・アクターのように創造主を慕っている?

だからどうした。

僅かに芽生えた憐憫の情を、クーゲルシュライバーは容赦なく叩き潰した。

千切れ飛び闇へと消えていったミュルアニスの素顔は、笑顔だったか、それとも悲しみに歪んでいただろうか?

それを思い出そうとする気持ちすらも、クーゲルシュライバーには忌まわしかった。

 

「どうにもならん」

 

口の中で呟いた言葉は幸いパンドラズ・アクターには言葉として届かなかったらしい。

 何事か呟いたらしいクーゲルシュライバーをその空虚な両目で見つめ首を傾げる様は、ただそれだけなのにも拘らずオーバーリアクションだった。

 

「大したことではないから気にするな。それよりも《水晶の画面(クリスタル・モニター)》を発動できるマジックアイテムを持ってきてくれ。どうやらモモンガが外の世界で一戦、遊びに興じるらしいぞ。ミュルアニスの視点で悪いが一緒に観戦しようじゃないか」

「直ちにお持ちいたします!」

 

あ、さっきのはちょっと演技っぽさが薄かったな。

そんな事を思いながらも、足早にマジックアイテムを探しにいくパンドラズ・アクターを見送る。

 

(パンドラズ・アクターもアクター(俳優)なわけだし、演技や演出についてモモンガさんに色々とアドバイスしながら観戦するのも楽しいかもしれないな)

 

クーゲルシュライバーは心の中に残る苦味を目前の享楽へと意識を向けることで誤魔化した。

既にクーゲルシュライバーの脳内は漆黒の戦士モモンの雄々しい活躍を漆黒の剣達にどう魅せつけるかで一杯になっていた。

 

『モモンガさん。戦闘になったら俺とパンドラズ・アクターで色々サポートするんで安心してくださいね』

『ちょっとまってください!なんでパンドラズ・アクターまで!?まさかあいつも見てるんですか!?』

『すこし訳があって一緒に観戦する事になりました!彼もすごく楽しみにしているみたいなんで頑張ってください』

『やめてください。恥ずかしくて死んでしまいます』

『もう死んでるから大丈夫ですよね』

 

その後、クーゲルシュライバーとモモンガの声無き通話はパンドラズ・アクターがかつてないオーバーリアクションでマジックアイテムを持ってくるまで続けられたのだった。

 

 

 

■■■

 

 

 

「なんて事だ……」

 

思わず漏れてしまった言葉に、すぐ隣で濡れたハンカチを使い額を拭っていたナーベとミュールが不安そうな顔でモモンを見つめた。

ルクルットまでも此方を振り向いているのは、彼の野伏(レンジャー)としての技能が優秀である証左だった。

 

「どうしたんですかモモンさん。なんか忘れものですか?」

 

(くそっ!あの二人、いつか覚えてろよ)

 

心中で訳の分からないプロデュースを仕掛けてくる蜘蛛とのっぺらぼうに悪態をつくと、モモンはわざとらしくヘルムの後頭部を掻いた。

 

「大したことではありません。宿を二泊でとっていたので、今日の分の宿代が無駄になってしまったと今更ながら気付いたんですよ」

「あぁ、前払いですしね。こればかりは仕方ないですよ」

 

会話を聞きつけたペテルが苦笑いをしている。

とっさに用意した誤魔化しの言葉だったが、もしかして必要経費を惜しんでいるケチな男だと思われてしまったのではないか?

そんな不安が頭をもたげる。

これも全てあの蜘蛛のせいだ。

モモンは心の中でそっとクーゲルシュライバーを罵ると、すぐさま気分を切り替えた。

 

「大した金額ではありませんが埋め合わせはしておきたいですね。モンスターの大群でも来てくれればよいのですが」

 

敵を望むモモンの発言に漆黒の剣の面々に微かな笑みが浮かぶ。

苦笑いに近いその笑みには、きっと度重なる大口への呆れのようなものが含まれているのだろう。

もしくは、彼ら自身の経験からこの場所では大群と呼べるほどのモンスターの群れは出没しないと知っているのか。

しかしどちらにせよ、モモンにとっては問題ではなかった。

すでにモモンの脳内にはアウラからの準備完了の知らせが届いているのだ。

 

「あんまり大群で来られると怖いですね。でもこの辺りでモンスターの大群が現れることはまずないと思いますよ」

「そうなんですか?」

「実はこの辺りからカルネ村まで森の賢王と呼ばれる強大な魔獣のテリトリーなんですよ。ですから滅多な事ではモンスターは姿を見せないんです」

「森の賢王ですか」

 

滅多な事では姿を見せない。

それならば問題ないだろうと判断したモモンは、ンフィーレアの語った森の賢王についての知識を思い出す。

カルネ村で得た情報によれば、森の賢王とは数百年の時を生きた蛇の尾を持つ白銀の四足獣であるらしい。

凄まじい身体能力に加え、魔法すらも使用可能であるとのことで、近隣の村や冒険者達の間では伝説の大魔獣という扱いをされている。

 

「……それは、会ってみたいものですね」

「はははっ!たしかに会ってその姿を見てみたい気持ちはありますが、その時は命の危機ですね」

「居るだけでモンスターを寄せ付けないほどの力の持ち主である。伝承の通り魔法を使うとなればその強さは、かのアダマンタイト級でなければ太刀打ちできない領域なのは間違いないのである!」

(シルバー)級の俺らじゃぁ真っ向勝負はきちぃわな」

「興味はありますけど、命には代えられませんね」

 

実際に会うことは無いと思っているのだろう。

気楽な様子で次々に口を開く漆黒の剣のメンバーを眺めながら、モモンはヘルムの下でメッセージの魔法を発動させ何事か呟いた。

そしてマントを翻して立ち上がる。

 

「ふむ。どうやら馬も水を飲み終えた事ですし、そろそろ出発しますか?」

「そうですね。ンフィーレアさんは大丈夫ですか?」

「皆さんが良いなら問題はありませんよ」

 

ンフィーレアの言葉を合図に冒険者達は再び隊列を組み移動を開始する。

天高く昇った太陽がその豊富な光量でもって一行の肌を焦がす。

モモンが経験した事の無い太陽の猛威だったが、熱さを感じる肌など存在しないアンデッドの身にはなんの痛痒も与えない。

もしも生身だったなら、太陽光を吸収した黒色の金属鎧は真夏のマンホールの蓋の如く熱せられているため、とっくの昔に脱水症状か熱中症で倒れていただろう。

その事を幸運だったと思う一方で、一度でいいから日光浴とやらを経験してみたかったとも思いながらモモンは黙々と歩き続ける。

 

「にしてもさぁモモンさん。その全身鎧暑くないんですか?兜ぐらい外さないとぶっ倒れますよ?」

「ご心配なく。確かに多少暑いですが、この程度問題ではありません」

 

実際にはまったく暑くないが、人間として演技するモモンは涼やかな声で、それに、と言葉を続ける。

 

「ここからは危険地帯なのでしょう?森の賢王が壁になっているとはいえ襲撃の可能性はゼロではありません。隙は見せないに越したことはないでしょう」

「常在戦場、という事ですね。立派な心構えです。ルクルット、お前もすこしはモモンさんを見習ってだな」

「いやいや確かに立派だけどさ!そんな警戒しなくてもいいって!俺がちゃんと見とくからさ。ほら、ナーベちゃんなんて俺を信じてるから超余裕の態度だぜ?」

「あなたじゃありません。モモンさんがいるからです」

 

ナーベの眉間に皺が寄り、こめかみに青筋が浮かぶ。

今にも堪忍袋に詰め込まれた怒りが爆発し、緒を四散させかねない雰囲気だった。

 

「あら、私は無視なのナーベさん?同じ仲間なのに、モモンさんばかりでちょっと寂しいです……」

「え?あっ、いえ、決してミュールさんを蔑ろにしているわけでは」

 

ナイスタイミング!

ミュールの口出しでナーベの意識がルクルットから逸れたのを好機と見て、モモンも無言でナーベの肩に手を置いた。

落ち着けというモモンの意思が伝わったのだろう、即座にナーベの表情が和らいだ。

そんな一連の流れを見ていたルクルットはある質問を投げかけた。

 

「なぁー。やっぱナーベちゃんとモモンさんって恋人関係だったりするの?」

「こっ!?っこここいびと!?何を言うんですか!モモンさんにはアルッッッ!?」

 

唐突にナーベの言葉が途切れた。

 一体どうしたのかとナーベに視線が集まるが、彼女は口を開けたまま目を白黒させていた。

 

「ナーベさん?」

 

パサッ、という軽い音を立ててフードが後頭部へと落ち、顕になった顔に慈愛に満ちた微笑を湛えたミュールがナーベに優しげな声をかける。

ナーベの視線が動き、ミュールを捉える。

次の瞬間、ナーベの瞳がこの世の終わりが訪れたかのような絶望に染まった。

そんなナーベの様子を見て、ミュールは長い息を一つ吐いてフードを被りなおす。

 モモンはその一連の流れを目撃し、ミュールの前で失態を演じた者はこうなるのかと理解した。

ナーベの絶望は自身を見つめるミュールの瞳の向うにクーゲルシュライバーが存在しているのを知っているが故だ。

 

「っぷは!」

 

息を止めていたのだろう、水中から頭を出して息継ぎするような音を立ててナーベは肩を上下させていた。

そんなナーベにモモンが足早に近づいていく。

 

「ナーベ」

 

重く静かな一声だった。

そのモモンの声にナーベの顔は血の気を無くし、口元を押さえ全身を震わせた。

モモン達3人の間に流れる異様な雰囲気に、ンフィーレアと漆黒の剣の視線が集中していた。

 

「……ルクルットさん。詮索は止めていただけませんか」

 

他者を寄せ付けない冷たさと堅さを含んだモモンの言葉は、ともすると悪印象を与えかねないものだった。

しかしそんなモモンに対して眉を顰める者は皆無だ。

モモンの反応は当然のものであると、ルクルットへ批難の目を向ける者が殆どだった。

 

「……あー。すみませんでした。ちょっとからかうつもりでした」

 

特に反省しているようには見えないルクルットだったが、モモンは別に怒ってはいなかった。

ナーベが口を滑らせようとしたとき、ミュールが何かをして口を塞いでくれたおかげで、アルベドの名前を知られるという事態には陥ってないからだ。

 

(とはいえナーベは迂闊に過ぎる。今後こういう事が無いように注意しなくては)

 

そう思う一方でモモン自ら注意する必要はないのではないかとも感じる。

自らの失態を悟り顔を青ざめさせるナーベに、追い討ちをかけるのは躊躇われたのだ。

モモンは今までの社会人生活において嫌な思いをした経験を思い出していた。

 

(ナーベの気持ちも考えてやらねばな。これまでも色々と問題行動を繰り返しているが、それにはなにか理由があるに違いない。それを考えずに頭ごなしに叱り付けては良い上司とは言えないだろう)

 

精神的な地雷というのは思わぬ所に存在し、それは得てして破滅的な被害を出すものなのだと痛感したつい最近の経験がモモンにそう思わせる。

他人の心情を思いやる事が身に染み付き始めているモモンだったが、それは彼自身の雰囲気を和やかなものへと変化させ、慈愛に満ちた人物であるという周囲からの好評価へと繋がっていた。

ナーベの肩を軽く叩くモモンの表情は兜に覆われており、もしも兜が無かったとしてもその正体は表情の無い骸骨である。

 どうやっても感情など窺いしれないはずなのに、肩を叩くモモンを見つめるナーベの瞳からは絶望の曇りが取り払われていた。

 

「わかっているとは思うが、これからは気をつけるんだぞ」

 

甘くなりすぎない声色で言うモモンに、ナーベは両手で口を押さえながら無言で首を縦に振る。

その様子に今はこれで十分だと納得する。

 

「モモンさん、仲間がすみません。詮索は御法度だと言うのに……」

「今後気をつけてもらえれば構いませんとも」

 

胃の辺りに手を当てながら謝罪してくるペテルにモモンは内心同情していた。

彼は今日何回仲間のせいで謝罪しているのだろうか。

同じ冒険者という身分であるがパーティが違うならそこには明確な隔たりが存在する。

例えるならばペテルは他社との商談で部下やらかした時と同レベルの精神的負荷を味わっているのではないかとモモンには予想できた。

そのため、自然と声にも哀れみや慈しみが滲み出てしまう。

それがどのような効果を発揮したかは、明らかに安堵した様子で表情を緩めるペテルを見れば一目瞭然だろう。

 

「ありがとうございます。……ルクルット!モモンさんが寛大だからって調子に乗って!」

「……いや、待て」

 

語調を荒くして注意するペテルに対し、ルクルットは先ほどまで浮かべていた軽薄な笑みを一変させる。

聴覚を研ぎ澄ましているのだろう、より音を敏感に拾うために耳に手をあてた格好のままルクルットは額に汗を浮かべた。

 

「動いている。それも、かなりの数だ。おまけにすげぇ勢いで向かってきやがる」

「なんだって?どこだ?」

「あれだよ、あれ」

 

ルクルットが指し示す先にある森の一部は木々が生い茂っているだけあって見通しが利かない。

だがすぐに舞い散る木の葉と砂塵が湧き起り、そこに何者かが居る事を誰の目にも明らかにした。

鳥などの小動物が悲鳴に似た鳴き声と共に次々に空へと飛び立っており、ただならぬ雰囲気を醸し出している。

 

やがて、騒然となった森の一角から大小の人型が躍り出る。

それと同時に漆黒の剣から困惑の声が漏れた。

 

「ゴブリンにオーガ!数が多いぞ!」

「それに何か様子が変であるな。酷く興奮しているようである」

 

ペテルが言うようにゴブリンとオーガの集団は此方の人数に倍する数の30匹にものぼる。

ゴブリン13匹にオーガ17匹で構成されたモンスターの群れは全速力で此方を目指して走ってくる。

 

「ダインの言うとおり、ありゃあまともな状態じゃねぇぞ?血眼汗だく涎ダラダラ。気が触れてるみたいだ」

「ゴブリンよりもオーガの数が多いのもおかしい。普通オーガはゴブリンに雇われる立場のはず、あのゴブリン達にあれほどの数のオーガを雇う能力があるとは思えない……あの集団は異常です」

 

困惑しつつも冷静に敵を観察する漆黒の剣達を他所に、モモン達3人は全く動じない。

ナーベはモモンを見つめ、モモンとミュールの二人はペテルを見つめている。

 

 道中の護衛に関する指揮を執っているのはペテルだ。

その彼の判断を待っているのである。

 

「特異な行動をするモンスターを相手にするのは避けたいところだが、あの数に勢いでは戦闘は避けられないか」

 

戦闘を決意するペテルの呟きを聞きつけると、モモンはここぞとばかりに口を挟む。

 

「でしたら私が前に出て敵の勢いを抑えましょう。そこをミュールとナーベの魔法で攻撃します。漆黒の剣の皆さんには撃ち漏らした敵からンフィーレアさんを護っていただきたい」

「しかしそれではモモンさんの負担が多すぎます。私も武技《要塞》が使えるので一緒に……」

「いえ、お気になさらずに。ペテルさんは護衛に専念してください。私なら大丈夫です。ただの大口叩きではない事を証明させていただきたい」

 

絶対的な自信に裏付けられた堂々たるモモンの態度に、漆黒の剣達の顔に理解の色が浮かぶ。

 

「分かりました。ですが、出来るだけの支援をさせて頂きますよ」

「よろしくお願いします」

「えっと、支援魔法は要りますか?」

「私達は必要ないので、漆黒の剣の皆さんに支援なさって下さい。……いや、むしろミュールの支援魔法は要りますか?」

「いえ、支援魔法はニニャので十分ですので、火力の要であるミュールさん達は魔力を温存していてください」

「ではそのようにさせて貰います。いくぞ、ナーベ、ミュール」

 

歩き出すモモンに付き従うように、二人の黒い魔法詠唱者が続く。

左右に美女を侍らせる漆黒の戦士の向かう先から些か不自然な風が吹き、緋色のマントをヒロイックに靡かせた。

 

「わぁ……」

 

馬車と共に後方に下り、冒険者達の姿を見ていたンフィーレアから熱の篭った声が漏れる。

 それはヒーローに憧れる純粋無垢な少年の如き感動の表れであり、モモン達3人の持つ非日常的な魅力の強烈さを物語るものであった。

 

「ああ、そうだった」

 

漆黒の鎧を夏の日差しに輝かせながら、モモンが立ち止まり背を向けたまま言う。

どうしたのだろうかと、戦闘の段取りを決めるのも一時中断して漆黒の剣達の視線がモモンに集まる。

 

「モンスターが出た場合、その半分受け持つという約束でしたね……報酬はそのまま最初の取り決め通り半々で構いません」

 

いやに謙虚な言葉遣いのモモンに聞く者達は訝しげな顔をした。

そんな彼らの前で、モモンは腕を交差させるようにして背中にまわし、剣の柄を握る。

そして左右からナーベとミュールがマントの下に手を差し入れ、一人一本ずつ鞘を抜き取った。

緋のマントが大きく波打った後、風に靡く。

大きく、大きく弧を描くように現れた二本の剣がその姿を顕にした。

 

抜き放たれたモモンの双剣に、誰もが息を飲む。

 モモンが片手に持つ剣は150cmを超える巨大な物であり、暗黒が凝縮したような黒い刀身の中で刃と、刀身を覆おうように彫られた蜘蛛の巣状の溝だけが白銀に輝いていた。

鍔には紅い八つの宝石を埋め込まれた漆黒の蜘蛛が拵えられており、戦闘用の武器というよりも美術品と言ったほうが正しいような、そんな見事な武器だった。

まさに英雄が持つべき武器ではあるが、美術品の如き美しさの中にどこか怪しい気配を感じさせる一品である。

 

そんな武器を両手に一本ずつ握るモモンは、肩慣らしとばかりに腕を振るう。

巻き起こる風の中、無数の光が炎天下の草原に綺羅星の如く煌いた。

 

「……そんな、ばかな」

 

まるで小枝を振るうが如き軽やかさで縦横無尽に振り回される二本のグレートソードの姿に、剣を扱う戦士であるペテルが呻く。

モモンが手にしている剣は一本だけでも、その重量は魔法によって軽減されていない限り人間一人分はあるだろう。

それを片手で保持し、あまつさえ短剣で行うような鋭く素早いあの剣舞を行うのにどれ程の筋力が必要なのか。

ただそれだけでも信じがたい奇跡的光景ではあるが、モモンは動きを制限される全身鎧を装備してそれを行うのである。

ペテルはこの一瞬でモモンが戦士としてどれほどの高みに位置するのかを理解した。

そしてモモンの発言が決して大口の類ではなかったのだと思い知ったのだった。

 

「ナーベとミュールの仲間である私の力。ご覧にいれましょう」

 




次回ちょっとしたオリジナル展開があるんですけど、少しでも原作から乖離したシーンが入るだけで筆の勢いが鈍る鈍る。
BR特典をまだ手に入れてない事もあって色々悩ましい今日この頃です。

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