なでこ☆フォックス【狐物語】   作:TAINZ

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なでこ☆フォックス -19-

 

「わたし」がまだ小学校の二年生の頃です。

 

その当時から、「わたし」の人見知りは激しかったと記憶しています。

 

クラスの中での「わたし」の居場所は、基本的に窓際の一番後ろ、席替えが有る(ごと)に、その場所を死守(ししゅ)していました。

 

死守という言い方が言葉のあやではなく、実際に命がけと言いますか、「わたし」という存在を掛けての自己主張だった様な感じてす。

 

クラスの皆が机を移動している間、「わたし」一人は無言で俯いたまま、机をいっさい動かさずに居るのです。

 

くじ引き等で席を決めた際にも、「わたし」はくじを引きにも行かず机にかじりついていました。

 

当然ですが、担任の先生に注意を受けるのですが、「わたし」が俯いたまま目を合わせずに無言を続けていると、大抵は先生が(あきら)めてくれました。

 

「わたし」の記憶がさだかではないので、何時からというのはハッキリしませんが、一年生の時にはもう「わたし」の無言の抵抗(ていこう)と言うか、主張と言うことに成るのでしょうか? といったものは完成していたと記憶しています。

 

『何て言うか、嫌な子供だよね、人見知りと言うか、人を寄せ付けないって感じだもん』

 

そんな「わたし」なので、想像(そうぞう)するのに容易(たやす)くボッチでした、「わたし」は自分から望んで一人を選んでいましたので、ボッチというポジションは「わたし」にとっては快適(かいてき)だった筈です。

 

さて、そんな幼児期の「わたし」に変革(へんかく)が起こりました。

 

ー 八年前 ー

 

始業式が終わって二年一組の教室です、新しいクラスでの席順は出席番号順です、「なでこ」の名字は千石だから真ん中よりも少し前の方、だから真ん中の列の前から三番目です。

 

でも「なでこ」にとってもっと嫌なことは自己紹介、「なでこ」は人前で話をするのが苦手(にがて)です。

 

『考えただけで心臓が…』

 

あー次の次だよー、心臓が痛い…顔が暑い…変な汗かいてきた…、あーもー帰りたいー。

 

『じゃー次は出席番号28番、千石撫子さん自己紹介お願いします』

 

『は…い、せん…ごくな…でこです、お願い…しました』

 

はぁー終わったー。

 

『ぷっ・あっははははっ、なになにーせんちゃんなの? でこちゃんなの?』

 

笑い声は「なでこ」のすぐ後ろから聞こえました。

 

『こらー相馬、笑ってないで自己紹介をしなさい』

 

注意してる先生もちょっと笑ってるじゃん。

 

『はーい、そうまたまみだよーん、あたしのことは【そうひめ】か【たまひめ】のどっちかで呼んでね、あたしてきには【たまひめ】が好きかな、あと男子にはごめんねー、あたしは女の子が好きだからー、あたしにコクってもふられるよ、でもかわいい男の子だったらお友だちくらいはOKかな、ということでこれからよろしくね』

 

「なでこ」にしては珍しく、人の自己紹介している姿を見ました、「なでこ」は自分が見られるのが嫌だから、人の自己紹介もほとんど見ないです、でもそうまさんは「なでこ」の自己紹介を笑ったから、どんな自己紹介をするのか見てやったんだけど…。

 

『見なきゃよかったよ』

 

人前で話すの楽しんでるとかあり得ない、さっきのあららぎさんもなんかすごく余裕だったし、このクラスは変態ばっかりだよー。

 

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