朝のホームルームが終わり、いよいよ席替えです。
『視力の悪い生徒は前の方に、その他の生徒はとりあえず好きな場所に移ってくださいね、同じ席を選ぶ時は話し合いか、じゃんけんで決めるように、じゃーよーいドン!』
今だけは負けられません、「なでこ」は周囲のクラスメイトをかき分けて、一番後ろの窓際へと走りました。
『ゲット!』
やりました、目的の席をゲットした「なでこ」は周りを
『わたしはここにしよーっと』
「なでこ」の前の席を指さしたのは「ららちゃん」でした。
『あーあたしもここがいー、変わって・変わってー』
「ららちゃん」の指さした机を、抱きかかえる女子がいました。
『あなたの席は向こうよー』
『やだー月ちゃんが前に行ってよー、あたしはなでこちゃんの前がいーの』
『千ちゃんはー、わたしとたまちゃんのどっちが良いの?』
『えー…、なでこはららちゃんの方がいいかな…』
無茶ブリだよー、でも「ららちゃん」を怒らせるのは嫌だから、ごめんね相馬さん。
『あーずるーい・ずるいずるい、なんで月ちゃんのことあだ名で呼んでるのー、あたしのことはまだ、相馬さんなのにー』
そこに反応?
『これで分かったでしょー、あなたの席は向こうなのよー』
前の席を指しなが、「ららちゃん」は笑顔で言います。
『やだー、あたしだけのけ者みたいじゃん、せめてあたしのこともあだ名で呼んでくれなきゃ、ぜーったいに前に行かないからね』
これも話し合いの解決なのかな? でもこれ以上もめてると「なでこ」の席まで取られかねないよね。
『えっと、相馬さんはどんな呼ばれかたが良いの?』
『それはもう【たまひめ】だけどー、お人形みたいななでこちゃんに【ひめ】って呼ばれると、うーんなんだかなー、ぎゃくにキズつきそうな気がする、やっぱ月ちゃんといっしょで【たまちゃん】でいーや、ちょっとネコっぽいけど』
「なでこ」は人形みたいじゃないし、相馬さんが呼ばれたいなら「たまひめ」って呼ぶのにな。
『分かった、これからはたまちゃんって呼ぶから、もう席の取りあいはしないでね』
『うーー、なんかやっぱり月ちゃんに負けてる気がする、あたしもべつな呼ばれかたがいー、なでこちゃんなんかなーいー』
だから無茶ブリだってー。
『そんな・急には…』
『ふっふーん、だったらわたしが考えてあげるねー』
『おーどんなの・どんなの』
相馬さんは目を
『まずはー、そうまのうまを取って【馬ちゃん】』
『無い・それはむーりー』
『じゃーねーこれは力作だよー、そうまのまと、たまみのまを取って【ママちゃん】』
相馬さんは机に
『かわいくなーいー、て言うかお母さんになってるじゃん』
ぷっ…本当だ。
『はぁーもーいーよ【たまちゃん】のままで、それとーあたしも【千ちゃん】と【ららちゃん】って呼ぶね、その方が仲間っぽいしさ』
『えーどうしよっかなー』
「ららちゃん」それはちょっと意地悪だよ、
『もう決定だよ、ダメって言ってもムダだから』
たまちゃんには、問題にならないのか。