☆
『たまちゃん…なんだよね』
『そうだよ、嘘つきの、千ちゃん』
こうして目の前にしても、いまだに信じられません、前髪で目を
【おい・気を抜くなって言ったろーが・こいつの目は正気じゃねー】
そんな事言われても、前髪で目が見えないのに、
『んー、どうしたの、そんなに恐い顔をして』
「わたし」は初めて知りました、目の見えない相手と話すことが、こんなにも心地が悪いということを…、いままで「わたし」と話してくれた皆さん、本当にごめんなさい。
『この姿を見るのは、昨日が初めてだったの?』
「わたし」は「たまちゃん」から目を離さずに、小さく
『
「たまちゃん」が、今どんな気持ちで話しているのか、表情が動かないのでまったく分かりません。
『ごめんね、わたし去年ちょっといろいろあって…』
『あたしのことは、忘れていた?』
『………』
『どお、あたしのこの姿、似てるでしょう』
『…うん…』
『千ちゃんは知らなかったよね、あたしはずっと、千ちゃんの容姿に
「たまちゃん」の口が薄い笑みを浮かべます、「わたし」は
『怖いの? 千ちゃん、以前のあなたって、こんな感じだったじゃない』
「たまちゃん」は「わたし」が
【なに・呑み込まれてやがんだー・あーん・珠美が似せてんのはよー・見た目だけだろーがー】
うん、以前の「わたし」はあんなふうに笑わないし、こんなに話も出来なかったよ。
『ふーん、強くなったね千ちゃん、しっかりと見れるんだー、あたしのこと』
『たまちゃんは、どうして…目を隠したりしてるの』
『これはね、彼への
『えっ……』
『さすがに、覚えていてくれたみたいだね、嘘つきの、千ちゃん』
覚えていたのではなくて、思い出しました。
ちょうど一年位前のことです、
「たまちゃん」とは中学校に入ってから同じクラスになったことがなく、時折すれ違う毎に少し話をする関係でした。
理由は「わたし」が学校に
そんな「わたし」でしたが、「たまちゃん」は以前と変わらずに話しかけてくれていました。
ただ、一年前の「わたし」は、変わらない「たまちゃん」との付き合いも、わずらわしいものに感じていたのです。
そんな二年生一学期のこと。
☆
『千ちゃん、一緒に帰ろー』
『あ…うん』
『今日は千ちゃんの家に行っても良いよね、ね、ね』
別段、断る理由もないので了承しました。
『よっし、じゃー久々にお菓子とジュースで、女子トークするぞ』
なんだか今日の「たまちゃん」は、何時にも増してテンション高いな。
「なでこ」の部屋に着くなり、「たまちゃん」は何のまえぶれもなく切り出します。
『千ちゃん、正直に答えて、今でもららちゃんのお兄さんのこと好きなの?』
『な・なにを言うとるのかねー』