なでこ☆フォックス【狐物語】   作:TAINZ

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なでこ☆フォックス -17-

【俺様が言うのも何だがよー・なでこちゃんが神をしていた頃・いかにも不吉(ふきつ)な野郎が神社に通ってただろー・その野郎がなでこちゃんを神から人間に()ろした張本人だがよー・そいつが最後にナメクジ豆腐なんちゅーもんを置いていきやがったんだわー・まーそのナメクジ豆腐が神時代のなでこちゃんの記憶と・俺様ってゆー蛇格を封印した代物(しろもの)だってー訳よ・シャッシャッシャー】

 

笑うところなのでしょうか?

 

【まーよー・こうして俺様が復活したんだからなー・そりゃーなでこちゃんの記憶も戻るわなー】

 

さっきは忘れてても良いみたいなこと言ってたのに。

 

【だからよー・勘違いをするんじゃねーぜ・なんの問題もねーならよー・忘れてていー記憶なんてもんわー・忘れたまんまにしときゃーいー・なんの問題も無きゃーなー・シャッシャ】

 

嫌な言い回しです、でも【クチナワさん】の言いたいことは分かりました、問題が有ったから戻って来たのだと…。

 

【会っちまったからなー・怪異によー】

 

『やっぱりそうなるよね』

 

【なんだー・記憶が戻ったってー割にゃー・落ち着いた反応じゃねーかー・んー】

 

『うん、何て言うのかな…、やっぱりさー忘れていただけで、記憶喪失(きおくそうしつ)じゃなかったってことなんだなーって、たまーに夢で見てたから、わたしが暦さんを殺す夢…、現実だったんだね…』

 

【まーなー・でもあの兄ちゃんは不死身(ふじみ)だからよー・なでこちゃんだって知ってて遣ってんだからさー・・・】

 

【クチナワさん】はやっぱり「わたし」なんですね、ちゃんと自己防衛(じこぼうえい)もするし、あーだからかー「わたし」が死ぬと【クチナワさん】も死んじゃうっていうのは。

 

【だいたいは理解したよーだなー・だがよーあと一つだけ言っとくぞ・今の俺様は怪異じゃーねーからなー・単なるお前の別人格よー・表の人格であるなでこちゃんが純真無垢ならー・裏の蛇格である俺様【クチナワさん】は冷酷無比(れいこくむひ)なんだわー・そんでもってそのどちらの性格も千石撫子なんだぜー・お前の中には正も(じゃ)も有るってーことを忘れねーこったなー・シャーシャッシャー】

 

「わたし」が純真無垢だなんて、思ったことは一度も無いです、「わたし」は言葉にしないだけで、考えていることは冷酷無比です、それこそ蛇の体温の様に。

 

【まーそー卑下(ひげ)するなってー・なでこちゃんだけが特別ってー訳じゃねーよ・人間はみーんな表と裏を持ってんだからよー・良い感情も悪い感情も同居してるのが人間だろー】

 

【クチナワさん】が(なぐさ)めるのも、「わたし」が自己防衛の為に言ってることでしょう、なんだかなー…。

 

『千石、そろそろ集合の時間だぞ、今日は大丈夫か?』

 

昨日「わたし」が倒れたからなのでしょう、担任の佐藤先生が様子を見に来たのですね。

 

佐藤先生には、体調は問題無いので御心配無くと告げ、そのまま会議の場である共用室へと向かいました。

 

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