『はーこれは
「たまちゃん」の言っている意味が分かりません。
『他人顔してないで、千ちゃんの事なんだから、あたしさ・この前見ちゃったんだ、ららちゃんのお兄さんが女の人と歩いてるとこ、すごく仲良さそうに歩いてたよ』
知ってます、最近の「暦お兄ちゃん」はいろんな女(ひと)と歩いてます、ただ、その中の一人は…。
『べ・べつになでこは、暦お兄ちゃんが女の人と歩いていても、か・関係ないよ…』
『それってどっちの意味、お兄さんに恋人がいても変わらずに好きなの、それとも・もうお兄さんのことは、好きでも何でもないってことなの?』
『なでこは…、暦お兄ちゃんのこと…』
『もう何年も会ってないよね、お兄さん中学生に成ってからは、あたし達とは遊ばなかったし、そもそも千ちゃんのお兄さんが好きっていうのは、言い訳だったじゃん』
言い訳、そう言い訳です。
『なんでいまだに引きずってるの、もう言い訳にお兄さんを使わなくても、普通に他の誰だって
「なでこ」は告白を断る言い訳に、暦お兄ちゃんを使っていました。
『もう、千ちゃんも普通に人を好きになって、普通に誰かと付き合ってよ、じゃないとあたしは…』
…どうしたんだろう、「たまちゃん」が話の途中で言葉を
『ごめん、あたし・なに言ってるんだろね、千ちゃんが誰を好きになって、誰と付き合っても、あたしが口出しすることじゃないのに』
『たまちゃん…』
そっと顔を覗きました、うっすらと涙をにじませています。
『えっとね、なでこは暦お兄ちゃんのこと、もうとっくに諦めてるよ、たまちゃんの言った通りで、ずっと会ってないし、それに暦お兄ちゃんには彼女さんが居るし…、そもそも暦お兄ちゃんは、もうなでこのことをたぶん覚えてないよ』
言葉にしてみてはっきり分かりました、本当にそうなんだと、暦お兄ちゃんはなでこのことなんて、とっくに忘れているのだということが…。
『千ちゃん、無理してない?』
分かりません、悲しくないかと言えば、やっぱり悲しいのだと思います、けど、無理をしているのかと言えば、違う気がします。
『たぶん、なでこの好きは憧れだと思う、なでこは一人っ子だから、お兄ちゃんが欲しかったのかな』
きっと、そういうことだったのでしょう、分からないのだから、しかたありません。
『あのね、あたしは、好きな男の子がいるんだー、すっごいがんばり屋でさー、頭も良いし・スポーツも万能で、女の子に対しても優しいし、ルックスだっていい線いってるよ、でもさ、残念ながらその男の子には、片想いの相手がいるの、だからあたしのことは、話しやすいただの友達』
たぶん「たまちゃん」は
『なんかさー、あいつのことを見てると、応援したくなるんだよねー、何でも一生懸命なんだもん、ほんと、どうしてあんなに頑張るかなー…』
そう言いながら「たまちゃん」は天井を見ます、一粒の涙が頬をつたい落ちました。
『たまちゃん…、頑張ろう、なでこも応援するから…、とても
「たまちゃん」の応援はしたいです、でも「なでこ」には何ができるのでしょう。
『本当! 千ちゃん本当に応援してくれる?』
『う・うん、もちろん応援するよ』
『良かったー、ありがとう千ちゃん』
そんなに喜ばれると、とても不安ですが、「たまちゃん」が元気になるなら、
『あのね、千ちゃんに紹介したい人がいるの、明日の放課後に会ってくれないかな』
『うん、大丈夫だよ、なでこも頑張るから』
「たまちゃん」の好きな男の子に、「たまちゃん」の良いところをいっぱい言うね。