なでこ☆フォックス【狐物語】   作:TAINZ

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なでこ☆フォックス -15-

【さて・さっきなでこちゃんは自分でも言ってたよなー・クチナワってゆー怪異は自分が(つく)ったモノだってさー】

 

言ったわけではありません、でもそう思ったのは事実です。

 

【俺様と・なでこちゃんの間では・思うだけで会話は成立するぜ・なんせ俺様という蛇格は・なでこちゃんそのものなんだからよー・シャーッシャッシャ】

 

嫌過ぎるー、これが現実だというのなら、もう「わたし」は死ねるね。

 

【おいおい・物騒なこと考えてるんじゃねーぜ・なでこちゃんが死んだら俺様だって死んじまうじゃねーか】

 

そうなの? 怪異も死んだりするのかー。

 

【まったく・みょーなところに反応しやがって・それについては後だ後・いいかーよーく思い出してみろや・俺様という・言わばなでこちゃんの心の闇を・怪異として具現化(ぐげんか)させたのは・あのお札さ・だからお札をなでこちゃんから取り除くことで・クチナワという怪異は消えるわなー・でもそれが勘違いの原因なんだぜー・シャッシャー】

 

あーそうか、「わたし」の記憶が曖昧なのは「暦さん」の部屋に隠されていたお札を呑み込んだ後からです、つまり【クチナワさん】という怪異が妄想の枠を出て、実際に力を持って「わたし」を支配していたから、だから…

 

【ちげーよ・怪異の力を支配してたのは・お前だよ・なでこちゃん】

 

『んなわけあるかー!』

 

【どうして無いって言えるんだー・あーん・なでこちゃんが人間だからかー】

 

『そ・そうだよ、わたしは普通の人間だもん、怪異の力を支配なんて出来るわけ…』

 

【本当にそう思ってるのかー・あー・俺様という蛇格を造り出した・なーでーこーちゃんよー】

 

『そんなの分からないよー』

 

【ちっ・やめだやめ・今のお前にはなにを言っても知らぬ存ぜぬだよな・やっと(つか)んだ人間としての生活を手放したくはねーもんなー・だがよー考えてもみろよ・この何ヵ月もの間聞こえなかった俺様の声が・またこうして聞こえるようになった理由っつーもんをな、シャッシャッシャ】

 

そうだよ、やっと「わたし」は普通に皆と顔を見て話が出来るようになったし、ちゃんと学校にも通えるようになったんだもん、もう【クチナワさん】に頼って自分を誤魔化(ごまか)す必要なんて無いのに…。

 

【どうして今更だよなー・でもよーどこぞの専門家が言ってたんだろう・怪異ってーのは存在する理由があるってーよー・シャッシャ】

 

また聞きなので「わたし」が聞いたわけではありませんが。

 

【よーするに・今のなでこちゃんにとっては・俺様を必要とする理由があるってことだろう・あんまり現実逃避(げんじつとうひ)ばっかしてっとよー・去年の二の舞になっちまうぞー】

 

『だったら、その理由を教えてよ! わたしが納得(なっとく)出来たら、もう現実逃避はしないから』

 

【ほう・ちったー強くなったじゃねーかー・なーなでこちゃんよー】

 

『う・五月蠅(うるさ)いなー、【クチナワさん】には関係無いでしょ』

 

【まーそうだな・俺様がとやかく口を(はさ)む話じゃねーわな・そんじゃー教えてやろうかー・俺様を封印したなでこちゃんが・どうしてまた俺様を呼び覚まさなきゃよー・ならなくなったかってー・理由をよー】

 

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