なでこ☆フォックス【狐物語】   作:TAINZ

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なでこ☆フォックス -20-

お約束と言うか、決まりごとなんですけど、「なでこ」の大嫌いな自己紹介が終わりました、そして待ちに待った席替えは来週の月曜日です。

 

それまではとにかく目立たない様に注意して…。

 

『ねーねーせんちゃん、消しゴムかしてー』

 

せんちゃん?

 

『おーい聞こえてますかー』

 

後ろの席のそうまさんが、たぶん「なでこ」を呼んでるけど、とりあえず無視(むし)です。

 

『うん? やっぱりでこちゃんの方が良いのかな、おーい・でこちゃーん消しゴムかーしてー』

 

誰がでこだってーの、「なでこ」のおでこは前髪で隠れてるから見えないの、て言うか話しかけないでよ「なでこ」は目立ちたく無いんだから。

 

『もしかして(おこ)ってる? さっき笑ったこと、怒ってたらあやまるからー』

 

あーしつこいなー、謝らなくていいから、話しかけないで欲しいのに、消しゴムぐらい(となり)の子から()りなよ。

 

『うえーん・えーん、でこちゃんが無視するー、えーん』

 

な…なんで泣くの? 泣きたいのは「なでこ」の方だよ。

 

『ごめんなさーい、あたしが悪かったよー、お願い・無視しないでー』

 

謝られちゃったよ、あーもー…。

 

『はい消しゴム、もう一個あるから、返さなくていいから、あ・あと・なでこは…でこじゃないから』

 

『あー・わー・かっわいー! でこちゃんってちょーかわいーねー、あ・いけね、なでこちゃんだよね』

 

ウソ泣きかよー! すっごい笑顔だし、もうこの子嫌だからー、話しかけるなー。

 

『おー・おこった顔もちょーかわいー、ねーねーなでこちゃん友だちになろーよー』

 

『なでこは…可愛くなんか無いよ…、だ・だから…べつの人をさがして…』

 

『下向いてたらもったいないって、なでこちゃんはかわいーんだから、もっと顔を見せないとー』

 

この子は人の話を全然聞いてないし、やっぱり無視した方がいいですね。

 

『ねーこのあといっしょに帰ろー、なでこちゃんの家ってどっち?』

 

まだ話しかけてくるよー、もういやー、誰か助けてー。

 

『あのさー、さっきからあつくアプローチしてるけどさー、少しは相手のことも考えてあげたらー、千石さんがこまってるの分からないー、そうひめさん』

 

救世主(きゅうせいしゅ)の登場です、神様はまだ「なでこ」のことを見捨ててはいませんでした、えっとこの子は確かあららぎさんですね、ありがとーあらゃらぎさん…、言いづらい名字です。

 

『おっとー、これはすごい、こんなにかわいー女の子が二人もいるなんて、二年一組はレベルたかーい、友だちになろ、ね・ね・いーでしょー』

 

うわー結構(けっこう)厳しいこと言われたのに、全然気にしないって…、(うらや)ましい性格をしてます。

 

『いーよー、わたしは来るものはこばまないからー、友だちになりましょー、それにわたしは自分が可愛いのも知ってるからー、ほめられるのは単純にうれしいんだー、ありがとーたまちゃん、ちなみに友だちにたいしてひめって呼び方は無いからー、たまちゃんって呼ばせてもらうねー』

 

この子もなんて言うか、羨ましい性格をしていました。

 

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