※リメイク 白髪少年が赤い弓兵を召喚するのは間違いだろうか 作:ソラさん
今回はちょこっと設定が変わったかも?
「サーヴァント・アーチャー、召喚に応じ参上した。君が私のマスターか?」
現世に召喚された私は最早決まり文句であるセリフを吐いた。
どうやら怯えているようだがマスターの確認を済ませる事が最優先だ。問題の解決は遅くはないだろう
「はい?」
………どういうことだ?何故疑問を浮かべる?この少年が召喚したのではないのか?そうで無かったとしたら生前の私の様に巻き込まれたというのか?
「あの、すいません。よく分からないんですがあなたは逃げて下さい。此処は僕が戦います」
戦うとはあの狼達となのか?魔術師が狼なんぞに遅れを取るとは思えんが。
だが以前の私の様な例外もいるだろう。それに周りには残骸と化した馬車しかなく他に人っ子一人もいない。
やはり彼が私のマスターのようだ
「心配はいらないぞマスター、この程度の獣なんぞ私が屠って見せよう」
「え、で、でも…」
「いいから任せろ」
恐らくこの様な状況からマスターの魔力量はさほど多くは無いであろうから今後の魔力供給には期待しないておこう。幸いアーチャークラスには単独行動のスキルが備わっているから暫くは問題がなかろう。
一先ずは目の前の問題を解決するところから始めるとするか。
「
私の代名詞と言っても過言ではない干将・莫耶を投影する。正直宝具を投影する必要すらないのだがマスターに私の力を誇示するにはいい機会だ。
さて、さっさと片付けてしまうか。
「さぁ、掛かってこい!」
「ガルゥ……ガァアアア!!!!!!」
......................................................
アーチャーの挑発に乗ったのか全部で7匹の狼達は一斉に襲いかかった。彼が何者なのかは分からないベルにはとても危険な状況に見えた。
「危ないです!逃げて下さい!」
必死にベルは訴えかけるがアーチャーには届かない。寧ろ余裕の表情を浮かべ二対の剣を構えている。
ベルはこれから起こるであろう惨劇から目を背けようとしたがその瞬間に
一閃
そう表すのが正しいであろう。
ベルが目を背けようとする前にアーチャーは既に狼たちの後ろに立っていた。
何が起こったか把握出来ないベルだったが次の瞬間には狼たちはその身を裂かれ血飛沫を上げながら倒れていった。
あまりの出来事にベルには状況を理解することが出来なかったが一つだけアーチャーが狼たちを屠ったという事実だけは理解ができた。
「怪我は無いか、マスター?」
思ってもいなかった出来事にベルはボケっとしていて返事に遅れたがしっかりと自分の安否を報告した。
「おーい、あんた達大丈夫かー?」
遠くから御者が様子を見に近づいてきた。
「あ、はい大丈夫です」
「それはよかったよ……でも馬車がこれじゃオラリオまで乗せられないな、悪いが代金は返すから歩いていってもらえないか?ここの道を真っ直ぐに1時間位歩けば着くはずだからね、本当にすまない」
壊れた馬車を残念そうに見ながら御者はオラリオがある方角を教えてくれた。
一先ず落ち着いたのかベルはアーチャーに頭を下げた。
「えっと…その…助けて下さりありがとうございます!」
「なに、マスターを守るのは私の仕事だ」
「その、さっきから言ってるマスターってどういうことなんですか?」
当然と言えば当然の疑問だ。ベルからすればいきなり目の前に現れた男が自分をマスターと呼び、守る。どう考えても納得のいく理由がベルには思いつかないのだ。
「ふむ、やはり何も知らないか」
「説明をしたいのも山々だが直に日も暮れる。野宿したいなら構わないのだが先ずは目的地に向かった方が良いのではないかね?」
「そ、それもそうですよね…」
「そんな捨てられた子うさぎのような顔をするなマスター。歩きながら軽く説明をしよう」
こうしてアーチャーはオラリオに向かいながらベルに説明を始めた。
「まず君は聖杯戦争や魔術師と言う言葉を聞いたことはあるかね?」
「い、いえ…ですが魔術師じゃなくて魔法使いなら聞いたことがあります!」
「ふむ…そうかそれならば1から説明をした方がいいな」
それからアーチャーはベルに聖杯戦争について、マスターについて、聖杯について、そして英霊についての説明した。
「という事はあなたは過去の英雄なんですか!?」
アーチャーの説明にベルは目を輝かせながら質問を投げかけてきた。
「悪いが私は正規の英霊ではなくてね。かのブリテンの騎士王やアイルランドの光の御子と比べられてしまうと劣ってしまう」
アーチャーの発言にベルは首を傾げる。
「騎士王に光の御子…?すいません。僕はよく英雄譚を読むのですがどちらも聞き覚えがありません…」
今度はアーチャーがベルの発言に驚きを露わにする。どちらの英雄も世界的に有名な英雄譚だ。それを英雄譚好きだと言ったこの少年が知らないのはおかしな話だ。見栄を張った可能性もあるが先程の英霊の話の食いつき様を見たら嘘だとは考えられない。
一先ずアーチャーはベルに確認を取る事にした。
「む、ならば君が読んでいた英雄譚とはどう言ったものがあるのだ?」
「そうですね、いくつかありますが僕はアルゴノゥトの英雄譚なんか好きですね」
「アルゴノゥト…?アルゴー船の話か?」
アルゴー船にはアーチャーが聖杯戦争で対峙したあのバーサーカーがかつて乗ったことのある船だ。これもまた神話では有名所だ。
「船…?アルゴノゥトは愚かな少年がなし崩しに英雄になる喜劇の英雄譚ですよ」
アーチャーは聞き覚えのない英雄譚に足を止め思考を巡らす。
(私が聞いたことの無い話だな…聖杯からの知識のバックアップもされていない。これはどうしたものか…)
「えっと…大丈夫ですか?」
止めていた歩みをまた進めながらアーチャーはある可能性を思案していた。
「なに、気にするな。少し考え事をしていたまでだ」
「それよりもだ。どうやら完全な召喚では無かったためかどうやら私には一部記憶の混濁が見られる。」
「申し訳ないがこの世界の常識や君の目的などを教えてもらえないか?」
現状、アーチャーは英雄譚の話が噛み合わないことにひとつの可能性を考えていた。それを立証すべくベルに質問を投げかけた。
「は、はい!分かりました!」
それからベルは自分に何があったのかを話し、オラリオやダンジョン、神様や冒険者について説明を始めた。
(神の存在やダンジョン…それに冒険者という職業か…やはりここは私の知っている世界では無いようだな)
「あ、あの…」
「ああ、すまない説明をありがとう。それにしても君も大変だったな」
まだ15の歳も取っていない若さで天涯孤独となったベルにアーチャーは過去の自分を重ねて見えていた。だが衛宮士郎には切嗣や大河がいた為ベルの境遇に比べてしまうと自分の置かれていた環境に感謝が浮かぶ。
「いえ大丈夫です!僕はもう前に進むと決めているので」
「そうか…君は強いな…」
おどおどしながらもベルの瞳には強い光が見えていた。それをみたアーチャーは思わず微笑を浮かべる。
「いえ、そんなことないですよ…あ、そう言えばあなたのことはなんと呼べばいいですか?」
「む、私とした事が失礼した。名乗る程の名は無いのでな。アーチャーとでも弓兵とでも呼んでくれ」
「分かりました!ではアーチャーさんと呼びますね」
「僕はベル・クラネルです!よろしくお願いしますね!」
ベルは屈託の無い笑顔を浮かべ手を差し出してきた。またも思わずアーチャーは微笑を浮かべてしまう。
「ああ、こちらこそよろしく頼むよマスター」
何かおかしなとこがあったら教えてくださいな。続きはまたやる気があったら投稿することにしますね