「わたし」は馬鹿なので、
『んー私の言っていること分からないの?』
怖いよ「ららちゃん」顔を覗き込まないでー。
『ふーん、しょうがないなーなでこちゃんは、
『そ・そんなことないもん、わ・わたしだって意見ぐらいできるよ!』
ビックリしました、「ららちゃん」の顔がハッキリと見えます。
『あは、良かったー、ちゃーんと目を見て話してくれた』
「ららちゃん」は満面の笑みで「わたし」を見て、それから「わたし」の首に両腕を廻してきます。
『ごめんね、なでこちゃん、試しちゃった』
『ひどいよ、ららちゃん』
『ひどいついでにもう一つお願いが有るんだ、これからのツインズの活動方針だけどね、私は問題が起こってるのに、目を逸らせて他人顔をしている
小悪魔的に謝るって、いったいどんな感じなのでしょう? それでも「ららちゃん」のしたいことはなんとなく分かりました。
あれから約三か月です。
「ららちゃん」は【ファイヤーシスターズ】時代からの
そろそろ「わたし」の謝罪回数も百に届くかという
そんな七月の
一組から五組までの男女一人ずつが着席できるように、机と椅子が五つずつ向い合せで並べられていましたので、最初に入室した「わたし」は窓際の一番端の席に座ります、やはり
『オッツー、あれーまだ一人? おお千石撫子じゃん、これはこれはツインズの片割れと一緒とは、テンション上がるねー』
シンとした共用室には不釣り合いな、
『あ・どうも・はじめまして』
慌てて立ち上がり、深めのお
『やめてよー、そんな他人行儀な
自分でも分かります、ぎこち無さ過ぎです。
『えへ・ですよねー、ちょっと緊張しちゃって、わたしこういう会議って
頑張りました、なんとか笑顔で応えることが出来ました、謝罪スキルの成果かな?
『何言ってるの? 千石さん二年の時って学級委員長だったじゃん』
小麦色に日焼けした顔、白い歯を覗かせて快活に話す女子は、全くと言っていいでしょう、その言葉には後ろめたさなど微塵も有りませんでした、ですが…
『ちょっと…、その頃の話は禁句じゃなかったっけ』
その光景を見る「わたし」はと言いますと、おそらく張りぼての様な笑顔を浮かべていたのでしょうね、三人共「わたし」から視線を逸らして無言のまま着席しましたから、痛いです、いろいろと…。
仕方なく「わたし」も着席をしようと、椅子を引いた時でした。
『……あなたの席は向こうでしょう……』
今にも消え入りそうな
ですが、「わたし」はすぐに振り向くことが出来ません。
悪寒? 金縛り? 理由は分かりませんが声のした方を見てはいけない気がして、「わたし」は動くことが出来ませんでした。
『……どうしたの…向こうよ……』
「わたし」の前に差し出された
一呼吸置いて、そーっと薄く目を開きました。
『あれ……』
「わたし」の視界に映し出された手は人の物でした。
やっぱり錯覚なのだと安心した「わたし」は、視界に映る手から腕へと視線を移していきます…
そして、そのまま消え入りそうな声を発した人物へ……
『ひっ……』
絶句しました。
「わたし」は呼吸をするのも忘れ、一点を見つめます…
さて、これを何と表現すれば良いのでしょう…?
いま「わたし」の目の前にいる人物を、一言で言い表すのならば「わたし」です。
自分のことを「なでこ」と呼んでいた頃の「わたし」
前髪で人の視線から顔を隠していた頃の「わたし」
俯き目を合わせることを避けることで、他者を
見れば見るほどに、そこにいる人物は「わたし」でした。
言い様のない震えが身体中から
春に
・
こういうのって何て言いましたっけ、そう【狐につままれた】です。