なでこ☆フォックス【狐物語】   作:TAINZ

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なでこ☆フォックス -16-

【クチナワさん】はとってもお(しゃべ)りです、「わたし」が何か考えるたび、すぐに話かけるので考えが(まと)まりません。

 

【おいおい・いい加減理解しろよなー・俺様となでこちゃんは同一なんだぜー・俺様が話していることは・ぜーんぶなでこちゃんが話ているってーことをよ】

 

そんなこと言われたって、分からないものは分からないんだから。

 

【まったく・このねんねちゃんは・そっから理解させねーと話が進まねーよーだからなー・なでこちゃんよー・今日の下着は赤のシルクだろー・しかもフリル付きのエロ可愛いってやつかー】

 

『わーわーわーわーわー、な・何を言っとるかねー、証拠(しょうこ)でも有るのかねー』

 

【いや認めろよ・俺様はなでこちゃんと同じ記憶を持っているんだぜ】

 

誤解しないで下さい、普段の「わたし」の下着は白い綿です、普通の中学生が普通に選ぶ下着です、今日の下着は「神原さん」が小悪魔ならばと選んだ物で…、

 

【おいおい・今度は誰に向かって弁解(べんかい)する気だー・聞こえてんのは俺様だけだろーが】

 

もう分かったから、【クチナワさん】は「わたし」が造り出した「わたし」の別人格だよ、だからもうイヤらしいこと言わないで。

 

【シャッシャー・分かったってーわりには分かってねーんだがなー・イヤらしいことを考えてるのは・なでこちゃん・お前自身なんだぜー】

 

『それ以上変なこと言うと、このシュシュ捨てるからね』

 

【別に構わねーぜー・シュシュを捨てたからってなんも変わりゃーしねーしなー・だいたい何時もなでこちゃんが描いてる漫画の方が、よっぽどイヤらしいと思うがなー・シャッシャッシャー】

 

『もう知らない、喋らない、何にも聞かない、絶交だからね、話しかけないで!』

 

【認めちまえば楽になんだけどなー・何度も言ってるよーに・俺様はなでこちゃんのことは何でも知ってるんだからさー】

 

「わたし」のことを何でも知っているもう一人の「わたし」、ということは「わたし」が忘れている記憶も…。

 

【当然だー・おぼえてるぜー】

 

じゃあ、やっぱり怪異の力を支配してたのは、「わたし」とは別人格の【クチナワさん】ってことでしょう。

 

【いーや俺様じゃーねー・わんさかと集まった蛇どもを意のままに(あつか)ったのも・俺様の人格っちゅーか蛇格を・大蛇の怪異にそのまま投影(とうえい)したのも・全部お前だぜー】

 

それならどうして?

 

【記憶が無いのかってー・決まってんだろー・俺様と一緒に記憶も封印したからによー】

 

封印した…。

 

【別に俺様は()めてる訳じゃーねーぜ・人間として生きてくのに・神だった頃の記憶なんてーのは・邪魔なだけだろーがなー・人間てーのは忘れることでよー・上手(うま)く生きていけんだろー】

 

思い出しました、「わたし」が北白蛇神社で神様をしていた時の事を、「わたし」が「暦さん」達を殺そうとしていた時の事を…。

 

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